勝田中等教育学校における“グローカルリーダー育成”の取り組み始動 ~TOEFL Primary® /TOEFL Junior® が公立中高一貫教育をサポート~ 勝田中等教育学校における“グローカルリーダー育成”の取り組み始動 ~TOEFL Primary® /TOEFL Junior® が公立中高一貫教育をサポート~

勝田中等教育学校における“グローカルリーダー育成”の取り組み始動 ~TOEFL Primary® /TOEFL Junior® が公立中高一貫教育をサポート~

2021年2月5日作成

2021年4月、茨城県ひたちなか市に新たに開校となる勝田中等教育学校。「活用力」「挑戦力」「創造力」「協働力」の4つの力を柱に、地域や世界で活躍する人財の育成を目指します。同校が取り組むグローバル教育推進、及び世界で活躍できるリーダーシップや異文化適応能力育成のため、このほどグローバル・コミュニケーション&テスティング(GC&T)とのグローバル教育に関する協定が締結されました。
勝田中等教育学校が目指す、新しい教育の形、TOEFL® の活用とグローバル教育に関する協定への期待について、同校校長の下山田芳子先生にお話を伺いました。

下山田 芳子(しもやまだ よしこ)先生 経歴:イギリス立教英国学院、茨城県立日立第一高等学校等で英語教諭、茨城県教育委員会にて高校教育課指導主事、文部科学省の英語教科調査官等を経て現職。

世界基準で学び、考え、世界と地域を結ぶことができる人財の育成へ

––御校ではどのような生徒を育成したいとお考えでしょうか

勝田中等教育学校校長
下山田 芳子先生
本校の目指す学校像は、「グローバルな視野と起業家精神を兼ね備え、自ら人生を切り拓くとともに、「地域」と「世界」をつないで地域創生に貢献するグローカルリーダーを育成する学校」であり、私たちは、ここひたちなか市から世界に発信できるリーダーシップと好奇心と挑戦力をもった生徒を育てたいと思っております。ひたちなか市は、世界の大型客船が寄港する日本有数の国際港湾都市で、日本の玄関口の一つとしての役割を担っています。この立地を踏まえ、日本の文化、日本という国のことを積極的に発信できる人財を育てていきたいという強い思いがあります。
世界に発信するためには、どうしても語学力が必要です。その意味で、本校では語学、特に英語に力を入れた教育を行いますが、加えて、これからの時代を見据えて欠かせない多言語感覚も育てたいと思っております。海外に出れば英語は当然のスキルであり、二か国語、三か国語が使えるのも珍しいことではありません。本校では第二外国語に慣れ親しむ機会も設定して、生徒の視野を広げ、好奇心を刺激する環境づくりにも力を入れていきます。
また、リーダーシップ教育の充実も大切な観点です。起業家精神、すなわちチャレンジ精神を育てるには幼少期からの教育が大変重要だと思っております。小さいときから挑戦することや、仮に失敗してもそこから学び、前進する経験を通して、挑戦への手応えや新しい価値を創り上げていく力が育っていくと確信しています。そのような人財を本校から輩出していければと考えています。

英語は実技主体。実践の場を最大限活用して語学力、異文化適応力を磨く

––御校の英語教育の特長をお教えください

本校の英語教育の特色は、多様な価値観とリーダーシップの育成というマインドセットと、実際に英語を使う場となる国際交流や海外留学などのグローバル教育をセットで行う点です。
英語は内容科目でなく、実技科目です。英語が言語である以上、その言語を使って何を伝えたいのかを常に意識し、実際に伝え合う機会を確保することが非常に重要です。ひたちなか市内では実際に必要に迫られて英語を使う機会はまだまだ少ないですから、学校として英語を使う環境を整えていく必要があると思っています。
そのため、本校では中高一貫教育の利点を活かして、早期からの留学や語学研修を推進しています。全校で行う「グローバルデイ」という学校行事を通して、中学1年生から短期・長期の留学や語学研修、海外大学進学などの情報を提供していきますが、実際に英語を使う機会を生徒にイメージさせることで、生徒は英語の必要性を実感できるようになると思います。
また授業の中でもオンラインで海外の学校の生徒たちと交流する機会を増やしていきたいと考えています。このような取り組みは、すでに全国のスーパーグローバルハイスクールなどの研究校が実践されていることで、特に珍しいことではないと思いますが、私たちの地域ではまだ少ないため、ニーズに応えて打ち出しています。
従来の学校教育において、どうしても英語は大学の受験科目として捉えられがちでしたが、本来、英語は生徒の可能性を開くためのツールだと思っています。本校の生徒には、英語ができるとこんなに世界が広がるということをリアルな場面でたくさん見せていきたいと思っています。例えば、アメリカに留学し、その後Google本社で勤めている、といった事例を目の当たりにすれば、自分も努力すればそういうキャリアが積めるんだな、とわかると思います。そのように、事例が自分ごとになっていくことで学習へのモチベーションにつながり、英語をきちんと学べばいろいろな挑戦ができるというイメージが明確になるはずです。本校では、机の上で学ぶだけでなく、留学や国際交流、グローバルデイなど多様な機会を活用して、英語を学ぶ理由と英語を使う機会を生徒たちに示すことを重視しています。

これから求められる英語力は、TOEFL® が主眼とする英語力の方向性と一致している

––TOEFL® テストのどういった点が御校の教育方針と合致しましたでしょうか

TOEFL® テストを本校の英語教育の軸としたのは、実際に海外大学進学を目指す生徒に早くから世界で通用する資格であるTOEFL® に慣れ親しんでもらう必要があるというのが第一の理由です。しかし、海外に進学する生徒でなくても、英語力を向上させる上で、TOEFL® に出題されるような実用的な英語に触れることは大変重要だと考えています。
今回の大学進学共通テストの英語の問題をご覧になればわかりますが、これまで出題されていた文法的な知識を問う問題がなくなり、かわりにすべての問題において、インターネットや電子メールを通して英語を使ったり、英語で行われている講義を聴いてメモを作ったりするなどの、英語を使用する目的が明確な場面が設定されています。つまり実際に英語を使う力がこれまで以上に求められているのです。共通テストが求めている英語力とTOEFL® テストが主眼としている英語力は方向性が一致していると捉えています。海外留学に限定せず、日本国内の大学を目指す生徒にとっても、知識や教養としての英語ではなく、実際に大学生活を送る上で必要になる英語力をつけるためにTOEFL® テストを通して英語力を測ることはとても有効だと思います。
またTOEFL® では、小中学校の初級レベルからTOEFL Primary® やTOEFL Junior® などのTOEFL® ファミリーのテストを通して、将来英語で学問を学ぶために必要な語彙や表現を段階的に身に付けていくことができます。本校のような中高一貫校では、こうしたTOEFL® ファミリーのテストを、6年間それぞれの発達段階の目標として設定できる点も非常に魅力的でした。さらに、TOEFL Primary® 、TOEFL Junior® は、結果が合否ではなく、スコアで生徒の実力を客観的に把握できるのが大変使いやすいと思います。このように本校では、生徒の英語力、ニーズの多様性に応じて、TOEFL® ファミリーのテストを柔軟に活用していきたいと考えています。

外部のリソースを有効に活用し、社会全体で人財育成の実現へ

グローバル教育に関する勝田中等教育学校とGC&Tとの協定の概要

  1. TOEFL Primary® 、TOEFL Junior® を活用した英語力の測定
  2. グローバル教員研修
  3. 海外中学・高校入試活用事例の紹介
  4. 外国人との交流事業促進
  5. その他、各種課外教育

––「グローバル教育に関する協定」この連携への期待感をお聞かせください

本校の特色の一つに「地域の企業、研究者等と連携して未来の学びを開発する」というものがあります。地域の産業や企業が提供する先端テクノロジーやノウハウ、大学の研究者の方々による定期的な指導助言などを積極的に授業に取り入れ、外部の専門家と本校教員が協働することで新しい学びを創造していこうと考えております。その意味で、GC&Tとはこの包括連携を通じて、英語教育やグローバル教育における新しい学びを開発するパートナーシップを結んだのだと思っております。
わたしたち教員の本業は授業ですので、留学や海外大学進学に関する個々の情報については、非常に限られた範囲でしか入手できません。これまでそうした日本人の教員がアクセスしにくい情報は、生徒が学校外でお金と時間を費やして探すしかありませんでした。
しかしこれからの時代は、教育を通じて企業と学校が連携することで、さまざまな専門的な情報をダイレクトに教育に活かしていくことができるのではないかと思います。現在文部科学省も留学を推進していますが、もっと情報があれば更に多くの生徒の目は海外に向けられると思いますし、それが生徒の英語力の向上につながると確信しています。
また、この包括連携では、教員の指導力の向上に係る研修だけではなく、TOEFL® のネットワークを活用した国際交流事業やキャリア教育における連携など、生徒に直接関わる活動での連携も含まれているのが素晴らしいと思います。
これからの学校は、単に知識を与えるだけでなく、実際の生活や将来のキャリアにおいて、学んだ知識をどのように活かしていくのかを、できるだけ体験を通じて生徒に考えさせる場になっていくと思います。つまり、これまでのように先生が一方的に知識を与えるのではなく、先生たちも外部の人々と協働しながら、体験的な学習の場を作り上げていく必要が出てくるのです。そうした営みが日常的に行われることで、学校だけではなく、社会全体で子どもたちを育てていくことができるようになると思います。
これからGC&Tとこの包括連携を通じて、グローカルに活躍できる人財を一緒に育てていきたいと思っております。
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