アフリカで貧困に苦しむ人々のために、私たちにできることを考えよう

アフリカ(貧困)

アフリカで貧困に苦しむ人々のために、私たちにできることを考えよう

2019年、横浜で第7回TICAD(アフリカ開発会議)が開催されたこともあり、近年注目を集めているのがアフリカです。経済成長が目覚ましく、ビジネスでも注目が集まっていますが、世界最貧国が多く存在し、貧しい地域であることには変わりありません。

アフリカの人々はどんな生活をしていて、貧困は人々にどんな影響を与えているのでしょうか。アフリカの概要と現在の状況を解説していきます。

アフリカの貧困が子どもたちに与える影響は?どんな支援が行われている?

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アフリカで貧困に苦しむ人々の現状は?

サブサハラ・アフリカ地域は世界に比べても貧困層が多い地域で、世界の貧困層の半数近くがこの地域に集中しています。
また2015年時点で、この地域の41.1%が一日1.90ドル以下(国際貧困ライン以下)で暮らしています。

下の図は、世界の貧困率(2015年)を表していますが、サブサハラ・アフリカ地域に貧困な場所が偏っていることが見られます。

図:地図で見る世界の貧困率2015年

(出典:世界開発指標「The World Bank、世界の貧困に関するデータ」

国によっても、地域によっても、また同じ地域によっても裕福な家庭と貧しい家庭の生活スタイルは全く異なります。

しかし一つの例としてアフリカ南東に位置するマラウイのある村の生活を見てみましょう。
マラウイの農村では、藁と煉瓦で造られた家が一般的です。


また、寝室以外の機能がほとんど屋外にあるのが特徴です。

トイレはちゃんと屋根や壁があるものから、屋根がないものまで様々です。

マラウイでは、シマと呼ばれる餅に似た、トウモロコシの粉からできたものが主食で食べられており、シマはトマトや葉菜類と一緒に食べられます。

トマトなど現地で生産できるものは比較的安く手に入りますが、薬やコンクリート、バイクなど、外部から入ってくるものが比較的高く、手に入れることが大変です。

2016年時点では、国民の80%以上が農業従事者で、GDP(国内総生産)の多くを農業から生み出しており、輸出額や国のほどんどの賃金なども農業に関係するものです。

定期収入の入ってくる仕事があまりなく、多くの人が年に数回ある農業の収入に頼っています。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA「マウライ」)

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貧困が子どもに与える影響も深刻

貧困が子どもたちに与える問題も深刻となっています。貧困である家庭の子どもたちは健康面および教育面において多大な影響があるとされています。

健康

貧困は直接的に、子どもたちの健康に悪影響を与えます。例えば、栄養不良です。
貧しく余裕がない生活のため、肉や野菜、果物を買うことが少なく、まだ課金作物として育てたものを売ってしまう慣習があるため、栄養不良が大きな問題となっています。

2015年時点では世界で年間590万人の子どもが5歳の誕生日を迎えることなく命を失っており、その半数以上の300万人が栄養不良と深く関わっていると言われています。

直接の死因は肺炎や下痢ですが、その病気にかかりやすくなったり回復できなかったりするのは、栄養失調によって、免疫力や体力が低下したためです。

また感染症の猛威も子どもたちの健康を脅かす、大きな要因です。特に三大感染症のHIV/エイズ・マラリア・結核は、対策が取れる病気であるものの、アフリカでは未だに多くの人が亡くなる病気とされています。

そして貧しい環境によって病気を正しく治療できず、命をなくす子どもが多く存在しているのが現状です。

国のインフラが特に農村では整っていないため、医師が在中しサービスが整う病院があまりない、病院までのアクセスが悪い、病院まで行くお金がないという理由で、死なずに済むような病気で亡くなる方も多くいます。

また国の資金不足によって、病院や医療従事者へ投資するのが難しく、そのため近くに病院や医者がおらず、医療のアクセス低下につながっています。

(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「「栄養不良が脅かす、「命」・「成長」・「未来」」)

教育

貧困問題と教育の因果関係も深くあります。

例えば、保護者が貧しいために、子どもを学校へ通わせるよりも、労働させることを優先してしまい、教育機会が奪われることがあります。

貧困が原因で親が教育を十分に受けていないことから、教育の大切さを実感できず、子どもを進んで学校に通わせられないという問題もあります。
貧困が次の世代に受け継がれ、貧困の罠から抜け出すのは難しいことなのです。

2016時点では学校に通えない子どもは世界に6,000万人いますが、サブサハラ・アフリカにはその半数の3,000万人の学校に通えない子どもたちがいます。

病院と同じく、国が貧しいために学校が近くにない、学校はあっても教室や備品が足りないなどの問題があります。また、教師が適切なトレーニングを受けていなかったり教科書の情報が古かったりなど様々な問題が未だに山積みです。
これらは国の財政が少ないことに関係しています。
国を経済的に発展させるためには人材育成が欠かせませんが、そのための根本の初等教育の発展には財政が必要な状況です。

(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「子どもに関する年次統計 ユニセフ『世界子白書2016』発表 2030年までに6,900万人の乳幼児が命を落とすと指摘」,2016)

  • サブサハラ・アフリカ地域は世界に比べても貧困層が多い地域で、世界の貧困層の半数を占めている
  • 年間590万人の子どもが5歳の誕生日を迎えることなく命を失っており、その半数以上の300万人が栄養不良と深く関わっている
  • 学校に通えない子どもは世界に6,000万人おり、サブサハラ・アフリカにはその半数の3,000万人の学校に通えない子どもたちがいる

アフリカで実際に行われている支援活動は?


このようなアフリカの状況を打破しようと、様々なNPO・NGOや国が支援を行っています。

日本の援助

外務省はODA(政府開発援助)の二国間政府開発援助政策により、アフリカを長年支援しています。その支援の中心に置かれるのが、TICAD(Tokyo International Conference on African development、アフリカ開発会議)で、国連や国連補助機関、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)などとコラボレーションしながら、アフリカ諸国の問題の解決に取り組んでいます。

また二国間政府開発援助においてアフリカ地域は、アジアの次に多い地域となっています。

(出展:外務省「第2章 日本の対アフリカ支援とTICADプロセス 」)
(出典:文部科学省「アフリカ概要と日本の対アフリカ外交」,2019)

NPO・NGO・民間企業の支援

アフリカに援助を行うNPO・NGOや民間企業も多く存在します。

例えば国際NPO・NGOは、エチオピア、ウガンダ、ケニア、コンゴ共和国、タンザニア、マラウイ、ルワンダ、ソマリア、スーダンという、幅広いアフリカを対象に、子どもたちの健康を促進する活動を行っています。

民間企業との連携

また民間企業でも、この20年ほどで開発を行う役割として活躍するようになってきました。

例えば、民間企業の中には国際機関と協力し、古着を集めてアフリカに送る活動を長年続けています。
他にも、国際機関では民間企業とパートナーシップを組んで、民間の技術を生かし、国際開発に活かす取り組みをスタートさせています。

このように国際協力に携わるアクターは多様化していて、各自の強みを生かしてアプローチしています。

  • 日本はODAの二国間政府開発援助政策により、アフリカを長年支援している
  • アフリカに援助を行うNPO・NGOや民間セクターも多く存在している
  • 国際機関では民間企業とパートナーシップを組んで民間の技術を生かし、国際開発に活かす取り組みをしている

アフリカの貧困の人々のために私たちができることは?


それではアフリカの貧困を軽減するために、私たちができることは何でしょうか。

まずは「アフリカについて知り、発信すること」、興味を持って知ることが大切です。

国際情勢を知る

複雑なアフリカの経済社会事情や、国際協力の実状について知ることです。
調べたり新しい発見があったことを自分の観点で周りに発信することで、自分を中心にアフリカに関心ある人が周りにも増えるでしょう。

実際に現場に参加してみる

近年は本やメディア、またアフリカに渡航したことのある人とSNSなどを通じて気軽に出会うことができます。またスタディツアーなどを通じて、自分の目で実際の現場を見てみるのもいいかもしれません。

少額からできる寄付

少しの寄付であっても、その活動をしている人を勇気づけ、現地の人の力になります。
寄付は500円や1,000円といった少額からできるため、一人ひとりの少しの行動が、多くの人を救う力になるのです。

アフリカの貧困を軽減するために私たちができること

  • 国際情勢を知る
  • 実際に現場にボランティアとして参加してみる
  • 寄付

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アフリカの人々を支えるために私たちにもできる行動


アフリカの貧困問題は、様々な原因が絡み合う難しい社会問題です。

日本の人々や様々な団体は、このアフリカの状況を打破するため長年にわたり支援を続けてきました。しかし、一人でも多くの人々を貧困から救うためには、資金や人材がまだまだ足りていません。

そこで、無理のない範囲であなたのお力を貸していただけませんか?

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この記事を書いた人
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