路線の思い出  第57回  深名線・白樺駅 - 風来梨のブログ

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このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第57回  深名線・白樺駅

路線の思い出  第57回  深名線・白樺駅  〔北海道〕
 

今回掲載できる写真は
若き日の過ちでこれのみ
 
《路線データ》
       営業区間と営業キロ        輸送密度(’79) / 営業係数(’83) 
     深川~名寄 121.8km            168  /   3157

         廃止年月日                転換処置
                      ’95/ 9/ 4                   名士バス
 
廃止時運行本数
       深川~名寄  1往復(車両は直通・列車番号は朱鞠内で変わる)
       深川~朱鞠内 下り3本・上り2本
       深川~幌加内 下り1本・上り2本
       朱鞠内~名寄 2往復
 
白樺駅(しらかばえき)は、かつて北海道(空知支庁)雨竜郡幌加内町にあったJR北海道・深名線の駅である。 利用者皆無により1990年3月10日に、路線廃止より先に廃駅となった。 駅の廃止となる末期の当駅は冬季閉鎖の処置が取られ、12月1日より翌年の3月末(後に冬季閉鎖処置は4月末まで延長)まで全列車が通過し、隣駅の蕗ノ台駅と共に冬眠する駅として有名であった。

駅名の由来は、開拓の基地という背景を持って原生林の中に作られた駅であった為に駅設置場所に地名が存在せず、開駅にあたり当地一帯が白樺の密林であったことから命名したとの事である。 かつては字白樺の字名があったが1982年に字が廃止され、現在はどの字にも属していない「字なし地域」となっている。

元々は島式ホーム1面2線に貨物ホームと貨物側線を有する列車交換可能な駅であったが、交換設備は撤去されて廃止時点で単式ホーム1面1線を有する棒線駅となっていた。 ホームは線路の北側(名寄方面に向かって左手側)に存在した。 ホーム前後の線路は、かつてあった分岐器の名残で湾曲していた。
駅廃止後も当駅のあった部分の線路は湾曲したままであり、乗車していても駅跡が推測出来た。

無人駅となっており、有人駅時代の駅舎は撤去されプレハブの待合所を有していた。 ホームはもともと土盛りであったが、後年板張りの仮乗降場様式となり、深川方(南側)にスロープを有し駅施設外に連絡していた。 冬季休業中のホームは撤去されていた。

深名線廃止後はしばらく待合所が残存していたが撤去解体されて、2000年時点では駅への階段がクマザサに覆われて残存し、構内跡地には転轍機が1機残存していた。 また階段の他に、訪れた誰かが製作・設置したであろう手書きの駅名表示看板が立っていた。 駅前には北大演習林側が区画した居住地があり、林業関係者の住宅の他、日通営業所、鉄道職員住宅があったそうだが、現在は草むらとなっている

駅設置の背景として、当駅は北海道大学農学部演習林の中(泥川事業区)に位置し、蕗ノ台と同様に1929年頃から林業関係者が出入りして、付近の「泥川」からブトカマベツ川-雨竜川と伐採木材を流送していた。 当線が延伸工事を進めていた1940年には当地に市街地ができる可能性が大きいとの事から、演習林側で駅前予定地に市街住宅区画を行った。

森林資源産業の最盛期であった1956年頃の当駅は、隣駅の蕗ノ台と同様に木材貨物の積込み基地として活用され木材の年間発送量が12,000tを記録するなど、駅土場には多くの木材が集積されていた。 
だが、その後の輸入自由化に伴う資源産業の斜陽化で木材搬出が一気に無くなり、最盛期は100名を数えた地区の人口も急激に減って、1961年(昭和36年)に当駅は無人駅となった。 最後の1名が離村したのは1964年(昭和39年)4月から1965年(昭和40年)9月の間とみられ、以降無人地帯となった。



夏は暑いので、あまり○鉄してないんだよね~。 鉄から離れてからは、山だったしィ。 それにほとんど○鉄撮影してないので、夏の鉄写真はほぼ皆無だしィ。 だから、この《路線の思い出》シリーズ(シリーズというほどの大層なモノでもないし、シリーズ化を宣言する程の人気も閲覧者もないけど)の夏は飛び飛びになりそうです。
 
で、数少ない○鉄の夏エピソードを一つ。 これは、初めて北海道に出かけた高1の夏の時の事である。 でも、青き日々の過ちで、旅に出たけど鉄写真は全滅したんだよね。 それはASA(現 ISO)感度に釣られて、ASA160のタングステンフイルムをつかってしまう失態を犯してしまったんだよね~。
タングステンフイルムは室内用で青味が掛かり、全て青混じりになっちまった。
 
まぁ、この失敗のリベンジに燃えた(萌えた・・じゃないよ)事があったから、以降は北海道の真冬の駅寝も厭わない『情熱大陸バカ』となって、結構貴重な○鉄の冬写真が撮れたのであるしィ。 『情熱大陸バカ』の時に撮った『○鉄写真』は、消えかかったロウソクの灯のようなこのブログの客引きの『生命線』となってるしィ。
 
話は脱線したが以上の理由で鉄写真はゼロで、サブで持っていったPENTAX ME super に入れていたネガフイルムが、唯一の掲載可能写真の持ち弾となってしまったのである。 このサブカメラで撮ったのは、駅名標や駅舎とか列車のサボだけでロクな写真がないのであるが。
 
さてそれでは、深名線の白樺駅の思い出おば・・。 この駅に降りた動機は、地図(ワラジヤの地図→潰れたけど道路地図の名著である)で朱鞠内湖が駅近くまで広がっていて、これをバックに○鉄写真を撮ろう・・と画策したからである。 でも、当時1日4往復を日本一(私感だが、秘境度では室蘭本線の小幌や飯田線の小和田を軽く凌ぐよ・・その訳は文を進める内に語ります)の秘境駅で撮ろうとする自体、ガキとはいえ何も考えてない浅はかさが浮き彫りになっているのである。
 
・・で、降りると、驚愕な情景が待っていたのである。 それはゴキブリ並の精神が育ちつつあったが、まだまだアオかった筆者の精神を掻き毟るような情景であった。 降りた白樺駅は、板張りホームとホーム先の土手に施錠されて入れない保線要員の詰所のような4畳半スペースのプレハブ小屋があるだけで、その土手に視界を遮られてホームからは周囲が見えないロケーションだった。 あり丁寧にいえば、土手に遮られた周囲より一段低い所に駅ホームと線路があったようである。
 
その白樺駅の板張りに降りて周囲を見渡しても、ワラジヤの地図で駅のすぐ近くまで迫るように表示されていた朱鞠内湖は影も形もない。 あるのは、鬱蒼とした密林帯だけだった。 たぶん、夏の渇水期で湖の水位がなく、荒地となっていた情景であろう。 今考えるに、そもそも白樺の駅まで水が押し寄せている事態は、湖水が氾濫状態の危険水位っていう事なのである。
 

あまりにも掲載するモノが無いので
朱鞠内湖のスタンプおば・・
 
のっけから「湖をバックに深名線」という目論見が外れ、仕方なしに「駅周辺を歩いて撮影場所を索敵しようか」と土手の上に上がってみると、冒頭に述べた驚愕の情景が広がっていたのである。
全ての建物が崩れ落ち、獣の白骨がゴロゴロと転がる完全無欠のゴーストタウン、いや死滅廃村が広がっていたのである。
 
トイレの便器がめくれ上がっていたり、家屋が完全に押しつぶされて瓦礫と化して、その中に獣の白骨が点々と転がっていたのである。 空想力を大きくして語ると、「もしかして人骨も?」って状況である。
 
それが駅に向かうメインストリートに向かって両サイドに展開し、かつては小集落であった事が十二分に伺えたのである。 いくらゴキブリ並の精神力が育ちつつあったとはいえ、まだ高1の16歳のガキが狼狽えるに十分な光景が広がっていたのである。
 
さすがにこれを見て狼狽えたアホウ(筆者)は、この地より撤退を決意する。 でも、撤退といっても1日4往復で、次の撮影するべく目論んでいた列車も3時間半後(しかし、駅に降りてからの絶無の地での3時間半をどうするつもりだったのだろう、このアホガキ〔筆者〕は・・)で、列車でこの地より逃避するのはほぼ不能である。
 
そして、死滅廃村を伝っての脱出はあり得ない・・とくれば残るはただ一つ、「線路を伝って隣の駅へ」しかこの地からの逃避の方法がないのである。 で、そうと決めたら、早速実行開始。 次の駅・北母子里までは5.4kmと歩けない距離ではない。 そして歩いていく線路上は、周囲と比較すると最も人の感覚を保てる所なのである。
 
とは言え、その伝っていく経路はヒグマが徘徊するかもしれないような完全無欠の原野で、線路を離れると樹海を彷徨う可能性もあるのだ。 要するに線路が水先案内であり、線路から離れるのはタブーな状況なのである。 そのような状況を鑑みてラッキーな事はといえば、この線路より離れられない状況で、長大トンネルや鉄橋が無かった事であろうか。
 
まぁ、歩く分に関しては何事もなかったのであるが、強いて言えばこの5.4kmは最強の『肝試し』区間で、今この区間がを通行するとしたなら、かなりのダイエット効果が期待できるだろうね。
また、人生に煮詰まった時の度胸試しの場としても有用だろうね。←こんな事を考えつく筆者は、間違いなく精神年齢が幼稚なのだろうね。
 
さて、着いた目的地の北母子里は有人駅で、付近には鉄道雑誌に取り上げられて有名となった郵便局もあった。 それは、当時出回り始めた500円硬貨を外国の硬貨と訝ったエヒソード(たぶん、相当の脚色アリだと思うけど)からであるが、とにかくそれらを目にして人の気配、人の生活圏に戻った事を感じる事ができたのである。
 
当然ではあるが、あの死滅廃村は写真に撮らなかったが、もし撮ってたら『衝撃のスクープ映像』だったろうね。 深名線が廃線になってからの白樺駅跡の現地レポは他のブログでも幾つか取り上げられているが、内容を見るとダートだった道路が北海道規格に舗装整備されて、道案内も新調されて秘境ムードは薄れているようだったし。

    ※ 詳細は『魅惑の鉄道写真集』より『深名線』を御覧下さい。
 
 
 
 
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No title * by tom
こんばんは
廃屋はともあれ白骨は本当でしょうか?一枚位証拠写真があると良かったですね。

しかし撮り鉄多しといえども、”白樺~北母子里”間と歩いている方はそうそうはいないのではないでしょうか!?

No title * by 風来茄子
こんばんは。白樺は都合2~3度(どんな都合だ?)降りてますが、降りただけで空気が張り詰める駅というのはここと隣の蕗ノ台くらいだったでしょう。本能が危険を察知している(笑)仰るとおり小和田など呑気なもので秘境でも何でもありません。
私もスナップ写真くらいは残してる筈ですがとうに紛失してしまいました。降りた人も少ないでしょうから駅名標だけでも貴重なのでは。
剣呑といえば天○茶屋や新△宮も降りただけで抜き差しならぬ空気感が・・・(^^;)

No title * by 風来梨
tomさん、おはようございます。

放置された廃屋は雪の重みでなのか、全て押し潰れるように屋根ごと崩壊してました。 この地では雨煙別の駅舎が雪で倒壊した事もあるように、超豪雪地帯ですから。

獣の白骨は、恐らく放置された家畜やカモシカなどの弱小野生動物の死骸でしょうね。 山の登山者があまり通らないルートではよく転がってます。 女峰山の下りの笹ヤブ帯でも転がってました。

この死滅廃村の情景は、ローカル線ブームでこういう所に訪問者が訪れるようになったら整備されて消滅したみたいです。
その意味では、貴重な情景です。でも、さすがに写真を撮る被写体ではなかったですね。 今思えば、大スクープ光景だったのですが・・。

No title * by 風来梨
偉大なるラスプーチン、『やんぐ』なる殿下・・、恐悦至極に御座います。

殿下がお忍びであらせられた時は、そろそろに秘境ブームが本格的になっていて、この地も訪れる者がある事が想定されて、ワテの見たああいう情景は「訪れる者に悪印象を与える」として整備されて淘汰されたようですな。 だから、殿下が目にされた白樺の情景は草原となっていた事でしょうな。

その意味では、ニョホホホ~山の裏見ノ滝ルートのササ藪帯は人が通らんルートだったのでしょうな。 白骨が転がってたし。 しかも、一部は肉付で・・。

>剣呑といえば天○茶屋や新△宮・・
駅の西南のあの方向ですな・・
以前あった南海平野線の飛◆本通駅は、そのど真ん中にあって・・、その・・、窓が開いていたら2階で頑張っているシーンを目撃できたそ~です。

No title * by 風来茄子
微かな記憶では列車の折り返し時間を利用して白樺から蕗ノ台まで歩く予定でしたが、異様な雰囲気に負けて諦めています。牧場や原野の中ならともかく深い樹林帯は気味が悪いものですよね。出てくるのは大概エゾシカですが草叢がガサガサ鳴るだけで背筋が寒くなったものです。
>以前あった南海平野線の■田本通駅は、そのど真ん中にあって・・
「徒歩」ならその、じっくりと格闘シーンを・・・><;

No title * by 風来梨
殿下、返しコメ有り難さきめいわ・・、もとい有り難き幸せにございます。

ワテは蕗ノ台は未訪でして・・。 蕗ノ台は更に何にもないらしい・・との事でパスしましたよ。
一応、なんちゃって撮り鉄だったので。

獣のガサガサも怖いけど、歩いていてズホッとハマるのも怖いですよ。

山ではス-パ-トライゲッター(転倒王者)なんで。

No title * by 風来梨
それと殿下に御申忠いたします。

>「徒歩」ならその、じっくりと格闘シーンを・・・><;

徒歩であの界隈を行くと、格闘シ-ンを見る前に「御案内」されて、自ら格闘するハメとなりまする。

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No title

こんばんは
廃屋はともあれ白骨は本当でしょうか?一枚位証拠写真があると良かったですね。

しかし撮り鉄多しといえども、”白樺~北母子里”間と歩いている方はそうそうはいないのではないでしょうか!?
2014-06-21 * tom [ 編集 ]

No title

こんばんは。白樺は都合2~3度(どんな都合だ?)降りてますが、降りただけで空気が張り詰める駅というのはここと隣の蕗ノ台くらいだったでしょう。本能が危険を察知している(笑)仰るとおり小和田など呑気なもので秘境でも何でもありません。
私もスナップ写真くらいは残してる筈ですがとうに紛失してしまいました。降りた人も少ないでしょうから駅名標だけでも貴重なのでは。
剣呑といえば天○茶屋や新△宮も降りただけで抜き差しならぬ空気感が・・・(^^;)
2014-06-22 * 風来茄子 [ 編集 ]

No title

tomさん、おはようございます。

放置された廃屋は雪の重みでなのか、全て押し潰れるように屋根ごと崩壊してました。 この地では雨煙別の駅舎が雪で倒壊した事もあるように、超豪雪地帯ですから。

獣の白骨は、恐らく放置された家畜やカモシカなどの弱小野生動物の死骸でしょうね。 山の登山者があまり通らないルートではよく転がってます。 女峰山の下りの笹ヤブ帯でも転がってました。

この死滅廃村の情景は、ローカル線ブームでこういう所に訪問者が訪れるようになったら整備されて消滅したみたいです。
その意味では、貴重な情景です。でも、さすがに写真を撮る被写体ではなかったですね。 今思えば、大スクープ光景だったのですが・・。
2014-06-22 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

偉大なるラスプーチン、『やんぐ』なる殿下・・、恐悦至極に御座います。

殿下がお忍びであらせられた時は、そろそろに秘境ブームが本格的になっていて、この地も訪れる者がある事が想定されて、ワテの見たああいう情景は「訪れる者に悪印象を与える」として整備されて淘汰されたようですな。 だから、殿下が目にされた白樺の情景は草原となっていた事でしょうな。

その意味では、ニョホホホ~山の裏見ノ滝ルートのササ藪帯は人が通らんルートだったのでしょうな。 白骨が転がってたし。 しかも、一部は肉付で・・。

>剣呑といえば天○茶屋や新△宮・・
駅の西南のあの方向ですな・・
以前あった南海平野線の飛◆本通駅は、そのど真ん中にあって・・、その・・、窓が開いていたら2階で頑張っているシーンを目撃できたそ~です。
2014-06-22 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

微かな記憶では列車の折り返し時間を利用して白樺から蕗ノ台まで歩く予定でしたが、異様な雰囲気に負けて諦めています。牧場や原野の中ならともかく深い樹林帯は気味が悪いものですよね。出てくるのは大概エゾシカですが草叢がガサガサ鳴るだけで背筋が寒くなったものです。
>以前あった南海平野線の■田本通駅は、そのど真ん中にあって・・
「徒歩」ならその、じっくりと格闘シーンを・・・><;
2014-06-22 * 風来茄子 [ 編集 ]

No title

殿下、返しコメ有り難さきめいわ・・、もとい有り難き幸せにございます。

ワテは蕗ノ台は未訪でして・・。 蕗ノ台は更に何にもないらしい・・との事でパスしましたよ。
一応、なんちゃって撮り鉄だったので。

獣のガサガサも怖いけど、歩いていてズホッとハマるのも怖いですよ。

山ではス-パ-トライゲッター(転倒王者)なんで。
2014-06-22 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

それと殿下に御申忠いたします。

>「徒歩」ならその、じっくりと格闘シーンを・・・><;

徒歩であの界隈を行くと、格闘シ-ンを見る前に「御案内」されて、自ら格闘するハメとなりまする。
2014-06-23 * 風来梨 [ 編集 ]