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「北海道「地理・地名・地図」の謎」 〜トリビアな点がよい


これは北大を出た現役の中学社会科の先生が書いた本です。「北海道愛」に溢れています。私も北海道大好きなので、喜々として読みました。


 まず驚いたのは北海道にこんなに内地の地名を反映した市町村があったこと。「北広島」は有名ですが、それ以外にも全道にあります。移住した内地人は郷愁にかられていたのでしょう。しかし言うまでもなくアイヌ語から転写した地名が圧倒的に多い。「内」や「別」という北海道の地名に多い接尾辞が、川からきているとは知りませんでした。アイヌにとって河川が移動手段あるいは目安として非常に大きかったのでしょう。八雲町に尾張徳川家が特別な目を掛けていたことは知っていましたが、幕末の尾張家騒動と関係した移住地だったと知りませんでした。


 北海道の都市は札幌始め碁盤の目の直交する道路で作られたところが多いですが、帯広のようにプラスして斜交道路も持つ都市があることも知りました。郊外とのつながりも重視した設計なのか。確かに都市中心が完全に碁盤の目だと、何処から出たら周辺域の目的方面に行けるかすぐにわからないです。


 今でも炭鉱採掘をおこなう鉱山があるとは知りませんでした。釧路コールマインですが、技術の継承のための保存かあ。ちょっとびっくりです。


 ストーンサークル、秋田にもありますが、北海道にもかなりあるようです。ストーンサークル、世界的にも北半球一帯に見られますが、少なくとも北海道のは墳墓の一種だそうです。神殿ではないのか。知らなかった。


 アイヌ民族資料館の「ウポポイ」の開館は不人気な首相・菅義偉がテープカットしたせいで今ひとつぱっとしませんが。あそこは一見の価値があります。


 札幌・羊ヶ丘のクラーク像は有名ですが、あれは北大構内のクラーク像に観光客が殺到するために、クラーク博士とは縁もゆかりもない場所に立てられたそう。確かに今北大キャンパス内のクラーク像周辺は静かで、効果はあったと言えそうです。


 JR北の石勝線で旅すると、遠軽方面から北見駅に着く前の長いトンネルに驚きます。一体なんで土地が有り余る地方でトンネル?と思っていましたが、道路との交差で起こる交通渋滞の緩和だったとか。高架にすると冬対策が大変だし騒音問題があるからとのことですが、北見駅を網走方面に出ると高架が続きますよ?そちらは書いてないけど、謎だな。


交通標識で動物注意標識「赤いキツネに綠のタヌキ」は無論例のカップ麺から来ていると思いますが、ユーモアありますね!しかし、北海道にタヌキいたの?調べたら北海道西部を中心にエゾタヌキがいるそうです。てっきり北海道にはキツネしかいないと思っていたので、僕にとって新発見でした。


 主に地名に関した北海道のトリビアが語られていて、なかなか楽しめます。今度の北海道旅行も楽しみだな。


「北海道「地理・地名・地図」の謎」増補改訂版 北村崇教・本郷敏志監修 じっぴコンパクト新書 2024.7.17