移住を検討するうえで、現地の暮らしを一度体験してみたい方が多いのではないだろうか?移住支援のひとつとして、自治体によっては移住体験住宅を提供している。なかには、ペット可や無料のお試し住宅も存在する。これは移住先での暮らしを体験できる住宅のことで、現地の様子や良さなどを事前に知ることができるのがポイント。この記事では、移住体験住宅の概要や利用をおすすめしたい理由、さらに主な自治体を紹介する。
移住体験住宅とは
移住をする際に、気になる地域にいきなり引っ越す方法もあるが、ほとんどの方は移住先での暮らしを体験・イメージしてから決めたいのではないだろうか。体験をするうえで、その地域で暮らすための住居・拠点が必要になる。
そこで活用したいのが移住体験住宅だ。移住体験住宅とは、移住を検討している方に向けて自治体が提供している住宅である。滞在期間は自治体によって異なるが、1泊、数週間、1年間などの期間で利用できることがほとんどだ。
住居によっては、駐車場やWi-Fi、家庭菜園、ペット可など設備・条件が整っているため、快適に暮らすことができる。
移住体験住宅は、すべての自治体で提供しているわけではない。気になる地域の窓口に問い合わせたり、「移住体験住宅」「お試し移住」などで検索したりして調べてみるのがおすすめだ。
移住体験住宅をおすすめしたい5つの理由
地方への移住に向けて、移住体験住宅をおすすめしたい理由は5つある。
- 移住先の暮らしを体験できる
- 体験プログラムで就業や暮らしのサポートを受けられる
- 住民との交流でつながりが生まれる
- 観光を通して現地の良さがわかる
- 移住を決めた後にサポートを受けやすい
移住先の暮らしを体験できる
気になる移住先に数時間訪れるだけではわからないことが多い。移住体験住宅を利用すれば、まとまった期間移住先で生活する中で、現地の暮らしを体験できるのがメリットだ。
地域の気候や自然環境、交通の利便性、お店の品揃え、住民の雰囲気などは、暮らしてみてわかるポイントである。仕事や生活をしながら、外出する機会や住民と関わる機会をつくって、地域を知る努力をしてみよう。
体験プログラムで就業や暮らしのサポートを受けられる
移住を促進している自治体では、移住体験住宅と体験プログラムがセットになっていることがある。移住者との交流会や就農・就業体験などがあり、移住の不安を解決したり、移住先での就業に向けてイメージを膨らませたりすることが可能だ。
ホームページなどに移住体験住宅の情報しかない場合も、希望を伝えれば体験を案内してくれることもある。移住先での就業や暮らしに不安がある方は、体験について問い合わせてみよう。
住民との交流でつながりが生まれる
交流会を実施している場合はもちろん、そうではない場合も暮らしの中で住民と交流する機会があるだろう。ご近所さんとの付き合い、移住者を気にかけてくれる方との会話などから、移住先でのつながりが生まれやすい。
移住を歓迎してくれる方や知り合いが増えれば、移住における不安が少なくなるだろう。とは言え、受け身の姿勢では交流が生まれないこともある。積極的にコミュニケーションを取り、移住先での人間関係をいち早くつくろう。
観光を通して現地の良さがわかる
移住体験住宅で暮らすことで、地域を観光しやすいのも魅力のひとつ。有名な観光スポットや穴場を回ることによって、現地の良さに気づけるだろう。仕事や生活をしながら、地域の良さを見つける時間をつくるのがおすすめだ。
移住を決めた後にサポートを受けやすい
移住体験住宅は、移住を前向きに検討している方が利用できるサービスだ。体験のための住居を用意するだけではなく、移住後の家探しや仕事探しなどのサポートを受けやすくなる。移住したい地域がある程度決まっている場合は、移住体験住宅を利用すると移住後がスムーズになるだろう。
移住体験住宅を提供している自治体6選!ペット可・無料提供もあり
移住体験住宅は、全国各地の自治体で提供されている。ここでは、主な自治体を6つピックアップして、特徴や住宅の詳細を見ていく。
【北海道】清里町
出典:移住体験 ちょっと暮らし|北海道清里町 きよさと移住情報
清里町は、北海道のオホーツク地方にある町。北の大地ならではの自然が広がる場所にあり、サクラマスを見られる「さくらの滝」、エメラルドグリーンの幻想的な景色を見られる「神の子池」が有名だ。
移住体験住宅として、清里町中心部から5分ほどの『羽衣』、中心部から8kmほど離れた江南地域にある『江南A・B』を提供している。どちらも1週間、2週間、1ヶ月という3つの滞在期間から選べるため、希望する期間に合わせて住宅を利用してみよう。
【北海道】浦幌町
出典:移住体験住宅の体験者募集について|浦幌町
浦幌町は、北海道の十勝地方に位置している。町の面積の約7割を森林が占めながら、太平洋に面しているため、緑と海に恵まれているのが嬉しいポイントだ。
浦幌町では、十勝への移住や二拠点生活に関心がある方を対象に、『ちょっと暮らし住宅』を提供している。南町住宅、光南住宅の2種類を用意し、南町住宅は3日以上1ヶ月まで、光南住宅は1ヶ月以上6ヶ月まで利用可能だ。(2022年4月26日現在、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため受付見合わせ中)
【宮城県】登米市
出典:宮城県登米市で、「移住お試し住宅」の利用ができます!|宮城移住ガイド
宮城県の内陸・北部に位置する登米市は、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台のひとつとして有名である。自然に恵まれ、比較的雪が少ないため、過ごしやすい町と言えるだろう。
登米市では、移住お試し住宅を無料で提供している。滞在期間は2泊3日以上9泊10日以内。短期間の滞在になるため、お試しで登米市の暮らしを体験してみたい方におすすめだ。
【栃木県】日光市
出典:農山村生活体験の家|日光市
栃木県・日光市は、世界遺産である「日光の社寺」など歴史・文化を感じる見どころが多い町である。豊かな土地柄を生かしたグルメ、温泉、アクティビティなども充実している。
移住体験住宅として、農山村生活体験ができる住宅を提供しているのが特徴だ。利用者に畑を用意し、地元の方に教わりながら農業を体験できる。期間は1ヶ月単位3ヶ月以内、使用料は1ヶ月30,000円だ。移住先での就農を考えている方はぜひ利用してみよう。
【岡山県】岡山市
出典:岡山市お試し住宅物件特集|不動産情報サイト すまいる岡山
岡山市は、岡山県の県庁所在地であり、有名な桃太郎伝説が生まれた町でもある。降水量1mm未満の日が日本一多く、晴れた日を長く過ごすことができる。交通の便が充実し、子育て・教育環境が整っているため、スムーズに移住できる町と言えるだろう。
岡山市では、民間賃貸住宅を活用したお試し住宅を提供している。最長6ヶ月の滞在期間で、家賃や仲介手数料、保証料などの補助を受けられる制度だ。通常の賃貸物件に住むことになるが、コストを抑えて岡山市での暮らしを体験できるのは魅力である。
【沖縄県】国頭村
出典:国頭村移住体験住宅|国頭村
沖縄県・国頭村は、面積の84%が亜熱帯照葉樹林であり、ヤンバルクイナなどの希少な動植物が生息している。世界自然遺産にも登録され、自然に囲まれた場所での暮らしを実現するのにぴったりの移住先だろう。
2DK(4名まで)、3LDK(6名まで)、1DK(4名まで)といった3種類の住宅を用意している。1泊以上13泊以内で利用でき、短期間の移住体験に役立つ支援制度だ。
移住体験住宅で地方・田舎暮らしを肌で感じてみよう
移住体験住宅は移住先に滞在しながら、暮らしや環境、住民の人柄などを体験できるのが魅力だ。自治体によって体験プログラムをセットにしたり、移住後のサポートを行ったりしているため、移住までの準備がスムーズになりやすい。移住体験住宅を提供している自治体を参考にして、ぜひ利用を検討してみよう。