【結婚と毒親 21】映画レベッカにみる、毒親と毒人間が唱える、はた迷惑な正義
《オババ》私の姑、人類最強のディズニーオタク。
《叔母》オババの妹、ヒステリー性障害を患う。娘を溺愛し結婚に反対。
《優ちゃん》叔母のひとり娘、39歳。婚活アプリで知り合った太郎と熱愛、過保護母に結婚の邪魔をされ、私を含め3人で逃げた先がファミレス。
《太郎》35歳。高校時代に親を亡くし、一人で農家を切り盛する中卒の勤労青年。
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私の義理叔母は、娘を手放したくないあまり、
好きな男と逃げたという事実を心が無意識に拒否したわけ。
で、思考が、グルグル逆回転して、
そして、出した結論が娘が『誘拐』された、であって
駆け落ちじゃなかった。
好きな男と逃げたって事実、受け入れなくて
誘拐って、もし小説だったら、そんなバカなって言われっぞ!
でも、叔母の心は、そこに落とし所を発見しちまいました。
これが叔母の正義なんです。
ときどきね、自分だけの正義って、持っちゃいけないって、思うわけで。
厄介な人って
世界にってか、日本にってか、あなたの周りだけでもいい
どのくらいいますか?
私のまわりには、叔母がおります。
もう絶対王者。
自分の正義が羽生結弦の域いっちゃってる。
正義で、4回転アクセル、完璧に決めちゃってる。
そういう厄介な人、小学校なら結構な確率で、
クラスの半分以上はいたと思う。
中学年くらいでは、数が逆転してんの。
高校生になる頃には4、5人はいた?
まあ、学校生活って狭い世界でさ。
そんな中でさ、世の中の洗礼っての?
嫌な奴って、まあ、クラス全員の総意で嫌な奴って、徐々に減っていくから。
でも、その洗礼、うまくかいくぐったのが、
叔母じゃないかって。
叔母って、豪傑オババの影で、静かで優しいってのが
私のイメージでした。
人を見る目、からきしないわ〜〜
主張を曲げないこと山のごとし、って山が迷惑だから。
登山口閉めちゃうから。
『レベッカ』って映画に出てくる恐怖のダンバース夫人だから。
あっ、レベッカって古い映画、見たことある?
小説でもいいよ。
ま、名作だから。
監督、名前を聞いただけでひれ伏す
その名も、ヒッチコック!
よう、そこの若いの(竹原ピストル風)
ヒッチコックの名前、インテリおじさん達に出してごらん
お前、できるなって、ちょっと一目置かれるから。
が、くれぐれも、20代以下には言わないように
90パーセントの確率で
なに? それ、新コックって言われっから。
レベッカの大筋
大富豪の男と結婚した普通の心優しい女性が主人公。
夢のような新婚旅行を経て、夫の所有するマンダレイ邸に行くって話で、
そこにいたんですねオバケが。
夫の亡くなった前妻、美しく完璧なレベッカの亡霊がいたんです。
そもそも、亡霊ってのが、マンダレイ邸を取り仕切るダンバース夫人で
彼女、先妻レベッカとともにマンダレイ邸にきた、例の自分正義の女
叔母の偏愛と同じだから、優ちゃんがレベッカに変わっただけ
ダンバース夫人の凝り固まった正義では
レベッカの後釜になった主人公が許せないわけです
最終的にはマンダレイ邸を燃やしちゃうまでヒートする
そういう、いっちゃってる人なんです。
こうした妄執と狂気に囚われた人、
変えることはできますか?
話せばわかるって、できますか?
ていうか、自分の思う通りに他人を変えることができるって
それ妄想だから
自分の性格だって変えられない
せっかちだった人が、おっとりできる?
のんびりさんが、テキパキできる?
もし、簡単に変えることができるなら神、
私、ダイエットでこんな苦労しない!
で、叔母には娘の優ちゃんが誘拐されたっていう思い込み一択
問答無用の一択で、思い込んだらダンバース夫人。
私たち、デニーズから、その先へと進めなくなっていて
このケースで、私たちって、
私と太郎くんと優ちゃんと、
それから暇を持て余したデニーズの店長さんね
店長、使命感を持ったおじさんなんだってわかります
で、スピーカーにしたスマホの声、筒抜けなわけ
「誘拐」って叔母が吠えた
右側斜め30度、3メートル向こうにいた店長、
ピクってした。
「お金は払うから」
っていう叔母の悲痛な声で、手がね、ちょっと動いた。
私、とっさにスマホを切りました。
店長、頭に白髪が混じっていてね
生真面目な顔でテカテカに油で頭を固めていた
自宅で固め、店に来てから、更に固めたパーフェクトな七三なわけ。
で、困惑していたと思う。
きっとね、きっとだけど、警察か? って頭に浮かんでいると思う。
斜め30度3メートル向こうから、警察オーラ出てた。
目が合って、で、視線を外して、窓の外側をみました。
そこには髪が乱れ、化粧も取れ、目が血走った女いるわけ
こ、こわ! 思わず貞子か伽椰子かって、
で、3秒後に気づいたのは
それは私だった。
誘拐犯というより、ホラー
貞子vs伽椰子vs私ってくらいで、十分勝負できそうだった。
「出ようか」
私が言ったとき、店長と暗黙の了解ってやつ、できた気がする。
店長がほっとした表情を浮かべていたから。
定時に帰りたいし、深夜勤務で疲れるし
警察に通報すれば、面倒を背負い込むことになっからって
店長! 七三に分けてるわりに、結構、いけてる!
慣れた手つきでキャッシャーを叩き、少し逡巡した。
頭のなかできっと考えた。
もし、ホンモノの誘拐犯で、お金もらっていいのかって?
で、迷った挙句に、プロ意識がね。
「3680円です」って
きゃー、誘拐犯からお金取るんかい!
そこはタダでしょ。