キヤノン株式会社(以下:キヤノン)と東レ株式会社(以下:東レ)は、世界最高水準の難燃性をもつ*1、植物由来成分を25重量%以上含んだバイオマスプラスチックの開発に成功しました。このバイオマスプラスチックは、来年以降に発売するキヤノンのオフィス用複合機の外装部品として採用する予定です。
植物原料由来のバイオマスプラスチックは、CO2増加の抑制や石油資源の消費量節減など、環境負荷の低減に有用な材質です。しかし、石油を原料とした従来のプラスチックに比べて、難燃性、耐衝撃性、耐熱性、成形性などの面で劣っていたため、オフィス用複合機においてバイオマスプラスチックを利用できる部分はこれまで製品内部のごく一部に限られていました。
このたび、キヤノンと東レは、新たな材料設計と成形技術の確立により、これらの材料特性を改良したバイオマスプラスチック“エコディア”を開発しました*2。特に難燃性については、オフィス用複合機に適用可能なバイオマスプラスチックとして世界で初めて、UL規格94の5Vを達成しています*3。
このバイオマスプラスチックは、従来のオフィス用複合機に使用している石油系プラスチックに比べて、製造に関わるCO2排出量を約20%削減することが期待できます。
将来的には、オフィス用複合機に使用している従来の石油系プラスチックを、製品内部の一部だけでなく、高度な難燃性が要求される外装部品まで、バイオマスプラスチックに置き換えることが可能になります。
キヤノンでは、来年以降に発売するオフィス用複合機の新製品からこのバイオマスプラスチックを順次採用し、まずは年間で100トン程度使用する予定です。
キヤノンと東レは、今後もバイオマスプラスチックの改良を重ね、適用範囲や用途の拡大を目指して、さらなる技術開発を進めていきます。