【2023年版】ふるさと納税の制度改正まとめ|変更点やポイントを解説
ふるさと納税は利用者にとってメリットの多い制度として紹介される機会が多く、気になっている方も多いでしょう。しかし制度が創設された当時に興味をもったものの、手続きが難しそうで諦めたという方も少なくないのではないでしょうか。
ふるさと納税は制度開始以降数回の改正が行われ、利用者にとってのハードルは年々低くなっています。この記事では、2023年までに行われたふるさと納税の改正について解説します。利用するにはネックだと感じていた点が解消されている可能性もあるので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
2023年に予定されているふるさと納税の改正点
2008年に開始されたふるさと納税は、利用者にとって身近で利用しやすい制度となるように改正が行われています。制度開始時には必須だった確定申告も、改正を経て手続きが不要となるケースが出てきました。
より使いやすい制度になるのであれば、2023年にはどんな改正予定があるのか気になる方も多いでしょう。しかし、2023年2月の段階では総務省から今後の予定は発表されていません。
最新の改正内容を含め、ふるさと納税については総務省「ふるさと納税ポータルサイト 」で確認できます。全額控除されるふるさと納税額の上限額の目安など、信頼性の高い情報が知りたいという方におすすめです。
2022年以前に実施されたふるさと納税の改正点まとめ
ふるさと納税制度が開始されてからこれまでどのような改正が行われてきたのか、それぞれ詳しく解説します。
2022年のふるさと納税改正点
2022年に行われた改正は、寄付する側に大きな影響を与えるものではありませんでした。「総務大臣が指定する都道府県等を定める件」の一部が改正され、指定を受ける団体に変更がありました。
その他、ふるさと納税の利用者に関係がある変更点として、次のようなものがあります。
変更項目
内容
「寄附金控除に関する証明書」の電子交付サービス開始
「寄附金控除に関する証明書」の電子交付サービスがスタート。
e-Tax、マイナポータルとの連携にも対応。
※サービスは一部のポータルサイトのみ(ふるラボでも対応しています)
2021年分以降の寄付をまとめて出力できる、「寄附金控除に関する証明書」の電子交付サービスを始めたポータルサイトがあります。確定申告をe-Taxで行う場合、証明書データを自動的に控除額に反映させて計算することが可能に。寄付ごとに手作業でデータを入力する必要がなくなり、便利になりました。
2021年のふるさと納税改正点
2021年に行われた主な改正点は、確定申告における手続きの簡素化です。改正前は寄附金控除の適用を受けるため、寄付の受領者が発行する「寄附金の受領書」の添付が必要でした。証明書は寄付ごとに自治体などから発行されるものでしたが、改正後は特定事業者(ポータルサイト)が発行する「寄附金控除に関する証明書」のみの添付で済むようになりました。
特定事業者とは、国税庁長官による指定を受けた事業者のことです。特定事業者の指定を受けたポータルサイトかどうかは、国税庁のホームページ「国税庁長官が指定した特定事業者」で確認できます。
「寄附金の受領書」は各団体が発行するもので、団体や寄付のタイミングによってはなかなか届かないケースもあります。不安になる利用者も少なくなかったため、「寄附金控除に関する証明書」の発行は利用者に寄り添った改正といえるでしょう。
2020年のふるさと納税改正点
2020年は、ふるさと納税について大きな改正は行われませんでした。ふるさと納税について、総務大臣の指定に関する変更点は以下の通りです。
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地方税法施行規則の一部を改正する省令(令和2年総務省令第63号、65号 )を定める
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地方税法第37条の2第2項及び第314条の7第2項の規定により特例控除対象寄附金の対象となる都道府県等の指定に係る基準等を定める
どちらも、ふるさと納税の対象団体の指定に関する内容です。こうした変更によって、対象団体が新たに指定されることもあれば、指定が取り消されることもあります。
その他過去の大きなふるさと納税の改正点
これまでにご紹介した改正点以外にも次のような改正が行われました。
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新たなふるさと納税指定制度の施行
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ふるさと納税の控除限度額の大幅引き上げ
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ワンストップ特例制度の開始
2019 年に行われた「新たなふるさと納税指定制度の施行」は、利用者に大きな影響はありません。しかし、過去に寄付した団体が総務大臣の指定から外れている可能性があります。ふるさと納税は指定を受けた団体への寄付が対象ですので、寄付を行う前に、指定を受けているかどうか改めて確認すると安心です。
「ふるさと納税の控除限度額の大幅引き上げ」「ワンストップ特例制度の開始」は、どちらも利用者に大きく関わる内容です。それぞれ詳しく解説します。
ふるさと納税の控除限度額の大幅引き上げ
2015年は 、「ふるさと納税枠」が約2倍 に拡充されました。「ふるさと納税枠」とは、自己負担額である2,000円を除いて控除(減額)される寄付額の限度額のことです。つまり、寄付できる金額が大きくなるという意味で、「個人住民税から控除される金額が2倍になる」ということではありません。
例を挙げて改正前と改正後の「ふるさと納税枠」を比較すると、以下のようになります。
改正前
改正後
年収300万円の場合
12,000円
23,000円
年収500万円の場合
30,000円
59,000円
年収700万円の場合
55,000円
108,000円
「ふるさと納税枠」の金額分、返礼品を自由に選ぶことができます。寄付は1つの団体だけでなく、複数の団体に分けて行うことも可能です。合計金額が限度額を上回らなければ問題ありません。
実際の限度額は、寄付される方本人の収入や他の控除、家族構成などによって異なります。同じ年収でも、子どもの人数や年齢で限度額が下がることもあるため、正確な限度額を知りたい方はお住まいの市町村や税理士に問い合わせてみましょう。
ひとまずどのくらい寄付できるのか、寄付限度額の目安を知りたい方は、ふるラボの「かんたんシミュレーター」をご利用ください。自己負担2,000円で寄付できる上限額の目安を、年収、家族構成、扶養家族から計算することが可能です。目安の金額に合わせた返礼品もご紹介します。
ワンストップ特例制度の開始
2015 年以降に行うふるさと納税を対象に、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。ポイントは、確定申告をせずに納税分の寄附金控除を受けられるようになったことです。
改正されるまで、ふるさと納税による寄附金控除を受けるには確定申告が必須でした。会社員など自分自身で確定申告を行う必要のない方にとって、難しい手続きがふるさと納税を始めにくくしていたのです。ワンストップ特例制度の開始により、ふるさと納税がより身近なものになったといえるでしょう。
特例の申請には、以下の条件 を満たす必要があります。
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確定申告が不要な給与所得者などである
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ふるさと納税先の自治体が1年間で5団体以内である
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各ふるさと納税先の自治体に、特例の適用に関する書類を申請している
6団体以上にふるさと納税を行った場合や、個人事業主や医療費控除などで確定申告を行う方は、ワンストップ特例制度に関係なく確定申告を行う必要があります。
団体に寄付を行うごとに、必要書類を郵送するだけで手続きは終了です。また6回以上寄付を行っても、6団体以上にならなければワンストップ特例制度を利用できます。寄付の回数分、書類の提出が必要ですので注意してください。
ワンストップ特例制度の利用に必要な書類は、ポータルサイトからの申込時にワンストップ特例申請書を希望すると、後日送付されます。また各自治体のホームページから取得できるケースもあるので、チェックしてみましょう。
まとめ
ふるさと納税の改正を振り返りながら、より簡単に利用できる制度に変化していることを解説してきました。なじみのない言葉が多くてまだ少し難しいと感じる方は、ふるさと納税のポータルサイトを利用するのがおすすめです。ふるラボでは、ふるさと納税に関する情報の発信を行ったり、疑問を解消するためのコンテンツを用意したりしています。初めての方でもスムーズにふるさと納税を利用できるよう、利用手順や必要書類、大切なポイントもまとめて紹介しています。
またふるさと納税に関するコラムでは、実際に寄付を行う上での注意点や手続きの具体的なやり方を解説。よりおメリットを感じながら制度を利用するために活用してみてはどうでしょう。動画で解説が見たい方には、「ふるラボチャンネル」がおすすめ。ふるさと納税の解説の他、自治体や返礼品についての情報も発信していますので、ぜひチェックしてみては?
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!