ワンストップ特例制度のメリット・デメリットは?確定申告とどちらが良い? | ふるラボ

ワンストップ特例制度のメリット・デメリットは?確定申告とどちらが良い?

ワンストップ特例制度のメリット・デメリットは?確定申告とどちらが良い?

自治体から提供されるユニークなお礼品が魅力の一つとなっている「ふるさと納税」。加えて自治体に提供するお金は「寄付金」として区分されるため、税金控除が受けられる方法の1つとしても注目されています。

総務省によると、ふるさと納税を行った場合、寄付金額のうち2,000円を超える額は基本的に所得税や住民税から全額控除されるルールがあります。このルールは「寄付金控除」と言われています。寄付金控除を受ける際、原則として必要となってくるのが「確定申告」です。しかし、確定申告は意外と書き方が難しく手間がかかるもの…。

そこで検討してほしいのが、「ワンストップ特例制度」です。

この記事では、ワンストップ制度の内容や申請条件、手順などを詳しく解説していきます。
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ワンストップ特例制度を使うメリット

ワンストップ特例制度を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

1番のメリットは確定申告と比べて「圧倒的に手間が減ること」です。おもに下記の項目において、手続きが格段に楽になります。

ワンストップ特例制度のメリット

  • 確定申告の手間が省ける

  • 必要書類が少ない

  • 必要書類の記入も簡単

確定申告の手間が省ける

確定申告をする場合、源泉徴収票を確認しながら寄付金控除額や寄付先の所在地などを確定申告書Aに記入しなければいけません。確定申告は準備すべきものも多く、書類の内容も複雑です。サラリーマンなどの給与所得者の方は確定申告に慣れていないため、思っているよりも手間と時間がかかるでしょう。

しかしワンストップ特例制度の場合は、一定条件を満たせば複雑な確定申告を行う必要はなし。代わりに申請書類を提出する必要はありますが、記入事項がかなりシンプルなので手間も時間もほとんどかかりません。

必要書類が少ない

ワンストップ特例制度に必要な書類は、「申請書」と「本人確認書類」の2つのみ。書類集めが簡単でストレスがかからないため、ふるさと納税初心者の方には特におすすめです。ワンストップ特例制度の申請には基本的に個人番号(マイナンバー)が必要になってくるため、マイナンバーカードがない場合は別途本人確認ができる書類を準備する必要がありますが、それでも用意すべき書類は少なめ。確定申告を行うよりも、はるかに楽に申請を進めることができます。

必要書類の記入も簡単

申請書はとにかく記入項目が少なく、また記入内容も簡単になっています。住所・氏名・個人番号などの個人情報の他に、寄付年月日・寄付金額と申告の特例の適用に関する項目にチェックを入れるだけで簡単に記入ができてしまいます。

ワンストップ特例制度を使うデメリット

ワンストップ特例制度は、メリットがある一方でデメリットも存在します。

  • 寄付は5自治体までしかできない

  • 利用には条件がある

  • 締切が早く余裕を持った手続きができない

以降で詳しく解説します。

寄付は5自治体までしかできない

ワンストップ特例制度を利用する場合は、寄付できる自治体は年間5つまでに制限されます。そのため、数多くの自治体に寄付したい、少額でもさまざまな自治体を応援したいという方にとっては、デメリットになるでしょう。

ただし、確定申告で寄付金控除の申請をする場合は、寄付する自治体の数に限りはありません。寄付先を5自治体以内にしてワンストップ特例制度を利用するか、数に限らずさまざまな自治体に寄付をして確定申告で控除申請を行うかは、自身の状況に応じて判断しましょう。

利用には条件がある

ワンストップ特例制度の利用には、いくつかの条件があります。主な条件は以下のとおりです。

  • 年間の寄付先が5自治体以内であること

  • 確定申告をする必要のない給与所得者等であること

  • 自治体へ申請書を郵送していること

詳しくは「ワンストップ特例制度の申請条件」の見出しで後述しますが、これらの条件を満たさない場合、制度を利用できないというデメリットがあります。特に、副業収入が年間20万円以上ある場合や不動産所得がある場合など、確定申告が必要な方は利用できません。ワンストップ特例制度を利用したいと考えている方は、これらの条件をあらかじめ確認しておきましょう。

締切が早く余裕を持った手続きができない

ワンストップ特例制度を利用するには、寄付を行った翌年の1月10日(必着)までに、申請書を提出する必要があり、確定申告よりも早いタイミングで申告する必要があります。そのため、年末ギリギリに寄付を行った場合、余裕をもった手続きができない可能性があります。なお、この申請を忘れてしまった場合、税金控除を受けるためには確定申告を行わなければなりません。これは、手続きの簡素化というワンストップ特例制度の利点を失うことになります。

対策としては、寄付を行った際、忘れないうちに申請書を提出することや、スマートフォンのリマインダー機能を利用して申請期限を忘れないようにすることが効果的です。

ワンストップ特例制度と確定申告はどちらがいい?

ワンストップ特例制度と確定申告、どちらを選択するべきかはそれぞれの状況によって異なります。ワンストップ特例制度は手続きが簡単で、確定申告の手間を省けるメリットがあります。一方、確定申告は寄付先の数に制限がなく、より柔軟な寄付が可能です。以下では、それぞれの方法がおすすめの人について詳しく説明します。

ワンストップ特例制度の利用がおすすめの人

ワンストップ特例制度の利用がおすすめな人は、主に以下のような人が挙げられます。

  • 確定申告に慣れてない

  • 比較的簡単な手続きでふるさと納税の控除申請を行いたい

ワンストップ特例制度の利用条件に当てはまり、かつ上記に当てはまるような人には、ワンストップ特例制度の利用がおすすめです。確定申告の手間や時間を省くことができ、比較的簡単に税金控除を受けられます。特に、確定申告の経験がない新社会人や、複雑な手続きを避けたい人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。

確定申告がおすすめの人

確定申告がおすすめな人は、主に以下のような人が挙げられます。

  • 数に限らずさまざまな自治体に寄付をしたい

  • 確定申告をした経験があり、申告手続きに慣れている

確定申告の場合は、寄付先の数に制限がなくなり、より多くの自治体を支援できます。また、副業収入がある人の中には、確定申告をしたことがある人もいることでしょう。このように、申告手続きに慣れている人も、とくに大変と思わず申告できるのではないでしょうか。

そもそもワンストップ特例制度とは?

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をした後に確定申告を行わなくても寄付金控除が受けられる仕組みのことです。会社勤めの人などの年末調整を受けている人が、ふるさと納税を行って寄付金控除を受けるためには、通常、確定申告を行わなくてはいけません。しかし、この制度を利用すれば、確定申告をせずに寄付金控除を受けられるようになります。制度を利用するには一定の条件がありますが、適用されると翌年度の住民税から自動的に控除されるため、非常に便利な制度です。そのため、もともと確定申告の必要性がない、会社などに勤務する給与取得者も、気軽にふるさと納税を始められます。

ワンストップ特例制度を利用する際には、事前に特例の「申告書」を提出する必要があります。インターネットで各自治体に寄付を申し込む時に、ワンストップ特例申請書を希望すれば後日送付されます。確定申告の代わりに提出が必要となりますが、書類内容がシンプルなので手間もそれほどかかりません。

各自治体の該当ホームページから様式を取得できる場合もあるので、寄付を申し込む際には1度チェックしておきましょう。

「公式サイト上にフォーマットがない」「ふるさと納税を行ったが、自治体から申請書が届かない」という場合は、該当の自治体に直接問い合わせをしてみてください。

ワンストップ特例制度の申請条件

ワンストップ特例制度の申請条件は3つあります。

  • もともと確定申告をする必要のない給与所得者(会社員など)などであること

  • 1年間(1~12月)の寄付先が5自治体以内であること

  • 申し込みの度に自治体へ申請書を郵送していること

上記の条件を満たしていれば、確定申告なしで申請することができます。しかし、年収2,000万円を超える所得者や医療費控除などで確定申告が必要な場合は利用できないため注意が必要です。該当する方は、確定申告で寄付金控除を申請してください。

また、年間の寄付先の自治体数にも制限があります。この時、1つの自治体に複数回寄付をしても1カウントになるので、それを踏まえてカウントするようにしましょう。

最後に、ワンストップ特例制度申請書は、申し込みの度に自治体に郵送しましょう。同一自治体に複数回申し込んでいる場合であっても、その都度申請書を提出する必要があります。

ワンストップ特例制度の申請に必要な書類

ワンストップ特例制度の申請時に必要な書類は2種類あります。

まず1つは「ワンストップ特例制度の申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)」です。寄付の申し込みフォームから、ワンストップ特例申請書の送付を希望し、届き次第記入&提出してください。

ワンストップ特例制度を申請する際、自治体によっては「オンライン申請」が行える場合もあります。まだ数は多くはありませんが、スマートフォンで簡単に申請ができるので、選んだ先の自治体が対応可能かどうかも合わせて確認しておくことをおすすめします。

また、寄付先の自治体へ直接連絡して申請書をもらうことも可能です。申請書は寄付した自治体数分(最大5枚)必要になるため、忘れず準備しておきましょう。

もう1つ必要なのが、「本人確認書類」です。マイナンバーおよび申請者本人を確認できる書類のコピーを準備し、申請書と一緒に郵送してください。

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ワンストップ特例制度の申請用紙はどこでダウンロードできる?

ワンストップ特例制度の申請書は多くの場合、各自治体から「寄附金受領証明書」と一緒に自治体名や寄付者の住所・名前などがすでに記載された申請書が送られてきます。

また総務省や各自治体のホームページ、各ポータルサイトから「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」のダウンロードも可能です。ふるさと納税の手続きが年末ギリギリだった場合は、ダウンロードした申請書を利用して早めに送付するようにしましょう。

本人確認書類の提出パターンは3つ

申請書を作成したら、次に本人確認書類を準備しましょう。提出パターンは3つあるので、自分に合ったいずれかの方法で書類を用意し、同封してください。

1つ目のパターンは、マイナンバーカードのコピー(両面)です。忘れずに表と裏両方をコピーし、提出しましょう。

2つ目のパターンは、通知カードもしくは住民票(個人番号入り)のコピー+運転免許証もしくはパスポートのコピーのセットを準備する方法です。

3つ目のパターンは、通知カードもしくは住民票(個人番号入り)のコピー+健康保険証および年金手帳などの提出先自治体が認める公的書類(2点以上)のコピーのセットです。

マイナンバーカードをまだ持っていないという方は、2つ目・3つ目のパターンのように細かな書類が必要となってくるため、前もって準備しておくことをおすすめします。

ワンストップ特例制度の申請手順【3STEP】

ワンストップ特例制度の申請手順は、たったの3ステップ。確定申告を行うよりも簡単で、ストレスなく申請することができます。

  • ワンストップ特例制度の申請書を記入する

  • 本人確認書類のコピーを用意する

  • 申請書と本人確認書のコピーを寄付先の自治体へ送付する

流れに合わせて以降で詳しく解説します。

1.ワンストップ特例制度の申請書を記入する

まずは「ワンストップ特例制度の申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)」を用意し、前述した通りに必要項目を記入しましょう。記入する項目は、氏名・住所などの個人情報のほかに、寄付した年月日と寄付金額を記載する欄もあります。

また、書面での申請のほか、自治体によっては、オンラインで申請できる場合もあります。申請しやすい方法を選択しましょう。

2.本人確認書類のコピーを用意する

次は同封する本人確認書類の準備。マイナンバーカードや住民票、運転免許所など必要書類のコピーを用意してください。

本人確認書類の提出パターンは3つ」の見出しで解説したとおり、必要な本人確認書類は3パターンあります。漏れのないよう、確認しながら準備しましょう。

3.申請書と本人確認書のコピーを寄付先の自治体へ送付する

申請書と本人確認書類のコピーが揃ったら、後は寄付先の自治体に送るだけ。送付する際は事前に記入漏れやミスなどがないか、しっかりと確認したうえで送るようにしましょう。

ワンストップ特例申請書の書き方

ワンストップ特例申請書に記入すべき項目は以下の通りです。複雑な項目は一切ないため、初心者の方でも簡単に書き進めることができます。

必要記入項目

  • 本人情報(氏名・生年月日・住所など)

  • 個人番号(マイナンバー)

  • 寄付した年月日

  • 寄付した金額

  • 確定申告をする必要がない人であることの確認

  • 寄付先が5団体以内であることの確認

「確定申告をする必要がない人であることの確認」は、確定申告をする必要のない給与所得者であるかどうかを確認するものです。この時、年収2,000万円を超える所得者や医療費控除などで確定申告が必要な方は該当しないため注意が必要です。

また「寄付先が5団体以内であることの確認」は、6カ所以上の自治体に寄付していないかの確認になります。この際、1つの自治体に複数回寄付をしても1カウントになることも忘れないでおきましょう。

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ワンストップ特例制度の提出期限はいつまで?

ワンストップ特例制度の申請には期限があります。申請書と本人確認書類を、ふるさと納税を行った翌年の1月10日(必着)までに寄付先の自治体に送りましょう。記入漏れ・必要書類の添付漏れ・書類不備があると受け付けてもらえないため、いつまでに提出すれば良いのか事前に期限を把握し、できるだけ早めに記入・郵送を行ってください。ふるさと納税を行ったタイミングで都度申請書を送ると、漏れや不備を少なくできるのでおすすめです。

ワンストップ特例制度をスムーズに活用するためのコツ

ふるさと納税を行うのであれば、ワンストップ特例制度を上手に活用しようと思っている方は多いのではないでしょうか?

ここからはふるさと納税もしくはワンストップ特例制度初心者の方でもわかりやすいように、あらかじめ調べておいた方が良い項目やポイントを解説していきます。コツを押さえておくことで申請がスムーズに行えるので、年末に焦る必要もなくなるでしょう。

寄付した自治体、時期、金額はまとめて管理しておく

申請書記入をスムーズにするために、日頃から寄付した自治体や時期、金額などをメモやふるさと納税ポータルサイトで管理しておきましょう。当サイトの「寄付上限額シミュレーション」を使えば、控除上限金額の目安の計算やシミュレーションが簡単に行えます。また、ふるラボに会員登録していただくと、マイページより簡単に寄付履歴が見られるため、おすすめの確認方法です。

自治体へ寄付したタイミングで都度申請書を作っておく

年末にまとめて申請書を作ろうとすると、不備があった際に手間が増えたり、控除が受けられなくなったりというリスクがあります。都度申請書を送付することで申請忘れなどを防げると同時に、記入漏れや記入ミスを防ぐこともできます。

個人番号が確認できる書類は必ず用意しておく

申請書を記入する際、個人番号は必須となります。マイナンバーカードやマイナンバー通知書を事前に用意しておくことで、余裕をもって手続きを進めることができます。

まとめ

応援したい自治体に寄付することで、税金の一定額が還付・控除されるふるさと納税。寄付するとさらに寄付先から地域のお礼品が貰えるため、双方ともメリットのある仕組みとして注目されています。

これまでふるさと納税を行う際に億劫になっていた確定申告も、ワンストップ特例制度を活用すれば回避することが可能に。ワンストップ特例制度は、最も簡単にふるさと納税の寄付金控除の申請を行える方法と言えるでしょう。自分がワンストップ特例制度の条件に該当するのであれば、使わない手はありません。手続きのやり方やメリット・デメリット、書類の書き方などを把握したうえで賢く制度を活用してください。

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