荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方
おすすめ度☆☆☆~☆☆☆☆
※まずはじめに
今回は、最近Xのおすすめにやたら表示される反生成AIの集団に利用されてる節がある漫画家・荒木飛呂彦先生の発言が載っている本が今回紹介したこの本です。
今回は緊急性もあると判断したので、じっくり精査・校閲を重ねて紹介記事としてのクオリティを高めるものではなく、簡易版になりますので、点数とかはないです。
おすすめ度の理由や個人的な感想はちゃんと書きます。
・評価
タイトルの通りに【悪役の作り方】や10年前に出された前回の漫画術にはない新しい何かを頁数(200ページ)分求めて買うのであれば、満足度等を踏まえて星3つ評価です。
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3割~4割は焼き増しに近い内容でも気にならない、とにかく荒木先生絡みなら何でもwelcome!、本気で漫画家を目指していて荒木飛呂彦先生を心の師匠と慕っている。
等の場合は星4つです。
平均して3.5ではなく、買うor読む意味や条件によって変わるタイプの星3or星4です。
というのも、前半の1/3程は前回の振り返り・要約に当てていること(ただし、前回の本を読んでいることを前提とし過ぎていないところは個人的には評価したい)。
更には代表作であるJOJO歴代のボスをサラッと紹介した後に、露伴の編集者『岸辺露伴は動かない』が生まれた経緯やしげちー『ジョジョの奇妙な冒険 4部 ダイヤモンドは砕けない』のようか脇役悪役についての考え方が50ページ弱。
これは作り方と実践コーナーなので大多数ですが、実は振り返りのほうがページ数が多いです。
その前に書かれている、荒木飛呂彦さんの考える【悪人】とは何か、の30ページ前後を合わせれば何とか振り返り部分の頁数は上回りますが、本の半分にも満たないので、タイトル詐欺罪ほどではないにせよ、タイトルに惹かれて買っただけならば思うところがあるかもしれません。
そんな内容です。
振り返り→悪役論理→若手漫画家へのメッセージの流れですが、熱量的には悪役論議(論理)よりも後輩へのメッセージが強めに感じました。
勿論、荒木先生御本人と会話したことはないので、文章から読み取った推察でしかないですが……。
以下、内容に触れていますので、ご注意下さい。
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・感想と個人的な考え
偶然か必然か、Xの規約が改正され、「Xに投稿した画像・文章・音声はX社が所有する生成AIの自動学習に使われることを許可したものとする」という旨が始まった11/15に発売されたのがこの本なので、反AI軍勢に都合よく利用されているのだと思います。
実際に、この本の中でAIの進化によって、漫画家界隈にとっての【悪】として必ずAIが君臨すること、更には【詐欺師】という明確で誰にでも分かる言い方で強く非難する箇所はあります。
が、同時に、AIは道具として使うならとても便利であり、AIの進化によって背景処理等がスムーズに、円滑に運ぶことになることも踏まえ、道具としてのAIの進化を望んでる部分があることもしっかりと書かれています。
それなのに、辛辣に詐欺師と言った【自分たちにとって都合のいい部分だけ】を切り取ったものを「荒木先生もこう言ってる」、「荒木先生もAI反対派」、「大物漫画家はAIに反対してないって主張は崩れた」、「荒木先生の声明文」
等、好き放題言ってる人はちゃんと読んでないんじゃないかなーって。
僕がこの本に書かれてある文章の中で、「なるほどな」って思った箇所をいくつかピックアップしながら、自分の思ったことも同時に書きたいと思います。
「AIの進化によって人の手を加えなくても漫画が描ける時代になるからこそ、人の手で描く漫画に意味がある」
このテーマにおいては、荒木先生のおっしゃる「AIに描かせてるからこそ、絵の上手い下手は一目で分かる」という先生自身の主張に加え、他ジャンルである音楽分野において、打ち込み主流の楽曲がヒットする傾向や、楽器が弾けなくても曲が作れる、世に出せる時代でもやはり自分で楽器を弾いて作れる人は強い。
という洋楽に精通した荒木先生らしい考え方だと僕は感じました。
そして、それを僕が自分の分野に置き換えて考えた場合、「○○さんがこう言ってるからこうだ!」と自分の意見なのに大物有名人(今回の場合は荒木先生)の言葉を都合よく利用している人は、【切り取られる前の全文】を読んだのか、把握しているのか?については確かにその人の発言や主張を見れば、一目で分かる。
荒木先生が言っているのはおそらくはそういうことだと思います。
それそのもの否定ではなく、勉強している人が見れば、見分けはつかなくても、真贋は分かるっていう話なんだと思います。
本の最終章にあたる後輩漫画家や漫画家を目指す若者への熱いメッセージについてですが、一番印象的なのは画像として切り取られてXで好き勝手声明文扱いとして使われてる部分でもありますが、今後の漫画業界とAI対策の話。
「著作権の管理が甘くて絵を勝手に使われたり」の部分は、某大手出版社さんでも原稿紛失して漫画家さんと揉めて辞められるケースあったし、信頼出来る場所云々というよりは、結局は人と人との信頼関係になるんだと思います。
こっちの部分が先に来てるから、文章をちゃんと読解出来てなくて、全部AIと生成AI絵師が悪いと捉えて騒いでる人もいますが、この後の、
「原画を流出させたりしている人もいます」
に関しては、生成AIを甘く見て、これまでネットに「原画」をあげてる人に痛い目あっても自己責任って警鐘を鳴らしてるほうだと僕は捉えてます。
勿論、宣伝効果もあるし、ファンサービスの場合もあるだろうし、ネットに自分の絵を投稿すること自体は間違いとは言えませんが、どんな場所(各種SNS、ブログ、専用サイト)を使うのであれ、ネットを介した時点で学習されるリスクがあるのは前提として、自己責任で行うべきです。
そして、AIの進化で今後増えていくであろうそれを利用した詐欺師に対して、個人で自衛するのはほぼほぼ不可能だから、法改正が必要という問題。
勿論、これはそうですが、今更焦ってバタバタ法律作ったところで効果があるとも思わないし、クリエイターの権利保護のみに焦点を合わせて取り急ぎ法改正及び新たなる法律を通した場合、著作者以外の誰もが許可なく画像・文章の複製を禁ずる。
となった場合、二次創作はおろか、ファンによる宣伝活動もグレーからアウトになりかねないので、焦って法案を作って通しても逆にコンテンツの衰退に繋がる可能性もあるのではないか?
憧れの漫画家の絵を模写してエッセンスを感じる絵柄を身に付けた新人は守られるのか?
生成AIの発展と浸透による若手の育成への弊害と比べてどれぐらい影響を及ぼすのか?等も考えてルールを決めなければ僕は衰退すると思っています。
本気で生成AIへの学習を全面的に防ぐのであれば、まず、権利保有者(作者や絵師)は自分の絵をネットに公開しない、アナログで書き、ネットを介さずに売る。
ファンは公式・非公式に限らず、絵・画・画像・写真は勿論、キャラクターの台詞や作者特有の台詞回しや特徴を出さずに感想を述べる。(面白い!、最高!、続きが気になる!などの端的なコメントしか出来ずに紹介にならない可能性大)
無料漫画アプリやサイト(時間が経てば無料も含む)は公式であろうが廃止。
スクショ禁止のプログラミングにより現状そこから直接画像は取り込めないはずですが、今後のAIとITの進化によって無効化もしくはすり抜けられた場合、トレーニング素材の宝庫になってしまう可能性があるため。
更に念を押すなら電子書籍そのものを廃止するべきか?まで行く可能性ありますよね。
電子書籍によって引用し、中身を切り取って都合よく解釈されてる今回の荒木先生の発言騒動もありますし、著作者・発言者の権利を守り、他人が好き勝手出来ないように法律で保護するなら電子書籍の在り方も全て変える必要があると僕は思っています。
個人的には推進派でも否定派でもなく、あくまでも全ての作者さんに味方したい中立派なので、それぞれの作家さんと出版社さんが協議して決めたなら全面的に従う方針です。
これはそういう次元の話だと僕は思っているので、結局は使う側のモラルの問題だと僕は思っています。
勿論、絶対に自分の意見が正しいとも思いませんし、全面的に僕が間違っている可能性もあります。
単なる個人的な意見でしかないので。
ただ、大物とされる人の発言をネットで目にしたからと言って、その人の意見として取り扱うのはやめるべきだと思います。
どうしてもやりたいならせめて、それが切り取られた一部なのか、全文なのかは最低限調べるとか、自分の主張を過渡に加えて責任転嫁に使うのはやめるぐらいは考慮すべきだと思います。
例えば、AI推進派の漫画家さんがいたとして、その人が「大物漫画家は反対していない」という旨の発言をしたとして、それを否定・反論・論破をする為に大物漫画家さんの発言を許可なく勝手に利用するのはそれも著作権侵害+αの危険行為だと思います。
よくよく考えれば、誰もネットを使わなければ、AIもITも発達しないのだから、反AIなのにネット使ってるのも不思議な話?
まあ、そこは個人の自由だから、好きにしていいけどww
まあ、ある発言に対し、結果をぶつける場合、時系列を無視して「はい、論破」ってやることはなんか違うと思う。って話です。
最後に
みんながモラル守ればどっちも納得のwin-winな世界になりそうなのに争いの種になってしまうのは人間の業なのかなぁ~、とも少し思ったり。
何にせよ、僕も含めて、荒木飛呂彦さんと直接話したことない人が言えるのは「文章から察せられる憶測」でしかないので、それをさも「荒木先生の意見!荒木先生もこう言ってる!」と決め付けるのはご迷惑だから絶対にやってはダメだと言うこと。
は?実際の本の評価や感想よりお前の個人的な意見のが長くない?って思った方もきっと多いでしょう。
実はこの本もそんな感じです。
タイトルと内容は必ずしもイコールではないのです。
大物でも無名でも関係ないのです。
ついでに重ねて意見しますと、反Al勢でこの本の一部を切り取った画像を使ってAI推進派やAI絵師を攻撃してる人の中に一定数、荒木先生にちなんでジョジョを用いて、
「過程を飛ばして結果だけを得る奴はまさにジョジョに出てくる悪そのもの」と付け加えて攻撃している人がいました。
それってブーメランになってないかな?
全文読んでないならそれはまさに「過程飛ばして結果だけ求めてる」し、読んだ上でそれならそれは多分、「自分に都合がいいとこしか読まない奴ら」って揶揄してる層と同じ事をしているのに気付いてないピエロということになります、はい。
そして、この記事の中で、いくつか同じような内容を書いてる部分がありますが、僕が個人的にリフや反復法が好きなだけです。
さてさて、長々と書きましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!感謝です(^人^)
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