江川親子(芳文&之雲) が 世代を超えて語る
G-SHOCKストーリー
スケートボードやピストバイク、音楽にアートといった
ストリートカルチャーをこよなく愛する
江川芳文(YOPPI)さんと之雲くん親子によるG-SHOCK対談!
G-SHOCKが日本で一大ブームとなった90年代にプロスケーターとして活躍し、人気アパレルブランドを手掛けられていた原宿ファッション界のキーマン、江川芳文さん。YOPPI(ヨッピー)の愛称で親しまれる彼は、スペイン語で “大人・子供”を意味するアパレルブランドのHombre Nino(オンブレニーニョ)を手掛け現在も第一線で活躍中。そんなヨッピーさんの背中を見て育った之雲(ユクモ)くんは、父と同様の趣味にどっぷりと浸かるストリートヘッズへと成長。現在はモデルとしてのキャリアをスタートさせている。
そんな現役世代と新世代の2人が繰り広げる、世代を超えたG-SHOCKバナシの始まりです!
『背景に伝えたいカルチャーがあるからこそ、
ずっと手元に残しておきたい』by ヨッピー
『僕にとってのG-SHOCKは、毎朝の服装選びが楽しくなる
スニーカーのような存在』by ユクモ
カルチャーを感じるお気に入りのG-SHOCKは現在息子が……。
ーー2023年で40周年を迎えるG-SHOCKですが、日本でヒットするきっかけは、90年代の渋谷にあります。ヨッピーさんはこの当時の原宿で、今となっては伝説として語られることも多い、HECTIC(ヘクティク)というブランドを手がけられていましたよね。G-SHOCKブームを肌で体感されていたひとりでもあるわけですが、その頃のG-SHOCKの印象や愛用していたモデルなどを教えていただけますか?
江川芳文(以下:ヨッピー):その頃の思い出といえば、カシオさんにお願いしてHECTICの別注アイテムを作ったことです。
ーーおっ、G-SHOCKのですか?
ヨッピー:黄色のカラー別注でデータバンクをリリースしました。
ーーありましたね。現在40歳前後の裏原宿世代にとっては非常に懐かしいモデルですね。
ヨッピー:本当はG-SHOCKでやりたかったんですけど、あえてデータバンクを選んだんです。
ーーそれはなぜですか?
ヨッピー:人気のものよりもサブキャラを選んでしまう天邪鬼な性格からですかね。それがHECTICらしくて良かったみたいでかなり好評でした。
ーーG-SHOCKはつけられてましたか?
ヨッピー:中学の入学祝いで親に《DW-5600E-1》を買ってもらって、10代の頃はよくそれをつけていました。“あの映画”でお馴染みのモデルですね。
※DW-5600E-1は現在生産を終了しています。後継モデルは【こちら】
ーー今日は現在も所有されている思い入れの強いG-SHOCKをお持ちいただきました。早速、紹介してもらえますか。
ヨッピー:これは90年代当時のものではないですが、(写真左から)ジオバーニ・エステベス、フューチュラ、スタッシュのコラボモデルです。全部、箱も大切に保存してます。
ーースケートボードカルチャーと深くリンクするジオバーニ・エステベスやグラフィティライターとのコラボモデルですね。やっぱりファッションをただのファッションと捉えず、その背景にあるストーリーも含めて提案してきた裏原カルチャー、その牽引者のひとりでもあるヨッピーさんならではのチョイスといえますね。
ヨッピー:G-SHOCKは様々なカルチャーとコラボレートすることで時計に“時間をチェックするだけのものでなない”という付加価値をつけたんだと思います。ひとつのアートピースとしても存在感を発揮する。だからこうやって50歳を超えた今も大切に手元に残しておきたくなるんだと思います。
ーーTシャツのグラフィックと同じで肌に身につけられるアートですよね。
ヨッピー:僕たちが好きになるものって必ずストーリーがあるんですよ。例えば今日持ってきたスケートボード。これは僕が16,7歳くらいの時にプロスケーターとしてリリースしたシグネチャーの板です。ちょうどこの前、「ウチにあったから本人に戻すよ」と、友人から譲り受けました。30年以上も前のものですが、今でもどこかにちゃんと残っている。そういったところがG-SHOCKのアイテムにも感じるんですよね。
ーーなんだか素敵なお話ですね! ちなみにこれらG-SHOCKは、今も現役バリバリで使われてるんですか?
ヨッピー:実はそれが……、全て息子に取られてしまいました。江川家所有ではありますが、正確には息子の私物になります(笑)。
ーーえっ…(笑)。ユクモくん、それはホント!?
江川之雲(以下:ユクモ):ホントです。父親の影響でG-SHOCKが好きになって、最初は借りてたんですが、1個もらってまた1個と、長い時間をかけて、今はだいたい僕のものになっています(笑)。
ーー家にはどれくらいのG-SHOCKがあるの?
ユクモ:あと5個くらいあります。
ーーすごい!
ユクモ:百均で時計を飾るのに丁度いい棚を見つけたので、今はそれに置いて飾ってます。
ーー完全にコレクターだね! ちなみに初めてつけたG-SHOCKはいつ・どのモデルか覚えてる?
ユクモ:小学4年生の時におばあちゃんに誕生日祝いで買ってもらった《 DW-5600TB-1JF ※写真下》です。絵を描くことが好きなので、昔スプレーで自分好みの色に塗ったんです。だいぶ塗装が剥げたので今はほぼ元々のデザインに戻ってますが、そういった思い出も含めて気に入ってます。今日つけてきたのは、仲良くしてもらってる(アーティストの)VERDYさんとのコラボアイテム《DW-5900WY-2JR ※写真上》です。
※DW-5600TB-1JFは現在生産を終了しています。
※DW-5900WY-2Jは現在完売しています。
どっぷりハマるきっかけは
ウンチクを知る楽しさにあり!?
ーー現在、15歳のユクモくんだけど、周りの友達はどんな時計をつけてるの? そもそも今のティーンたちは時計をつける習慣があるのかな?
ユクモ:つけない子もいるし、つけてる子はスマートウォッチが多いですね。僕はシンプルでシュッとした時計より、ゴツゴツしたデザインや配色がイケてるG-SHOCK一択です。
ーーさっきのコレクターの話に戻るけど、ユクモくんがそこまでG-SHOCKに魅了された理由はどこなんだろう?
ユクモ:スニーカーが好きで集めてる人っているじゃないですか、僕にとってのG-SHOCKは、その感覚に近いんだと思います。朝、服を選ぶ時に“今日はこの服だからこの時計、いやちょっと違うな、このモデルにしよう”って考えるのが楽しんですよね。
ーー初期衝動はなんだったの?
ヨッピー:完全に俺のマネですよ(笑)。
ユクモ:まぁ、そういうことですね(笑)。
ヨッピー:子供って家にあるものを見て育つから、スケートボードにピストバイク、ファッションにG-SHOCKと、自然とそうなっちゃうんでしょうね。
ーーなるほど。
ヨッピー:時計に興味を持ち始めた頃は、街ですれ違う人の腕元を見て「ウチにあるのと同じG-SHOCKだね」とか「あの人のG-SHOCKは見たことがない」ってチェックしてました。
ーー聞くところによると、今でも2人で旗艦店に遊びに行かれるとか?
ヨッピー:行きますよ。「あっ、今こんなの出てるんだ」「最近そういうのが気分? 好み変わったね」なんて話すのが楽しんですよ。ただ、特別な日にしか買ってあげませんけどね。見て楽しむだけ!
ーーなるほど。ユクモくんはコレクションするのが好きってことだけど、やっぱり誰も持ってないような希少価値が高いものに惹かれるの?
ユクモ:そんなことないですよ。完全にデザイン重視! いまはダイバーズウォッチが気になってます。
ーー本当に15歳(笑)? なんだかセンスが大人っぽい!
ユクモ:あのストップウォッチみたいなボタンが特徴的ですけど、他にもすごいハイテクな技術が搭載されてるんですよ。200m潜水用防水機能とか最大80mの水深計測とか、そういった説明を読んでいるだけでワクワクしちゃいます。ウンチクを調べ始めると面白すぎて止まらないんですよね。普通の生活には必要ない機能かもしれないけど、僕はそこにグッときます。
ヨッピー:俺より詳しいじゃん…。こんなに詳しいとは思わなかったのでビックリしてます! ちなみに僕、ダイバーズウォッチを持ってるんですけど、今の話を聞いたらまた取られちゃいそうなので、当分彼の前でつけるのはやめておこっと。
G-SHOCKのフィロソフィーは
世代を超えて共鳴できる!
ーーこれまでのヨッピーさんの活動において、スケートボードやピスト、音楽やアートといったカルチャーは切っても切り離せない大切な要素ですよね。G-SHOCKも音楽やスケート、BMXにアートといったカルチャーとコラボレートすることで世界に認知されるようになりました。このようなG-SHOCKの取り組みを見てヨッピーさんはどう感じられますか?
ヨッピー:東京2020の前後から、 スケートや自転車シーンをサポートし始める企業さんが増えてきましたよね。カルチャーの間口が広がるといった意味ですごく良い流れになってる。G-SHOCKのすごいところは、その遥か昔からそういったシーンと深くリンクしてフックアップし続けていることじゃないですかね。一番わかりやすいところでいうと、G-SHOCK REAL TOUGHNESSのようなイベントです。
ーー G-SHOCK REAL TOUGHNESS を知らない読者のために補足すると、“タフネス”をテーマにスケートボード・BMX・音楽・アート・ダンスなどのカルチャーをミックスしたイベントですよね。
ヨッピー:会場にはDJブースもあってショーケースもあって、爆音の中でスケートやBMXのコンテストが楽しめる。大人でもワクワクするのにキッズが楽しめないわけがないですよね。ユクモが小さい頃に連れていった時、大喜びしてたのを覚えてます。
ユクモ:六本木で開催されてたやつだ! 駒沢公園で自分が滑るのも楽しいけど、コンテストで他のスケーターの滑りを見るのも楽しいですよね。
ヨッピー:それにしても六本木のど真ん中であんなビッグイベントを開催するってすごい。しかも入場無料で楽しめる。若い世代が行きやすいってのもポイントだし、こういったカルチャーに少しでも興味がある人が気軽に立ち寄れるってところもいいですよね。
ーー2016年に優勝した中村輪夢(BMXライダー)もインタビューで「この大会のおかげで人生が変わった」と言っていました。そういえば、ヨッピーさんはTEAM G-SHOCKの山下京之助と交流がありますよね。
ヨッピー:もちろん。京之助くんは大好きなライダーですよ。
ユクモ:僕も憧れのライダーです!
ーー京之助の魅力をお二人の視点で語ると、ズバリどういったところでしょうか?
ヨッピー:いちファンとして僕が思うにですけど、普通はこれからやるトリックやラインが想像できちゃったりする。もちろんそれはそれでいいんだけど、京之助くんは、何をするかわからない、何をしでかすのかわからない感があって、見てるこちら側をワクワクさせてくれるんですよ。あと、タフでシャイな男!
ユクモ:周りがやらないような技をどれだけかっこよくできるか! そんなことを突き詰めてる人ってイメージです
ーーなるほど、ありがとうございます。そんな京之助のG-SHOCKのために撮影された最新パートがあるのでよかったらチェックしてください! それでは最後に冬のコーデに合わせたい一押しの一本をレコメンドしていただけますか?
ヨッピー:僕は最近いつもつけてるこのモデルにしようかな。
ーー《GST-B100XA-1AJF※》ですね。
※GST-B100XA-1AJFは現在完売しています。
ヨッピー:いや、今日はせっかくだから年末にゲットした《GMW-B5000D-1JF》を選びます。どちらのモデルにもいえることですが、親しみのあるザ・G-SHOCKなデザインも大好きなんですが、年齢を重ねた今はこういった高級感のあるモデルが気になるんですよ。年相応な気がするし、つけると背筋がピシッと伸びて仕事スイッチが入るんですよね。
ユクモ:僕は土砂が散乱しているような極限の陸上での使用を想定したマッドマスターシリーズのフラッグシップモデル《GWG-B1000-1AJF》です。最近ピストのレースに出るのが楽しくて、今度、山で開催されるレースにも参加する予定なんです。その時につけていきたい1本。
ーー自転車のレースに出るなら《DW-H5600》もおすすめだよ!
ユクモ:あっ、知ってます! レースでタイムを測ったりするのでそういった時に便利そうですよね。
ーースマホのGPSと連動して、自分がどこを走ったか確認できたり、心拍計測機能でトレーニング分析ができたりと、様々な機能がついています。文字盤がすっごく見やすいのも特徴なんですよ。
ユクモ:おおお、すげえ。しかもめっちゃ軽いんですよね。気になるな。
ーーそれにしても、こうやってお話を伺っていると、趣味やこだわりの深さがまるでヨッピーさんのようですね。
ヨッピーさん:親子ですから(笑)。
ーー今回のインタビューは、父から子へG-SHOCKの魅力を伝える! そんなテーマでお話をしてもらえればと思ってました。でも江川親子の場合は、“伝えるまでもなく、お子さんから寄り添ってきた”ということでしたね。素晴らしいお話をありがとうございました!