【嫁と姑】嫁姑戦争勃発とミッキーラッピング新幹線、九州で運行という話
嫁とラスボス(姑)、そこには決して負けられない戦いがある。
8月から11月末頃まで『JR北九州WakuWakuTrip新幹線』というキャンペーンが始まり、熊本駅と鹿児島中央駅の間を運行するの・・・、だそうです。
ミッキーでラッピングされた列車が走っていくって。
そういうこちらの都合も考えないキャンペーン、困りますがな。
なぜ、九州ですか?
すみません🙇♀️、九州の方へ、九州に悪意があるわけじゃないんです。◯◯(相手は伏せ字)と、どっちか選べって言われれば、九州選びます。
95パーセント九州です。断言できます。
クマモンのTシャツ持ってます。湯布院の温泉行きたいし、HISに身売りしてオランダがあっちの方向へ行っても、ハウステンボス好きです。鹿児島の方言、全く理解できないけど、とても良い所です。
そうだ九州へ行こう! って、ちゃうがな。
何が言いたいかって、こちらにも、なんだかんだ家庭の込み入った事情があるって話なんです。
JRさん、それからディズニーさん。お二方、新幹線は関東近辺にもありまっせ。
東海道新幹線に東北新幹線、上越新幹線って、東京発のお手頃なのが。
(個人的には上越新幹線押しですが)
千葉にあっても東京ディズニーランド。陸橋をこせば東京ですから、ギリ、許せます。これ、あくまでもギリですから。
いいすっか?
東京ディズニーランドっていうスタンス、簡単に捨ててもらっては困るんです。
うちでは、年老いて人の言うことを聞かない大トラを飼っているんです。
普段は、オババとよんでいるんですがね。
そのオババ、ディズニーオタクで、ディズニーと聞いただけで、羽生選手の追っかけも真っ青ってくらい、もうとてつもない神追っかけするのです。
血管を赤ミッキーと白ミニーが手を取り合って流れてるんじゃないかって、そんくらいオタクで。
九州、困るんです。遠いです。
オババ、飛んできますよ。ディズニーと新とキャンペーンって、3っつ重なると、なにかネジが外れる音がするんです。
オジジが全く手をかさないもんで、それが孫に向かってくるんで。
最愛のひとり息子が生んだ最愛の孫がって、産んだの私な訳ですけど、オババは息子が生んだと完璧に信じております。陣痛の苦しさを息子が味わったと心底信じてます。もう理屈じゃないんですって。
それで、関東から九州って、どんだけ遠いと思ってるんですか。
ここまでを基礎知識として
では、冒頭に戻ります!
嫁と姑の戦い、
そこには決して負けられない戦いがある。
いわゆる魔がさしたってやつですね。やめときゃよかったって、そういうの、もう後の祭りで、口から出た言葉は戻せないっていうか。
小学校3年のとき、えっちゃんに「逆上がりできないの?」って聞いてしまったときの後の祭り感というか。戻せるもんなら、もう今の言葉、全部食べちゃいたいというか、そんな経験、誰もが胸の奥深くに隠し持っているでしょう。
ま、そういうことなんです。
最初はLineでした。
「九州でミッキー新幹線が走るって聞きましたよ。内部も全部、ディズニーデザインなんですって。隠れミッキーもあるそうなの」
「なんのお話ですか」
「知らないの? 昨日の新聞で読んだんですよ」
(19日の話です。私がスマニュー砲直撃で、まだクラクラしていたときです)
「うち、新聞とってないので」
とまあ、軽いジャブの応酬というか、メッセージを交換していました。
『アハ!、アハ!、アハ!』
自宅の電話が鳴り響きました。
甲高い訳のわからないミッキーの掛け声。オババ専用の電話音です。
「私はね、これから先、もうそれほど長くはないと思うの、だから思う存分生きようって、決めたのよ」とオババ。
いきなりの死生観?
今まで、思う存分生きてこなかったという、その認識から、そもそも間違ってないか、オババ。
で、電話で九州新幹線の話を延々とするわけ。ジャブなんて軽いもんじゃなくて、もうショートパンチでダダダダダッてな勢いです。
私、季節の変わり目、体調がよくないこと多く、時間も午後7時過ぎで主婦には忙しい時間じゃないですか。で、言っちまったんです。言葉が勝手に口から飛び出したって、そんな感じで、あの時のえっちゃんの口が真一文字に結ばれた、あの表情を電話越しに感じながら、
「行きませんから!」
強烈なカウンターパンチ、食らわしました!
斜め右からすくい上げる感じで、見事に入れちまいました! 相手の出鼻をくじく、まさに強烈な一発を放ったわけです。
ガチャン!
ノックダウンか?
電話が切れると同時にLineが入りました。
『パソコンを立ち上げて、スカイプで話しましょう、やはり顔をみて話しませんと誤解がありますからね』
どんな誤解だよ! 全然ノックアウトしてない。まだやる気だ。やる気満々、どっちかといえば、火をつけちまったぁ。
ガチンコ勝負か!
アメリッシュ、腹をくくりました。
やってやろうじゃないか!
もう夕食の支度なんて、すべて忘れましたね。
パソコン立ち上げる前に鏡に向かって、ルージュを入れ、髪をまとめ、紺のスーツに着替えました。戦闘服であります。
この時、背後ではロッキーのテーマソング。
♫タッタッタッラ タッタッターー
が、背後に流れ
フィラデルフィア美術館の階段を登りきり、朝陽に向かって両手でガッツポーズ!
オシッ 決まったぁ!
パソコンを立ち上げました。スカイプ、そして、呼び出し音。
画面アップ。
ん?
オババの家の壁しか見えない。
どういうことだ。
しばらくして、オジジの困ったような顔がドアップで現れました。
「アメリッシュさん。そのね」
「あ、おとうさん。お元気ですか?」
「まあ、そのあれでね。あれだから」
なに、その、あれであれって。
「は、はあ」
「そういうことだから、ま、よろしくね」
「えっと、その」
「あのね、今。駅に向かってますからと、伝えて欲しいと」
え、駅? 駅って、この時間に駅って。
どういうこと?
まさか、来る気か。こっちに向かったてことか?
誰か止めてくれ
止めてくれんか!!
だ、だれかぁあああああ!!!
そう考えているあいだに、スカイプが切れていた。まだオジジの済まなさそうな顔が残像として残っている。
「エイドリアーーン!!」