アメリカ人の21%が「SNS上のインフルエンサーからニュース情報を得ている」と回答、どんな人がインフルエンサーを情報源にしがちなのか?
近年では、情報の収集手段としてテレビや新聞などのマスメディアよりも、ソーシャルメディアのインフルエンサーから情報を得る人々の割合が増加傾向にあります。約1万人を対象としたアメリカのシンクタンク「ピュー研究所」が約1万人を対象に実施した調査では、成人のアメリカ人のうち21%が「ニュースインフルエンサー」と呼ばれる個人から時事問題に関する情報を入手していることが明らかになりました。
Influencers Who Often Post About News, and Who Sees Their Content | Pew Research Center
https://www.pewresearch.org/journalism/2024/11/18/americas-news-influencers/
20% of Americans Get Their News From Influencers | PCMag
https://www.pcmag.com/news/20-of-americans-get-their-news-from-influencers
The majority of news influencers are conservative men, study finds
https://www.usermag.co/p/the-majority-of-news-influencers
News influencers are predominantly men and more likely conservative, study finds | Mashable
https://mashable.com/article/influencer-politics-men-conservative
ピュー研究所は2024年7月~8月にかけて、1万658人のアメリカ人を対象に調査を実施。その結果、アメリカ人の21%が「ソーシャルメディアでニュースインフルエンサーから定期的に情報を取得している」と回答したことが明らかになりました。
ピュー研究所によると「ニュースインフルエンサー」とは、ソーシャルメディア上で時事問題について定期的に投稿し、FacebookやInstagram、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeのいずれかに10万人以上のフォロワーを抱える個人とのこと。
世代別の調査では、最も「ニュースインフルエンサーから情報を得る」と回答したのは18歳から29歳の成人で約37%、次いで30歳から49歳の26%、50歳から64歳では15%に低下し、65歳以上の世代ではわずか7%にとどまりました。
また人種別にみると、ヒスパニック系が30%、アジア系が29%、黒人では27%、白人では17%の回答者が「ニュースインフルエンサーから情報を得ている」と回答しました。そのほか、低所得層は26%がインフルエンサーの情報を得ていると回答した一方、同じ回答をした高所得層のアメリカ人はわずか16%でした。
ニュースインフルエンサーをフォローする人々の間には、明確な政治的区分がないことも分かっています。調査では、回答した共和党支持者の21%、民主党支持者の22%が「ニュースインフルエンサーから情報を得ている」と回答しています。
ソーシャルメディアでニュースインフルエンサーから情報を入手する理由として65%の参加者が「トピックをより良く理解するため」と回答しているほか、70%の参加者が「ニュースインフルエンサーから得られる情報は、他の情報源から得られるニュースと異なる」と回答していることが明らかとなっています。一方で、「ニュースインフルエンサーとの個人的なつながりを感じるため」と回答した参加者は31%にとどまったことも示されています。
また、ピュー研究所は500人の人気ニュースインフルエンサーを対象として調査を実施。その結果、ニュースインフルエンサーの約85%がXにアカウントを持っていることが明らかとなったほか、約75%のニュースインフルエンサーが複数のSNSを利用していることや、そのうち27%が5つ以上のSNSを利用していることが判明しました。
さらに、多くのインフルエンサーはポッドキャストやニュースレターを通じてコンテンツを共有しており、サイト全体ではニュースインフルエンサーの約59%が購読や寄付、商品販売など、何らかの方法でオンラインプレゼンスを収益化していることも明らかとなっています。
加えて、今回調査を行ったニュースインフルエンサーの男女比は63:30であったことも示されました。また、FacebookやYouTube、Xでは男性の割合が比較的高いことも報告されました。
そのほか、アカウントのプロフィール、投稿、運営するウェブサイトにおいて、右翼的な政治的思考を示したニュースインフルエンサーの割合は27%で、左翼的なニュースインフルエンサーの21%を上回ったことが判明しています。
調査を行ったニュースインフルエンサーのうち、約半数が明確な政治的志向を表明しませんでしたが、ピュー研究所の調査では、Facebookのニュースインフルエンサーが最も右翼的な意見を示す傾向が高く、続いてX、YouTube、Instagramの順で右翼的なニュースインフルエンサーが多いことが報告されています。
一方でTikTokは男女比が50:45と、調査を行ったSNSの中で最もユーザーの男女差が小さく、Facebook、X、YouTube、Instagramを含めたトップ5の中で唯一右翼的なニュースインフルエンサーの割合が左翼的なニュースインフルエンサーの割合を下回ったことも明らかになっています。
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