野球の世界一を決める第5回『WBC(World Baseball Classic:ワールド・ベースボール・クラシック)2023』が3月8日(水)に開幕を迎えます。
日本代表(侍ジャパン)の属するWBC2023 1次ラウンド【プールB(東京ラウンド)】の初戦は次です。
日本時間 | 対戦相手 |
3/9(木)19:00 | 日本 vs 中国 |
さて今回の日本代表(侍ジャパン)は、栗山英樹監督(元日本ハム監督)の下、NPB(Nippon Professional Baseball Organization:日本プロ野球)の光輝く若手の投手の逸材「佐々木朗希」「山本由伸」「今永昇太」に加えて、MLB(MAJOR LEAGUE BASEBALL:メジャー・リーグ・ベースボール)からはエンゼルスからスーパースター「大谷翔平」やパドレスから「ダルビッシュ有」を含む豪華投手陣総勢15名が揃いました!!
本記事では、
・正に花形と謂われる投手に対して、WBCでは球数制限が採用され、MLBでは採用されていないのになぜ?
・投手の肩を守るため?
について調べてみましたので、興味のある方は読み進めて
頂けますと幸いです。
WBC2023年大会での球数制限のルールとは?
・1試合につき1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球を超えて投げることはできない。
・打席中に投球制限に達した場合は、その打席完了まで投球できる。
・申告敬遠は投球数に含まない。
・3連投以上は禁止。
・50球以上投げた場合、中4日を空けなければならない。
・30球以上、または2試合連続で投げた場合は中1日を空けなければならない。
アメリカの少年野球では球数制限があって、MLBやマイナーリーグでは無いという事実
アメリカのリトルリーグ、ポニーリーグなど少年野球では、子どもの健康被害を予防するために、「球数制限」「登板間隔制限」が導入されています。
しかし、MLB、MLB傘下のマイナーリーグでは、投球数、登板間隔に関するルールはありません。
マイナーリーグで浸透している「勝利」よりも「育成」が優先される風潮のため
マイナーリーグには、10代後半の選手も在籍していますが、公式戦では「球数制限」は行っていません。必要がないからです。
「勝利」よりも「育成」が優先され、目先の勝利のために、投手を酷使することはあり得ないのいうのがマイナーリーグで浸透しているからです。
詳細には、マイナーリーグのチームの多くは、MLB球団とは別の経営になっており、MLB球団と契約をした選手を預かっています。
マイナーリーグの投手が登板過多で故障したりすれば、そのマイナーリーグのチームや指導者がMLB球団からペナルティを受けたり、場合によっては契約解除されることもあり得ます。
このためにマイナーリーグの各球団は投手の投球数を厳しく管理しているのです。
MLBでも「球数制限」無いのは「投手の肩は消耗品だから大切に」が浸透しているのが理由
マイナーリーグと同様に、MLBの試合でも「球数制限」は行われていません。しかし、先発投手が100球を大きく超えることはほとんどありません。
完成されたMLBの投手も含め「投手の肩は消耗品だから大切に」という意識が野球界に浸透しているのです。
投手の肩が故障する可能性を判定する指標PAP(Pitcher Abuse Point)
MLBではPAP(Pitcher Abuse Point)という指標が重視されています。PAPは1試合で投げた球数から100を引いてそれを3乗した値です。これを毎試合毎に加算します。
この数値の合計がレギュラーシーズンで10万を超えれば故障の可能性が高いです。
更にこの数値の合計が20万を超えればいつ故障してもおかしくないとされます。
100球以下の試合はカウントしません。
NPB(日本プロ野球)では、毎年、PAPが20万を超える投手が数人いますが、MLBでは、PAPが5万を超す投手はほとんどいません。
(このことは日本プロ野球に対する
深刻な警笛と捉えることができると考えられます)
前年又はキャリアハイより30イニングス以上増やすと故障のリスクが高まるという「ベルドゥーチ効果」
さらにMLBでは「25歳以下の投手の場合、投手の投球回数は、前年より(あるいはキャリアハイ ※1 より)30イニングス以上増やすと故障のリスクが高まる」ともされています。
これは、考案したスポーツジャーナリストの名前を取って「ベルドゥーチ効果」と言われています。この考え方もMLB球界で広く浸透しており、球団や指導者は若手投手の起用に際しては非常に慎重になっています。
※1:キャリアハイ(英語表記:career-high)とは、その選手のキャリアの中での最高という意味で、アスリートや選手などが残したピークとなる成績のことです。
MLBで「球数制限」がない理由
MLBで「球数制限」がないのは、リーグや野球機構がこうしたルールを導入しなくても、球団、指導者が自主的に規制を行っているからです。
WBCで導入された「球数制限」:まとめ
MLBと異なりWBCでは、厳格な「球数制限」「登板間隔制限」が導入されました。
これは、選手を派遣するMLB球団の要請によるものなのです。MLB野球界では当然のこととして、浸透されている「投手の肩は消耗品だから大切に」という暗黙の了解を、世界一を決めるWBCであるからこそ明文化させルール化し、世界中の野球界に浸透させる意図がMLBにあるからです。
・1試合につき1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球を超えて投げることはできない。
・打席中に投球制限に達した場合は、その打席完了まで投球できる。
・申告敬遠は投球数に含まない。
・3連投以上は禁止。
・50球以上投げた場合、中4日を空けなければならない。
・30球以上、または2試合連続で投げた場合は中1日を空けなければならない。
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