バス釣りに必要な10つ道具【趣味と道具】プロアングラー吉田遊 | G-SHOCK 腕時計 Skip to content

【趣味と道具】
 プロアングラー吉田遊さん直伝!
バス釣りに必要な10 Tools

今年からバスフィッシングを始めようと考えている初心者に向けて、
その道のプロ(吉田遊)があると便利なツールをレクチャーする企画。
今からでも遅くない、バス釣りのすゝめ!

競世の中に数多ある職業の中から、好きなことをタフネスに貫き、とにかく楽しみながら暮らしている方のもとを訪ね、道具のイロハについて尋ねる連載企画。
第一回目にフォーカスするのは、コロナ禍以降、特に人気が高まりつつある“釣り”。
取材をするのは、プロアングラーの吉田遊さん。

リサーチによると、どうやらこの方、ファッション界でも注目を集める釣り人らしい。見た目は少し強面ながら実はとっても優しい人物……なのだとか。そんな事前情報を頼りに吉田遊さんのいる茨城県へと向かった。

 

ーー早速ですが、遊さんはどういった活動をされている方なんですか?

吉田遊さん(以下、吉田):拠点の霞ヶ浦をフィールドにバスフィッシングを行っている釣り人です。スナイパーというフィッシングアパレルブランドも展開しています。

ーーそもそも、プロアングラーとはどういったご職業ですか?

吉田:釣りが生業です!(笑)釣り?と思いがちでしょうが・・・メディアで釣りをしたり、釣具の開発をしたりしてます。が、これはあくまでも俺の考えるプロのアングラーの定義です。自分は大会には出ません。コンペティターじゃないのでリザルトがあって1位2位を決める世界ではない。でも、ルールがない世界で生きているかっていうと、それはまた違う。モラルを持ちながら自然の中で感謝をしながら遊ぶことができる釣り人がプロだと考えています。

ーーなるほど。

吉田:釣りたい気持ちが強過ぎて危ない場所でやりがちだけど、禁止場所では絶対にやらない。魚を痛めない。ゴミを捨てない。そういった意識と自覚を持って自然に感謝して釣りをする人が俺の考えるプロのアングラー。お金をもらって生活をするってことはその次にあることだと考えています。

ーー
普段は釣り以外にどういった活動をされているんですか?

吉田:
スナイパーが今年で20周年。それがベースとしてあって、それ以外には、ルアーをプロデュースして作ったり、ヘリーハンセンのフィッシングラインやニューエラのウエアラインの監修やアドバイザーなどをやってます。

ーー
釣りのキャリアはどれくらいなんですか?

吉田:
横浜で生まれて埼玉で育ったんです。海ナシ県の埼玉で育った俺は、海よりも池とか川が身近でした。当時の子供たちの間でブラックバスといえば、図鑑に載っているような「どうやらルアーで釣れるらしい」といった幻の魚だったんです。それこそ、釣りキチ三平の世界です。

ーーまだ日本では珍しかったんですね。

吉田:でも「実は日本でも釣れるらしい」って情報をキッチするんです。そうすると、どんどん興味が湧く。そういった経緯で小学生の頃に始めました。ただ、思春期になると色々な誘惑があって一度は離れるんです。そこからだいぶ月日が流れた21歳の時にまた興味を持つ様になりました。小学生の頃よりお金があるから、当時は買えなかったものを買い焦って、そこからどっぷりハマって今に至る。もうかれこれ、25年くらい続けています。 

ーー“趣味を仕事にする”多くの人が夢見る様な生活をされていますよね。吉田さんの様に好きなことで生きるためのコツってあったりするんですか?

吉田:実はそこまで深く考えたことがないんですよ。カッコつけてるわけではないけど、ただ好きだからやってる。好きだから120%で追求 & 探究していたらこうなりました。ホントにそれだけ!

ーーそもそも、120%で追求 & 探究するってことがなかなかできないことですもんね。

吉田:強いて言うなら“覚悟”かもしれません。仕事にするには稼がなくてはいけない。趣味とか好きなことに対しては常に120%の力を出せると思う。それが仕事になると、残念なことに70%になってしまうことがある、だって人間だもん(笑)。それを趣味と同じ120%にする覚悟があるかどうかじゃないですかね。

ーー吉田さんがバス釣りで大切にしていることはなんですか?

吉田:釣り人にも色々なタイプがいますが、俺はただ大きな魚が釣れればいいっていう釣り人じゃない。そりゃあ、釣れるにこしたことはないですよ。でもそこにストーリー性を持たせていかに喜べるかってことを大切にしています。

ーーと言いますと?

吉田:釣れた魚より釣った魚が好きです!例えば朝一で「今日どんな感じかな」って試しで投げたルアーにいきなり自己新記録が出たとします。あくまでも俺の話ですが、それは“釣った”ではなく“釣れちゃった魚”。それよりも、事前にしっかりと計画して3日間通ったのに釣れなくても、最後にようやく釣れた魚の方が嬉しい。サイズが小さかったとしても、大きさに負けない価値がある。「俺の方程式は間違ってなかった」ってね! そういった喜びを感じることができる釣り人でいたいんです。

ーー吉田さんの様に好きなことを仕事にすることは無理かもしれないけど、夢中になれる何かを見つけたいって人は多いと思います。これからバスフィッシングを始めたい人は、まずどういったものを買えばいいですか?

吉田:釣具屋さんにいくと、ものすごい量の商品があって、どれを買っていいかわからないですよね。まずはスタッフの方に聞いてチョイスするのが一番。でもその前に最低限の予備知識は持っておいた方がいいですよね。というわけで、吉田遊流の最低限持っておいた方がいいオススメツールをご紹介いたしましょう!

①ロッドは繋ぎ目なしの1ピースがおススメ!

ブランド:レイドジャパン グラディエーター アンチ

釣りの必須アイテムといえば、まずはロッドと呼ばれる竿です。ロッドには、ジョイントと呼ばれる繋ぎ目があって、二等分、四等分できるものがありますが、俺はワンピースといわれる繋ぎ目なしの一本ものをオススメします。

その理由は“感覚”です。

ロッドにはリールが付いていて、そこから釣り糸、ルアーがあって、その先には水面があって水中になる。水の中からのメッセージを俺たちは感覚を研ぎ澄ませて想像しなければいけません。繋ぎ目があると水中から手に届く感覚がクッションになってわかりづらい。例えば糸電話。あれも、糸がピーンっと張ったものと糸と糸との間に粘土がくっついちゃったものとなら、前者の方が感度がいい。それと同じ!

ただ、近年は繋ぎ目のあるロッドも素材やテクノロジーが進んで良いものが沢山ありますから、決してジョイントがあるものがダメってわけではないですよ。自分のスタイルってものがあるから、それに合わせて選んだ方がいい。とはいえ、最初はそういったスタイルなんてわからない。だから例えば車を持っているなら1ピースロッド、とか自分の環境に合わせた選び方でいいと思います。

②リールは中間のノーマルギアが最適

ブランド:シマノ カルカッタコンクエスト

リールには、ギア比やサイズ、左巻きか右巻きなど選ぶ基準が色々とあります。これから始めようって人にこの辺りの話を一から説明すると、もうそれだけでお腹いっぱいで興味が薄れてしまいそう(笑)。なので今回は、ギア比について簡単にお話ししますね。

リールのギア比ってのは、ハンドルを1回転させた時に何回転するかってこと。自転車のギア比と同じです。

ギア比が低いと巻き上げ力が強いので大きな魚の時は有利。でもハンドルを回す回数が増えるので疲れてしまう。

逆にギア比が高いと糸を巻き取るスピードが速いのでルアーを素早く回収できてテンポのいい釣りができる。ただ、早く巻き取れるが故にルアーのポテンシャルを120%出せない。

どちらにもメリットとデメリットが他にもですがあります。

こういった違いで選ぶのは、何度もフィールに足を運んで自分のスタイルが確立されてきてからの話です。まずはどちらにも振れる、中間のノーマルギアを選んだ方がいいと思いますよ。

③ルアーは最低3つは持っておこう

釣り人というと、ルアーをたくさん持ってるイメージがありません? みなさんきっと、「そんなに必要?」「一個で十分でしょ」なんてお思いでしょう! 答えは簡単。

必要なんです(笑)。

ルアーって10種類あるとそれぞれで動きが異なる。そこにカラーが10種類あると100通りになるわけです。なぜ色違いでたくさん持っているかというと、天候だったり水の色で、魚がこっちの色には反応しないけどこっちの色には反応するっていう状況になるんです。

決して、いっぱい持ってるからといって釣れるわけではないですよ。ただ、いっぱい持ってないと状況にアジャストできない。誰かと一緒に行って「あいつには釣れてるのに俺には釣れない」って時にたくさんの種類を持ってないと後悔します。なので、同じルアーでもどんどん色が増えていってしまう。

それともう一つは、投げるのが下手でどこかに引っ掛けてしまう可能性がある。そうなると帰らぬルアーになってしまう。

ここまで聞いたら1個だと不安になってきたでしょ(笑)?。 釣りって心にゆとりがないと急に釣れなくなるんですよ。だからルアーは何個か持っておいた方がいい!

はじめは自分の好きな色や形から選べばいいと思いますよ。

④糸はフロロカーボンがGood!

ブランド:シガー R18

ライン(釣り糸)には大きく分類するとナイロンとフロロカーボンとPEの3種類があります。

まずナイロンは、一般的で汎用性の高いライン。しなやかで伸びやすく初心者でも使いやすいのが特徴ですが、劣化が早く摩擦にも弱い。

フロロカーボンはハリとコシがあって強度も高い。水に沈みやすいし根ズレに強い。伸びにくいからアタリが伝わりやすい。

PEはフロロカーボンよりも軽くて強いから、軽いルアーをものすごく遠くに飛ばしたい時に向いてる。感度が高いからアタリが伝わりやすいって意味ではいいんだけど、岩や木のエッジにすれたら簡単に切れる。

以上がそれぞれの特色です。

これもやはり、自分の釣りのスタイルに合わせて使い分けていけばいいと思うけど、まずは真ん中のフロロカーボンをオススメします。ちなみにバス釣りでは、フロロカーボンを使ってる人が圧倒的に多いですよ。

余談だけど、写真はシーガーってブランドのもので、“フロロカーボンといえば”ってくらい有名な日本生まれのパイオニア。時計でいえばカシオみたいな立ち位置ですね!

⑤できればサングラスはタフ素材を選ぶ

ブランド:オークリー

釣り用のサングラスといえば、光の反射を軽減する偏光レンズ。水の中の魚が見やすいから釣りに対してのアドバンテージになります。という理屈はもっと上手くなってからの話。初心者がまず大切にしなければいけないのは、目を守ることです。

ルアーには返しがある針が2、3個ついています。投げた時に自分のルアーや人のルアーが顔の近くに飛んでくる可能性がある。特に初めての人は、どのくらいの力加減で投げていいのかわからないからより危険。

俺が持ってるのはオークリーのサングラス。このブランドのモデルの中には散弾銃で撃っても割れない強度を持ったレンズがあるんです。

「釣りにそんなの必要?」「オーバースペックでしょ」なんて思いますよね。決してそんなことはないんですよ。

オモリの役割として、バレットシンカーと呼ばれるピストルの玉みたいな形状の鉛を付けることがあります。脅かすつもりはないけど、投げ方が分からなかったり、まだ上手じゃないと、それがものすごい勢いで飛んでくることだってある。だから俺は目を守る意味でも、それくらい強度の高いサングラスを愛用しています。

⑥プライヤーはハサミ付きだと便利

ブランド:クニペックス フィッシングプライヤー

俺も経験がありますが、魚の口に引っ掛かったルアーを手で外そうとすると、魚が暴れて針が手に刺さってしまうことがある。そういったリスクを回避するための道具がプライヤーです。魚はヌメヌメしてるから、慣れてない人だと最初は特に取りづらくて危険です。

プライヤーにハサミ機能があるものならさらに便利。ルアーを結び変えたりするために糸を切ったりする回数が多いですから。

まだ釣りを始めたばかりでそこまで予算がないよって人は、100円均一に売ってるペンチでも構いません。ただ、水辺で使うのですぐに錆びる。長く使うのであれば、ある程度の金額を出して錆びにくいものにした方がいい。

俺が愛用してるのは、 クニペックスっていうドイツの工具メイカーのラジオペンチ。釣り道具屋が作ったプライヤーではなくて、プライヤー屋が釣具向けに作ってるってところがポイント。奥まった針をとる時に手を痛めない様にガードが付いていたり、PEラインの切断も可能なニッパーが付いてる。クロームメッキコーティングなので錆びにくい。これ、かなり最高です!

⑦メジャーは誰か一人が持っておけばいい

人よりもデカい獲物を釣りたいってのが釣り人の性。だけど、冒頭でも話した通り、サイズには拘らなくてもいいと思う。大きさに囚われてしまうとつまらなくなってしまうこともありますから。

まぁ、そんな御託は置いといて、やっぱり始めた頃は「大きいの釣ったぜ」ってSNSで人に自慢するのも楽しい。なのでこのツールは、一緒にいくメンバーの1人が持っていればokです。家にあるメジャーでも大丈夫だけど、サビの心配や防水性を考慮するなら釣り用のターポリン性メジャーがあると便利ですね。

くれぐれも気をつけて欲しいのは、写真をごまかすこと。俺が聞いた話だと、サイズを図るときにメジャーをごまかして(大きく見えるように)写真を撮っちゃうやつがいるらしい。そういったみっともない釣り人にはならないでくださいね(笑)!

あとはなるべく魚にダメージを与えないように測定しましょう!

⑧ライフジャケットは多機能ポケット付きを選ぶ

ブランド:HELLY HANSEN ANGLER(ヘリーハンセン アングラー) ライフジャケット

釣りは水辺での遊びなわけですから、こういったギア類は持っておいた方がいいですよ。自然と遊ぶ以上、自分の身は自分で守る。

今、装備してるのは、ジャケット自体が浮力帯だからこのまま落ちても大丈夫。ボックスが入る大きなポケットが付いてるので利便性も高いです。

ただ、夏場はすごく暑い。腰に巻いてコードを引くと浮き輪が飛び出るタイプもあるから、サマーシーズンはそういったものを選んでもいいかもしれませんね。

⑨キャップは意外と見落としがちだけど超重要

ブランド:ニューエラ×スナイパー 9FIFTY

サングラスと一緒で一見そんなに必要なさそうだけど、実はかなり重要なツールがキャップ。最近はテック素材のものがいっぱい出てるって意味で、これも立派なギアの一種。

天候が晴れの日も雨の日もあって、それに応じて素材を考える必要があったり、水の中を見ようとするとキャップのツバがあるだけで見やすい。でもそれ以上に大切なのが、頭を守ること。

針から頭を守るって意味もあるけど、特に夏場は集中しすぎていつの間にか熱中症になってしまってることが多々ある。自分で意識してるつもりでも、ついつい没頭してしまう。夏場は意識する人も多いけど、以外と今の時期が危なかったりするんですよね。これからの時期はちゃんと水を飲んでキャップをかぶって熱中対策を取らないと。これ、当たり前のことかもしれないけど、意外と見落としがちな部分です!

⑩腕時計はコンパス付きに限る

ブランド:G-SHOCK(GW-9500-1JF/MUDMAN)

スマートフォンだと落っことしてしまった時が大変。時間の確認は腕時計が必須です。それに、俺と魚が真剣に向き合ってる大切な時間を電話やメールに邪魔されたくない(笑)。連絡をくれてる人が悪いわけではない、俺が悪い。すいません!

俺が腕時計に求める機能は主に2つ。ひとつがアラーム機能。湖上にいる時は日没時間を計算して、帰り道にかかる時間も計算して大体これくらいに終了するって時間をアラームにセットします。

もう一つは、コンパス。ビッグフィールドになると、風を意識した釣りになる。東風が吹いてるって言われても、それが真東なのか南寄りの東なのかによって風が当たる面が変わってくる。そう言った時にコンパスを利用しますね。

俺が愛用してるのはマッドマンってモデル。G-SHOCKだから衝撃に強いってことはみなさんご存知だと思いますけど、これは高度・方位・気圧/ 温度のトリプルセンサーが付いていてサバイバルだとか、よりハードな環境での使用を想定している某泥性に優れたリアルタフネス仕様。まぁ、モデル名が“マッドマン”なんだから、俺たちみたいなフィールドにいる人間が使うのに打ってつけなわけです!

ーー最後に吉田さんにとって最もタスネスな道具はなんですか?

吉田:俺自身じゃないですか。いや、ホントに(笑)。年齢を重ねて体力は落ちてきたけど、未だに動き回ってますよ。朝まで遊んで少し仮眠とって釣りしてちょっと仕事して。若い子達から「遊さんってタフですねー。眠くないですか? 朝寒くないですかー」なんていわれるんですけど、イヤイヤ、俺だって眠いし寒いっーの。行きたい気持ちが強すぎて気がついたらフィールドにいるんですよ。

ーーそれでは、最後に何かメッセージを!

吉田:まず最初は、誰か釣りをやる人と行った方がいいです。知識がないと何も前に進まないですから。それと、ここまで色々とツールを紹介してきましたが、これが正解ってことがないことを覚えておいてください。人間と違って生き物相手に遊ぶので、釣った時にしか正解がわからない。俺たちの答えはいつもバスと共にある!

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