釣り人は誰でも一度は「釣りをしていくうえで高価な釣具は本当に必要なのか」「安い釣具では駄目なのか」と考えるのではないでしょうか。今回の記事では、筆者の経験をもとに、高価な釣具が本当に必要なのかについての意見を述べます。

高いのは分かる…だけど高価な釣具を手に入れたい

釣りをしているとふと、「高価な釣具を使ってみたいなー」と思うことはありませんか?

筆者もその一人で、「ロッドとリールは高いものを使ってみたい」という欲が強く出てしまい、高価な釣具のことで頭がいっぱいになる日々を過ごしていました。

高価な釣具が欲しくなるパターンとして、「高価な釣具ならアタリが取りやすくなって釣果が伸びるのでは?」「憧れのプロアングラーと同じタックルを使ってみたい」といったものがあると思います。筆者はその両方でした。

お気に入りのあまりの高さに涙目

高価な釣具を実際に触ってみようと思い立った私は、とある日に釣具店に出向いてみました。しかし値札を見て開いた口が塞がりませんでした。

「こんなの無理だろ…」と正直思い、涙目になりながら立ち尽くす私。まるで絶望の淵に立たされているかのように感じられました。

「6万以上もする釣具なんて誰が買うんや!」と、小さな子どもみたいに心のなかで癇癪を起こしてしまった私ですが、自分が大人であることを思い出し、一度冷静になるために深呼吸をひとつ。

改めて考えると、それぞれのパーツに高級な素材を用い、メーカーが誇る技術で開発されている釣具が高いのは当然。それでもやっぱり、高いものは高いのです。

覚悟を決めて購入を決意

高価な釣具への思いは高まるばかり。

頭のなかでは、「本当に買うのか?他のことに使えばかなりの贅沢ができるぞ?」という天使の声と、「今買わないと絶対に後悔するぞ。買わなかったら毎日欲しいという欲望との戦いになるぞ」という悪魔の声が飛び交っていました。

天使と悪魔の戦いは思いのほかすぐに決着。悪魔側の勝利となりました。覚悟を決めた私は、欲しかったロッドを手に取りレジへと向かった…

価格以上の性能に大満足

釣具に高価なものは必要なの?数多くの釣具を使ってきた筆者が実体験を語る。

購入したのはSHIMANO(シマノ)の『22ボーダレス 380M-T』です。私が大好きなプロアングラーの平和卓也さんが使っている竿でもあります。

そんなボーダレスをフカセ釣りで早速使ってみたところ、あまりの“良さ”にただただ驚きました

魚が掛かっても安心できるパワー・ガイドの糸抜けの良さ・軽さなどをすぐに実感しました。

「価格は高かったけど、買ってよかったなー!」と釣り場で一人で騒いでいたのは内緒です。

だけどやっぱりお財布が寂しい

釣具に高価なものは必要なの?数多くの釣具を使ってきた筆者が実体験を語る。

「高価な釣具はやっぱり良いものだなー」と上機嫌になっていた私ですが、高いものを買えばその分お財布は寂しくなるもの。

特に、私が好きなフカセ釣りではコマセ(釣り餌)を用意しなければいけないので、コマセにかけられるお金をどうしようかと悩むことになります。

それにガソリン代・高速代・ご飯代などなど、釣りって本当にお金がかかりますよね。

私自身、高価な釣具をおすすめしたい気持ちは強くあります。ただ、自分のお財布との相談をしっかりしておかないと「そもそも釣りに行くお金がないじゃん…」なんてことにもなりかねないのでご注意を。

釣り方によっては高価な釣具はマスト

釣具に高価なものは必要なの?数多くの釣具を使ってきた筆者が実体験を語る。

「高価な釣具って必要なの?」という疑問に対する私の考えは「必ずしも必要という訳ではない」ですね。

私の例でいうと、フカセ釣りで全遊動釣法をする際に、安物のガイドだと糸抜けが悪くなって釣りのテンポが遅くなってしまいます。

しかし今回買った『22ボーダレス 380M-T』にはIMガイドが搭載されているため糸抜けが抜群です。

釣りがしやすくなり釣果がアップしたのは高価なガイドのおかげといえますね。

3Bや1号など重めの錘(おもり)を使うようなシーンであればIMガイドは必ずしも必要ないでしょう。そのため価格が安いロッドでも問題ないといえますね。

さまざまな釣り方があり、アングラーによってはこだわりもあるでしょう。「この釣り方をするためには絶対にこれが必要なんだ!」という熱い思いがある人には高価な釣具をおすすめします。

高価な釣具は価格に見合った良いものであるのは紛れもない事実です。購入できるのであれば是非とも購入したいところですが、アングラーによっては必ずしも必要なものではありません。

気軽に購入できるような価格ではないので、衝動買いはせずにしっかりと考えたうえで高価な釣具を購入してくださいね。

ライター

フカセ師

京都で教師をしながら、釣りライターとしての活動を2017年より開始する。

大学生の頃に釣りの魅力に取り憑かれて以来、さまざまな釣りを経験する。春夏秋冬と季節に応じた釣りにどっぷりと浸かる日々のなかで技術を磨く。

執筆した記事を通し、釣りの楽しさを人々が感じてくれることが大きな喜び。

子どもが産まれた現在は、いつか一緒に釣りに出掛けることを夢見ている。