【読書感想】超実録裏話ファミマガ〈2〉 ☆☆☆ - 琥珀色の戯言

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【読書感想】超実録裏話ファミマガ〈2〉 ☆☆☆


超実録裏話ファミマガ〈2〉弟雑誌続々創刊のスーパー秘話集第2弾

超実録裏話ファミマガ〈2〉弟雑誌続々創刊のスーパー秘話集第2弾

内容(「BOOK」データベースより)
大好評につき、超実録裏話・第2弾登場。『ファミマガ』の制作現場を隠すことなく公開。幻の特集から、懐かしの連載企画まで、当時の誌面をそのままたっぷり収録。第2弾では『ファミマガ』兄弟誌の誌面も登場。MSXPCエンジンメガドライブPlayStationと、数々のゲーム機をファミマガが誌面で扱ってきた様子を当時の記事で振り返る。「ウソ技」データベースは「ラストウソ技」まで完全収録。

同じ著者による前作『超実録裏話ファミマガ』は、ファミコン直撃世代の僕にとって、すごく楽しい本でした。
あの頃、一生懸命読んでいた雑誌には、こんな裏側があったのか……。


著者は、「ゲーム攻略記事の『規制』がはじまった経緯」を、こんなふうに紹介しています。

 創刊当初、ゲーム攻略に「規制」というメーカーからのお願いは存在しなかったのですが、現在はそういったものが存在しているのは周知の事実。では、それはどこから始まったかというと…、


 実は『ファミマガ』が最初に提案した。


のであります。そのタイトルは『ゼルダの伝説』。
ディスクゲームの第1弾として発売され、ファミコンゲームのオリジナルタイトル、しかも謎解き要素の強い商品ということで、『ファミマガ』から任天堂に対して


「こういった、公開範囲の規制を立てたほうがいいのではないでしょうか?」


という伺いを立てたのがきっかけであります。

 当時は『ファミマガ』が取扱説明書を作っていたそうで、「ゲーム内容を全部知っている」からこその「自主規制」の提案だったそうですが、いまはもう、発売直後にインターネットで「完全攻略サイト」が立ち上がりますからね……
堀井雄二さんも「攻略サイトがいつでも見られるユーザーに対して、どういう難易度設定をすればいいのか」悩んでしまうというような話をされていました。
 それこそ、「ユーザー側が、見なきゃいい」のですけどね……
 もういまは、ゲーム雑誌に「攻略情報」を期待している人は、ほとんどいないと思われます。
 実際は『ファミマガ』全盛期でも、ゲーム雑誌の攻略は、ユーザーの遊ぶスピードには全然追いつかず、ほとんど「手遅れ」でしかありませんでしたが。

 
 ファミコン時代に、さんざんがっかりさせられた「スクープ!」の事情も書かれています。

1990年あたりまではまだ「独占スクープ」という縛りがあまり強くありませんでしたから、ちょろっと出てくる情報に応じてページを作り、記事にすることができましたが、それにしても内容によっては大変な目に。
ドラクエ3」では絶賛大沸騰中の人気に乗じるべく、リリースから記事を開始。続報ではタイトルロゴの決定だけで2ページ記事というかなり無理な展開を。さらに第3報では、そのロゴをシールにして付録にするのに加え、6ページの記事を掲載しています。実はこの時点でパッケージイラスト、つまり勇者とそのパーティの姿が決定しているのですが、やはり鳥山明さんのイラストということで『週刊少年ジャンプ』系以外での使用はNG。そこで広告のページを記載して、「○ページに掲載の〜」という暴挙に出ております。ソフトの発売日には、攻略記事でなく「攻略用のノート」と白地図を付録にして、またしても苦労の嵩ましをしております。

当時は(今もですが……)、『ドラゴンクエスト』の新作が発表されてから、発売するまでに「特報!」とか「スクープ!」とか言って、やたらと「最新情報」が濫発されていたんですよね。
楽しみにして、そのページを読んでみると、「タイトルロゴ」が紹介されているのみ……
読者からすれば「出る出る詐欺」みたいなものなのですが、考えてみれば、あの時代は、1本のゲームの「最新情報」に、ものすごく飢えていたんだよなあ。
いまは、次から次へと新しいゲームがいろんなハードで出てくるので、あれほど「待たされている感じ」はないんですよね。
もちろん、僕が年齢的に「お小遣いをためて、ようやく1本のゲームを買う」という立場ではなくなり、その代わりにゲームで遊ぶための時間が失われてしまった影響はあるのでしょうけど。


今回の〈2〉を読むと、うーん、やっぱり前作で採用されなかった「二軍」のエピソードを集めると、ちょっと弱いよなあ……と考えずにはいられませんでした。
楽しみにしていた『PCエンジンFAN』や『プレイステーションマガジン』などの後続の雑誌のエピソードも少なかったし。
むしろ、今度は『ファミマガ』よりも、『MSX・FAN』の裏話を読んでみたいなあ、と思うのです。
徳間書店なら、ずっと愛読していた『テクノポリス』や、他社の『ログイン』『マイコンBASICマガジン』『ポプコム』『コンプティーク』などの「製作秘話」って、けっこうたくさんありそう。
けっこうニーズもあると思うのだけど……


とりあえず、この本に興味を持たれた方は、まず前作『超実録裏話ファミマガ』を読んでみることをオススメします。
前作がものすごく面白かった人は買い、だと思います。


参考リンク:【読書感想】『超実録裏話ファミマガ』(琥珀色の戯言)

超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集

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