転職した際のふるさと納税の手続き方法!計算方法もわかりやすく解説 | ふるラボ

転職した際のふるさと納税の手続き方法!計算方法もわかりやすく解説

転職した際のふるさと納税の手続き方法!計算方法もわかりやすく解説

転職は人生の大きな転機であり、新しい環境への期待とともに、手続きの煩雑さも伴います。とくに、ふるさと納税の手続きは、転職によって変わる可能性があります。この記事では、転職時のふるさと納税の手続き方法と、控除限度額の計算方法をわかりやすく解説します。ふるさと納税を行っている人で、転職も検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

転職した際のふるさと納税の手続き方法

転職した際のふるさと納税の手続き方法は、以下2つのケースで異なります。

  • 退職した年の年末までに転職・再就職した場合

  • 年末調整を行わずに退職した後、年をまたいで転職した場合

以降で詳しく解説します。

退職した年の年末までに転職・再就職した場合

退職をした年の年末までに転職・再就職をし、転職先で年末調整を行った場合は、ワンストップ特例制度を利用して、寄附金控除の申請ができる可能性があります。

ワンストップ特例制度とは、確定申告をせずに寄付金控除の申請が簡単にできる制度です。この制度は、以下に該当する人が利用することができます。

  • 年間のふるさと納税先が5自治体以内の人

  • 医療費控除など、ふるさと納税以外に確定申告が必要ない人

確定申告をする必要のない人というのは、勤め先が年末調整を行ってくれる会社員などが該当します。そのため、転職先で年末調整を行う場合は、ワンストップ特例制度を利用するのが便利です。

詳しい申請方法は以下の記事で解説していますので、確認してみてください。

年末調整を行わずに退職した後、年をまたいで転職した場合

前の職場を、年末調整を行う前に退職し、その後、年をまたいでから転職をした場合は、どの勤務先でも年末調整を行っていないことになります。そのため、自身で確定申告をする必要があります。

また、退職後すぐに自営業や個人事業主として働き始めた方も、ワンストップ特例制度の利用条件に該当しないため、確定申告で寄付金控除の申請を行いましょう。

確定申告は、毎年2月16日~3月15日が申告期間です。漏れのないよう、忘れずに申告しましょう。詳しい申告方法は、以下の記事で解説しています。

転職した際のふるさと納税の控除限度額の計算方法

ふるさと納税の控除限度額は、年収や家族構成などによって異なります。そのため、転職によってふるさと納税を行った年の年収に増減があった場合、控除限度額も変化する可能性があるので注意が必要です。

ふるラボの「かんたんシミュレーター」を使えば、自身の控除限度額を簡単に知ることができます。ただし、シミュレーターで算出された控除限度額は、あくまで目安の金額です。医療費控除など、他の控除がある場合などは、控除限度額が変わる可能性があるため、税理士などの専門家に相談して確認しましょう。

以降では、ふるさと納税の寄付金控除の対象となる「所得税」と「住民税」の還付金・控除額の計算方法について解説します。

所得税の還付金の計算方法

寄付金控除によって還付される所得税は、以下の計算式で算出できます。

所得税からの還付(基本分)=(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(所得税の税率)
注:当面、所得税の税率には復興特別所得税も加算されたあとの率を使う。以下同じ

以下、それぞれの年収別に、所得税の還付金額を計算してみましょう。なお、課税所得ごとの所得税の税率は、国税庁の「No.2260 所得税の税率」で確認できます。

【年収400万円、独身の場合】
控除限度額=42,000円
所得税からの還付=(42,000円-2,000円)×10.21%=4,084円

【年収600万円、独身の場合】
控除限度額=77,000円
所得税からの還付=(77,000円-2,000円)×20.42%=15,315円

【年収800万円、独身の場合】
控除限度額=129,000円
所得税からの還付=(129,000円-2,000円)×20.42%=25,933円

ちなみに、ワンストップ特例制度を利用して寄付金控除の申請を行った場合、控除の対象は住民税のみとなるため、所得税の還付はありません。

住民税の控除額の計算方法

寄付金控除によって控除される住民税の計算方法は、以下の2つの計算式の合算になります。

  • 住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×10%

  • 住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税の寄付金額-2,0000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)

以下、それぞれの年収別に、住民税の控除額を計算してみましょう。

【年収400万円、独身の場合】
控除限度額=42,000円
住民税からの控除(基本分+特例分)=(42,000円-2,000円)×10%+(42,000円-2,000円)×(100%-10%-10.21%)=35,916円

【年収600万円、独身の場合】
控除限度額=77,000円
住民税からの控除(基本分+特例分)=(77,000円-2,000円)×10%+(77,000円-2,000円)×(100%-10%-20.42%)=59,885円

【年収800万円、独身の場合】
控除限度額=129,000円
住民税からの控除(基本分+特例分)=(129,000円-2,000円)×10%+(129,000円-2,000円)×(100%-10%-20.42%)=101,266円

これらのシミュレーションは、あくまで目安の金額です。詳しい控除限度額は、総務省のふるさと納税ポータルサイトなども参考にしましょう。

退職金を受け取った場合、ふるさと納税はどうなる?

仕事を退職した際に、退職金を受け取れるケースがありますが、受け取った退職金は所得に該当するため、税金がかかります。ただし、退職金にかけられる住民税は、ふるさと納税の控除対象外となるため、注意が必要です。

そのため、ふるさと納税の控除限度額を計算する際の年収には、退職金を含めずに計算するのがおすすめです。

退職金にかかる税金でふるさと納税の寄附金控除の対象になるのは、所得税のみです。とはいえ、退職金には「退職所得控除」が適用され、税金が大幅に控除されるため、ふるさと納税の控除限度額に影響を与えることはあまりないといえるでしょう。

転職にともない引っ越しした場合、ふるさと納税ではどのような手続きが必要?

転職にともない、引っ越しをした場合は、以下3つの点において手続きが必要になります。

  • 返礼品の受け取り

  • ワンストップ特例制度の申請

  • 確定申告

まず、ふるさと納税で返礼品を申し込んでいる最中に引っ越しをした場合は、住所変更の手続きが必要です。問題なく新居で返礼品を受け取れるよう、寄付先に住所変更のお願い早めに行いましょう。

また、ワンストップ特例制度を利用して寄附金控除の申請をする人で、寄付先にすでに申請書を郵送している場合も、自治体に住所変更を依頼しましょう。あわせて、「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」の提出も行いましょう。書類は、寄付した自治体のホームページや総務省のホームページからダウンロードできます。

確定申告で寄付金控除の申請を行う人は、確定申告書類とともに「寄附金受領証明書」を税務署に提出します。この際、証明書に記載の住所が引っ越し前の住所だと、無効になる可能性があります。寄付した自治体に問い合わせて、証明書を再発行してもらいましょう。

ふるさと納税はいつの年収で計算するもの?

ふるさと納税の寄付金控除の限度額を計算する際には、寄付する人の年収額が必要です。いつの年収で計算するのかは、「寄付する年の年収」になります。

たとえば、2024年にふるさと納税を行う人は、「2024年1月1日から2024年12月31日まで」の収入から、控除限度額を算出します。会社勤めの方は、年末頃に会社から配布される「源泉徴収票」の「支払金額」の欄で、確認できます。

まとめ

今回は、転職時のふるさと納税の手続き方法と、控除限度額の計算方法を解説しました。転職によって年収が増える・減る人は、ふるさと納税の控除限度額も変わる可能性があります。心配な人は、まずは「かんたんシミュレーター」を使って、控除限度額を計算してみましょう。

また、転職に伴って引っ越しをする人は、返礼品の届け先などで住所変更手続きが必要です。控除の申告に必要な書類についても、記載の住所が新居のものかどうか確認しておましょう。