ゲームについて
台湾のゲームスタジオ熊骨工作室(BearBoneStudio)による、アドベンチャーゲームです。人工知能が発達し、人間が最もコストの低い労働力となり、職を奪われた人々が、AIの演算力としてその脳を物理的に提供する、病的な社会。主人公の男性ジェイは、その体を操る謎の「マインズ」と共に、陰謀に巻き込まれていきます。原題は「沉沒意志」。
きっかけ
ついったでお勧めされているツイートを見て、サイバーパンクやんけ!!ポチーとなり購入。
感想
全体(ストーリー)
一週目は約12時間でクリア。EDは一番上を選びました。いやーー最高に面白かったし、後味もいい意味で引きずるやつで、質のいい映像作品や小説を見たかのようなストーリーの厚さ、世界観の奥深さ、後味でした。
前半はサイレントの操作組と選別組の話、後半は万象、スイ、フクロウ、政治…などを含めた正義の話だったけど、すべてに一貫していたのは、「絶対的な正義、正しい普遍的な価値観は存在せず、立場によって常に変わる」こと、そして、ゲームを通して、自分の価値観、それに基づく選択を常に問われているということかな、と感じました。プレイヤーに「選択」を常にさせ、その影響が明確に世界にフィードバックされることで、より世界への没入感を深め、それによって選択に感じる重みがより強くなっていき、メディアがゲームであることでしか得られない深みを感じました。また、その選択で変えられる範囲はしょせん個人の範囲を逸脱することはできず、すべてを正しく選べば100点のハッピーエンドが得られるわけではないし、個々の選択についても、誰もが満足する結果を得ることは(ほとんど)できないというシビアさもよかったです。だからこそ、後ほど詳しく述べますが、例えば操作組と選別組が手を取ることができたといったような、多くの人にとって幸せな選択ができた時の喜びが大きく感じられました(それでも、全員が納得できたわけではありませんが)。仕事や恋愛、政治、社会など、人生における選択、価値観をかなり広い範囲でカバーしていて、いろんな面で考えさせられました。
一番初めのシーンで、最初に自分が外部の存在=プレイヤーと画面で動かしている人物は別物である、つまり自分がそっくりそのままゲーム内の人物を"操作"している、というのに気づいたときにはぞわっとし、一気に引き込まれました。自分が自分として存在するという、メタ的な要素を持つゲームはたくさんありますが、なんというかこのゲームでの自分(として操るM.B.U.)は、完全なるメタ的な存在ではなく、あくまでもゲーム内の存在であるということを逸脱はしない(と私は感じました)ものの、ただの意思であるという設定のおかげで、何かのキャラクターの皮を被らされた感じがなく、選択肢もたくさん選べて意思を反映できるところから、かなり自分そのもののがゲームに干渉している、存在しているように感じられるところが面白かったです。そして、その自分を明確に認識して対話してくれるのがほぼジェイのみである(もう一人同志がいて、その人との会話もまた違った魅力がありました)ところからうまれるバディ感もたまらなかったです。詳しくは後述します。
あと、嫌~な描写が嫌~な感じで最高でした(語彙力がない)。再序盤のミン・ツァイの詳細の「状態:改造完成・内臓交換」とか。職場体験の時の、痙攣する体に注射をぶち込んでいくときの困惑と不快感とか。虚ろな目で並ぶ人々とか。セラーに量産物のように並び吊るされている箱とか。眠り神の制作過程の様子のすべて。「演算個体に植え込んだ意識は十数時間で崩壊する。」「異なる意識を植え込むことで、演算力の生産効率の上昇がみられる。」「できるだけ同じ意識の植え込みは避け、毎回新しい意識を入れることをお勧めする。」というメッセージ。まるで血管のように赤い管が伸びる様子。最低で最高でした。エグイ描写、大好き!
印象に残ったことをつらつらと。
・現実と空想の絶妙な融合率
常に情報が吸い取られ、その情報からAIがあらゆる社会の仕組みを制御するという世界設定は、現実の延長線上といった絶妙な距離感のため、作中の問題について、ほぼ現実でも同じ問題が起きている(起こりうる)が、オブラート一枚くらいはフィクションという安心感があるおかげで生々しくなりすぎずに、その問題について考えたり語る機会があるのが面白かったです。
例えば、リンちゃんは、デモに参加しようとしたり、ベーシックインカムについて語る機会があったりしました。サイレントでは、選別組と操作組で、会社や組織でよくある対立を描いたり、用語をめぐってマイクロアグレッションの話になったり、供給者はこれに縋るしかない、しかしその中ですら搾取されているという格差社会の構造や、施設内にある雑誌やTVの内容も、どれもこれも現実にありそうだなあと。TVのインタビューで、万象をやたらと悪くいう人がいて、実はそれがマンセントの工作っぽい、とか.... 蘭花運動の話もちょくちょく出てきたり。
社会問題をかなり直接取り扱うことって、日本のゲームはあんまりなくて、海外のゲームによくあるんですよね。さらに、この作品は台湾の作品ということもいろいろと関係しているのかもしれないなと思います。
また、仕事の意義というか、自分にとっての仕事とは、みたいなことを考えさせられるシーンもありました。序盤、隣人が夜勤のリンちゃんを馬鹿にしてきたりするところとか、レイカとイーテイの恋愛相談シーンでの、自由と愛との間の中間地点の話とか。
印象に残ったセリフをいくつか。
生まれ育った環境が高圧的だった人ほぼ、演算力供給に適していると社内で証明されています。彼らの脳はより効率的に計算できるから、会社にとって価値が高いんです。
タイミンの、供給者の演算能力についての話。家庭内で家族仲が悪かった人は、彼らの機嫌を損ねないように常に人の顔を伺うようになるとか、親から常に頭がいいことを求められてすごく勉強してる子とか、みたいなことですよね...嫌〜な気持ちになりました。
人なんて、最初から一種のリソースよ。肉体労働の時代から、今の脳力搾取まで…
ずっとそう。
資本主義だな……
未だにお金以外で人の価値を測れる方法がないからね。
サイレント内で刺さった会話その1。能力搾取される人間は、セールでの箱が並ぶ様子からも、本当にただのリソース感があったのですが、現実でも昔からある肉体労働においても、変わらずリソースなのだと言われて、ハッとさせられました。産業革命の時とかね...
このご時世、情報の真意を判断するのは不可能…
私にはもうどうすればいいかわからない。
客観的に判断すべきと皆が言うけど、皆自分が一番客観的だと思い込んでいるだけなのよ。
サイレント内で刺さった会話その2。このゲームでは、正しさについて考える機会が多くあり、その際に毎回「自分が正しいと思うことが一番危ない、でもそれに人はよく陥る」というふうに感じていたのですが、これもその一種だなと思いました。フェイクニュースが巧妙化する世の中。いまはまだ、がんばれば一次情報に辿り着いてその真偽を見定めることができることもありますが、時代が進んだり、また国によっては今でも、その一次情報すら歪められたり消されたりしていたりする可能性もあるわけで。スイは正しさの話で、常に自分を疑い続けるということを言っていましたが、いまのところそうするしかないように思えます。
・サイレントの人びと
前半はサイレントでの職業体験、そして選別組と操作組の対立がメインでしたが、この、事務的な作業をするチームと技術的な作業をするチームの雰囲気の違いやすれ違い、思い込みや決めつけ、馬鹿にする感じ、めっちゃ分かるゥ〜〜〜と、ゲーム中に仕事を思い出して、嬉しいんだか悲しいんだか分からない共感をはちゃめちゃにしながらプレイしてました。私は技術者なので、操作組にわりと親近感を覚えていましたが、逆に、シュン•ゴとかジュジュみたいなまあコミュニケーションが一般的な人とは違うスタイルの人とのコミュニケーションの難しさというのも体験しているので、そういう意味では選別組の愚痴も分かるなと思いながら聞いたりしてました。
選別組と操作組の選択では、操作組の方がエグい話が見れるかなっていう期待から(ひどい)、初回は操作組を選んだので、工場の行く末の会談ではイー•テイのサポート的な感じで会話を進めました。ここでの、イー•テイの理想論を語る様子と、シュン•ゴが頑固に技術知識の前提に縛られる様子が、すごくリアルだな〜と感じました。
リンが、二人で相談する前に、イー•テイの良くない傾向として、「専門的知識の重要性と現実を見ることの重要性を軽視していて、自分の理想を裏付けられる情報を集めることで、根拠のない自信を持っている。時に、その自信は傲慢となり、専門家の意見を一蹴してしまうことになりかねない。彼は自分こそが正しいと信じすぎている」と話すのですが、この原因として、「こういう問題は、善良な人に良く起きる問題よ。私たちは、大義のために身を粉にして頑張っていると思っているからこそ、自分の失敗が許せないのよ」といっていて、その視点はなかったなあと思いました。私は自分の性格の傾向として、大義のために頑張っていると考える発想がなかったので…。意識しないと、自分の考え方の枠組みに当てはめてとらえてしまうので、こうやって異なる視点での考え方を教えてくれるのは発見になって面白いし、このゲームは特にその発見が多かったように感じました。ほんとにいろんな考え方、価値観の人がいるなと。
彼は確かに、シュン•ゴと真逆で、人のことを考えすぎ、気にしすぎといえます。皆に優しくするのは、もちろん善意があるのは嘘ではないと思いますが、業務に遅れが出てしまうようなレベルで手伝うのは、断ることができないというか、自他境界のあいまいさを感じます。さらに、これによる"自身の職場から失業者を出すのを恐れている"ということすら、はじめは隠してしまっている。全員を傷つけたくないあまり、甘い嘘をつき続けてしまう嫌いがあるかなと。選別組ルートでは、ジュジュから、イー•テイについての心配を聞けるのですが、彼の周りの人々のせいで、間違った判断をしないかが心配だと。選別組の人たちも全員そんな馬鹿じゃないから大丈夫だよ!...と言いたいところですが、確かに根拠なしに楽観視している嫌いはあり、そんな彼らを上記の性格から真っ向から否定できず、真に彼らを救うためには時には痛みも伴う決断も必要なはずなのに、それから逃げてしまう恐れがあるんじゃないかなと、私も確かに思いました。このように間違った道を歩んでしまう予想の方向性としては、シュン•ゴは真逆で、多分、専門家的には正しい判断をし続けられると思いますが、それを支える周りの人々がいなくなってしまうというんじゃないかなと。選別組ルートでは、ジュジュが、操作組ルートではシンカが、このタイミングでは敵対している相手側に情報を渡すという役割を担うことになりますが、ジュジュは割とシュン•ゴよりというか、感情と理論を切り分けられるタイプの人間なので、自分が捜査組のメンバーから裏切り者と思われることにはそこまで懸念を抱いておらず、上述したようにイー•テイの行末を心配します。一方、操作組ルートでは、シンカはシュン•ゴに対して、確かに決断を強要した訳ではないものの、シンカの性格の特性上、感情的には実質"そうせざるを得ない"ことを分かった上で利用した面もあるのではないか、ということに対して謝って欲しい、と言います。欠点の出方が対照的ですよね。
二人の工場に対する判断の話に戻りまして、イー•テイに技術的な知見がないのは事実です。確かに供給者のためにラインギリギリを攻める選別組とかを見てると、技術者的には、深いこと理解しないで負担ばかりこちらに押しつける印象は拭えません。その土台がしっかりしてないところから構築された仮説を聞くのは時間の無駄、というのは確かに(ある面では)正しい反面、そもそもそうしたら知識が完全に同じ人たちでしか議論が成り立たなくなってしまうというわけで。技術的な知識については、技術者の中でも差はもちろんあるはずで、そういう時には教えてあげてるはずなんですよね。そうしないと、極端な話個人でしか決断できなくなっちゃいます。もちろん教えるコストはあるので、選別組に短時間で同じくらいの知識を持ってもらうのは難しいのはわかりますが、そうやって外部からの意見を遮断してしまうと、閉じた価値観での発想しか生まれなくなってしまうんですよね。効率的な思考をするときや、具体的な対策を考える時にはこれは効果的ですが、イノベーティブな発想をしたいときには、そこはむしろ阻害要因となる。工場閉鎖派、工場存続派と対立構造になってしまっていましたが、抽象的な視点で見れば、工場の閉鎖や存続は手段でしかなくて、イー•テイも、シュン•ゴも、共通の、"サイレントを、労働者にとっても、提供者にとってもいいものにしたい"という目標は同一だったんですよね。具体レベルの手段に目を囚われて、互いの目標も違うと誤認していた二人でしたが、ジェイ(MBU)が背中を押し、一歩引いた時点で見守ってくれた(リンも助言をくれた)おかげで、冷静になって、目指すゴールは同じだということに気づくことができたのですね。
クリア後に選別組も選んで、この時はシュン•ゴのサポートをしましたが、上手いことできていて、こっちのルートではシュン•ゴの悪いところがよく感じられるようになっていたなと思いました。ものすごく頑固で、 イー•テイはずっと話し合おうとしていたのに聞き入れようとせず、問題解決にしか意識がいかず、人のことを考えていない。いや、考えてはいるのですが、操作組ルートでのシンカの件しかり、多くの人はシュン•ゴのように感情の優先度が低くはないことを忘れがちで、当事者の感情は問題解決のためならどうでもいいと思っているのです。リンが、彼のような人は苦手だと話すのですが、正直わかるなと思いました笑操作組ルートだとそこまでシュン・ゴは悪い人に見えなかったので、立場の差、情報の差で人の見え方も変わるんだなあと改めて実感し、無知による断絶はやはり怖いなと感じました。
操作組ルートではあちらの事情をよりよく知れる上、シュン•ゴももう少し冷静な状態で、逆にイー•テイは激昂していたので、彼の悪いところが出てしまっていたのですね。互いに"自分が正しい"と信じてしまったゆえのすれ違いだったと、作中選択肢を選ぶことができましたが、本当にこれに尽きるなと思って。人間、自分が正しいと思うことが一番危ないですよね....。立場が違うことで見えないものがあるせいで目が曇ってしまうことを両方から描いていて、上手いなと思いました。
常に100点の正解はなく、取捨選択を迫られるこのゲームのなかで、もちろん多少の犠牲はあるかもしれませんが、操作組と選別組が手を取り合って、サイレントの未来が明るくなった様子には、とても希望を感じました。
あと、ソフト屋とハード屋の争いワロタ
上への怒り
・ジェイとのバディ感
ジェイの脳に浮かぶ考えを常に聞きながら選択していくというゲームのプレイ体験は、ある種、自分が何かのキャラクターに投影された状態ではなく、自分自身でありながら、キャラクターをバディを組む疑似体験ができたのかも(もちろん、自分が選べる選択肢には制約がありますが)と感じました。
ていうか、これ、寄生獣とサイバーパンク2077の合の子みたいな設定だなって思いました。めっちゃオイシイ設定じゃない??????バディものとしておいしすぎないですか??????最高~~~
毎晩対話を重ねていき、だんだん絆されていくのがおいしかったですね。でもバディ感がだんだん出てきてオ!!?美味しくなってきた!!と思ったら終わっちゃった感じがあるのでもっとください
俺の言うことを無視して、俺の人生をめちゃくちゃにしても、お前には何の影響もない…なのにお前はちゃんと俺の代わりに生きてくれた。ならば…俺は謝るのではなく…礼を言うべきだな。
俺らは最悪な形で知り合ったが…俺は知り合えてよかったと思っている。
-俺がまだいるとわかってどんな気持ちだ?
意外と嬉しくはある。
「嬉しい」ってお前!!!!
最後、ジェイは精神統一をしたのでしょう(外に出たから)。自分が改造人間であるということを自覚した時点で、精神統一へゆっくりと進んでいくってスイも言ってたので。自分のことを探しに来てほしい~~~~~~~~~~~リュウセイもフクロウに入ったしさ!!コンビで俺のとこ来てくれよ!!!!!!!!そこで初めてリュウセイと対話して、今までのジェイの兄貴って半分くらいM.B.Uだったの!??!ってなりたい!!!!!!!認知してくれ
・MBUや根源、"異常"の正体
ここは明示されないまま終わりましたね。最後にこれが明かされることを期待してプレイしてると、肩透かしを食らったように感じてしまうだろうなと思いました。私は初めは期待してたのですが、ムカイおじが出てこなくなったあたりで、これは明かされないまま終わりそうだぞとなんとなく察したので、すごくがっかりすることはありませんでしたが、もうちょっと敵の組織の名前くらいはわかったら嬉しかったかなあ。でも、現実の人生でも、世の中実際分からない(まま終わる)ことの方が圧倒的に多くて、あの時のあれはこういう意味だったんですとか説明されないまま終わることばかりだし、分からないまま終わるのもそれはそれで味があって、想像のしがいがあっていいのかもな、とも思いました。もし次回作も出せるように残してるのなら大歓迎です!!!!
改造されると脳にマインズが宿れるようになるということですが、マインズの原動力はなんなんだ?という謎が作中ではありましたね。脳の活動がAIの演算力に変換できる技術や、意識がコピーできる技術が普通にある世界なので、マインズはAI的な作られた意識で、宿ってる人の脳の活動エネルギーを一部借りるというか奪うというか、そうやって活動してるんじゃないのかなと思います。だから、別に外部リソースは要らなくて、独立して動ける。本人の意識は、夢を見てる時みたいに深層に沈んでいる。でも、本人の脳が、他人の意識にエネルギーが取られてることを自覚すると、それに気づいて取り返し始める、からだんだん精神統一が進むんじゃないかな、とか妄想してます。だから、マインズはどこかにいなくなったというよりかは、本人の意識に溶け込んでいって、一つになったのかもなあ。そうしたら、もしジェイが探しに来ても、同じ経験をしたマインズはもうどこにもいないってことになりますね、、、寂しい、、
あと、自分(M.B.U)のことを知ってるのがムカイ•チンと心の中のジェイしかいないのがちょっと寂しかったです。最後のリンちゃんと仲良くしてるシーンでほんのり疎外感というか寂しさを感じちゃいました。途中リンちゃんに正体明かそうとするとジェイから止められちゃいますし、リンも不安がりますしね。あ、でも、最終決戦前に、リンと別れる時のセリフで「リンさん、ジェイ・ダイのことは俺に任せてくれ。」というのがあって、1週目は怖くて選べなかったのですが2週目で選んでみたら、ノイズは発生しないし、リンは驚きつつも、「フフッ、じゃ、お願いするわね」と返すんですよね。リンはジェイの冗談だと思ってるのか、それとも何となく察して、これまで一度も悪意を感じなかったから、M.B.Uの存在を受け入れたのか、わからないですが、ここはちょっと嬉しかったです。
・最後の展開の無力感
最後は、あの演算方法は合法になってしまうし、リンを傷つけたセイワ・ゲンは捕まえられませんし、スイ姉は反抗することなく屈するし、元の生活には戻れないという、なかなかに無力感のある展開でした。私はこれくらいのままならさは現実的で結構好きでしたが、せめてセイワ•ゲンは仕留めたかったかな!!
私はスイから銃を受け取ってフクロウに入りました。銃を受け取るか受け取らないかは、正直決め切れなくて、受け取らないほどスイを疑ったり忌避しているわけではないけど、受け取るほど絶対の信頼をしているわけでもなく...そう思うと、本当は受け取らない方が誠実だったかもなぁ。でも、彼女を信じてみたかったという気持ちもあったので、やっぱり選んでよかったかな。また、オーキッドルートは、あまりにも無謀な感じがしたのでやめました(1周目は自分の正体をおじさんに明かせなかったのでそう思ってましたが、2周目で明かしたら感謝されたので、これなら割といけそうな気もするなと感じました)。あと工場破壊については、スイ姉とほぼ同意見で、セイワ•ゲンの話にも少し同意というか...あの演算能力を全て否定し、全くの解決策もなく闇雲に消そうとするのは、それから享受してきた利益を無視することになって、行き当たりばったりというか、都合が良すぎるというか....これまで、その演算能力によって少なからず恩恵を受けていたわけで。もちろん、知ってたら使わなかったというふうに言うこともできますし、間違っていたことに気づいた今こそ止めるべきなのだという考え方もあると思いますが、スイの言っていたように、病院の人々とか、切ってしまったら命がなくなってしまうんですよね。しかも切った後の代替の手段についても何もプランないし。また、個人的に、人間は一度いい思いをするとなかなか下に戻れないと思うんですよ。一度便利なことを知ってしまったら、もう不便には戻れない。もし破壊しても、それは一時的な抑止力にしかならず、根本の、人々が便利さを求める気持ちは変わらないから、これが稼働していたときと同じ便利さを人間は求めて、別のまたえげつない手段が生まれてしまうだけなんじゃないかなと。例えば悪いことをしている子を叱る時、どうしてだめなのか、自分で気づけないうちには、いくら叱っても根本的な改善は不可能です。過ちに気づき、自発的に行動を変えようと思わなければならない。道中の研究者の、
こ、これは血肉でできた、ただの機械だ...
こんなものに一般市民は同情しない...... ましてや反対なんてあり得ない!
これは自分とは全く異なる「もの」なのだから。
き、君も本当はわかっているのだろう····· ?
地下深くでこれが稼働し続ければ、彼らは便利な日常を享受できる..
人々はその大きなメリットにすぐ気づくはずだ。
このセリフにも、わかるなあと思って聞いていました。現実でだって、豊かな今の生活が、いろんな人々の過酷な労働の上に成り立ってることなんて、普段から気にしている人は少ないと思います。自分は困ってないから。
だから、それらの苦しみをすべて忘れるの。それはもう過ぎ去った苦しみだから、どうでもいいと思ってしまう…
本当に問題を解決したいと望んでいる人は、常に苦しみを抱えている人なんだなって
リンちゃんが話すこの話が割と近いなと思っています。今困ってない人は、変わることを望まない。だからこそ、EDでのスイの、
我々は世界が滅びゆくのを遅らせているだけだ。この社会の腐肉を削り続けることで…我々は時間を稼いでいるのだ。
真に人々の思想を変えられる者が現れるまでの時間を…
この社会が代償を恐れず、変わりたいと思えるようになるまでの時間を…
人々が、「代償を恐れず」自発的に「変わりたい」と思えるようになるようにすることが大事で、それが根本解決への道になるんじゃないかなと感じました。なので個人的には、破壊するのは自分がその場で罪悪感を感じたくないだけの無責任な偽善者っぽいなって感じてしまって、やめました。もちろん、じゃあそのままにしろというわけではなく、ゆるやかに減らして、最終的には無くすべきだと思っています。...もちろん、この選択は、今目の前で今苦しんでいるあのモノたちを見殺しにしているのは事実です。似たよう話をリュウセイともずっとしてきましたね。このゲームはつくづく辛い選択をさせてきますね。
でもまあ、手段が先か、思想が先かのはなしで、酷い話、ほんまのわからずやには意味をわからせずに従わせた方が解決は早かったりするので、オラー!!と爆破していきなり切って、大勢犠牲は出るものの、結局その中で生きてくしかないから、それで強制的に消費演算力が少ない世界に慣れさせるというやり方もあるのかもしれないですね。
・選択と価値観、正しさ、意思の証明
選択の重さや責任を感じさせられることが多かったゲームだなと思いました。そもそもセーブが任意でできなくて、選んだ選択肢は簡単には変えることができない(オートセーブがされる単位でロールバックはできますが)ゲームデザインとなっているところからも、一つ一つの選択に重きを置いているのだろうなと感じました。
このゲームでは、ジェイは選択肢を選ばない限り(ほぼ)話さず、キャラクターとの会話に対して常に受け答えを選択するので、(別れ際の挨拶まで毎回選択する必要がある)相手の話を黙って聞いている時間が他のゲームに比べて短いという特徴があるように感じました。そして、会話の選択肢による影響も大きく、選び甲斐があり(ある程度は同じところに収束しますが)、相手のリアクションもそれに応じて多様に変化する様子が面白かったです。改めて考えると、この受け答えのレスポンスの頻度は現実での会話とほぼ同じなのですよね。日々の会話も、常に選択の連続なんだなぁと実感しました。
また、会話だけでなく、行動においても選択を決断する機会が多かったなと感じました。選別組と操作組のどちらを選ぶかとか、操作組の職業体験でのレバーを引く引かないとか(私はレバーを引けませんでした…)、選別組で最初に来たヤケクソの女の子をサインさせるかとかシンホンにリュウさんが庇った件を話すのかとか、リュウセイが一人で行ったことをスイに言うかとか、23の裏切りをリュウセイに言うかとか。極め付けは、最後の選択。あそこだけは、もうジェイの意思すらなくて(手前で自分の考えを話してはくれますが、自分の決断に委ねると言ってくれますので)、自分自身の判断を下す必要がありました。どう頑張っても全てを両立することはできないといったシーンも多々ありました。さらに、"しない"という選択ができる場面もありましたね。例えば、選別組と操作組を協力させるのは任意の選択で、プレイヤーが気づいて行動しなければ発生しないイベントです。 他のMBUから話を聞くイベントも、最終日のリュウセイの相談も、23号の本音も、無視して帰る選択もできる。明確にどっちにしますか、と迫られないので、知らず知らずのうちに"しない"ということを選択してしまう可能性もあるということで、これはなかなかニクいというか、選択というと目の前に選択肢があるイメージを持ちがちですが、何もしない、ということもある種の選択なのですよね。しないことを選択してたのは、これまでのジェイがそうでしたね。
自分の一つ一つの選択は、何を好むか、何を正しいと考えるか、何を重要と考えるか...といった自分の価値観に則って行われているものであるわけで、逆に考えると、この選択が積み上がった結果が自身の価値観を表すことになるとも言えます。EDを見返したら、"異常"がほぼそのままのことを言っていました。
あなたは自分の意思を証明した。
あなたの無数の選択により…
「あなた」という存在を証明した。
偶然に非ず、錯覚に非ず、そして私の造物ではないことを証明した。
作中、フクロウにおいて「祖母」がエージェントに行う、AQテストというものの話が語られます。 "AQテストは、人間の本質を図るためのテストで、現実的な選択を突き付けられ、決断をし、代償を背負わされる。「祖母」は、忠誠心と違って、人間の本質はそう簡単には変わらないと考えているため、AQテストを行ってその人の本質を把握することで、支配しようとしている"のだと。本編の万象を巡る調査は、それ自体がスイへのAQテストだったとされていました。確かに、どちらを選んでも満点の正解はないという選択は、その人の価値観が如実に出るものだと思います。プレイヤーに様々な面でそのような選択を強いてくるこのゲームは、そういう点で、ある種M.B.Uへの、そしてよりメタ的な視点ではプレイヤーへのAQテストだったのかもな、とか。
主人公のMBUは意思のみの存在であり、その存在の証明は、その意思が下した判断(による外部の干渉)でしかできません。しかし、拡大して考えると、現実の私たちの今思考しているこの意思も、その存在の証明は同じく、その意思が下した判断(による外部の干渉)でしかできないと言えるのかも。
また、人間は選択する際に、それが自分にとって正しいと思うからそれを選ぶわけですが(間違っていると分かっていても選ぶことはありますが、本当の意味でそうならそちらを選ばないはずなので、間違っていることを選ぶこと、がその時は自分にとって正しいことになるのだと思う)、この"正しさ"、そして"正義"というキーワードも作中何度も出てきましたね。
立場が違えば、正しさは変わります。作中、立場が異なることでの対立と価値観の違いは幾度となく描かれてきました。工場閉鎖をめぐるサイレント内の対立。選別組、操作組、従業員、供給者、株主、万象...そしてまた、人が違えば、正しさが変わります。多くを助けたい人、それによってその人が傷つくのに苦しむ人(リンとジェイ、23とスイ)。作中、スイは、彼女にとっての正しさについて、こう語ります。
私の基準や価値観は常に変化している…
私にとっての正しさ、つまり正義は…一定のものではなく、常に変化している。
正義、そして、それを判断する価値観は、「一つには決まらず、時代、立場、人、ありとあらゆる物と相関していて、それらによって常に変化する、相対的なもの」なのだと思います。…では、ありとあらゆるものが関係し、相関で決まっているのなら、絶対的なものはないのか?その価値観をもつ「自分(の意思)」すら、相対的なものなのでしょうか?難しい問題ですね。
このゲームは、プレイを通じて、自分で考え、選択することで、自分(の意思)を証明するものだったのだろうな、と思いました。以前、「夜と霧」を読んだ時に印象に残った、"人間は選択する生き物である"という言葉を思いだしました。無数の選択が、自分を形作っている…むしろ、自分を証明する手段は、選択しかないのかもしれませんね。
書いていて気づいたのですが、M.B.Uって、タイトルのMINDS BENEATH US の略称と一緒ですね。作中のM.B.Uの本名がそれかは分かりませんが、やはりこのゲームは意思の、そしてそれを証明するための選択の物語だったんだなあ。
さらに深堀して、人間の意思とAIの違いはなんなのかといったところも考えたいと思いましたが、テーマが重すぎてちょっと考え切れませんでした。カエとジュジュの談義では、カエは「意義を定義できること」が、AIにできなくて人間にできることだと言っていましたね。生成AIも急増している世の中、これからどうなっていくのでしょうか…
小ネタ
ちょくちょくあるあるや面白ネタにふふってなりました。
中国のゲームって"速戦即決"出がち
職場テロを起こしているやつにワロタ せっかくなので原語版も確認しました。「一直微波臭魚的王八蛋,我不知道你是誰,但是我會找到你,然後我會宰了你!!!」勉強になる。漢字で書くとかっこいいな。
翻訳
それなりの頻度で誤字や文脈を無視した言い回しがありましたが、意図がわからなくなるようなものはほぼなかったので、ギリギリOKでした。キャラごとの口調の違いもよく分けられてたと思います。翻訳してくれるだけでありがたいので...ただまあ、もう少し質が上がるともっといいのにという気持ちはとてもあります。物語が素晴らしいだけに。あと、誤字の仕方がなんか不思議でした笑
音楽
サイバーな世界観をより深める役割を果たしていたと思います。街の曲や、リュウセイのテーマ曲が好きです。
アート
100億点!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
綺麗だし、細部まで細かくて大満足でした。食堂がまじでまんま。メニュー、入口横にキッチンがある、扇風機がついてる、風呂の椅子みたいなやつがある、なんなら手前にスクーターがあふれかえってるところまでマジで台湾の飯屋です。サイバーパンク×台湾って感じで、サイバーパンク味はあるものの、そこまで電脳化!!って感じではなく、街並みは結構現実のものと近い感じ。もともと台湾は何度か旅行に行っていて好きでして、その雰囲気が思い出されて嬉しかったです。夜勤だから常に夜なのが最高でした。
あと、キャラクターは顔はないけど動きはとてもスムーズで、抽象的な表現だからこそ想像力が働くというか、小説と映像作品の間みたいな感じを受けました。表情はない分代わりに、些細な動きにも意識が行きやすい感じがあり、新鮮でした。
キャラ雑感
名前がなかなか覚えづらかったです。カタカナだけど中国名なので…漢字だったらもうちょっと覚えやすいのかな?あんまりどっちが苗字でどっちが名前か意識しないでプレイしていたのですが、改めて見たところ、名・姓で訳されているのですね。だから下の名前が同じ人が多かったのか(今更気づく馬鹿)。英語訳を一回経由しているのかな。なので主人公の名前はジェイ・ダイですが、原語では「戴士傑」で、日本語的には戴さんちの士傑くんなんですね。リュウセイにもジェイの兄貴っていわれるおかげで、ジェイが名前な感じはずっとありましたが、あんまりしっかり意識したことなかった。せっかくなので言語版の名前も併記してみました。発音があんまりそのまま訳されてないっぽいのもなんか不思議。
調べてたら、戴さんは結構いるみたいです。へ~。あと、英語版での名前はまた一味違うみたいで、例えばリュウセイは(サントラの音楽タイトルにもなっている)Lawrence Changでした。これって、そのまま音を訳したんではなくて、英語名って感じっぽいですね。ジュジュとかも、原語だと繰り返しなしっぽいし。ジェイはJasonで、原語は dài shì jiéなのですが、でも隆生はリュウセイで、原語の発音はlóng shēngなので、日本語読みになっているし、それぞれの言語で言いやすい感じになってるのかな。
◆主人公とフクロウの人々
M.B.U.
俺!!戦闘型、TA-7、サイレンサー、らしい。なんかあんまりいいスペックではないみたいだけど、ジェイがだんだん戦闘がうまくなってたのって、MBUのおかげなのかな?ジェイにはこれまでも何回か精神制御されたことがあるみたいですが、本編のように対話できたのは初めてだったそうで。あんまし強くないからこそ、逆に完全に制御し切れなくて対話に繋がったとかだったらちょっといいな。寄生獣のパラサイト味を感じました。ヴェノムもそうですけど、寄生した宿主とのバディものっていいよね....
ジェイ・ダイ(戴士傑)
彼はある種主人公らしからぬ、世界を変えようとは望んでいない、他人に深入りしない、手の届く範囲でのリンの幸せをねがう人。どちらかというとリンの方が主人公タイプですよね。これは最後、EDでジェイとスイが話すシーンでも言っていまして。
リンは、特別な人だ。
彼女の存在こそが、我々のような人間の存在理由でもある。
私たちにできるのは、社会の衰退を遅らせるだけだからだ。
また、上でも少し抜粋しましたが、ラストシーンでジェイとリュウセイの前で語るスイのセリフ。
我々は世界が滅びゆくのを遅らせているだけだ。この社会の腐肉を削り続けることで…我々は時間を稼いでいるのだ。
真に人々の思想を変えられる者が現れるまでの時間を…
この社会が代償を恐れず、変わりたいと思えるようになるまでの時間を…
我々はその時が訪れるまで、この社会の不正を暴き続ける。
そのほとんどが失敗に終わろうとも、その行為は無意味ではない。
「真に人々の思想を変えられる者」は、リンやイー・テイ、ともすれば(将来の)リュウセイといったような、周りに縛られずに自分の信念で突き進み、周りを巻き込める、周りがついてくる人ですよね。いや、スイも、「周りに縛られずに自分の信念で突き進み、周りを巻き込める、周りがついてくる人」ではあるんですけど、ちょっと違うというか…スイはある種割り切れてしまう人というか、彼女が強すぎるから現実の壁を回避できてしまうのでそういう感じはあんまりないんですけど、自分のできる範囲以上のことは夢を見ない、今ある枠から超越しようとはあまりしなさそうな感じに思えるんですよね。彼女自身も言っているように、「真に人々の思想を変えられる者」の、サポートをするのが性に合っていると思います。同様に、ジェイも、だからこそ、リンとの相性がいいというか、リンの最後の防波堤になってくれるというか…自他境界が甘く、他人の責任を背負いがちなリンに対して、そこのラインを守ってくれる人だと思います。なんでも他人を背負い込んでしまうリンと、他人がどうでもいいジェイの二人を足して割るくらいがちょうどいいんだろうな。
また、そのある種「傍観者」といった性格、立場は、作中通して全く変化がないわけではなく。メイ・ジョに、ホールで言われたこの言葉を受けて、
今回、リン姉の身に起きた悲劇は、起きるべくして起きたことよ。
リンにはリンの選択がある。
あなただってそうよ。
あなたは、彼女に危険が訪れるまで、何もしない道を選んだ。
人間は、大きな体制の中にいると、理由もなく安心してしまうもの。
その体制がいくら理不尽で、悪意に満ちていたとしてもね…
私たちは、それを無意識に受け入れてしまう。
組織や体制に属していれば、皆と同じに慣れる。皆が大丈夫なら自分も大丈夫…
ジェイは、このように話します。
俺は自分が前向きな人間ではないのを知っている。
俺はただ、時代や社会とかけ離れ、静かに過ごしたいだけなんだ。争わず、反抗せず、ましてや関心も持たずに...
なのに...
世界は俺を放っておいてはくれなかった。むしろ俺から奪おうとした......
今になってやっとわかった。
俺は間違っていて、リンが正しかった。
何もしないのは間違いだ。
再序盤、"異常"が、MBUを体から解放した時に、「これはあなたの・・そして彼の・・」と言っていたから、傍観者だったジェイが、"選択"をしていくことで成長する物語の面もあったのかもしれないな、と思いました。また、人間、意識してないと、ドンドン楽な方向に行ってしまいます。 代償を恐れず、変わりたいと思える人はなかなかいません。もしかしたら、ジェイは"一般人"の象徴で、その彼が、代償を恐れず変わりたいと思えるようになるまでの話だったのかもな、とかも思いました。
M.B.U.(自分)は結構人と関わっていったので、俺が残したその関係性をうっとおしいなと思いつつ、でもそこにいつしか救われて、こういうのも悪くないなって思ってほしい!!!!!!!!!
てか、改造人間って設定ビビりました笑カッコイイよね…
リン・テイ(程芳)
彼女。初めは突っ走る系だったけど、後半は一転してジェイに守られる存在に。でもメンタル的な強さは健在で、良きサポート役にもなってくれました。 前半と後半でジェイとの関係が、危険に身を投じるという点で一部逆になったことで、リンがジェイの気持ちを分かったことが嬉しかったし、このゲームはやはり"立場による物の見え方、捉え方、考え方の違い"を本当にいろんな形で見せてくれるなあと感心しました。
私があなたに迷いを打ち明けても、あなたはいつも答えをくれない。私はあなたから答えをもらったことはないのよ。あなたと話しても、私は迷ったまま。…
これこそ私が欲しがっているものよ。
未来、そして私の心が抱えている問題に関しては、私自身が答えを見つけるしかない。
でも、私一人ではあまりにも難しすぎる。
あなたとこうやって話すことによって、私は進むことができた…
こうやって話してこそ私はわかるの。自分がどんなに考えようと、どんなに大きな変化が訪れようと…
ジェイがそばにいてくれるって。
私がジェイを突き放したとしても、私が怖くて自分の中に閉じこもっても…
ジェイが私を見つけてくれる。側にいる、と教えてくれる。
いつもありがとう、ジェイ。出会ってから、何度も、何度も私を見つけてくれて。
ジェイへの、このセリフが好きです。自分自身の決断は、自分でしかできない。それはどこまでいっても、自分の責任です。自分の体を動かせるのは自分だけだから(精神操作されている人は違いますが!)。だから、本当の意味で相手を助けるというのは、助けを押し付けることではなく、私はいつでもあなたに手を差し伸べる準備ができているよ、と相手にわかってもらうことだと思います。
あと、スイへの忠告の
あなたが素晴らしい自制心を持っていることはわかる。
でもそれだけじゃ、他人を説得することはできない…
人間は皆、自分の経験から物事を解釈するものよ。
つまりあなたがいくら説明をしようとも、信じてもらえるわけではない。
あなたのやっていることは、彼らからすれば経験することも、したこともないものよ。だから信じることができない。
これはなんというか、納得を通り越して、すごいなって思いました。私は割と、人とは話せばわかってもらえると思っている節があるのですが、リンのこの言葉に打ちのめされました。
リュウセイ・チョウ(張隆生)
過去が馬鹿みたいに重くて、それなのにまっすぐで輝いていて…お前が主人公だ…最後23許すのマジ聖人....最後の希望.....辛い経験を経た上でなお彼は眩しさ、純粋さを失わずにいて、それはこの世界においてかなり稀有だと思います。
最初は突っ走るし盲目的だしでちょっと苦手だったのですが、決戦前夜の会話で自身の態度を顧みることができ、そしてスイが信頼してない(それは人間性や若さではなくて、動揺を受け止められなさそうという点で)ことや、23号の裏切りに対して、感情に振り回されずに耐えたところをみて、成長したなぁ、と感慨深い気持ちになり、絆されちゃいました(チョロい)。
自分の信念(だと思っていた)ものが、ただの憎しみの正当化だったことを認めるのは、かなり恥ずかしいし、受け入れ難かっただろうなと思います。お前は間違っていると面と向かって言われたわけですから。でもそれに対して逆ギレせず、きちんと省みて受け入れられたのはすごいと思うし、よかったなぁと思いました。なかなかできることではありません。リュウセイは、これまで自分の思う"正義"に従って行動してきた、と本人は思っていました。"自分が正しい"と思うことの危険性は、リンが自身の行動を顧みた時(危険に身を投じる自信の行いを正しいと信じていたが、自分が撃たれたときにようやく、自分を大事に思ってくれる人を悲しませたくないと気づいた)や、サイレントのチーフたちの対立(互いが互いに自分が正しいと思っていた)、そして23号の麻酔事件など、このゲームでは形を変えて様々な場面で描かれていますが、リュウセイのこれもそのうちの一つですよね。大きな過ちを犯す前にそれに気づくことができてほんとによかった。目の前の事に気を取られ単純で突っ走ってしまう嫌いがあるけれど、ややこしいことに縛られず、相手の過ちを受け入れることができ、そして外の意見を受け入れる柔軟性も育ってきた。伸び代しかない!!このゲームは彼の成長を見守るのも楽しかったですね。
あと、オペレーションコアでのこの会話がなんだか印象的で。
でも、僕はやっぱり演算力産業が憎いっす。
あっ、でも選別組のことは恨んでないっすよ!
どんなクズな組織の中にも、いい人はいるっす。
(略)....
それに問題は操作組のやつらっす。
-操作組の中にもいい人はいる。
…それなら悪い奴って一体誰っすか…
彼は、分かりやすい「悪い奴」が欲しかったんだろうなと思いました。自分が、悪い奴を自分で倒すことができなかった無力感や、世の中に対して個人の力には限界があることによって感じるもどかしさ、そしてまた悪い奴といっても、例えば演算企業はその演算力で社会を支えていることは事実で、完全なる悪というのはなかなか存在しないという複雑さを、悪い奴がいて、自分はそれを倒そうとしているやつなのだと、正義感に酔い、単純化して思考停止してごまかしていたところもあるんだろうな、と感じさせられました。自分が正しいと思うのって、心地いいですからね。だからこそ、終盤の、俯瞰して物事を見れるようになって、短期的な正義感を満たす選択を諦めた彼にとても成長を感じました。
あとジェイの兄貴(中身はMBUもいるんだけども)の二人のコンビ的な感じも好きでした。 ジェイが一か月かかったゲーム一週間でやるエピソード二人とも可愛すぎる。ココナッツミルクティー飲むところ好き。原語版だと、 ジェイの兄貴は「士傑哥」で、なんかもこれすらかわいい。ジェイが、「お前があいつを気にかけていることを俺は嬉しく思っている」って言うところが、リン以外の他人はどうでもいい、なるべく深入りしたくないっていうジェイの気持ちが動くくらい、彼もリュウセイを気にかけていたことがわかってなんだか嬉しかったです。まあジェイは、こうでもしなかったらえらいことを仕出かすんじゃないかって思ってたからっぽくて、心の底から絆されたわけではないっぽいですけど、それでも、「嬉しい」って言ってるしね?(拡大解釈)ジェイを動かしたリュウセイ、マジたらし。さらに、ジェイは、「彼のような人間は、スイ・ニンたちと同じ世界で生きるべきじゃない」っていうんですけど、これも完全同意でしたね。
スイがこう言ってるのもわかる。
彼には師匠の思想を引き継いでほしくない。
私は師匠を越えたい。
見返りをもとめることなく、誰かを心から信頼したい。
リュウセイまじ愛され系。わかる。彼に未来を託したい。これまで辛いことがあったけど、幸せになってくれ..........
このまっすぐさが、誰も信頼できないフクロウの世界で失われてしまうのが惜しいです。でも、そんな我々の予想を裏切って、リュウセイはリュウセイのままでいてくれるんじゃないかな、という勝手な希望があります。フクロウメンバーで実は一番粘り強いの、リュウセイなんじゃないかな。
感想を書いて理解を深めているうちになんだかとても好きになってしまいました。かわいい....後輩属性で、一見すると明るく単純明快な感じなのに、あんな重い過去があって、ヤクザもやって、復讐や憎しみには囚われていて、でもそれでもなお根っこは腐っていなくて、なんだかんだ敵に襲われても生き残れるくらい機転や機動力はあって、仲間の裏切りも許せる包容力があり、きっと笑顔が眩しいはずなのにその傷からマスクをしていて、タバコを吸うって........ヤバくないですか?ギャップが多すぎてそれぞれが最高すぎて目が回って回転が止まりません!!!!!!!
リュウセイはM.B.Uの存在を全く知らないので、本編中のジェイとEDのジェイを全く同じ意識だととらえているんですよね。さみしい。いつかM.B.Uとして対話させてくれ!!
23号
23号とスイの関係は、ジェイとリンの関係と似ている(本人もそう思ってジェイに相談している)が、違うのは肉体的に強いのと身を犠牲にする精神を持っているのが逆ということですよね。ジェイは危険に身を投じてしまうリンを守れる力を持ちますが、23号はスイを守れないんです。(物語の最後の方は、リンを守るためにジェイが危険に身を投じるという、若干逆の構図になっていましたが)
メイ・ジョが、
私たちはお互い、大切な人を自分自身以上に大事に思っている。
でも私たちは、その人が危険な道に進むのを止められない。だから、彼らが傷つくのを見てるしかない。
私たちみたいな人間は、最終的に二つの結末にたどり着く。その人を守るために、行動の制限を課し始め、支配することで逆に傷つけてしまう。またはその人の行動を尊重するために、離れた場所から見守ろうとする。
と話していましたが、23号はまさに前者になってしまった。23号がスイに黙って内通し、最終日には麻酔まで打とうとしていたことをみて、最近耳にした「心配の本質は支配」という言葉を思い出しました。23号は、危険に身を投じるスイを心配し、平和に暮らしてほしいと思っている。これはある種、スイを信じていない、自立させない、決断を奪う、自分の思い通りにしようと束縛してしまっているということですよね。他人に、こうなってほしいと思うこと。それは、自分の理想をその人に投影する身勝手な行為です。
悪いのは、自分の理想を彼女に押し付けている僕たちっすよ。
23姉だって、スイ姉を理解したいっていうより…自分の理想通りになってほしいだけっすよね?
愛とは、主語が二人になることだ、と、「幸せになる勇気」で読んだことがあります。 相手を心配するあまり、相手を自分のものにしようとしてしまうのは、愛ではなく、愛玩なのかもなぁ。相手に自分の気持ちは伝えるけど、選択や決断を奪ったりしない、伝えた結果、相手が選んだ選択が自分の望むものでなかったとしても、それは相手の決断だから、リスペクトする、というのが、一番いいのかなと思います。
また、私は上記のメイ•ジョのセリフで、第三の結末にたどり着いたのがリンとジェイかなと思っています。彼らはまさしく、本編を通して、主語が二人になったんじゃないかなと。
23号は、裏切者~!とはおもいましたけど笑、一度は間違った道を選んでしまったものの、人はいつでもやり直せる、と信じています。リュウセイもいることだし、スイの生き方とも折り合いをつけて(スイ側も他人は自分ほど完ぺきではないということを自覚して23号の心配を理解してやって)、仲良くやってほしいですね。
スイ・ニン(司徒寧)
初めてプレイした時は、彼女の考え方や信念は、言っていることはわかったけど、実感を伴って奥底まで理解できた感じはしなくて、どこか遠い印象を受けていたのですが、感想を書くにあたってあらためてセリフを見返していたら、だんだんと理解できてきて、この人の考え方はこの作品の価値観を如実に表すものなのではないかな、と思うようになりました。
スイは、「正しいこと」がしたい人間です。スイにとっての「正しさ」は、自分が認めた価値観で判断したものです。なので、社会の一般常識と一致することもあれば、ずれることもある。社会貢献の観点から、もし子供と自分が二者択一になった場合は、子供を助けることよりも自分が生き残る方を優先する、と話していることなどが分かりやすいですね。彼女の価値観についてのセリフを抜粋します。
この世界に完璧は存在しない。だからこそ必要悪が求められ、我々は取捨選択をする必要がある。だが、取捨選択をするということは…すべての物事を価値で計ることになる。
私の基準や価値観は常に変化している…
私にとっての正しさ、つまり正義は…一定のものではなく、常に変化している。
私たちが議論している信用とは、予測できるかどうかの問題なのだ。
例えば、私が約束を守りそうかどうかみたいなものだ。
人は予測できるかの度合いにより、信用すべきか判断している。
だが私のなかにルールは存在しない。
私はその時の価値観や基準をもとに判断を下している。
だから…私に対してできる予測は、「自分が思う正義を追い求めている」としか予測できない。
それだけが唯一不変的なものだ。
リン、ジェイ。君たちが私を信用することができる唯一の方法は…
絶えず私という人間を再認識し続け、理解することだ。
私は正義を追い求めている。しかし正義とは変化するものだ。だから私も変化し続ける。
私の正義への理解が間違っている可能性もあるし、正義自体が時代と共に変化している可能性はある。
だが一つの基準やルールに従うだけでは、絶対的な正義とは言えないと思う。
彼女のただ一つの信念は、「自分が思う正義を追い求めている」こと。今振り返ると、むしろ非常にわかりやすい考え方な気もします。
そしてまた、「ルール」というものについても、彼女はその考えを話してくれます。
ルールとは複雑なものを簡略化したものであり、
持つべきものではないと思っている。
なぜなら、拘束力のないルールは意味を持たないからだ。
そして絶対的なルールは自分を制限するだけだ。
殺さない、嘘をつかない、誰かに一生の忠誠を誓 う........
そういったルールは、行動の邪魔になるだけだ。
そんなルールを厳守したところで、何も意味がない。
それによって、何かを証明できるわけでも、成果を得られるわけでもないからだ。
人間はそもそも自分勝手だ。私たちは欲望や感情を起因に行動している。
もちろん、目的のためには自分を抑制し、感情や欲望を捨てないといけない場合もある。
だがそれは、より大きな目標を成し遂げるための 過程に過ぎない。
言い換えれば、自分の理想の妨げになる行動でな ければ.........
自分勝手な行動は問題ないと思う。
(リン)自分勝手な行動をした人間がその結果や責任から
逃げようとする方が問題ね。
(スイ)そうだ。逆に、自分のルールを持っている人間の方が、勝手な行動に出ることが多い。
ルールの上で行動している自分は、自分勝手ではないと思い込んでしまうのだ。事実、そういった人間は往々にしてルールの解釈を変え、より大きな自由を手に入れようとする。
私は自分のことをよく理解している。
そして、自分が下す決断をよく理解した上で、決断を出している。
私が決められたルールの下で行動することはない。私はその場で決断を下して行動しているからだ。
そして、私の判断、行動基準は、私の価値観によるものだ。
私が思うに、人間は自分の行動を常に自分の価値観と照らし合わせるべきだと思う。
もちろん、価値観は絶えず変化していくものだ。
価値観と照らし合わせず、ルールに逃げれば、自分の行動を疑う機会を失う。疑い、変化していかなければ、成長は止まり、腐り始める一方だ。
この「人間は自分の行動を常に自分の価値観と照らし合わせるべき」という考え方は個人的にとても納得して気に入っていて、今後の指針にしたいなと思うくらいです。ルールというのは、目的を達成するための具体的な手段でしかないので、本当に大事なのはその目的で、そこがすなわち自分の価値観なんだと思います。
ただ、リンがスイのことを機械みたいっていうのも分かります。彼女の価値観の中には、彼女自身の人間的な生存本能がまるでないように見えます。ただ、他人への庇護欲はあるみたいだし、自分の信念をリュウセイに継いでほしいと思うのにも、人間味をかんじました。
◆選別組
最初に迎え入れてくれたのもあって、操作組も好きですが、こっちの方がホーム感がちょっとあります。くだらないイベントが多いのも好き。シンカが残りたくなるのもわかる。素のジェイはこっちにはなじまないタイプの性格をしているので、逆にこっちにMBUが連れてきちゃったから仕方なくここで仕事続けて、みんなに振り回されて文句言いつつ絆されていく様子も見たかった笑
・イー・テイ(鄭緯)
チーフ。愛想がよく、自他境界があいまい目で、人をつい助けてしまう人。八方美人な感じのきらいはあるものの、その人の好さは本物だと思います。サイレントの未来は彼にかかっている…
確かに現実を見ないと何もできない。でも現実ばかり見ていても、人間は進歩しない。
理想を抱えながら、着実に現実と向き合うことこそが、正解だと思っている。
彼のこの言葉が好きです。
・タイミン・ソウ(曹泰銘)
シンホンの不正について一緒に調べたりした人。彼はたぶん眉毛太目の垂れ目の濃い目の顔のイケメンなんじゃないかという謎の空想をしています。とにかくいい人だったなという印象で、あんまり癖のある性格もしていなかったな。
・イエホン・キュウ(邱奕宏)
ボーちゃん。面白い奴です、好き。ピザ食べるのを自分のせいにしてきたりとか笑案外情にも熱いというか、イー・テイが頭を冷やすために屋上にいっているときに、エレベーターの横にいたり、彼女の不安を馬鹿にしない、とシンカと仲直りしたりできるところが好きです。捜査員の人とゲーム友達になっちゃうコミュ力流石すぎる。
・シンカ・シェ(謝采欣)
気の弱い子かと思ってたら、意外と口が強くて、本人も「マイナス思考だし、他人を見下す…無駄話にもあまり時間を懸けたくない」と、自分の性格が嫌われるタイプだと自覚しているのがなんだかリアルというか。対等でないと、関係性が崩れてしまうと不安になっている(ボーちゃんが資格取得を頑張り、自分は忙しくて成長できてない)のとか、シュン・ゴに認められたいっていう彼女の考えが、私にはあまりない感覚だなと思って、こういう風に思う子もいるんだなあと勉強になりました。選別組ルートでボーちゃんと和解したときの、祝賀会での明るいシンカが好きです。あとコーヒー飲みすぎで心配になる。
・チキョウ・リョウ(廖吉興)
リョウさん。いい人なんだけど、シンホンに言ってることは間違ってないんだけど、でもちょっと過干渉で、供給者にも給付金あげちゃうし、他人の責任を背負ってしまうタイプなんだなと思いました。
・シンホン・ゴ(吳晉峰)
リョウさんに口出しされちゃう人。不正はだめだよ!実の親子ではないですが、目の前の不幸な他人をどうしても見逃せない性分はリョウさんと似ていますよね。
◆操作組
サイレントの闇の部分を背負う操作組。地下の薄暗い現場、虚ろな目で並ぶマイナー、人の生死が関わるのにも関わらず故障し続ける設備、こら病むわ。笑選別組の野郎…ってなるのもわかってしまいますね。
・シュン・ゴ(吳俊恩)
サブチーフ。イー・テイと真逆の、自他がはっきりしているタイプです。自他境界がゆるめ/きつめコンビという構図は、ジェイ・リンと同じですね。イー・テイと共にサイレントを変えていってほしい。俺らはフクロウとして裏から支えるからさ…
・ジュジュ・ライ(賴潔)
すぐに問題に気づくことができる才能をもつせいで、指摘せずにはいられず、それで不和を生むことを自覚しているために、協力的になれない。自分自身はジュジュのように相手の気持ちを考えずにドストレートに指摘できないタイプなので、彼女のいらだちを直接は理解できないのですが、この、
自分は問題を指摘しているだけなのに、彼らは自分への批判、否定だととらえられる。二つの違いを分からない人が多すぎるのよ。
「問題だけを指摘しているのに、本人への批判だととらえてしまう人」というのはめちゃめちゃわかるな~~と思いました。こういう人って議論ができないんですよね…(でも自分も、切り分けができないときがたまにある)また、もっと遠回しに指摘したら?っていうカエのアドバイスに、どうして自分がその手間を背負わなければならないのか?って文句垂れるのも、確かに至極当然の愚痴ですが、でもジュジュのことをこうやってカエが理解してくれようとしているおかげでジュジュは一人にならないでいられたわけで…世の中お互いに歩み寄るのが大事なんだと思います。カエがいてよかったなあ、ジュジュ。
・カエ・チン(陳家騏)
ジュジュの性格に、そういうところが好きだよって言ってあげた子。最後の祝賀会での、AIは人間を越えているのか?という議論での彼女の「意義を定義できるのは人間だけ」という意見が結構好きです。
・パン・ロウ(羅龐安)
ハード屋のパンちゃん。メッシュがシャレオツ。ボーちゃんと違ってシャイガイ。
◆そのほかの人々
修築組のねーちゃんたちもいい味だしてましたね。ムカイ・チンとはもうちょっと話したかったぜ…。捜査員たちとかメイ・ジョもいいキャラしてました。
まとめ
個人、組織、社会、様々なところにある問題を、フィクションという皮をうまくかぶって描き、それに対して時にはつらい選択をすることで、決断を通して自分が見えてくる、とても面白いゲームでした。改めて、私は嫌な選択をさせるゲームが好きなんだなってわかりました笑。自分が見えるから。
続編、もしくは世界観を同一にしたやつ待ってます!!!!!!!!!!!!
ちなみに、めちゃめちゃどうでもいいのですが、設定から寄生獣とCyberpunk 2077を、展開や作中の雰囲気からとThe Red strings clubを思い出しました。とくにThe Red strings clubは、選択が重要であることや、その内容もいちいち重いところとか、根底に流れる哲学的なところが似ているなと感じました。
このゲームをお勧めするポストをしてくださった方、製作者の方々に感謝!