ツバメの話 (2) 2002 (平成14年)
2013.04.11(21:20)
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エッ? 口から 前回(1)からのつづき
5月17日昼過ぎ、餌を咥えてきた親ツバメがヒナにやろうとしても、ヒナは下を向いたまま欲しがりません。普通、親が来ると伸び上って欲しがるものです。
親は不思議そうに首を傾けて、チッチッとヒナに餌を持ってきたことを知らせています。ヒナはうつむいたままで動きません。そのうち親はその餌を飲み込んで飛んでいきました。
ヒナに何があったのだろうと、ヒナを巣から取り出しました。すると口から2センチほど細いワラの様なものが出ています。巣に敷いてあるワラの様なものでした。それで餌を欲しがらなかったのでした。
そのワラを引っ張ってみましたが出てきません。無理すると内臓とも出てくる感じでした。慌てましたが、何とかしなくてはと、小さなハサミを持ってきて、できるだけ短くなるようワラを切りました。
ヒナを巣に戻してしばらくすると、親ツバメが餌を咥えて巣のふちに止まりました。
すると、ヒナは何もなかったように首を伸ばして大きな口を開けて欲しがり、餌を飲み込みました。ホッとした瞬間でした。
しかし、どうしてそんなものを飲み込んだのか不思議です。餌に付いていたのか。下に敷いてあったワラを誤って飲み込んだのか。不明です。
6月19日2回目の産卵が近づいたようですがヒナはまだ巣立ちしていません。それでオスツバは天井の梁の部分に巣作りし始めました。餌やりはメスツバだけになりました。
21日、巣からヒナが出てきてコードにとまりました。しばらくすると、外に飛び出して家の周りを飛び回りました。突然のことで慌てて私も外に出てヒナの行方を追いました。
餌取りに行っていた親ツバメがちょうど帰ってきてその子を誘導して電線に止まらせました。これは私が初めて見た巣立ちでした。
その後、親と一緒に飛翔練習をした後、車庫に戻りました。巣に入らずにコードに止まったまま翌朝まで過ごしました。
この時から、新しく巣作りしていたオスツバは巣作りをやめて、これまでの巣をリホームしだしました。
乱れていたワラをきれいに敷き直ししています。
2回目の産卵が近づいているのかメスツバが巣に入ると、子供もその横に入って、親子で翌朝まで寝ています。
朝、親子3羽で出かけ夕方3羽で帰ってきます。
親は子供に生きていくための教育をしているのだと思います。
2回目の産卵
6月28日の朝、親子が出た後、巣を覗くと卵が1個ありました。2回目の産卵が始まったのです。
夜帰ってきた子供が巣に卵があるのを見て不思議そうでしたが、そのまま巣に入りました。メスツバも入りたがっているが子供が入れさせません。
見かねて子供が巣から出るように仕向けたら、子供が出てその間にメスツバが巣に入りました。子供はオスツバと並んでコードに止まって寝ていました。
オスツバは子供をメスツバから離したいのだが、なんせ一人っ子、親離れしません、その後も子供は無理して巣に入り、親子で寝ることがありました。
7月1日卵4個目を産みました。夜、子供が巣に入りたがっているが、メスツバは入れさせません。それでも入りたがっているので、オスツバがメスツバと子供の間に入って入れさせません。
子供はオスツバにチッチッチとはむかって行きました。
その後も子供が車庫に返って来ている間、子供は抱卵している横にはいりたがっていました。
兄弟がいないから寂しいのかもしれません。
5日朝5時ごろ車庫を見ると、すでに子供はいませんでした。夜になっても子供とオスツバは帰ってきませんでした。
オスツバは子供をどこかの塒に連れて行ったのだと思います。
オスツバも7月10日まで夜は帰ってきませんでした。
子供と一緒にいるのかも知れません。
子供はそれっきり帰ってきませんでした。独り立ちしたのでしょう。
2回目の産卵は7月1日の4個目で終わりました。
初めての経験でいろんなことが起こって大変でした。
その後、2回目の子育てが始まりました。
2回目の子育ては何事もなく順調に進んで8月4日、4羽とも無事に巣立ちしました。
8月8日を最後に親子とも車庫に帰らなくなりました。 終わり
車庫の巣はツバメの家ではありません。ツバメの家は主に河川や湖沼に生えている葭原(ヨシはら)です。
車庫の巣は産卵と育児するための仮の家です。巣立ちした子供や子育ての終わった親はこの葭原で集団の塒を作り、南への渡りを迎えます。
次回 2003 (平成15年)の予定です。