北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者: オーサ・イェークストロム
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: 単行本
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Kindle版もあります。
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議<北欧女子オーサが見つけた日本の不思議> (コミックエッセイ)
- 作者: オーサ・イェークストロム
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: Kindle版
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内容紹介
アメブロ総合ランキング第1位の超人気ブログ4コマが早くも書籍化!
日本のアニメと漫画に感動し、北欧スウェーデンからやってきて3年目。
マンガ好き外国人にとっては天国みたいな東京! コンビニのおにぎりが便利すぎる! 日本の女子が何でも「可愛い」と言うのはなぜ? ホストの髪型はアニメみたいで素敵! 日傘を使うようになったら私も立派な日本人!?
ちょっとオタクなスウェーデン人漫画家が自ら描く、日本への愛にあふれた驚き&爆笑のコミックエッセイ!
こういう「異文化交流本」って、これまでもけっこうたくさんあったんですよね。
スウェーデンから来たマンガ家の若い女性が書いたコミックエッセイ、しかも、日本に憧れるようになった理由が13歳のときに観た『セーラームーン』だったということで、ものすごくマニアックな話ばかりなのかな、と思いきや、外国人が日本で生活して、見たこと、感じたことが、飾り気なく描かれていて、すごく感じの良い本でした。
こういう本って、とくに日本人が描いた「海外生活エッセイ」って、「文化や考え方の比較」とか、「だから日本はダメなんだ」あるいは「だから日本のほうが良いんだ」っていう内容になりがちです。
ところが、著者のオーサさんは、日本とスウェーデンの「違い」を痛感しながらも、「それがこの国の流儀だから」と、順応し、受け容れようとしてくれているのです。
どちらが正しいとか間違っているとかじゃなくて、しっくりこないこともあるけれど、それはそういうものなのだ、と。
スウェーデン人は何かを決めるときに「ジャンケン」よりも「くじ(スティック)を引く」そうで、日本の「勝負がつくまで高速でジャンケンを続けるのについていけない」という話など、すごく印象的でした。
「文化の比較」という大上段からの視点ではなくて、日常生活のなかで、気づいたことが、細やかに綴られているんですよね。
「コンビニおにぎりのパッケージの開け方に気づくのに半年間もかかって、それまでは強引に袋を破っていた」とか。
誰か教えてあげてよ!って思うけど、パッケージに番号も書いてあるけれど、「外国人は便利さに慣れていないので、便利さがあっても気づかない」っていうのは、わかるような気がします。
日本は「便利さ」に溢れているのに、「便利さをわかりやすく説明する」ことに、まだ未熟なのかもしれませんね。
オーサさんが「箸渡し」をしてしまって、周囲の人たちがドン引きする、というエピソードもあるのですが、最近の日本人って、縁起とか、古来の慣習にこだわりがなさそうな人って、けっこう多いじゃないですか。
でも、こだわりのないはずの若者たちが、声をそろえて「箸渡しは絶対にダメ!」って、言うんですよね。
それはそれで、なんだかとても不思議な気がします。
「火葬のあとにやることだから」と言っても、箸をそんなふうに使ったからといって、人が死ぬと本気で信じている人はいないはずなのに。
スウェーデンで漫画家・イラストレーターとして数年間も仕事をしていたとのことで、プロとしてのプライドもあるはずなのに、日本で学生からの再スタートを選ぶなんて、すごい。
このコミックエッセイの絵も字も、けっして「ものすごくうまい」わけじゃないけれど、真摯さみたいなものが伝わってきます。
こういう人に愛される日本という国も、捨てたもんじゃないな、と。
経済的、政治的に「弱体化」が叫ばれる国ではあるのですが、日本発のマンガやアニメなどのコンテンツは、世界の人たちに大きな影響を与え続けていて、これは集団的自衛権とは違う形での「日本の力」なのだろうな、とちょっと嬉しくなりました。
それにしても、スウェーデンという国のこと、知っているようで、本当に何も知らないよなあ。
福祉とIKEAの国、って感じだもの、僕にとっては。