2009年最後のエントリということで、今年書いたもののなかで、僕自身の思い入れが強いもの、反響があったものをまとめておきます。
「もっと人間どうしのコミュニケーションを!」と君たちは言うけれど、いまの時代の人間には「人間どうしでは癒せない痛み」みたいなのがあるんじゃないかな、とも思う。
「パチンコをするくらいなら、英会話教室にても行けばいいのに!」
それは正しい、正しすぎるくらい正しい。
でも、パチンコを「根絶」するには、「彼らはそもそも英会話教室になんか行きたくないから、パチンコ屋に行くのだ」ということを認識すべきだ。
そういえば、今年は片手で足りるくらいしかパチンコには行きませんでした。
とりあえず僕の発作は、落ち着いているようです。
ひとつだけ言えることは、いままで子育てしてきた人たちは、みんな偉いなあ、ということだ。うちの親も偉かったんだなあ。
「子育て」って、「できてあたりまえ」じゃないんだな、自分で体験してみるまで、僕にはそんなこともわからなかったよ。
これを読んでいる、全世界の(ってのはオオゲサですね)子育て中の皆様、僕はあなたを手放しで称賛します。
ほんと、偉いよみんな! こんなの絶対に「あたりまえのこと」じゃないよ。
これを書いてから1年、ほんと、まだまだ勉強の毎日です。
村上春樹さんの「エルサレム賞」受賞に、一ファンとして言っておきたいこと (1/27)
村上春樹さんの「エルサレム賞」受賞について・付記 (1/29)
はじめて村上春樹を読む人のためのブックガイド(2/1)
「わたしは常に卵の側に立つ」 (2/16)
ある村上春樹ファンによる、エルサレム賞受賞スピーチ全文和訳 (2/18)
あなたは、「村上スピーチ」の何が素晴らしいと言っているのですか? (2/19)
村上春樹独占インタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」を読んで (3/11)
村上春樹さんの「エルサレム賞」受賞関連。
僕にとっては、「相手のことを理解しようとせずに、要求ばかり突き付けるのが『正しい』と思っている人々」が世の中にはいるのだなあ、と思い知らされた一連のやりとりでした。
マンナンライフ事件は、やっぱり「事故」だと思う。(3/9)
「ネット上で他者を責めるための『論理』」の危うさ (3/12)
「叩けるものを容赦なく叩く」という風潮は、どんどんネット(あるいは世の中全体)を息苦しくしていく一方ではないかと思うのです。
ちなみに今はよく笑い、悪戯三昧です。絵本も大好き。
あとで、担任の先生が、こっそり教えてくれたそうだ。
「お前、今度の『特選』は、あの修正液のおかげだぞ。お前があれを塗りつぶしてごまかすために描いた雷が、ものすごく他の先生たちに好評でなあ。『ここにいきなり雷がでてくるなんて、子供らしい自由な発想だ!』ってさ」
千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず。
「ポジティブ思考の人」の心のうちは、もしかしたら、ものすごくネガティブで、ある種の強迫観念にさいなまれているのかもしれない。
ネガティブ思考が深くなればなるほど、他人に期待できなくなればなるほど、「(自分を守るために)外にはポジティブな自分を見せておかなければ」と考えるようになるのかもしれない。
たぶん僕たちは、そういう人たちに毎日言い続けているのだ。
「いつも前向きでうらやましい」って。
そもそも、「マスゴミ批判」をする人の大部分は、「別のマスコミから出てきた情報」や「ネットの噂」を「ソース」にしています。
いやちょっと待ってくれ。朝日新聞は信じられないけど、「朝日と違う内容が書いてある」という理由で、讀賣なら信じられるの?
誰が書いたかすらわからない「2ちゃんねる」の書き込みを、「実体験っぽい」「内部情報っぽい」という理由で信じるの?
僕は、自分の目や頭を使わずに、他の「マスゴミ」が発した情報やネット掲示板の噂話を根拠に、「マスゴミのウソツキ!」なんて言う人を見ていると、いつもある種の人たちを思い出します。
それは、「病院で出される薬は、副作用が多くて危険だから、信じられない。こっちの健康食品のほうが『自然』だから効果がある」っていう患者さんたち。
結局、僕も買ったのにほとんどやってません。まだ当分『10』は出ないでしょうから、来年はクリアしたいものです。
自分の一挙手一投足に対してあまりに過敏な存在が、鬱陶しくなることもあるのです。
でも、こうして1年経ってみると、ああ、もうあんなふうに夜泣きすることもないんだなあ、とか、首が据わらない、ぐにゃぐにゃで不安定な存在になることもないんだなあ、と、ほんの少し淋しいし、あんなことやこんなこともしてあげればよかったなあ、と後悔もしています。
ほんと、お前がにこっと笑うと、なんだか、パパはそれだけで、こんな自分でも誰かの役に立ってるのかなあ、と嬉しくなるよ。親バカだなまったく。
コメントで励ましてくださった皆様、本当にありがとうございました。
<総括>
今年はここに採り上げたエントリからもわかるように、後半は仕事が忙しくて、更新頻度もエントリの長さも失速してしまった感じです。
でも、無理に更新しようとして厭になるよりは、「できないときはしょうがない」と開き直ったほうが長続きするんじゃないかな、と。
来年は、本の感想以外のエントリをもうちょっと書いてみたいと思っています。
しかし、去年は籠の中で眠っていた息子がもう少しずつ歩き始めているのだから、時間が経つのは早いですね。
そういえば、Twitterをはじめたのも、今年の大きな変化でした。
http://twitter.com/fujipon2
それでは皆様、よいお年を!