「著作権侵害だから」という理由で「スクリーンショットを規制」するとマジで死ぬというのをかつて証明した実例がある - GIGAZINE
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「著作権侵害だから」という理由で「スクリーンショットを規制」するとマジで死ぬというのをかつて証明した実例がある


著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定」になりましたが、昔、今回と同じように著作権に配慮した結果、「スクリーンショット」そのものを禁止してしまい、何も共有されることがなくなり、劇的に影響力を落としていき、市場シェアが激減してコミュニティもいっしょに滅んでいったものがあります。その名は「Windows Phone」、かつてAppleのiOSやGoogleのAndroid登場前、スマホと呼ばれるよりはるか前に「PDA」という名前で市場シェアの大部分を握っていたあのMicrosoftのOSの正統進化系だったはずのものです。

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Windows Phone 7では「スクリーンショット機能は著作権侵害を助長する」ということでいろいろな方面に配慮した結果、なんと画面キャプチャ、いわゆる「スクリーンショット」機能が削られており、ソフトウェアのレビューをしようとすると「画面を写真撮影する」という方法しかなくなってしまいました。

実際に当時のレビューを見るとその苦労がはっきりとわかります。下記のPC Watchの2011年9月8日の記事中でも「画面キャプチャを撮る方法が無いのにも苦労した」とはっきり書かれています。

【西川和久の不定期コラム】世界初のWindows Phone 7.5搭載スマートフォン「au IS12T」 ~人とつながるPeopleハブが最大の魅力 - PC Watch

記事を書くにあたって画面キャプチャを撮る方法が無いのにも苦労した(あるにはあるのだが、実機を開発用にレジストレーションし、非公式のツール/Windows Phone Device Managerを使う必要があるため今回は全て写真撮影している)。


ほかにも当時のブログや記事を読むと、この「スクリーンショット禁止」という方針がどれぐらいWindows Phone普及の足を引っ張ったのかというのがわかります。

Windows Phoneでスクリーンショットをとる - backyard of 伊勢的新常識

まずは、スクリーンショット。WP7ではスクリーンショットを基本的にはとることができません。著作権保護コンテンツに配慮してこうなっているのですが、でもblog書いたりとかするのに不便です。。


404 Blog Not Found:0th Impression - Windows Phone IS12T

というわけでまずはMicrosoftにお願い。なるはやでスクリーンショットを取れるようにしてくれ。それが出来ないなら、社員総出で店先でどうぃ~~~んいわすぞ!


pocketgames PDA秘宝館 » Blog Archive » Windows Phone 8 では、デフォルトでスクリーンキャプチャが撮れるようになるといいですね

Windows Phone 7.xでは、素の状態では、スクリーンキャプチャを撮ることができません。 撮ることができるようにする方法はあるそうなのですが、WP素人の自分にはもろもろ面倒に感じるので、いつも端末を直接撮影してアプリの紹介とかしてます。


一応、開発者アンロックというのをすることでスクリーンショットをする方法があったのですが、手順によっては下記のようにMicrosoft公式の開発者登録で9800円も払う必要があり、最終的には9ドルまで値下げされたのですが、時すでに遅しでした。

IS12Tをキャプチャー撮れるようにするまで | ちえの気ままログ

こちらのサイトからアンロックツール(公式)がダウンロードできるようです。
まずは、「Steo1:Get Token」よりトークンを購入します。
$9.00USDをPaypal経由で支払います。アカウントを持っていなくてもクレジットカードでゲストとして決済できます。
<加筆>今まで開発者登録に9,800円かかってしまうということでしたが、9ドルで済んだのは嬉しいです!


Windows Phoneの画面キャプチャ手順(公式ツール利用編)

 WP7アプリを実機で検証したり、Marketplaceでアプリを公開するには、必須のサービスです(基本的に年間99ドル)。


そのような面倒なことをしてまでスクリーンショット機能を使っていろいろな情報を共有しようという奇特なユーザーがどれほどいるかというと極めて少なく、まともなアプリのレビューをする事ができないため、Windows Phoneのネット上での存在感はあっという間に消えていきました。

この状況を何とかするため、マイクロソフトのいろいろな開発を普及させるさまざまな活動を行うマイクロソフト株式会社 デベロッパー&プラットフォーム統括本部 エバンジェリストの高橋 忍氏は当時、苦肉の策としてなのか、以下のようなエントリーを公開していました。

[WP] アプリケーション自身のスクリーンキャプチャ機能の実装 – 高橋 忍のブログ

Windows Phone では スクリーンキャプチャを取ることはできませんが、アプリケーション自身に自分の画面を保存機能を持たせることができます。


iPhoneやAndroidではスクリーンショットが自由にできるにも関わらず、Windows Phoneではスクリーンショットが自由にできなくなり、それ以外にもさまざまな要因が重なり、結果として次期バージョンの「Windows Phone 8」ではついにスクリーンショット機能が搭載されましたが、完全に後の祭りとなってしまい、その後どうなったかは2019年現在のスマホ市場を見れば明らかで、スマホOS市場においてWindowsの姿はほぼ見えなくなってしまいました。以下の記事タイトルの変遷を見れば明らかです。

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すさまじい没落っぷりです。「スクリーンショット機能が使えなかったことだけが原因ではない」と当時の関係者は言いたいかもしれませんが、逆に当時のユーザーであった自身の立場から言えば、スクリーンショット機能が使えないためにレビュー記事をまともに作成することができず、うだうだしている間に「コミュニティの火がどんどん小さくなって消えていく」のを実感し、極めて絶望的な気分を味わいました。いまだに当時の「スクリーンショット禁止」というめちゃくちゃな方針を断固として許すことはできません。

そして歴史は繰り返すのか何なのか、「著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定」ということで、かつて2011年にあのマイクロソフトが大失敗した愚行が再度繰り返される可能性が極めて大きくなっています。私企業であるマイクロソフトの場合は「OSという製品の死」でしたが、国家レベルでスクリーンショットを禁止した場合、何が死ぬのかはまだ不明です。しかし、過去の先例から考えても「確実に何かが死ぬ」ことは間違いありません。

少なくとも過去のマイクロソフトの犯した明確な失敗から学べる確かなことは、スクリーンショットは決して「著作権侵害」ではなく、むしろいろいろなものを「オープン」にして「共有」することを促進する利点の方が大きい、つまり権利侵害という被害よりも、コミュニティや文化を育てるというメリットの方が実ははるかに大きかったのだ、ということです。その事実に気付いてあわててスクリーンショット機能を次期バージョンで搭載したマイクロソフトですが、前述したように、まともに復活することはできませんでした。

かつての「スクリーンショット禁止」というマイクロソフトの方針は、一度何かが失われて破壊された場合、二度と元に戻すことができなくなるという世界的な実例だったのではないでしょうか。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   コラム, Posted by darkhorse

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