【毒親から結婚の道 3】毒親、本性さくれつ!映画『マイティ・ソー/バトルロイヤル』姉弟喧嘩って世界を破壊させたから。
《オババ》私の姑、人類最強のディズニーオタク。
《叔母・勝江(仮名)》オババの妹、ヒステリー性障害を患う。娘を溺愛し結婚に反対。娘が駆け落ちすると、今度は婚約者に、これまでの養育費3500万円支払えと難題を突きつけた。
《優ちゃん》叔母のひとり娘、39歳。婚活アプリで知り合った太郎と熱愛、過保護母に結婚の邪魔をされ、太郎と駆け落ち、結婚する予定。
《太郎》35歳。高校時代に親を亡くし、一人で農家を切り盛する勤労青年。
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「3500万円、支払ってもらいます。あの男に」
駆け落ちした相手には、太郎という名前があるわけですが。
叔母、あの男って、名前も口にしたくない様子です。
声も憎々しげで、唇を曲げ、憎悪100倍ってか、憎悪度マックスってか、
憎悪、全身で表現しています。もうアーティスト、どう表現すれば相手に気持ちが伝わるかって、ゲルニカ描いたピカソばりの執念、感じます。
そして、39歳まで育てた娘の養育費に
な、なんと3500万円の請求。
憎悪、お金に換算したぁ〜〜!
完全に狂っている。もう、目がイっちゃてる。
オババ、目を細めました。
「3500万円、ほほう」
「びた一文まけません」
「そう」
「な、なによ、その顔」
ふたり、睨みあってる。
え? リアル姉妹ゲンカ?
その現場にいる。事件は現場でおきてま〜すって、そういうこと?
「セコいわね」
「セコいですって」
叔母の声、裏返ってます、私の感情も裏返ったけど。
「そうよ、小さいころからセコかったけど、さらに磨きをかけたわね。忘れてませんよ。バナナ事件」
「バナナ事件って、あ、あれは姉さんがいらないって」
「なに言ってるのよ。当時、バナナがどんだけ高級品だったか。それをあんた、私のぶんまで食べてちゃって、こっそり食べて、犬のコロのせいにしたでしょ、昔っからセコかったわ」
バナナが高級品?
いつの話よ、それ。
てか、今する話?
「それで、3500万円、ますますセコいわよ、あんた」
そうそう、話はそれで、3500万円を寄こせなんて。
え? セコい金額じゃなくって、大金だけど。
「それでいいわけ。案外と少ないわね、たったの3500万円って、セコい金額だわね」
3500万円がたったって言ったぁ!
言い切った!
オ、オババ〜〜〜!!
なに言うた?
少ない? 自分で言うとること、理解してっのか?
家一軒建つぞ! 車ならフェラーリ買えっから。
うまい棒なら、主食にして一生涯かけても、食べきれんほど買えて、隣近所に配り歩くレベルだから。
なんなら、私にくれ!
「す、少ないですって」と言った叔母の声、さらに高音に裏返ってます。
「ああ、少ない、勝江。あなたの娘に対する愛情って、そんなもんですか」
「違うわよ!」
「ほお?」
姉妹、鼻息が荒いです。
見合ってます。言葉を先に発したほうが負けって、そんな感じに見合っていて。私、行司役?
兄弟喧嘩で世界を滅ぼしたのは、映画『マイティ・ソー/バトルロイヤル』であって、オババと叔母の間でも火花、パチパチ! 雷なりそう、炎あげそう。
ところで、こんな場合にノンキな感想ですが、ちょっと、ブレイク。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』
面白かったぁ。単純に見てる間、楽しめる映画でした。
これ、壮大な姉弟喧嘩の映画で。
ソー:北欧神話の雷神トールがモデル
粗暴で一途だけど裏表がない、ま、いってみりゃ単純男。
ちょっと小賢しい小悪魔女なら、簡単に落とせそうなタイプで。
(ところで、小悪魔タイプの女って、同性にとり非常に厄介な相手であります。すぐ男にあきて、それだけならまだしも、友人の男に手をだすんです。
こういうソーみたいな単細胞を軽く手玉に取る才能を天性で持ってます。
サラサラ髪を左手ですっとかきあげ、白い頸を見せる匠で、この技ひとつで10人ほど落としてきます、かわいい声でニャンニャンです)
ま、ソーの場合、一途に愛する相手がいないってな条件付きですが。
彼みたいな男性は女性を裏切らないのです。弟ロキのようには、こいつは簡単に裏切る。結婚相手ならソーでしょう。ちょっと乱暴ではありますが。
ロキ:ソーの弟。北欧神話、イタズラの神、ロキがモデル
口八丁手八丁で、すぐ兄を裏切って、強い者につく。兄を愛しながら嫉妬しています。今で言う、こじらせ男であって、小悪魔女と対をなす男ちゅうか、小悪魔女が手を焼くタイプです。
でもって、わたくし最愛のロキさまであるんです。
ヘラ:二人の姉、北欧神話の死者の国を支配するヘルがモデル
銀河系宇宙に恐怖をもたらした最強の美女。小悪魔女では足元にも及ばない。
てか、小指一本で殺す。傲慢、プライド最高、ぜったい近づきたくないタイプで、うっかり近くと火傷します。マジで。
で、この姉と弟の兄弟喧嘩を壮大に繰り広げるのがマイティーソー/バトルロイヤルであって、この春、大ヒットした映画『アベンジャーズ・エンドゲーム』より前の作品です。
『アベンジャーズ・エンドゲーム』でも、ソーさま、活躍してます。
ロキさま、出番少ない、もう一回、生き返らせるつもりないのかい?
8月にデジタル配信するそうで、見なきゃな、です!
で、宇宙からの地球で、狭い日本の、さらに狭い関東の、さらにって、
Google Earthでどんどんズームインしていくと、オババの家に着くわけで。
そこで繰り広げられているのは北欧神話じゃなく、日本神話からある姉妹喧嘩であって、星は破壊されないけど、私のメンタル破壊しつつあります。
「安い! あんたの娘への思い、たった3500万円」
「ち、違うわよ、ほんとは4000万よ」
「また、ちびちびと値上げすんのね」
「そう、そんなに言うなら5000万よ。もうこれ以上はまけられない」
お、おいっ! オークションじゃないんだから、
そこで金額あげてどうすってのよ。
だいたい3500万円でも非常識で、それを5000万って。
オババ、裏切ったのか。敵に、妹に肩入れすんのか。
優ちゃんを結婚させるってのは、崖っぷち婚活の唯一の道で、
この道しかないって言ったの。オババでしょ。
なにしてんの?
が、オババ、それから、さらに不敵に笑ったんであります。例のハリソンフォード似の片方の唇をあげてニッとやるやつ。そして、言い放ったんであります。
「10億!」
私と叔母、同時にオババを見つめ、なぜかシンクロ率100パーセント。
10億って。
私の鼓膜、破れてる?
「ジュ、・・・10・・億」
「そう10億」
なに言っとるじゃあ。太郎くん、どう逆立ちしたって、そんな金ないっしょ。
てか、そんな金、ビル・ゲイツに言えって話で。
で、なんでオババが・・・
「い、いいわよ。10億、そう10億ね、いただきましょう」
って、言う叔母の声が震えてる。
・・・私だって震えてる。
to be continued