【読書感想】カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女 ☆☆☆ - 琥珀色の戯言

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【読書感想】カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女 ☆☆☆

カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

  • 作者: ステファニーガーバー,西本かおる
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

内容紹介
2018年本屋大賞翻訳小説部門第1位! !


“カラヴァル"とは年に一度、世界のどこかで開催される魔法のゲーム。
今年の勝者は、一つだけ願いを叶えてもらえるという――

領主の娘として厳しく育てられたスカーレット。
父に決められた結婚を数日後にひかえたある日、彼女のもとに、長年の夢だったカラヴァルの招待状が届いた。
生まれて初めて島を抜け出し、妹のドナテラと船乗りの青年ジュリアンとともに会場に乗り込む。
しかし会場に着いたとたん、ドナテラが姿を消した。
不可思議なことばかりが起こる魔法の世界で、スカーレットはドナテラを見つけ出せるのか。
緋色(スカーレット)を名に抱く少女の目の前に広がる、魔法と嘘に満ちた世界。
恋に翻弄されながらも、真実を求めて成長する冒険ファンタジー!


ニューヨーク・タイムズ ベストセラーリスト」ヤングアダルト部門14週連続ベスト10入り!
「全米小売書店協会 ベストセラーリスト」ヤングアダルト部門14週連続ベストテン10入り!
世界30ヶ国以上で版権が取得された話題作!


シリーズ最新作『レジェンダリー 魔鏡の聖少女』が2018年6月発売! !


2018年本屋大賞翻訳小説部門第1位に輝き、帯には吉岡里帆さんの推薦コメントが!


そういえば、こんな話もありました。
www.sponichi.co.jp


うーむ、読んでみるか……でも、ファンタジー小説って、もともとあんまり得意じゃなくて、年齢とともに、さらに苦手になってきているしなあ……


と、書店で何度か手にはとったものの、読むには至らず、という状態だったのですが(Kindle版もなかったし)、ネットで、こんなニュースを見て、「なんと太っ腹な!」と思いつつ無料で読ませていただきました。


kinobooks.jp

 
 2018年7月20日まで、1ヵ月間、無料で全文公開中!
 正直、こういう機会がなければ、「そのうち読もう、と思っているうちに、いつのまにか忘れてしまっている本」になったと予想されます。

 
 「女性の抑圧からの自立をテーマにした、『ダ・ヴィンチ・コード』だなこれは」というのが、読み終えての率直な感想です。
 どこが『ダ・ヴィンチ・コード』かというと、主人公が積極的に謎解きをしなくても、謎のほうからどんどん現れてくれて、主人公の直観や偶然でどんどん問題が解決していき、とくに伏線や読者の推理が介入する要素はない」という、ジェットコースター的な流れなんですよ。
 そういう「奇想天外なことが起こるのが、ファンタジー」であり、主人公のお堅い女の子が親の束縛から解放され、真実の恋に目覚めるのが「ヤングアダルト小説」なんだよ、と言われれば、その通りなんですけどね。
 「どんでん返し」が必要だと思ったのでしょうけど、そのために話が二転、三転……五転くらいして、読んでいて「この世界のルールがさっぱり分からない……」というストレスもかなりありました。
 一時期の国産ミステリ(叙述トリックもの)によくみられた、「どんでん返しの回数を誇るためだけに書かれた作品」っぽいのです。


 とはいえ、読んでいると、続きが気になる話ではあるし、中学生・高校生くらいだったら、こういう「恋と冒険の世界」にハマってしまうのもわからなくはないのです。
 ライトノベルとしては、ディテールもよく書きこまれていると思う(主人公・スカーレットの服の描写へのこだわりは感じました)。
 小説としては「端折り過ぎ」のような気がするのですが、ファンタジー映画や絵本のノベライズ、というイメージで書かれたのかもしれません。
 

 たぶん、好きな人は好きな世界なのだと思うのですが、これが、書店員さんたちが選んだ「2018年本屋大賞翻訳小説部門第1位」なのか……という気はします。
 最近の海外文学の翻訳って、これが1位になっちゃうのか……
 「教養小説」としても、娯楽小説としても、中途半端な感じがするのだけれど。 
 これを読むのであれば、国内1位の『かがみの孤城』のほうをおすすめしたい。

 ただ、無料で読めるのであれば、読んでみて損はしないかな、とも思うんですよ。少し触れてみて、自分には合わないと感じたら、それ以上読まなければいいだけですし。


かがみの孤城

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