ふるさと納税とiDeCoは併用できる?控除限度額の計算シミュレーションも解説 | ふるラボ

ふるさと納税とiDeCoは併用できる?控除限度額の計算シミュレーションも解説

ふるさと納税とiDeCoは併用できる?控除限度額の計算シミュレーションも解説

私的年金制度の1つであるiDeCo(イデコ)。ふるさと納税との併用も可能ですが、気をつけたい注意点もあるため、確認しておきましょう。

今回は、 ふるさと納税とiDeCoの併用について、ふるさと納税とiDeCoの仕組み・併用するメリットとデメリット、控除限度額の計算シミュレーション、手続きの流れなどを解説。ふるさと納税とiDeCoを併用した場合の「控除限度額早見表」もご覧いただけます。

ふるさと納税とiDeCoは併用できる!

ふるさと納税は、応援したい自治体へ寄附をすることで、返礼品が受け取れる制度です。

一方、iDeCo(イデコ)は、公的年金とは別に、ご自身で運用・資産形成ができる個人年金制度です。

これらの制度には、税制上の優遇措置が設けられており、併用した場合も両方の優遇が受けられます。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は、任意の自治体に対して税金の前払いを実施することで、 税金の控除(寄附した歳の所得税・ 翌年の住民税)と、自治体が用意した返礼品を受け取ることができる仕組みです。

通常の納税はお住まいの自治体に対して実施しますが、納税で何かを受け取ることはできません。

ふるさと納税は、自己負担金2,000円のみで、控除上限額の最大3割の返礼品が受け取れるため、お得です。

例えば、10万円分のふるさと納税をすると、最大3割(3万円相当)の返礼品が受け取れます。

iDeCoの仕組み

iDeCoは、個人型確定拠出年金を意味する年金制度です。

65歳まで掛け金が拠出でき、60歳以降に老齢給付金が受け取れます。

iDeCoの掛け金は全額、所得控除されるため、所得税・住民税の軽減にもつながります。

ふるさと納税とiDeCoを併用するメリット

ふるさと納税とiDeCoを併用するメリットは、税制上の優遇効果が高まることです。

ふるさと納税とiDeCoを併用すると、どちらか一方のみを利用するより、課税所得を減少させることが可能です。

これにより、所得税・住民税のさらなる軽減が期待できます。

ふるさと納税とiDeCoを併用するデメリット

ふるさと納税とiDeCoを併用するデメリットは、ふるさと納税の控除上限額が下がることです。

控除上限額は「ふるさと納税で控除が受けられる限度額」を意味します。

控除限度額は年収などに比例するため、ふるさと納税とiDeCoの併用で課税所得が減少すると、 控除限度額が下がる可能性があります。

そして、控除限度額が下がると、ふるさと納税の返礼品の選択肢も狭まります。

一般的には、併用による所得税・住民税の減少メリットが大きいですが、気になる方はiDeCoの掛け金額とふるさと納税の寄附額のバランスを考慮しましょう。

ふるさと納税の控除限度額の計算シミュレーション

ふるさと納税の控除限度額は、所得税・住民税それぞれの控除額を足すことで算出できます。

具体的な計算方法は、以下の通りです。

【所得税からの控除額】
(ふるさと納税額-自己負担分:2,000円)× 所得税率(復興特別所得税分含む。以下同じ)

【住民税からの控除額】

  • 住民税からの控除(基本分)(ふるさと納税額−自己負担分:2,000円)×10%

  • 住民税からの控除(特例分)※①、②のうち少ない方

    1. ① (ふるさと納税額−自己負担分:2,000円)×(100%−10%(基本分)−所得税率)
    2. ② (住民税所得割額)× 20%

ふるさと納税の控除限度額は、手作業での計算が大変で、ミスをする可能性もあります。

そこで、ふるラボの「かんたんシミュレーター」の利用が便利です。

ふるラボの「かんたんシミュレーター」なら、年収・家族構成・扶養家族の3ステップ入力で、控除限度額の目安がすぐに確認できます。

ふるさと納税とiDeCoを併用した際の控除限度額早見表

ふるさと納税とiDeCoを併用した場合、実際の控除限度額の目安はどのくらいなのでしょうか。

ここからは、家族構成・年収別、またiDeCoの掛け金なし/掛け金月12,000円/掛け金月23,000円の場合に分けた、控除限度額の目安をご紹介します。

独身もしくは配偶者控除のない共働き夫婦の場合

独身もしくは配偶者控除のない共働き夫婦の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

なお、ふるさと納税において配偶者控除のない共働き夫婦とは「年収が、それぞれ201万円を超える夫婦」を指しています。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万28,000円26,000円23,000円
400万42,000円40,000円37,000円
500万61,000円59,000円55,000円
600万77,000円75,000円72,000円
700万108,000円106,000円102,000円
800万129,000円128,000円125,000円
900万152,000円153,000円149,000円
1,000万180,000円177,000円173,000円

参考:
「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」(総務省)
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

独身もしくは配偶者控除のない共働き夫婦の場合は、全ての家族構成の中で控除限度額が最も高い傾向です。

iDeCoを併用して、控除限度額が減少した場合も、ふるさと納税のメリットが十分に享受できます。

夫婦のみ(配偶者控除あり)の場合

夫婦のみ(配偶者控除あり)の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万19,000円18,000円15,000円
400万33,000円32,000円29,000円
500万49,000円48,000円45,000円
600万69,000円67,000円64,000円
700万86,000円84,000円81,000円
800万120,000円119,000円115,000円
900万143,000円143,000円140,000円
1,000万171,000円168,000円164,000円

夫婦のみ(配偶者控除あり)は、全ての家族構成の中で控除限度額が比較的高い傾向です。

年収300万円台より、多くの選択肢から返礼品を選ぶことができます。

参考:
「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」(総務省)
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

夫婦(配偶者控除あり)と子(高校生、16歳以上19歳未満)の場合

夫婦(配偶者控除あり)と子(高校生、16歳以上19歳未満)の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万11,000円10,000円7,000円
400万25,000円25,000円21,000円
500万40,000円40,000円37,000円
600万60,000円59,000円55,000円
700万78,000円76,000円73,000円
800万110,000円109,000円106,000円
900万132,000円134,000円130,000円
1,000万157,000円155,000円151,000円

夫婦(配偶者控除あり)と子(高校生、16歳以上19歳未満)は、全ての家族構成の中で控除限度額が低い傾向です。

特に、年収300万円でiDeCo掛け金が月23,000円の場合は、もらえる返礼品の価値(7,000円の3割=2,100円)と自己負担額(2,000円)が相殺されるため、ふるさと納税のメリットが享受できない可能性があります。

参考:
「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」(総務省)
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

共働き夫婦と子(高校生、16歳以上19歳未満)の場合

共働き夫婦と子(高校生、16歳以上19歳未満)の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万19,000円18,000円15,000円
400万33,000円32,000円29,000円
500万49,000円48,000円45,000円
600万60,000円67,000円64,000円
700万86,000円84,000円81,000円
800万116,000円119,000円115,000円
900万141,000円143,000円140,000円
1,000万166,000円168,000円164,000円

(※掛け金ありのケースの配偶者の年収は250万円で計算)

共働き夫婦と子(高校生、16歳以上19歳未満)は、控除限度額が高めの家族構成です。

ただし、年収300万円台でiDeCoの掛け金が高額、さらに住宅ローン控除などを併用している場合などは、ふるさと納税のメリットがあまり享受できない可能性があります。

参考:
「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」(総務省)
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

夫婦(配偶者控除あり)と子(大学生、19歳以上22歳)の場合

夫婦(配偶者控除あり)と子(大学生、19歳以上22歳)の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万11,000円8,000円4,000円
400万25,000円22,000円19,000円
500万40,000円37,000円34,000円
600万59,000円53,000円50,000円
700万77,000円73,000円70,000円
800万110,000円106,000円90,000円
900万135,000円130,000円127,000円
1,000万159,000円155,000円151,000円

夫婦(配偶者控除あり)と子(大学生、19歳以上22歳)は、夫婦(配偶者控除あり)と子(高校生、16歳以上19歳未満)と同じく、全ての家族構成の中で控除限度額が低い傾向です。

そのため、年収300万円でiDeCoを併用すると、ふるさと納税のメリットが享受できない可能性があります。

一方、年収400万円前後から、iDeCoを併用しても、ふるさと納税のメリットが享受できるようになります。

参考:
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

共働き夫婦と子(大学生、19歳以上22歳)の場合

共働き夫婦と子(大学生、19歳以上22歳)の控除限度額の目安は、以下表の通りです。

年収/iDeCo掛け金掛け金なし12,000円/月23,000円/月
300万15,000円15,000円12,000円
400万29,000円29,000円26,000円
500万44,000円45,000円42,000円
600万57,000円64,000円61,000円
700万83,000円81,000円78,000円
800万117,000円115,000円112,000円
900万138,000円140,000円136,000円
1,000万163,000円164,000円160,000円

(※掛け金ありのケースの配偶者の年収は250万円で計算)

共働き夫婦と子(大学生、19歳以上22歳)は、全ての家族構成で中間程度の控除限度額となります。

ただし他の控除と併用する場合、年収が低めだと、ふるさと納税のメリットがあまり享受できなくなる可能性があります。

参考:
「ふるさと納税ポータルサイト 税金の控除について」(総務省)
【2024年】ふるさと納税の控除限度額 計算シミュレーション(ふるさと納税ガイド)

ふるさと納税の控除限度額を確認する際の注意点

ふるさと納税の控除限度額を確認する際は、iDeCoだけでなく、住宅ローン控除や医療費控除の併用にも注意します。

住宅ローン控除や医療費控除と併用すると、iDeCo併用の場合と同じく、控除限度額が変動する可能性があります。

以下、住宅ローン控除の併用・医療費控除の併用、それぞれの場合について詳細を見ていきましょう。

住宅ローン控除を併用する場合

住宅ローンとふるさと納税は併用できますが、 確定申告する方は、住宅ローンの控除額が減少する可能性があります。

ふるさと納税の寄附金控除で課税所得が減ることで、住宅ローン控除で差し引ける所得税額も減少するためです。

ただし、ワンストップ特例制度を利用する方は、住宅ローンの控除額が減少する心配はありません。

ワンストップ特例制度は、控除の対象が「住民税のみ」のため、基本的に住宅ローン控除に影響を及ぼしません。

医療費控除を併用する場合

医療費控除もふるさと納税と併用できますが、ふるさと納税の控除限度額が減る可能性があります。

医療費控除分が課税所得額から引かれることで、ふるさと納税の控除限度額も圧縮されるためです。

なお、医療費控除は住宅ローン控除と異なり、ワンストップ特例制度が利用できません。

そのため医療費控除は、必ずふるさと納税の限度額に影響すると考えられます。

ふるさと納税とiDeCoを併用する流れ

ふるさと納税とiDeCoを併用するには、それぞれに申込み・申請をする必要があります。

最後に「ふるさと納税の手続き」「iDeCoの手続き」、それぞれの流れをご紹介します。

ふるさと納税の手続きの流れ

ふるさと納税の手続きでは、寄附先の自治体と返礼品を選び、申込みと支払いを実施します。

各自治体に直接申し込むことも可能ですが、効率的に自治体・返礼品を探せることからふるラボのような、ふるさと納税サイトの利用が一般的です。

また、税金の控除・還付には「ワンストップ特例の申請」「確定申告」のいずれかの手続きが必要となるため、方法を以下でご確認ください。

【ワンストップ特例の申請】

  • ふるさと納税したい自治体を選ぶ(5自治体以内)

  • 「ワンストップ特例制度の申請書」をふるさと納税する全ての自治体へ提出する

  • 翌年度分の住民税が控除される

【確定申告】

  • ふるさと納税したい自治体を選ぶ

  • ふるさと納税を申込む

  • 期間中(ふるさと納税した年度の翌年2月16日〜3月15日)に確定申告する

  • ふるさと納税した年度の所得税が控除される

  • 翌年度分の住民税が控除される

iDeCoの手続きの流れ

iDeCoは、金融機関を通じて申込むことが可能です。

原則的に60歳まで資金を引き出せないことをご留意の上、利用をご検討ください。

手続きの流れは、以下の通りです。

  • 対象年齢など(20歳以上60歳未満)の加入資格に当てはまるか確認する

  • iDeCoを申込む金融機関を選択する

  • ご自身の限度額の範囲で、掛け金額を設定する

  • iDeCoで運用する商品を選ぶ

まとめ

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、ふるさと納税と併用することができます。

併用によってふるさと納税の控除上限額が下がる可能性はありますが、税制上の優遇効果は高まるため、積極的な併用を検討しましょう。

控除限度額の目安は、シミュレーターですぐに確認できるため、ぜひチェックしてください。

また、映像コンテンツ やコラムが豊富なふるさと納税サイト 「ふるラボ」なら、魅力的な自治体や返礼品が効率的に探せます。

初めての方にも使いやすい仕様となっておりますので、ぜひお試しください。

(※「ふるさと納税とiDeCoを併用した際の控除限度額早見表」の計算に際して、各年収における社会保険料額は次のように設定しました。年収300万:43万円、年収400万: 57万円、年収500万:72万円、年収600万:86万円、年収700万:101万円、年収800万:113万円、年収900万:118万円、年収1,000万:123万円)