不思議な事があった。







昨年、自転車で近所を走っている時のこと。





いつもの本屋さんにちょっと寄ります。
ここはいつ行っても何か面白い本が見つかるお店。


牧野富太郎さんの美しい本があったり、全ページカリグラフィーで彩られた本
刀剣関係、美術関係や地方文化史の本など・・。
普通に見ないような本があります。



この日も何があるか期待して・・・。
まあ、何かあったらいいかなと軽い気持ちで。




「こんにちは～。何か山の本って入ってますか？」





「あ、丁度いいタイミング！！いいのが入ってるよ～。これは珍しいかも・・・ガサガサ・・」





！！！！！





ああ・・‥串田孫一さんの初版サイン本・・。
豪華装幀で初めて見る本です。
しかも4冊。

このタイミングで出てくるか・・・。


これは欲しい・・・。しかし微妙に手が出ない。
同一の方の蔵書だったようで、まとめてじゃないと何だか悪い。
4冊中、3冊は版が違うが既に持っている。

きっと豪華装幀とサインに惹かれているんだな。。
頭を冷やそう。




「・・・しばらく考えて、それでも欲しければ求めに来ます」と今回は見送り。





「あ、そうそう、まだ面白い物があるよ。見る？」





「見ます！」





ガサゴソ・・・。





「これなんだけど・・・」





と出されたものがこれです。


















冒頭の不思議な事とは、もうちょっと明るい双眼鏡があったらいいな～って
この日に考えていたのです。この日に。










しかし何故本屋さんに、双眼鏡が・・。





「本を引き取る時に、いろんな物も手放す人がいるのよ・・・。
自然が好きな人だったんだけど。引き取った本もそれ系の本だったの。
ついでにこれも持って行ってくれって言われたんだけど本屋だし、実際どうしようって思ってた所なのよ～。
でも喜んでくれる人がいて嬉しいわ～」



という事情。
ここの本屋さんの人柄でしょう。
とてもいい人なんです。





「うーん。・・・・もしよければ引き取りますけど・・・。もちろん適価をお支払いします」





「え？嬉しいわ！じゃあお好きな金額で（適当）」





という経緯です。





対面で物を求める時、このやりとりが面白い。
しきりに好きな人の所に行って嬉しい！とおっしゃってました。
そんな表情を見て、こちらも嬉しい。









双眼鏡と言ったら、多くの方がこの形を思い浮かべるでしょう。






ちょっと大型の双眼鏡で7×50と星空観察にピッタリ。
何度か星空を覗いたのですが、丁寧な時代のNikonの見え味はさすが。
×7は星がキリッとした点になるので、新月に見るとホント綺麗です。



月があると背景が明るくなりぼやけますが、必要充分。
あとはしっかり固定するともっといいかも。
三脚にアタッチメントを付ける計画です。
モデル通り、大きさの割りにとても軽い。









何より状態が素晴らしい。ケースの革、レンズと
とても大事にされていたのがよく分かる。

引き続き大事にしよう。







物との出会いは不思議です。
強く思ったりしていると、本当にその通りになる。
「絶対無理」だと思うと、ほんと無理という願いが叶ってしまいます。



要所で、ずっと付き合い続けられる物に出会うことが多くなった。



お墓に物は持っていけないですが・・。
今後出会った人に、自分が不思議な出会いをしたように
今度は自分に出会うことによって、不思議な偶然をプレゼントできたらいいなと思います。
その時が来たら、喜んで差し上げてしまうでしょう。エピソードと共に。


全てはタイミングと縁ですね。







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