そこが大事なところなんだ - 関内関外日記

そこが大事なところなんだ

goldhead2006-01-24

 帰ってテレビをつけると堀江貴文逮捕の特番放送中。TBSとテレビ朝日。月9にぶつけるには格好の素材。筑紫も古館も準備しろ。二機のハウンドが車を追う。車の中には堀江容疑者が目をつぶる。目をつぶって夢を見る。堀江は大きな伽藍の中にいる。目の前に孫悟空がいて、天国に行きたいか地獄に行きたいか聞いてくる。おかしな話だ、これから小菅の拘置所に行くのだ。ほら車が高速を降りたぞ。カメラ追え、リポーター用意しろ。おかしいぞ、内のヘリはまだ高速の上じゃないか! 仕方ない、追随しろ、「堀江社長を乗せた車が……」。ナレーションと被ってるぞ、くそったれ。ハウンド六番機小菅上空でホバリング。中庭の雪上を進むバンの中には一人目の堀江。二人目の堀江はまだ高速道路。十番機あきらめるな。二人目の堀江、夢の中。行き先は天竺かタックス・ヘイブンかわからない。夢を食った獏の糞を食って夢無き熱帯の姫は夢を見る。拘置所に入る前にはケツの穴まで懐中電灯で照射される。おい、どっちに堀江が乗ってるんだ。カーテンの向こう、スモークシールドの向こうが大切なんだ。どっちに堀江が乗っていたんだ、世の中にこれほど重要なことはない。世界で最大の関心事だ。プライオリティ・ナンバーワン。ハウンド、カメラ揺らすな、CM入れるな。雪の中からチャウセスクを銃殺した少年兵隊が行進してくる。塀の外で神軍ががなり立てる。ゆきゆきて一・二三。なあ、どっちに乗ってたんだ? 和田サンが騒ぎに目を覚ます。こんなお祭り、久しぶりじゃないか。三人目の堀江はオーストラリアの崖の上。あんな高いところではおちおち高いびきもできない。そんなときはまぶたの上に目を描いて、夢を見ているふりをすればいいのさ。