東京フィルメックスの Face Book(11/17)に出ていたので、元記事を読みに行きました。
東南アジア映画の活性化を象徴する
インドネシア映画2作
文:市山尚三(プログラム・ディレクター)
今年のフィルメックスでは、18年の歴史上初めてインドネシア映画がコンペティションに
選ばれた。しかも、2作品とも女性監督の映画だ。タイやフィリピンと比較するとインド
ネシアにはかつては映画産業そのものが存在しなかったと言っていい。その中で1990年代
初頭から孤軍奮闘で作品を発表し続けていたのがガリン・ヌグロホだ。
フィルメックスで上映される2作品にはこのヌグロホが大きく関わっている。『殺人者
マルリナ』はヌグロホの原案をこれが監督第3作となるモーリー・スリヤが映画化した作品だ。
一方、『見えるもの、見えざるもの』はヌグロホの娘であるカミラ・アンディニの監督第2作で、
ヌグロホ本人もプロデューサーを務めている。インドネシアで何かが起こりつつあることを予感
させてくれるこの2作品、是非ともこの機会に見ていただきたい。
コンペティション
『殺人者マルリナ』
インドネシアの僻村。強盗団に襲われ、彼らを殺害したマルリナは、自らの正当性を証明する
ため、はるか離れた町の警察署に向かうが…。西部劇を彷彿とさせる風景を舞台に、ガリン・
ヌグロホの原案を新鋭モーリー・スリヤが映画化。カンヌ映画祭監督週間で上映。
監督:モーリー・スリヤ
英題:Marlina the Murderer in Four Acts
インドネシア、フランス、マレーシア、タイ/2017年/95分
コンペティション
『見えるもの、見えざるもの』
脳障害により病院のベッドに寝たきりの双子のきょうだいを看病する10歳の少女タントリ。
そんな彼女の心は真夜中に解放される。ガリン・ヌグロホの娘カミラ・アンディニがバリ島の
伝説をモチーフに作り上げた幻想譚。現実と幻想が混淆した神話的な世界が美しい。
監督:カミラ・アンディニ
英題:The Seen and Unseen
インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール/2017年/86分
第18回東京フィルメックス11/18より開催、市山&林両ディレクターによる今年の見どころ
http://www.webdice.jp/dice/detail/5514/関連記事
2017年 10月 05日
祝・インドネシアの映画2本: 『見えるもの、見えざるもの』&『殺人者マルリナ』@第18回東京フィルメックス
http://gadogado.exblog.jp/237834830/ 2017年 11月 10日
インドネシアの映画監督カミラ・アンディニさん 育児と撮影両立@読売新聞 WORLD (11/7)
http://gadogado.exblog.jp/237971564/