イチロー、羽生、武豊→大谷、藤井聡、武豊? - 関内関外日記

イチロー、羽生、武豊→大谷、藤井聡、武豊?

なんとなくおれのなかでイチロー羽生善治武豊が同じ箱に入っていて、まあ天才とかそういう人なんだろうけど、世間的に見ても、そのジャンルを知らない人にも知られている人というか、そういう存在。

で、これが令和の今になってどうなったかと思えば、やはり大谷翔平藤井聡太となるのではないかと思う。もちろん、羽生善治はばりばりの現役だし、こないだ藤井聡太とタイトル戦やったばかりだ。でも、現状の将棋界を支配しているのは藤井聡太といっていいだろう。

まあそれはともかく、「武豊の後って?」と競馬ファンとしては思わざるをえない。川田将雅といったところで、競馬ファン以外には知られていなさそうだ。そもそも名前を読めないだろう。「しょうが」ではなく「ゆうが」だ。ルメールさんといったところで、年齢的にもむしろ武豊寄りのベテランにはなってしまっているし、競馬界以外では、といったところはある。

三浦皇成など出てきたときは、デビュー時の一瞬だけ「次の武豊か」と思ったものだったが、いろいろあったというか、なんというか、1000勝ジョッキーなのに中央G1未勝利という別の意味で不滅の記録を打ち立てようとしている(それを拒んでいるのか999勝で足踏みしている)。

三浦なみに現れた、あるいはもっと話題性を持って現れたのが今村聖奈ということになるか。これは……あるかどうかまだわからない。スマホ問題でケチがついたが、今後次第かもしれない。個人的に女性騎手は最終レースの平場で軽量の馬とか持ってきてくれるイメージが強いのでありがたいのだが、今はそういうスケールの小さい話をしているのではない。やっぱりもっとたくさん重賞を当たり前に勝つレベル、もちろんG1を勝たなければならない。

福永祐一は「ネクス武豊」に一番近かったかもしれない。テレビ受けもしそうだ。背負っているストーリーも申し分ない。だが、これもぜいたくな話になるのだが、騎手として本当に本格化したのが遅かった。「このごろの祐一はダービーも勝ったし、信頼できるな」と思った途端に引退して調教師になってしまった。

というわけで、目下のところ、日本競馬の騎手の顔となると、まだ武豊ということになる。そんな話を、今年の日本ダービーのときに田原成貴東スポの一面で書いていた。そこで、田原が「時代が来る」と予想したのが横山武史。大本命ソールオリエンスでダービーを制覇して、横山武史時代の到来を期待したのだ。が、ソールオリエンス二着。まだ、横山武史の時代は来なかった。

が、横山武史、騎乗成績はともかくとして、存在感として武豊的になれるのかというと、これもちょっとキャラが違うような気がしてならない。もっとなんか、グイグイくるタイプに見える。どうもあの、武豊の持つスマートさとユーモア、社交性と比べると……。

とか、言い出すと武豊武豊であって、ほかのだれにも武豊は求められないということになる。もちろん、競馬の主役は競走馬ではある。しかし、競走馬のサイクルは早い。そしてあのディープインパクトだって、バラエティ番組に出ておもしろいトークをすることはできなかったわけである。CMに出たアドマイヤジャパンとかいう馬はいるけれど。

というわけで、今後、競馬界に「顔」となるジョッキーが出てくるのかどうか、競馬ファンのおっさんとしては余計な心配をしてしまうのである。もちろん、武豊があと十年乗り続けて、十年後も同じようなことが心配されていたりする可能性もあるのだが、出てきたときから圧倒的な騎手というものを見てみたい。おれは平成の武豊はそれなりに知っているが、デビュー当初の、昭和の武豊を知らないのだ。そういうものを見てみたい、という思いはある。おれが競馬で見てみたいのは、青葉賞からのダービー馬と、武豊のあとを継ぐジョッキーである。

ちなみに、この話題はこの日記で三回目くらいになる。マイナージャンルのファンは意外と、世間に通用するネームヴァリューもったプレイヤーの存在を気にするのだ。