高齢者の貧困の現状は?男女の違いや格差の原因について解説


高齢者の貧困の現状は?男女の違いや格差の原因について解説


日本では高齢者の貧困が年々大きな問題となっています。
少子高齢化が進むなかで働く層が薄くなる一方、高齢者が増えていることが原因となっており、これはさらにひどくなっていくことが予想されています。

この記事では高齢者が貧困になる原因や男女の格差について紹介します。

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高齢者世帯の貧困率

厚生労働省のデータによると、所得150万円未満の65歳以上の単身世帯は2009年時点で3%、2012年時点では5.1%となっており、年々増えていることが分かります。

また2015年時点で高齢者世帯の所得は約65%が公的年金、20%は稼働所得、残りは財産所得や個人年金などで、平均所得金額は193.7万円であり、所得が公的年金のみである高齢者世帯は半分以上の54.2%でした。

65歳以上では年金で生活をしているという世帯が多いですが、貧困率も増加していることから、現在の年金では足りていないということが分かります。

(出典:厚生労働省 政策統括官(統計・情報政策担当)「国民生活基礎調査(平成28年)の結果から グラフで見る世帯の状況 」,2018)
(出典:内閣府 総務省 厚生労働省「相対的貧困率等に関する調査分析結果について 」,2015)

世帯の少人数化が進んでいる

昔の家庭のように大家族で住んでいるという世帯が減ってきており、老夫婦のみ、単身のみで生活をしている高齢者が増加してきています。
高齢者だけで生活をしている世帯は勤労収入がある子ども世帯からの援助を受けにくく、その生計は年金に頼っていることが分かります。

また、年々世帯数も増加していますが、同時に世帯構造別にみた高齢者世帯数は、2010年時点で約1万世帯、2016年時点で1万3,000世帯、単独世帯も男女含めて約5,000世帯から6,500世帯増加しています。

そして2018年時点の公的年金の平均受給額は、65歳以上の男性が月額約17万3,000円、65歳以上の女性が月額約10万9,000円でした。この金額も年々減少しており、2014年と比較して約7,000円減少しています。また、夫婦世帯では単身世帯より多く受給できることになります。

1人で生活していると家賃や水道光熱費などのコストがかかりますが、世帯の人数が増えるほど一人当たりのコストは低下していきます。
つまり、単身世帯はもらえる年金が少なくなっている上、1人あたりの生活コストが高くなることが貧困につながりやすいのです。

(出典:厚生労働省 政策統括官(統計・情報政策担当)「グラフでみる世帯の状況 国民生活基礎調査(平成28年)の結果から」,2018)
(出典:厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」,2019)

高齢者世帯の男女による貧困率の違いとは


日本では高齢者の貧困が拡大傾向にありますが、そのなかでも特に「女性単身高齢者世帯」の貧困率が非常に高くなっていることが問題となっています。

ではどうして高齢者の女性単身世帯は貧困になりやすいのでしょうか。

高齢単身女性は基礎年金のみを受給している場合が多い

年金はよく「二階建て構造」と言われます。
これは全員が基本的に受け取ることができる「一階部分」にあたる「基礎年金」と、「二階部分」にあたる「厚生年金や共済年金」から成り立っています。
しかし、年金受給者のなかにはこの一階部分の基礎年金だけしか受給できない人もいます。

さらに基礎年金は月額満額で6.5万円ほどとなるため(2019年9月時点)、これだけでは貧困に陥ることが多くなってしまいます。
年間でも80万円前後にしかならず、貯蓄を切り崩すなどしなければすべての生活費を賄うことは困難です。

基礎年金のみを受給している理由

では基礎年金のみを受給しているとはどういった条件の人になるのでしょうか。

例えば結婚していて夫が会社勤めをしていた場合、多くの妻は夫側の厚生年金に加入することになります、この場合は、妻も厚生年金も受給できることになります。

しかし、夫が会社勤めではなく自営業、農業、漁師などをしていた場合に夫と死別などにより女性が一人になった場合、基礎年金のみの受給となります。

また、結婚をしておらずに厚生年金を支払わない非正規雇用の仕事をしてきた場合、そのまま高齢者になると基礎年金のみの受給ということになります。

そのほか、若いときに安い賃金で働いていたり、働いていた期間が短すぎたりして厚生年金の支払いをそれほどしていなかった場合は厚生年金を受給できたとしても金額が低いものとなります。

男性の場合は若いときに仕事をして厚生年金を支払っていた可能性が女性よりも高いために高齢者になったときに厚生年金も受給できる場合が多く、女性よりも貧困率が低くなっています。

(出典:厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」高齢者の貧困に対する課題や必要な対策とは)

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高齢者の貧困に対する課題や必要な対策とは


高齢者になったときに貧困にならないためにはどうすれば良いでしょうか。
貧困状態にある高齢者の支援や援助なども行われていますが、自分たちで対策を立てていくということも重要です。

いくらお金が必要かを計算する

厚生労働省の「高齢者の生活実態」の資料によれば、夫婦で老後生活を送るために必要とされる日常生活費は、60歳代で最低でも月23万5,000円とされています。

旅行やレジャー、子どもや孫との付き合いや世話などを楽しむ「ゆとりある老後生活」を送るためには、さらに14万3,000円を上乗せして37万8,000円ほどが必要となります。
そうなると定年後に25年間を夫婦で生活していくためには7,000万円以上、ゆとりのある生活を送るには1億円以上が必要ということになります。

公務員では安定して退職金などが支給され、計算もしやすいですが民間企業では退職金が支払われないという企業も増えてきています。

それぞれの職種や就業形態により、退職金や受給する年金などは変わりますが、退職金の額も少しずつ下がってきているため、将来もらえる金額や生活費を計算し、現役時代からある程度の貯蓄をしておくことが大切です。

(出典:厚生労働省「高齢者の生活実態」)

高齢者の雇用環境を改善・整備する

現在国により進められている対策は「退職年齢の引き上げ」「高齢者の再雇用」などです。

例えば公務員の教師などでも60歳で定年退職となり、希望者は65歳まで再任用という形で継続して勤務することが可能です。

また、高齢者が仕事を探すことができるツールが拡大中です。
ハローワークでもシニア向けの求人を検索することができますし、遠くではなく近隣で仕事を探す場合などは街中で手に入る求人誌にもシニア特集が組まれたりしています。

そして最近増えているのがインターネットでの求人募集です。
求人サイトは大小合わせて数百あると言われていますが、その中でも60代以上を対象としたサイトがいくつかあります。
そういったサイトを利用し、自分の経験を活かしたり希望に合った仕事を探すということが可能です。

現在の公的年金制度では少子高齢化が進むたびに給付金額が低下していくという制度になっています。
そのためこれから年金が給付される高齢者は今よりも支給金額が減少していくことが予想されるのです。

しかし定年後も働き続けて年金の受給開始を65歳以降にすることで割増しで年金を受給できるという繰り下げ受給制度があります。
高齢者が働きやすい環境を作って、就労期間を長くしていくことができれば給付額が減少することをある程度抑えることが可能となるのです。

また、勤労が困難な高齢者に対しては生活保護などのセーフティネットを強化していくことが求められています。

(出典:厚生労働省 年金局「繰下げ制度の柔軟化」,2019)貧困な高齢者への対応を考えよう)

貧困な高齢者への対応を考えよう


以前は日本の高齢者は豊かであると言われていましたが、少子高齢化が進む日本では主要先進国のなかでも高齢者貧困率が高い国になってきています。
高齢者になっても健康的で豊かな暮らしを送るために、セーフティネットの充実や社会環境の整備、改善などが求められています。

また、自分自身でも今からできる対策を考え、行動していくことも重要です。

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