財団法人 京都国際文化交流財団(以下 京都国際文化交流財団)ならびにキヤノン株式会社(以下 キヤノン)が3ヵ年計画で進めている「文化財未来継承プロジェクト」(愛称:
「文化財未来継承プロジェクト」は、京都国際文化交流財団が主体となって推進する文化財保存活動の一環として発足したもので、キヤノンがその趣旨に賛同して昨年3月から開始したプロジェクトです。屏風や襖絵など、古くから日本に伝わる貴重な文化財をデジタル化して記録するとともに、そのデータをもとに、デジタル技術を応用して高精細な複製品を制作*します。これらの作品を活用することで、オリジナルの文化財はより良い環境のもとで劣化を防ぎながら保存することが可能となるため、貴重な文化財の未来への継承がより確実に行えるようになります。本プロジェクトは2010年2月末までの3年間で15作品以上の複製を予定しています。
このたび、東京国立博物館に所蔵されている国宝の「松林図屏風」(長谷川等伯筆)や、メトロポリタン美術館に所蔵されている「八橋図屏風」(尾形光琳筆)など、第1期5作品が完成し、オリジナルの文化財を所有していた社寺や博物館へ寄贈することになりました。この中には、海外に流出してしまったために、日本国内では目にすることが困難な「里帰り」作品も3点含まれています。
寄贈された社寺や博物館では、今後、作品を広く一般に公開することにより、日本の優れた文化や芸術に身近に接する機会を、世界中のできるだけ多くの方に提供する予定です。
文化財の保存活動に長年の経験と蓄積を持つ京都国際文化交流財団と、高精細で高画質な作品の制作を可能にするデジタル技術を持つキヤノンとが協力して、本プロジェクトを引き続き推進することにより、両者は、今後も芸術を通じた社会や文化の発展に貢献していきたいと考えています。
文化財未来継承プロジェクト(綴プロジェクト)作品
国宝「上杉本 洛中洛外図屏風」 六曲一双 桃山時代 狩野永徳筆
原本:米沢市上杉博物館所蔵
名称 | : | 文化財未来継承プロジェクト( |
主催 | : | 財団法人 京都国際文化交流財団 |
協賛 | : | キヤノン株式会社 |
期間 | : | 2007年3月1日 ~ 2010年2月28日まで 3年間 |
対象 | : | 国内外にある日本の文化財(屏風・襖絵など) |
テーマ | : | 1.「海外へ流出した作品の里帰り」 2.「日本を代表する水墨画作品」 3.「歴史をひもとく文化財」 |
作品名 | 員数 | 作者名 | 時代 | テーマ | 現所蔵元 | 寄贈先(旧所蔵者) |
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六曲一双 | 桃山時代 | 2 | 東京国立博物館 | 東京国立博物館 | ||
六曲一双 | 江戸時代 | 1 | メトロポリタン美術館 | 京都市 (尾形光琳の故郷) |
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襖絵四面 | 江戸時代 | 1 | メトロポリタン美術館 | 妙心寺天祥院 | ||
襖絵四面 | 桃山時代 | 1 | シアトル美術館 | 花園大学 (京都市) |
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(上杉本) |
六曲一双 | 桃山時代 | 3 | 米沢市上杉博物館 | 米沢市 |