DJ MUROと巡る“G-SHOCKと渋谷”の“90年代と今”|HIP HOP|音楽 | G-SHOCK 腕時計 Skip to content

DJ MUROと巡る、
“G-SHOCKと渋谷” の “90年代と今”


G-SHOCKが日本で大ブームとなったのが90年代。その当時トレンドの発信地となる渋谷にいたDJのMURO氏は、当時と現代のG-SHOCKをどう見ているのか! 音楽のエピソードを軸にお話を聞いたら、最後は登山の話にたどり着いた!?

MUROとは?
King Of Diggin’の愛称で親しまれるDJにして音楽プロデューサー。自身が主催する渋谷・宇田川町を拠点とした音楽集団のK.O.D.Pには、錚々たるメンツが揃う。音楽シーンに絶大な影響を与えたヒップホップグループのMICROPHONE PAGERとしてTWIGYと活動を共にした。近年はオリジナルのアパレルブランド、RECOGNIZEも手がける。今回はそんなブランドとの親交が深いショップ、C・30にてインタビューを決行。

Topic 1
MUROさん世代と黒黄色の関係性

ーーG-SHOCKは日本よりもまずアメリカで最初に火がついたと言われています。1984年に全米で放映されたアイスホッケーのテレビCMがきっかけです。MUROさんはかなり感度の高い方。しかも、青年時代から誰よりもアメリカに注目されていたと思います。その当時アメリカでG-SHOCKがブームだったことをご存じでしたか?

MURO:イヤイヤ、流石に80年代は知りませんでしたよ。その話はこの前のヒカルくんのインタビューを読んで僕も知りました。

ーー当時のアメリカでは、消防士などタフな環境下で働く職業の方やスケートボーダーの間で特に愛用者が多かったそうです。

MURO:確かにタフな時計は、そういった方々に受け入れられそうですよね。

ーーMUROさんが初めてG-SHOCKの存在を知ったのはいつ頃ですか?

MURO:やはり僕も同世代のみなさんと同じで90年代です。初めてNYに行ったのが93年の夏なんですけど、その前後に初めてつけたと思います。

ーー特に記憶に残っているモデルってありますか?

MURO:モデル名までは思い出せませんが、黒黄色のモデルだったことは確かです。

ーーなぜ黒黄色なんですか?

MURO:G-SHOCKに限った話ではないんですけど、僕の周りでは電化製品だったり、車のハマーだったり、とにかく黒黄色がすごく流行っていたんです。僕もこの色でCDをリリースしたことがあります。

ーーなるほど、MUROさん個人に限った話ではなく、その当時の渋谷全体がそういったムードだったってことなんですね。

MURO:そうなんです。B-BOYはみんなこの色に惹かれていたと思います。NYでそういったカラーリングのものを買い付けてくると即完していましたから。

ーー何か理由があるんですか?

MURO:分かりやすいところで言えば(ヒップホップグループの)ウータン・クランです。黒黄色といえばブラックミュージックのイメージが強い時代だったんですよ。

ーー確かにそうかもしれません。ちょうどここにポスターがありますが、ウータン・クランといえば黒黄のイメージをみんなもってますよね。残念ながら、こちらは青なので説得力がないですが…(汗)。

MURO:これが黒黄色だったら分かりやすかったんですけどね(笑)。

ーーやっぱりMUROさんは色のルーツも音楽なんですね。

MURO:イヤ、僕の場合は子供の頃から一番好きな色が黄だったんですよ。

ーーどうしてですか?

MURO:タマゴが好きだったからです。

ーータマゴ……?。

MURO:いわゆる、あの食べ物の卵です。

ーーまさか、音楽とは違ったところにルーツがあるとは意外すぎます(笑)。

MURO:卵を食べすぎて入院したことがあるくらいですから(笑)。

ーー黒黄色以外で何か思い出深いモデルってありますか?

MURO:スケルトンのモデルですね。

ーーMUROさん世代の方って、G-SHOCKの話をするとスケルトンの話題が出ることが多い気がします。

MURO:スケルトンの時計って当時は衝撃的でしたから。

ーーなるほど。

MURO:これもG-SHOCKに限った話ではないですけど、この当時クリアのものがとにかく流行っていたんですよ。レコードプレイヤーにしてもベスタックスから透明のミキサーが出ていたりしてましたからね。あと、携帯電話がまだなくてポケベルの時代。そのポケベルをNYでスケルトンに改造するのがトレンドで、僕の周辺は結構みんなやってましたね。

ーーそうなんですね。

MURO:音楽もカセットテープがメインの時代。カセットテープもプラスチックのケースに入っているじゃないですか、なので僕ら世代にはスケルトンが親しみやすかったのかもしれないですね。

ーーG-SHOCKがこれだけストリートに受け入れられた理由のひとつに“カラー展開を導入した”というものがあります。

MURO:どういうことですか?

ーーそれまでのG-SHOCKといえば黒やシルバーが一般的でしたが、スケルトンや黒以外のカラー展開をいち早く始めたことがきっかけでストリートで一気に支持されるようになったんです。 DW-5600の最初のカラー追加が黄色だったので、今でも90年代をイメージさせる復刻モデルに黄色は欠かせないカラーなんです。

MURO:へー、それは面白い情報ですね!

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Topic 2
火付け役はインポートショップ!?

ーー先ほどもお話しした通り、G-SHOCKは逆輸入という形で日本でも認知されるようになりました。資料には1997に渋谷で大ヒットしたとあります。

MURO:当時人気のあったモデルってどれなんですか?

ーー代表的なモデルだとDW-6900です。

【継承モデル】

MURO:三つ目というヤツですね!

ーー黄色というキーワードでいうと、丸みを帯びたシルエットが特徴のDW-001も人気でした。

MURO:通称:ジェイソンですね。持ってましたよ。

【DW-001とは?】

ーー96年には渋谷の宇田川町にセレクトショップのSavageをスタートされていましたよね。このショップには多くのB-BOYが足を運んだと思うんですけど、こちらでG-SHOCKも取り扱われていましたか?

MURO:もちろん、スニーカーと一緒にG-SHOCKも買い付けてましたよ。

ーー実はそういったインポートショップでの取り扱いがきっかけで人気に火がついたんです。

MURO:えっ、そうなんですか?

ーーカシオの社員が目をつけて、渋谷の取引先に「今、これがきているから」と営業をかけて量産し、ヒットに繋がったというエピソードがあるんです。

MURO:それは驚きですね!

ーーなのでMUROさんのような感度の高い方に買い付けをしていただいたおかげでもあるんですよ。

MURO:てっきり怒られんのかな? ってヒヤヒヤしましたけど、それはよかったです(笑)。

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Topic 3
巨大な文字盤でDJをした忘れられない体験

ーーそんなG-SHOCKは、音楽やアート、スポーツなどのカルチャーとのコラボレートで大きく成長することができました。何かMUROさんならではのG-SHOCKとカルチャーがリンクしたエピソードってありますか?

MURO:まずアートでいえば僕の中では(エリック)ヘイズです。

ーーMUROさんとヘイズはかなり親交が深いイメージです。

MURO:ヒップホップのアーティストのロゴデザインをされていたので昔から大好きなアーティストなんですよ。僕が20周年の時にロゴを描いてもらったりもしています。

ーー今年(2024年)、日本上陸30周年を記念したアート展が開催されていましたよね。そこでディスプレイされていた、MUROさんとヘイズの昔のコラボアイテムを多くのファンが懐かしそうにチェックしていました。

MURO:嬉しいですね。

ーーG-SHOCKも何度かヘイズとコラボアイテムを展開しているんですよ。

MURO:もちろん知ってますし、持ってますよ。でもちょっと特別すぎて、怖くてつけられないですね。本当は使わなきゃなんですけど、家で大切に保管してます。

ーー次は音楽の話も教えてください!

MURO:特に記憶に残ってるのが、須永辰緒さんが毎年やられていた“夜ジャズ”というイベントです。お台場の遊覧船にのって夜の東京を眺めながら音楽を聴けるという最高のイベント(OCEANUS presents 夜ジャズ NIGHT CRUISE EDITION ~Tatsuo Sunaga Birthday Exclusive Bash~)に僕も呼んでいただいて。これはカシオさん(OCEANUS)がサポートされていましたよね。

ーー須永辰緒さんやMUROさんたちのDJでナイトクルージングなんて贅沢すぎますね。

MURO:もうひとつ記憶に残っているのが、15年くらい前にG-SHOCKのお仕事でタイに行かせていただいた時のことです! 時計の文字盤を象った巨大スペースがあって、その中に設置されたブースでDJをさせてもらったんです。スケールの大きさや斬新なアイディアにビックリしました。今でも忘れられない体験です。時計のデザインだけでなく、そういった面白いチャレンジもG-SHOCKならではですよね。

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Topic 4
これからG-SHOCKは登山に愛用!?

ーーDJのお話がありましたが、MUROさんはDJをするとき時計をつけますか?

MURO:DJ中に時間を意識しすぎるのもな、と思って今はあまりつけなくなりました。でも若い頃は必ずつけてましたよ。オープンラストの時代があって、上の人たちとやる時は「これくらいで終わらせないといけない」ってビクビクしながら時計で時間をチェックしてましたから(笑)。

ーーMUROさんにもそんな時代があったんですね(笑)。

MURO:ありましたよ。

ーー時計は機能とアクセサリーのどちらの役割もあると思うんですが、MUROさんは機能重視派ですか?

MURO:僕は未だにアクセサリー重視派だと思います。

ーーG-SHOCKのアクセサリーとしての魅力的なポイントってどこでしょう?

MURO:ここまでゴツくて尚且つ色味のあるものって、他の時計ブランドだとなかなか見当たらないですよね。僕は今日のパンツのような柄モノが好きなんですけど、時計をアクセサリーとして考えると、こういったアイテムに合うのってやっぱりG-SHOCKなんですよね。

ーー確かに今日の着こなしにRANGEMAN GPR-H1000がぴったりハマってますね。

MURO:僕の青春時代は、オーバーサイズの服だったり、靴もわざと大きめを選んで大きく見せるだとか、車でもなんでも、ゴッツイものを選んだもん勝ちの時代。なのでG-SHOCKがちょうどよかった。その影響が今でも抜けませんね。

ーー丁度、後ろにパブリック・エナミーの写真がディスプレイされています。フレイヴァー・フレイヴが身につけるシャワークロックが物語ってますね(笑)。

MURO:ですね(笑)。

ーーでは、機能面でのお話をさせてください。MUROさんが初めてG-SHOCKに触れた時からアップデートを繰り返しながら、機能面が遥かに向上しています。まさに今日つけられてるモデルは、様々なアウトドアでの使用を想定したモデルで、距離、速度、タイム、ペース、心拍、消費カロリーなど9種類のアクティビティ計測ができるんですよ。

MURO:時計で心拍数なんて測ったことがなかったですけど、そういった機能性の説明を聞くと気になりますね。

ーー運動とかはされるんですか?

MURO:犬の散歩に付き合うくらいです(笑)。まずは万歩計感覚で使ってみようかな。

ーーこちら、ランニングやウォーキングはもちろんですが、トレッキングやトレイルランニングでの使用も想定されているんです。MUROさん登山はされませんよね。

MURO:実は僕、こう見えて山に登るんですよ。

ーーえっ、それは意外です。いつ頃、始められたんですか?

MURO:小1からです。御嶽山ってところがあって、じいちゃんが頂上で神主をやってたんですよ。なので毎年ずーっと登ってました。山登りっていうよりは、じいちゃんに会いに行くってニュアンスですけど、標高3,000mを超える山ではあるので、それなりにハードな体験をしてました。

ーー今でも登られるんですか?

MURO:噴火しちゃってからは行けてないんですけど、そろそろまた登れるみたいなのでチャレンジしてみるつもりです。

ーーその際、ぜひこのモデルを活用してみてください。

MURO:いいですね、使ってみます。

ーー黄色のカラー展開が斬新で日本のストリートで一気に火がついた。その発信地となったのが渋谷のインポートショップだった。その重要な2つの要素に関わられてるMUROさんは、ブームの火付け役の中心にいたキーマンだと思います。そんなMUROさんが、今度はG-SHOCKを機能としても使う。なんだか、また新しい流れが来る予感がしてワクワクしてきました。今日はありがとうございました!

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