芥川賞は磯崎憲一郎さん、直木賞は北村薫さんに決まる(asahi.com)
とりあえず、「前評判どおり」の結果となりました。
僕にとっては、「北村さん(というよりは、北村さんにあげたい人たち)の執念が実った」という印象です。
直木賞選考委員の浅田次郎さんは「難しい時代を取り上げているが、女学生のキャラクターもいきいきと描かれ、後半にいくにつれ盛り上がる。文章も美しく、余分なことが書かれていないので読者の想像力を喚起する。プロの仕事」と講評を述べた。
まあ、北村薫さんという作家は、もともと選考委員たちも一目置かざるをえないような「プロが認めるプロ」であったわけで、こういう人の小説をこれからは「選考対象」にしなくてすむというのは、選考委員にとっても歓迎すべきことなのかもしれませんね。
本谷有希子さんは、こうして何度も候補になって、惜しい落選を繰り返していくうちに、「また同じような作品……」と作風が選考委員たちに飽きられて結局受賞できない、という「伊坂幸太郎パターン」に陥ってしまいそうな感じです。伊坂さんは、もうちょっとガマンすれば『ゴールデンスランバー』で獲れてたような気もしますが。