ゲームの「チートツール」は著作権侵害ではないとの判決でソニーが敗訴
by Ted Fu
Pro Action Replay(プロアクションリプレイ)などで知られるイギリスのゲーム改造ツールメーカー・Datelを、ソニーが著作権侵害で訴えた裁判で、欧州司法裁判所が2024年10月17日に「ゲームを改造しても著作権の侵害には該当しない」との判決を下しました。
The Directive on the legal protection of computer programs does not allow the holder of that protection to prohibit the marketing by a third party of software which merely changes variables transferred temporarily to a game console’s RAM - cp240181en.pdf
(PDFファイル)https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2024-10/cp240181en.pdf
European Court of Justice rules against Sony in lawsuit over Action Replay cheats | GamesIndustry.biz
https://www.gamesindustry.biz/european-court-of-justice-rules-against-sony-in-lawsuit-over-action-replay-cheats
Sony Loses as CJEU Rules Datel's RAM Data 'Cheat' Non-Copyright Infringing * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/sony-defeated-as-cjeu-finds-datels-ram-data-cheat-non-copyright-infringing-241018/
EU court upholds right to sell PlayStation add-ons, in loss for Sony | Euronews
https://www.euronews.com/my-europe/2024/10/17/eu-court-upholds-right-to-sell-playstation-add-ons-in-loss-for-sony-datel-game-mods
2012年、ソニーはDatelが開発したPlayStation Portable(PSP)用のチートツールである「Action Replay PSP」と、PSPを傾けて操作できるようにする「PSP用Tilt FX」は著作権の侵害であるとして、Datelを訴えました。
問題となったゲームはソニーが2009年にリリースしたPSP用レーシングゲームの「MotorStorm Raging Ice 〜モーターストーム レイジングアイス〜」で、Datelのツールを使うと無限ブーストなどのチートが可能だったとのこと。
by MiNe
ソニーは法廷で、Datelのチートツールがゲームの「プログラムフロー」、つまりゲーム機の中で生成されたデータを変更したのは、ソニーが著作権を持つゲームコードの改変であり、無許可でソフトウェアの二次的著作物を作成する行為に該当すると主張しました。
ドイツのハンブルク地方裁判所は2012年に、ソニーの訴えを支持する判決を下しましたが、ハンブルク高等地方裁判所は2021年に下級裁判所の判決を覆し、ソニーの訴えを全面的に棄却しました。その後、ドイツの裁判所は訴訟を欧州司法裁判所に付託し、ゲームのチートが著作権で保護されたコンピュータープログラムの改変に該当するかどうかの判断を仰ぎました。
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