『ヴェノム ザ・ラストダンス』 - @GB19940919’s diary

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『ヴェノム ザ・ラストダンス』

 

『ヴェノム ザ・ラストダンス』 (Venom: The Last Dance) [2024年アメリカ]


ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンビオートが寄生したことで生まれたヴェノムは、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙を武器に、長くのびる舌で人を喰らう恐るべき存在でありながらも、エディと一心同体となって強敵カーネイジを倒し、世界の危機を救った。エディとヴェノムは深い信頼関係で結ばれたバディとなり、見事なチームワークで敵を倒していく。そんな彼らは、シンビオートを極秘に研究する施設に侵入したことで特殊部隊に追われる羽目になってしまい、さらには新たな脅威が地球外から飛来する。監督&脚本はケリー・マーセル。出演はトム・ハーディ(エディ/ヴェノム)、キウェテル・イジョフォー(ストリックランド)、ジュノー・テンプル(ペイン)、リス・エバンス(マーティン)、スティーブン・グレアム(マリガン)、ペギー・ルー(チェン)ほか。

 

 監督のケリー・マーセルは女性の監督でなんと本作がデビュー作らしい。シリーズ通して脚本に参加していたとしても、監督として大抜擢されるってけっこう画期的なことではないかな。タイトルにラストダンスと付いているようにしっかりダンスするシーンがある。エディが劇中ずっと靴を履いていないことを気にしていたんだけど(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』へのオマージュかと思った)、あれはエディにとってヴェノムは靴のように手離せない大切な存在であって、本作はそれを手離す話だから、それの比喩として靴が出てきたんだなと思った。

 

 全体的に面白くて良いところもあるんだけど、それ以上に悪いところが目立つ映画だった。マーティン一家の後半の出番があんなに必要だったのか。ギャグとして物語に絡んでいる部分だけの登場なら良いのだけど、後半の特にエリア51の混沌としたシーンにいる必要ないと感じた。そしてそのエリア51の戦闘シーンも無茶苦茶すぎて。この人は敵なのか味方なのか描写が甘い状態でその戦闘シーンに入るので、観ている方は感情が追い付かない。そもそもペイン博士のストーリーはまるまる必要があるのかと思ったし、もし挿入するのなら圧倒的に時間が足りてないと思う。あれだとただの"サイコ"博士で終わりだ。滅茶苦茶なので、せっかくのヴェノムとの別れシーンも全然心が動かされない。Maroon 5の歌で誤魔化すんじゃないよと思うんだけど、どうせ歌で誤魔化すんなら日本語字幕をせめて入れて欲しかった。

 

 あとCGに頼りすぎていると思った。撮影もほとんどCGで済ませていて、ちょっとドン引きしてしまった。別に視覚効果の質が低いとかそういうのはなかったのだが、あまりにCGに頼りすぎていて、ラスボスのヌルの見た目が完全にゲームの質感だった。しかもその肝心のヌルも登場させるならもっとちゃんと登場させてよ...。そのせいであのエンドロールの長さだとしたら、観客の忍耐力をなめすぎじゃないか。そしてその長すぎるエンドロールが終わったら、一応オマケシーンが入るのだけど、それがしょうもないというか、ちょっと無神経じゃないかと思うシーンで。戦闘後の滅茶苦茶になったエリア51の地下から生存していたメキシコ人のバーテンダーとゴギブリが登場する。それが笑いのシーンみたいになっているのだが、正直全く笑えない。地下からメキシコ人とゴキブリが出てくるって、失礼と言うか直球の人種差別じゃないか?誰か問題にする人いなかったのか?ただでさえ、冒頭のメキシコでエディが暴れるシーンも「アメリカ人がまたメキシコで迷惑かけてるよ」って呆れながら観てたのにさ。