この建物は北白川宮能久(きたしらかわのみや・よしひさ)親王の第1王子で陸軍軍人だった竹田宮恒久(たけだのみや・つねひさ)王の邸宅として建てられました。妃は明治天皇の皇女昌子内親王。 戦後は商工大臣公邸、通商産業大臣公邸を経て、 高輪プリンスホテルの所有となり、 1972年(昭和47年)に村野藤吾によって改修・復元されました。現在はグランドプリンス高輪(旧高輪プリンスホテルの)結婚式場として使用されています。私が泊ったすぐそばの新高輪プリンスホテルは北白川宮邸の敷地でした。 天然スレート葺き屋根にドーマーウィンドウのあるルネサンス建築。工部大学校(東大工学部建築学科前身)の一期生(辰野金吾、曽禰達蔵らと同期、ジョサイア・コンドルの最初の弟子)で、迎賓館を設計した片山東熊(かたやま とうくま)らの設計で宮内庁直営による施工により建てられました。 片山東熊は宮内省内匠寮にいた関係から宮内省の諸施設など36件の設計に関わったほか、公務の合間に貴族の私邸を設計しています。迎賓館のほかにも東京国立博物館表慶館、京都国立博物館特別展示館が有名です。 日本の明治初期における近代建築の先駆けとして、西洋の様式主義を踏襲した建築家なので、この建物も、住宅としては重厚な意匠になっています。いかにも明治の洋館というべき鉄骨煉瓦造2階建て地下1階。 グランドプリンスホテル高輪貴賓館 旧竹田宮邸 1911(明治44)年 / 改修・復元 1972(昭和47)年 設計 : 片山東熊+木子幸三郎+渡辺譲 / 改修・復元:村野藤吾施工 : 宮内省直営 東京都港区高輪3-13-1 撮影 : 2008.10.12 & 13 ちなみにプリンスホテルの「プリンス」は皇室の邸宅を購入してホテルにしたからだそうです。言われてみれば李王家邸(旧北白川邸、)は赤坂プリンス、閉鎖された横浜プリンス(磯子プリンス)は東伏見宮別邸、軽井沢の千ヶ滝プリンスは朝香宮沓掛別邸・・・むむむ
by gipsypapa
| 2009-01-21 14:24
| 建築
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