おれは夏になって何度か腹を壊した。脳からくるものかもしれないし、悪いものを食ったものを食ったせいかもしれないし、風邪からくるものかもしれない。しかし、犯人さがしで一つ気になるものがあった。エアコンである。この夏、エアコンをためらわずに使え、というのが大本営発表である。というわけで、オフタイマーをしかけて寝るのだが、位置的にエアコンの風が直撃するところで寝るおれの腹に悪さをしていないのか、そう思った。
そう思ったが、「エアコン=腹を壊す」という根拠が欲しかった。そこでおれは調べた。
むむ、よくわからぬが、医師のアンケートでも割れているではないか。明確な機序が明らかになっていないようだ。でも、「ある」という答えのほうが多いようだ。
そしてさらに、おれのこの記事について読者のかたからメールを頂いた。
曰く「腹巻きをお使いなさい」。
うむ、使うか。おれはそう思った。メールではタオルを紐で縛るのもいいとあるが、ちょうどいい紐がなかった。そこで、おれは腹巻きを買うことにした。人生初腹巻きである。
暑くて眠れなくなっては困るので、夏用とか、クーラーとか入れて検索した。これにした。これのベージュだ。腹巻きといえばベージュだ。バカボンのパパだ。
そしておれは毎晩腹巻きをして寝ている。腹巻きは上から着るのか、下から履くのかわからぬが(上から着ている)、ともかく腹をガードして就寝しているのである。
……その結果、いまのところ、「腹壊す」というほどのことにはなっていない。むろん、風邪であるとか、なにか悪いものを食ったとか、そういう原因を避けているだけ、という可能性はある。だが、とりあえず腹を壊してはいない。暑くて眠れない、気になって眠れない、ということもない。むしろ、腹を優しく包んでくれて、エアコンの涼しさとともに眠りに入るのに役立っている気分すらある。今のところ、おれは「エアコンに腹巻き」肯定派、ということになる。エアコンなしには暑くて眠れない。とはいえ腹を壊す、そんな人、試しに腹巻きを試してみても悪くはないだろう。そのように、おれは思う。以上。