学生3人が「食べチョクおてつたび」に参加。職業としての農業にはどんな魅力があるのか? | キャリア・生き方・将来を考える | 仕事を知る | マイナビ 学生の窓口

学生3人が「食べチョクおてつたび」に参加。職業としての農業にはどんな魅力があるのか?

学生の窓口編集部

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農業従事者の減少や高齢化といった問題を抱える日本の農業。若者の農業への関心度は高まっていますが、“汚い、きつい、危険”といった従来のネガティブなイメージから、ハードルの高さを感じる人が多いのも実情です。

「若者たちに農業を職業のひとつとして身近に感じてもらいたい」

そんな思いから、産直通販サイトの「食べチョク」と農業バイトと旅を掛け合わせたマッチングサイト「おてつたび」がコラボし、「食べチョクおてつたび」という農業イベントを定期開催することになりました。

3月28日(月)に行われた第2回のイベントには、3名の学生たちが参加。職業としての農業の魅力を考えるうえで、とても参考になる内容だったので、当日の学生たちの様子を詳しくレポートしたいと思います!

お手伝いを通して、農業の魅力や課題を体感

「食べチョクおてつたび」とは、地域や農業に関心のある若者が食べチョクのサービスを利用する生産者の仕事を“お手伝い”をすることで、単なる農業体験には終わらない、職業としての農業を体感できるイベントです。

今回参加したのは、農業に高い関心を持つ和久津寛人さん(早稲田大学)、佐々木凪さん(筑波大学大学院)、草野帆乃香さん(獨協大学)の3名。千葉県我孫子市で農園「ベジLIFE!!」を営む、香取岳彦さんのもとを訪れました。

香取さんの農業は、都市近郊型農業と呼ばれるもので、千葉県に10箇所ほどの畑を借りて野菜を育てています。

まず農園について香取さんからひと通り説明を受けた学生たちは、野菜の収穫からお手伝いをスタート。JR成田線の線路脇に広がる畑にあるビニールハウスの中で、食べチョクのお客さんへと発送するブロッコリーを収穫していきます。

「ブロッコリーの茎の根元をまっすぐに切ることを意識してください。切り口が斜めでも品質には影響はありませんが、僕の仕事に対するこだわりでまっすぐ綺麗に揃えています」と香取さん。

「お客さんが野菜の箱を開けたときの喜びを大きくしたい」という気持ちで、野菜作りに取り組んでいます。香取さんから収穫のコツを教えてもらいながら、学生たちは真剣な表情で収穫作業に没頭します。

収穫したブロッコリーを手に、「スーパーで目にしている野菜とは色艶が全然違う」と感動の声をあげる佐々木さん。

「おてつたびへの参加は今回で4回目。農学部なので実習で農業に触れる機会はありますが、実際に農業を仕事として楽しんでいる人のお話を聞けるのはうれしい。自分で収穫した野菜を食べる人のことを思いながら作業をしていると、農業へのイメージがどんどん明るくなってきます」

おてつたびへの参加は、佐々木さんの進路決定にも影響を及ぼしたという。

「今年4月から食品加工の勉強を始める予定です。以前おてつたびで出会った生産者から、1次産業だけでなく、2次、3次産業も一緒に考えるべきという話を聞き、この分野に興味を持つようになりました。将来は生産者と消費者をつなぐような仕事に就きたいと思っています」

大学のサークルで、直売所やマルシェ活性化のために活動をする和久津さんは、「直売所は農家さんの声を反映しやすい場所ですが、なかなかひとりひとりにお話を聞く機会は少ない。香取さんのような生産者の声を聞けることは新鮮で、とても勉強になります」と目を輝かせながら語りました。

収穫を終えたら、野菜の梱包作業のお手伝いへ。「食べチョクおてつたび」は、収穫体験だけで終わらず、実際にお客さんに届けるまでの一連の仕事を体験できるのが特徴。香取さんの丁寧な指導のもと、収穫したブロッコリーを袋詰めをし、出荷用の段ボール箱に詰めていきます。

野菜の梱包を終えた学生たちからは「この生産者からまた野菜を買いたいと思ってもらうためには丁寧な仕事が必要だと感じた」「箱を開けたときに彩り豊かな野菜を見て喜んでくれる人がいると思うとやりがいを感じる」などの声が聞かれました。

「農業を憧れの仕事にするには?」をテーマに
ディスカッション

農作業の合間には、学生たちによるディスカッションも行われました。この日のテーマは2つ。まずは「どうすれば農業を憧れの職業にできるのか?」という香取さんからの問いに、学生たちがアイデアを出し合いました。

佐々木さんは「農業で安定した収入を得ることができれば憧れの職業に近づくのではないか?」と提案。

これに対して香取さんは、「収入面での安定は確かに大切。それと同じくらい歳を重ねていくとライフスタイルの充実もより大切になってきます。農業は朝早くから働いて、夜は子供たちと過ごす時間を持てるので、お金を稼ぐよりも得られるものは多いと思う」と答えます。

ほかにも「農業が都会でできる仕事になればいいと思う」「TikTokでシェアする」「ファーマーズマーケットを定期開催する」など、学生ならではの自由な意見が飛び交いました。

続いて、「農家ができるSDGsの取り組み」というテーマのディスカッションでは、食にまつわるアイデアも多く出ました。

「規格外野菜の流通経路を確保できれば、SDGsにつながるのではないか」という和久津さんの提案に対し、地元千葉県から参加した草野さんも同意。さらに「地元の子ども食堂で、規格外野菜を使ってはどうか? 食に困っている子供たちが新鮮な野菜を食べられるようになればいいと思う」と意見を出しました。

このアイデアに香取さんは頷きながら、「僕も食堂を開こうと思っています。最終的には子供たちが規格外野菜を収穫しにくるような仕組みを作ることまで考えられるといい。畑を離れても、今日こうしてみんなで話し合ったことを思い出して、自分に何ができるかを考えてみてください」と笑顔で締めくくりました。

「食べチョクおてつたび」の経験から学んだこと


お昼休憩を取った学生たちは、香取さんのご自宅から少し離れた畑で、ネギの種まきと雑草取りをお手伝い。これで「食べチョクおてつたび」は終了です。

最後に、1日の体験を終えた3人に話を聞きました。

草野さんは「これまで農業を知る機会がなかったが、今回のイベントで普段関わりのない人たちと出会い、視野が広がった。自分の中で新たに農業という仕事への道ができたと思います」と率直な感想を述べました。

これに対して佐々木さんは「ずっと農学部で学んできて、農業を十分理解していたつもりだった」と前置きした上で、次のように続けます。

今回香取さんと出会い、実際にパッションを持って農業に携わる人たちが活躍する場所や、時代の流れを作っていきたいと強く感じた。これから先の時代もずっと農業が継続できるような取り組みをしていきたいです」

そして和久津さんは「土からこだわって農業をする農家さんと直接お話しするのは初めてだった。子供たちと一緒にいるために農業を仕事にする、という選択も自分にとっては新鮮。こうした農家さんの生き様を発信するような活動をしていきたいです」と、思いを語りました。

魅力的な農家との出会いを通して、農業の魅力に触れることができる「食べチョクおてつたび」。お手伝いというリアルな職業体験を通して、仕事としての農業をより身近に考えるきっかけになるのではないでしょうか。

  「おてつたび」とは?

株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡里菜さん

旅をしながら人手が足りない地域で仕事をお手伝いしながらお金を稼ぐサービス「おてつたび」。3年半前にスタートしたこのサービスですが、現在は全体の4割に及ぶほど、農家へのおてつたびが増えています。

「おてつたびに参加する学生たちは、受け入れ先の農家さんも驚かれるくらいとても意識が高いんです」と話すのは、おてつたび代表取締役・永岡里菜さん。

18歳以上であれば参加年齢に制限はないものの、利用者の半数は学生。なかにはおてつたびで訪れた農家にそのまま就職する学生もいるそう。

「あくまで就職を目的としたマッチングではありませんが、一緒に働くことでお互いの相性がわかり、より深い関係に発展できるのだと思います」と永岡さん。そして次のように続けます。

「おてつたびに参加した学生さんとお話しすると、地域活性化を真剣に考えているんです。おてつたび終了後のアンケートでは9割以上が『その地域にまた訪れたい』と答えており、移住・定住した事例もあります。私たちのサービスが、地方と地方に関心のある方々をつなぐためのかけ橋になれればと思っています」。

提供:農業の魅力発信コンソーシアム

取材・文/安藤茉耶
撮影/@morito
編集/学生の窓口編集部

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