「釣りはフナに始まりフナに終わる」という有名な言葉があります。この言葉は、子どもの頃にマブナ釣りを経験し、長い年月を経て、最終的にヘラブナ釣りに落ち着くという意味です。今回は、初心者~上級者が楽しめる、ヘラブナの釣り方を紹介します。

ヘラブナ釣りの魅力とは?

ヘラブナの釣り方

ヘラブナ釣りの大きな魅力は、繊細なアタリです。長くて美しいヘラウキが、アタリで微妙に動く様子は、飽きずに見ていられるほど。

また、引きの強さも魅力のひとつです。40cmを超える大型のヘラブナであれば、パワフルな引きを楽しめます。

ヘラブナは、全国の野池に生息しているため、気軽に釣りやすい点も特徴。さらに、ヘラブナ専用の管理釣り場もあり、2,000円程度で楽しめます。

そのうえ、ヘラブナの道具は渋さが際立つデザインが多いため、釣りだけでなく観賞もできる点が魅力といえるでしょう。

ヘラブナの生態

ヘラブナの釣り方

ヘラブナは琵琶湖原産で、体高のあるゲンゴロウブナをかけ合わせてつくられた魚です。

元々は食用として養殖されていましたが、その繊細な性格が釣り人に受けて、徐々に釣りのターゲットとして用いられるようになりました。神経質な性格のため、簡単には釣れない点が特徴です。

主な餌は植物性プランクトン。暖かい季節は浅場に、寒くなってくると深場に移動する性質があります。産卵期の3~6月頃に、浅場にやってきて産卵します。

ヘラブナが釣れる場所

ヘラブナの釣り方

ヘラブナが釣れる場所は、主に2つのパターンに分けられます。

野池・川

野池は流れがなくて釣りやすく、無料の場合が多いので、人気が高いスポット。また、河川では、流れの緩やかな中・下流部などに生息しています。

管理釣り場

ヘラブナの釣り方

管理釣り場とは、有料の釣り堀を指します。ヘラブナが数多く放流されているため、釣りやすいのが魅力。1日中じっくりとヘラブナと戯れられるでしょう。

ヘラブナ釣りの道具は?

ヘラブナの釣り方

ヘラブナ釣りの醍醐味のひとつが道具です。しっかりとこだわって、自分好みの道具をそろえましょう。

竿

ヘラブナ釣り用の竿はへら竿といい、強い引きを吸収できるようやわらかめな点が特徴。

管理釣り場の場合、2.7m程度の長さを選びましょう。なお、管理釣り場では、関西では2.1m以上・関東では2.4m以上のように、竿の長さに制限があります。

野池の場合は、遠いポイントも探れるような、4.5~6.3m程度の長めの竿がおすすめ。

ヘラブナ釣り用の竿を以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ヘラブナ釣りをスマートに!美しさと実用性を備えたおすすめヘラ竿10選

ヘラウキ

ヘラブナ用のウキであるヘラウキは、何本か用意しましょう。なお、ヘラウキは長くて折れやすいので、ヘラウキ用のケースもあわせて準備してください。

板オモリ

板オモリは、ちぎってヘラウキに取り付けることで、沈み込み具合を微調整する際に使用します。

魚の口が外れるのを防ぐカエシと呼ばれる小さな突起がついていない針を用いるのがおすすめ。釣り上げたヘラブナへのダメージを、最小限におさえられます。

なお、ヘラブナ釣りでは、上針と下針という2種類の針を使用します。

竿受け

1日中じっくりと楽しむスタイルのヘラブナ釣りをするなら、竿受けを用意しましょう。腕が疲れることなく、快適に釣りができます。野池で釣る場合は、石積みなどに差し込むタイプの、低価格な竿受けがおすすめです。

以下の記事では、おすすめの竿受けを紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてください。
金属加工のプロが本気で作ったへらぶな釣り用竿枕「アジャ枕」

玉網

大物がかかった際に備え、玉網を用意しましょう。直径が40cmほどのものであれば、幅広いサイズのヘラブナに対応可能です。

ヘラブナ釣りの餌は主に、バラケ餌と食わせ餌の2種類に分けられます。

バラケ餌とは、マッシュポテトの粉末や麩(ふ)を水で練ったもの。水中で徐々に溶けるため、撒き餌的な効果があるのが特徴です。

食わせ餌とは、グルテンなどを使用したものであり、うどんと呼ばれます。バラケ餌に比べて針持ちがよいのが特徴です。

以前は、上針のバラケ餌でヘラブナを寄せて、下針の食わせ餌でヒットさせる、というスタイルが主流でした。現在は、両方の針にバラケ餌、というスタイルも人気です。

ヘラブナを数多く釣るためのコツは?

ヘラブナの釣り方

腕のよさが釣果に大きく関わるのがヘラブナ釣り。ヘラブナを数多く釣るためのコツとして、以下の3つの方法があげられます。

タナをこまめに変える

釣果があがらないときは、こまめにタナを変えて探りましょう。タナとは、水深のことです。タナは気温や水温などに左右され、日によって変わります。

繊細なアタリを見極める

調子が悪いときは、微妙なウキの動きにもアワセを入れてみて、その日のヘラブナの活性をチェックしましょう。食いつきが悪いときは、はっきりとしたアタリが出ない傾向があります。

バラケ餌を何度も打ち込む

短い間隔で、水中に何度もバラケ餌を投げ入れましょう。バラケ餌が水中で広がるので、ヘラブナが寄ってきやすくなります。

ゲームフィッシングとして長い歴史をもつヘラブナ釣り。現在では、日本のみならず中国や韓国などでも人気が高まっています。無心になってヘラウキを眺めながら過ごす時間は、日ごろのストレスを発散するのにもよいでしょう。基本的な道具をそろえさえすれば、ランニングコストがそれほどかからない点も魅力です。自分好みの道具と釣り場を見つけて、ヘラブナ釣りの腕を磨いていきましょう。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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