90歳超えた方の旅立ち
2025年 02月 18日
kさんとはそれ程長いお付き合いとは言えないけれど(20年余り)傾聴ボランティアのように随分色々なお話しを伺った。
数年は高級感のあるサ高住にお住まいだった。友人と二人で伺ったのは半年ほど前。同じお話しの繰り返しというような認知症の
初期症状はあるものの、私の事も認識されあっという間の一時間弱だった。
他の方からクリスマス前もお変わりなかったと聞いていた。
数年前医師であった最愛のご長男が他界され、ご次男も病に伏されるという私達も信じられないくらいのお辛い晩年だったと思う。
あまりのことにお掛けする言葉も無かったけれど発症した認知症がその悲しみを
和らげたのか、お会いした時は静かに一言『長男が先に逝ったのよ』とおっしゃっただけだった。
そしてこの度、何と前夜までお食事も済まされ、翌朝お苦しみの様子もなく亡くなられていたとか。
晩年があまりにもお気の毒だったので神様が生きている上での一番の苦しみは取り除いて下さったのかしら?と
感謝の祈りを捧げる。
一時は再起不能と言われていたご次男にお会いすることが出来『その後お加減はいかがですか』と訊ねしたら『まだリハビリ途中で
万全ではありませんが何とか見送る事は出来て良かったです』とおっしゃり胸が詰まる。お兄様と同じ医師だけれど訪問診療などの
負担の少ない科に移られたようで、どうか長く続けられるよう祈る。
私が今も心を痛めているのはお墓の事。街中のマンションに移られた時、郊外の立派なお宅を売却、同時に庭石などの処分、
再利用も検討された。大きさは伺っていないけれどその中の一つを石材店に依頼墓石にして書をたしなむkさんの文字を写し
彫刻して貰ったと聞いていた。そして建立、とても仲睦まじかったご主人様を納骨し『私の仕事は終わったの』と清々しい
ご様子だったのに何とご自分はそこではなくお母様とご一緒の所に…とおっしゃったとか。
ご主人様は誰からも慕われる数学の教師で穏やかな人だったと言われ羨ましく思ったものだけれど‥‥。
立派なお墓はどうなったの?と今もモヤモヤ…。一人暮らしの友人に『自分のお墓の事考えてる?』と訊いたら『全然!子供たちが
何とかしてくれるでしょう』と言うのでちょっとびっくり。そんな時代なのですね。
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by gerakon
| 2025-02-18 12:37
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