関西の人間には子供の頃からお馴染みの土曜お昼の「吉本新喜劇」オープニングのテーマ曲。関西人なら誰もが知ってるこの曲、今までずっと(キダタローとか)オリジナルのテーマ曲だと思っていたら、先ほど見ていたTVのバラエティ番組で、古くからポピュラーな「Somebody Stole My Gal」と言うディキシーランド・ジャズの引用だと言っていた。へえ!と思ってさっそく Youtube で調べて見ると、なるほど結構な数の演奏の動画を観ることができる。どれも3分から4分程度の短い演奏なので取り上げてみると、例えば古くはフレッチャー・ヘンダーソンのビッグバンドの演奏(1931年)では、テナー・サックスにはコールマン・ホーキンスの名前も見え、ボーカルはなかなか都会的で洒落た感じの演奏。
また、ラグタイム調のアレンジでPPMのようなカントリーとかフォークソングっぽい印象の演奏↓などは、かつて大阪では憂歌団とか上田正樹とかといっしょに活躍していた有山じゅんじを思い出すような軽快な印象だったり
下の動画などからは、関西人のコテコテのノリの印象の曲が案外アメリカではポピュラーなんだなあ、というのが感じられたり
ほかにも自衛隊の楽団が結構完璧なコピーでノリのよい演奏をしているのがあったり(一番下の動画)で面白い。やっぱり大阪人にはディキシーのようなサウスなノリがよく合うのである。で、新喜劇のテーマは下の Pee Wee Hunt の1954年の録音からのものを使用しているようだ。数あるポピュラーナンバーの中から、これほど吉本新喜劇のイメージにピッタリあった演奏を探し出してきて番組オープニング曲に使用した音楽担当者のセンスには脱帽する。ばかばかしいお笑い番組ながら、よくよく聴いてみると結構本格的な演奏の、なかなかの名曲なのである。