ツバメの話|気ままにPhoto

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ツバメの話 (6)

2013.04.26(17:40) 182

  (5)  2009 (平成21年)のつづき
 
ヒナとメスツバに危険が
 
ヒナが生まれて2週間経った518日の夕方のことです。これまで順調だと思っていましたが、小車庫のオスツバではない、これまで見たことないオスツバがしつこくメスツバに付きまとい餌やりをさせません。
餌捕りに出かけても後を追って行きます。メスツバが餌を咥えて返って来ると先に巣に来て餌をやらせません。オスツバはジージーと威嚇の声を出しています。
メスツバは巣の前の棒にとまって困惑しています。
こんなことが餌やりの度に続くので、メスツバも困っているのが見ていて分かります。
私が巣にいるオスツバを脅かして巣から離れた隙にメスツバは餌をやります。
こんなことを何回も重ねてどうにか餌はやれています。
 
野生の生き物は本能的に自分の子孫を残そうとするのでしょう。
そのため他のオスの子供は邪魔になるのです。
以前テレビで見ました。アフリカのライオンはメスをめぐっての戦いで勝った雄ライオンは負けた雄ライオンの子供をかみ殺すのです。
ツバメにもそんなところがあるのかも知れません。
 
これも限界で、シャッターを閉め暗くして、このオスツバを捕まえました。
無駄と思いましたが、夕方鳥かごに入れて2キロほど離れた所で放しました。
 
案の定、翌朝早くから来て昨日と同じく、餌捕りから餌やりまでメスツバに付きまとい、ヒナに餌をやらせません。ヒナもオスツバが巣にとまると怖がって巣の底に張り付くようにして動きません。オスツバはヒナの上にまで乗ってジージーと威嚇の声を出しています。メスツバはその前で固まっています。
このままでは、ヒナは死んでしまうと思い再びオスツバを捕まえることにしました。
 
今度はもっと遠くにと、河北市の横山まで来るとツバメが沢山いたので、ここで放しました。
彼女見つけろよと鳥かごから出すと、すぐに見えなくなりました。
たとえ車庫に帰ろうとしても途中に河北潟があり、ここにはツバメの塒がありツバメが沢山いると思い、ここなら彼女見つけるかもとの考えで決めました。
家に帰って間もなく、あのオスツバが車庫に帰ってきました。
また同じことが始まりました。
 
今度は車庫にこのオスツバだけにしてシャッターを閉じ、オスツバを追い回しました。
車庫中逃げ回っても追い回しました。そうすれば懲りて来なくなるだろうと考えました。これだけのことをしなくても来なくなるのが普通です。
そしてシャッターを開けると飛んで行きました。
これだけ脅かせばもう来ないはずです。そうはいきませんでした。
その直後からまた始まりました。
 
3回目の捕獲をしました。そしてもっと遠くへ行って放しましたが、2時間半で戻って車庫に入ってきました。
全く懲りていません。このオスツバの執念に怖ささえ感じました。
しまいには、ヒナに覆いかぶさって毛を抜き始めました。
ヒナは巣の底で身動きしません。
メスツバはなす術もなく巣の前で固まっています。
 
またオスツバを捕まえました。4回目です。
そして、もっと遠くに、どこなら良いのか。
 
ツバメは南国から九州に来て、中国地方、近畿地方を経て福井から石川に渡って来ると考えられます。
渡ってきたルートに放しても帰って来ます。そこで行ったことがないだろうと思われる富山以北にしました。そこなら帰ること知らないだろうと、高速で新潟方面に向けて走りました。
なるべく遠くへと思いましたが疲れもあって、滑川インターで下りました。
そこは水田地帯で家も並んでおり、ツバメが飛び交っていました。
ここなら良いだろうとツバメを放すとすぐに見えなくなりました。
 
この騒動で小車庫のオスツバは来なくなりました。
 
520日、
邪魔がいないのでメスツバの餌やりは順調でした。ヒナも久しぶりに頭をあげピーピー鳴いて餌を欲しがっていました。
夕方5時半ごろ車庫の中からオスツバの囀りが聞こえました。
行ってみて愕然としました。昨日滑川で放したオスツバが車庫に入っていました。
予想はしていましたが、やはり来ました。
メスツバは固まっています。オスツバはヒナの上に乗って、威嚇の鳴き声を出してヒナに何かしています。
 
ツバメの帰巣能力は凄いものです。数千キロを渡って来るのだから何の事もないのでしょう。
 
ヒナが巣立ちするまであと34日何とかしなければ。
夜、もう一回捕まえて鳥かごに入れました。
 
目印に赤い色を付けています。

 
巣立ちするまでかごで飼うことにしました。確保したオスツバにミルワームを与え80匹食べました。初めの頃は上手く食べさせられませんでしたが、慣れると口に入れると自分で飲み込むようになりました。
翌日もミルワーム60匹と羽虫も食べました。
その間メスツバは順調に餌やりをしています。
 
22日、オスツバがいなくなると、また別の2番目のオスツバが車庫に入り巣にとまってジージーと鳴いています。
さらに3番目のオスツバが来て、この2羽が喧嘩しだしました。喧嘩しならながら外に飛び出し、暫くして3番目と思われるオスツバが車庫に入ってきました。
このツバメが勝ったのでしょう。
どうなっているのか自分でも頭がこんがらかってしまいます。
 
このメスツバが一人ものだと、他のツバメが何故知っているのか不思議です。
次々とオスツバが現れるのは、番になれなかったオスツバが多いからでしょう。数千キロの渡りをするツバメは体力的にオスの方が強いのでメスより多くなるのかも知れません。
 
3番目のオスツバはおとなしく、ヒナに危害を加える様子は見えません。
 
24日朝、車庫の外にその3番目のオスツバが来ていました。
メスツバが巣の前で巣立ちを促しています。
8時ごろ車庫に行くと2羽が巣から出て棒にとまっていました。
暫くして鉄骨の梁に子供2羽とメスツバ、そして3番目のオスツバの4羽が並んでいました。
 

 
昼前には4羽とも外に出て、メスツバが餌を持って来ています。
オスツバは子供のそばにいますが餌を持って来ることはありません。その日はカラスが異常に多くて危険な日です。そばにオスツバがいるだけで安心できます。
6時前に4羽で帰ってきました。子供2羽とメスツバが一緒で、オスツバは別の棒にとまって寝ました。
明日、捕獲したオスツバを離れた場所に放すことにします。
 
25日朝6時前には4羽とも車庫から出て近所にいました。
メスツバは餌を持ってきますが、オスツバはそばにいるだけで餌は持ってきません。
 

 
昼前、捕獲したツバメは市内を流れる川の下流で放しました。
 
水面に何回も着水して水を飲み飛んで行きました。たぶん返って来るでしょう。
すでに巣立ちしているので、心配ないと思います。
 
午後3時ごろ車庫の前の電線にそのオスツバがとまっていました。車庫は空なのでどこかに飛んで行きました。可哀そうな面もありますが、こうするしかありませんでした。
この夜も4羽で帰ってきました。
 
その後も4羽一緒に行動していますが、オスツバは子供のそばに付いているだけで餌やりはしません。自分の子供でないからだと思います。
 
夜は毎日4羽で車庫に帰ってきます。
オスツバは子供に危害を加えることもなく一緒に行動しています。
 
69日を最後に子供は車庫に帰って来なくなりました。2羽の子供はメスツバだけで無事に育て上げました。
これが6羽全部孵化していたらヒナは全滅だったでしょう。
 
子供が車庫に帰るときいつものようにたくさんのツバメが付いて来ます。
その中に最初のオスツバも時々混じっていますが危害を加えることはありませんでした。
メスツバと3番目のオスツバはその後、番になって2回目の産卵がありました。
 
                                     おわり


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ツバメの話 (5)

2013.04.25(21:41) 181

佐渡のトキがオス親だけで子育てしていました。
でも、残念なことに2羽のヒナはダメだったそうです。1羽で育てるには無理があるのでしょう。
 
これは2009 (平成21)
我が家のツバメが、死んでしまったオスツバの分まで頑張って子育てしたメスツバの話です。
 
322日の朝、車庫の棒に1羽のオスツバがとまっていました。
1日中出たり入ったりしていて、車庫内のことを知っているようでした。去年のオスツバのように見えます。
その晩は車庫の奥の棒で泊まりました。
 
翌朝、10時頃車庫に行くとメスツバがいました。自分で来たのか、オスツバに付いてきたのか分かりません。
自分から入って来たのなら去年のメスツバが帰って来たのかも知れません。
オスツバはメスツバを車庫に誘うような行動もなく2羽そろって行動しています。もしかして、去年のカップルかも知れません。
その晩は2羽並んで奥の棒に泊まりました。
 
26日朝、雪が降っていました。屋根が雪で白くなりました。その中2羽は出て行きました。雪の中飛んでいるのだろうか、日中時々車庫に帰ってきます。
5時過ぎ2羽が車庫に帰ってきました。奥の棒にくっ付いています。寒いのでしょう。その夜2羽の下にストーブを点けました。
 
27日も早朝雪が降って寒い朝でした。7時ごろまで車庫から出ません。10時前から4時過ぎ帰って来るまで一度も来ませんでした。
5時半ごろシャッターを閉じているとき1羽のオスツバが車庫に飛び込んで来て2羽の間に割り込んできました。
このツバメはこれまでどこにいたのか、あまりの寒さに飛び込んで来たのでしょう。この3羽喧嘩もなくぴったりくっ付いています。それほど寒いのでしょう。今夜もその真下にストーブ点けました。
 
28日も寒い日でした。昨日のオスツバは2回ほど車庫に出入りしていましたがその後来ませんでした。
5時半2羽が帰ってきました。昨日のオスツバは来ませんでした。
その晩もストーブ点けました。
その翌日の41日も寒く雨降りでした。
この日も日中帰ってきません。夜になって帰ってきました。
その晩もストーブ点けてやりました。
 
2日、この日も寒い日です。巣作りを始めましたが、ほとんど進んでいません。
 
釘と針金のこんな所に巣を作ろうとしています。
 

 
 
3日から一転暖かい日が続きました。
10日には巣もほとんど完成しています。

 
 
14日、産卵の兆候があったので、いない間に巣を覗くと卵が1個ありました。
18日の夜、オスツバは車庫から出て近所の庭木に止まりました。しかし塒には不向きのようです。車庫とこの庭木の間を45回往復しますが、やはりダメみたいです。
 
去年のオスツバは車庫に泊まらず、毎日この庭木を塒にしていました。
去年の秋この庭木をきれいに剪定して、ツバメの塒に向かなくなっていたのです。
今年のオスツバは、去年塒にしていたこの木を、今年も塒にしよと来たのでした。
後で去年のたくさんの写真と照らし合わすと間違いなく同じツバメでした。メスツバも去年のツバメに間違いなさそうです。
 
 

 
 
19日巣を覗くと卵が6個ありました。2006年にも6個産んだので2回目です。
26日の事です、巣の下にワラと少しの土、羽が56枚落ちていました。
巣を覗くと卵が2個しかありません。カラスかも知れません。
車庫の奥だったので、まさかここまでカラスが入って来ることはないと油断していました。
巣の前にカラス除けのビニール紐を下げました。帰って来たメスツバが驚いて外に出て行きました。寒くて天候が悪いのにどこへ行っているのか。卵が冷えてしまうのではと心配しました。
6時半ごろようやく2羽で帰ってきて抱卵を開始しました。

 
53日午後5時、外出から帰ると巣の下に卵の殻が落ちていました。
2羽のヒナが孵えりました。
 
7日、これまで順調に子育てしていましたが、この日の夜オスツバが帰ってきません。夕方までヒナに餌を運んでいました。帰らなかったのは今日が初めてです
これまでの7年間でオスツバが夜帰らないことがいくらでもありました。
 
オスツバに異変
 
8日の朝6時車庫に行くとメスツバだけでオスツバが来ている様子がありません。普通ならとっくに餌捕りしている時間です。
オスツバが帰って来るのを待っていたのでしょう。
メスツバは出て行ってもすぐ帰ってきます。オスツバを捜しに行っていたのかも知れません。
 
この年はもう一つの小さい車庫にもツバメが子育てしていました。
この日の朝、小さい車庫のオスツバが元気なく車庫でジーッとしています。
もしかしてオスツバのこと知っているのでは、と思いました。
そして、この小車庫のオスツバは大きい車庫のオスツバがいなくなったことを知っているのか車庫に入ってきました。小車庫のメスツバはオスツバの後を追って来て、オスツバに怒っているようでした。
この日はとうとうオスツバは来ませんでした。何か事故に遭ったのでしょう。
この日はメスツバだけで餌をやっていました。
ヒナが生まれて4日目の事です。
 
翌日の9日もメスツバは一生懸命に餌運びしています。
この日も小車庫のオスツバが車庫に入ってきました。
6個の卵がカラスに襲われて2個になったのが幸いしてか、メスツバだけでも何とか餌は足りているように見えます。
日中ヒナを温める余裕がありませんが、2羽のヒナは元気がありそうです。
 
その後も、小車庫のオスツバがよく大車庫に入って来るようになりメスツバに怒られています。
メスツバは毎日朝早くから暗くなるまで、一日150回は餌を運んでいます。
 

 
(この年初めて試験的にこの巣の横にセンサーを付けて、ツバメが巣に来るとレコーダーに記録されるようにしてありました。)
 
ヒナとメスツバに危険が
                                         つづく


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ツバメの話 (4) 2003

2013.04.21(10:17) 179

2回目の産卵        (3)からのつづき
 
682回目の産卵がありました。 1回目と同じコードの上の巣で した。
 
夕方2羽の子供が帰ってきました。車庫に入った子供をオスツバは外に追い出しましたがまた入ってきます。オスツバはさらに追い出し、1羽が飛んで行きました。残った1羽をオスツバがつついていましたが、子供は堪えて車庫に残りました。
 
翌日の朝、その子供はすでにいませんでした。
その日以来、子供が返って来ることはありませんでした。オスツバも夜帰らなくなりました。もしかして、今年も子供と一緒に塒にいるのかも知れません。
 
6125個目の産卵がありましたが、その間もオスツバは夜帰ってきません。
19日の夜は台風の影響で強風でした。やはりオスツバは帰ってきませんでしたが、翌朝帰ってきました。
 
一時来なかったカラスがまた来るようになりました。
 
22日朝、外でツバメの鳴き声がして外に出ると、カラスが車庫に来ていました。ツバメはカラスを追い払いましたが、巣を覗くと卵が3個しかありません。カラスに卵2個やられました。
それ以来、オスツバは日中ほとんど車庫にいるようになりました。でも、夜になるといなくなります。
 
25日朝、外に出ると、メスツバがカラスを追いかけて行くのを見ました。そのすぐ後にも1羽のカラスが車庫から飛び出していきました。
家人が何かを咥えていたのを見ました。しまったと思いました。
巣を覗くと生まれたばかりのヒナが2羽しかいません。
3羽のヒナがいたはずです。孵化してすぐのことでした。
 
これはカラスの知恵なのか。1羽に気を取らせてもう1羽が巣を襲ったのでしょう。
これで、2個の卵と1羽のヒナがカラスの犠牲になりました。
 
巣の周りにビニール紐を下げてカラス除けにしました。親ツバメはしばらく警戒しましたがしばらくすると慣れたようでした。
その後、子供が2羽だけだからか、餌やりがのんびりしているように見えました。
 
 

 
 
7152回目の子育てで初めて、オスツバが車庫に泊まりました。予想では明日が巣立ち日です。オスツバも分かっていて夜泊まったのかもしれません。
 
翌日の午後2羽の子供が巣立ちしました。夜オスツバは帰ってきませんでした。
 
 

 
その翌日から、夜子供を車庫に入れてからメスツバも車庫から出て行きました。
 
5時過ぎには子供はもういません。自分で出ていくのか、親が連れて行くのか分かりません。
日中は親子一緒にいて子供に餌をやっているのは間違いありません。
 
 

 
 
時々親子一緒に車庫に帰ってきて子供を残して飛んで行きます。
子供だけで返って来る日もありました。
 
メスツバも一緒に泊まる日もありましたし、オスツバも1回だけ泊まった日がありました。
今年の2回目の子供は夜になると、ほとんど2羽だけで車庫で寝ていました。
 
82日を最後に子供も帰らなくなりました。
親に付いて行って塒デビューしたのかも知れません。
 
 
今朝の新聞記事に、佐渡の放鳥トキがオス親でけで子育て奮闘しているのが載っていました。
我が家のツバメもメス親だけで子育てした年がありました。
この話載せてみようと思います。


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ツバメの話 (3) 2003

2013.04.17(20:58) 177

2003 (平成15年)
 ツバメが来た
 
411日の朝のことでした。車庫のシャッターを開けて中に入ると床に鳥の糞が落ちていました。
気が付きませんでしたが、昨日車庫にツバメが来ていたらしいのです。
今年も待望のツバメが来てくれました。
その日、一日中オスツバメが車庫に出入りしていました。そしてその晩から車庫に泊まりました。
 
14日の夕方、車庫の前の電線に2羽のツバメがとまっていました。そしてその2羽はそろって車庫に入ります。メスツバメを連れてきたのでした。
 
翌日、車庫にカラスが入ってきました。2羽のツバメは共同で攻撃して追い払いました。
これがカラスに悩まされる最初の出来事でした。
 
翌日もカラスが車庫に来ました。卵やヒナを狙ってのことでしょう。
ツバメにも変化がありました。この日から巣作りを始めたのです。オスツバは去年のコード上の巣の淵をかさ上げしだしました。オスツバは去年のツバメのようで、この巣に愛着があるようです。慣れているらしく、順調に進んでいます。
メスツバはこの巣が気に入らないらしく、去年作りかけた巣を継ぎ足していますがなかなか進みません。
 
しかし、この泥やワラはどこから取って来るのか知りたくなりました。
ツバメが飛んで行く方向に行ってみました。直線で200メートルほど行った所に建築現場がありました。
そこにツバメがやってきてワラを咥え、次に泥を咥えて飛んで行きました。
 
オスツバがリホームしていた巣は5日ほどで完成しました。巣の周りを高くかさ上げして、中に円を描くようにワラが敷いてあります。
 
 

メスツバは作っていた巣を諦めて、オスツバがリホームした去年の巣に入って居心地を確かめていました。
 
それから2日後の421日朝、メスツバの様子がおかしいので、出て行った後、巣を覗くと卵が1個ありました。
巣の中に羽を敷いてその上に卵がありました。
 
255個目の卵を確認しました。翌日も5個のままです。これ以上産まないでしょう。
 
ツバメは1日に1個の卵を朝方産みます。
 

 
その後も時々カラスが車庫に入ってくるが2羽して攻撃、追い払っていました。
 
最後の産卵から2週間後の
59日朝、巣の下に卵の殻が落ちていました。孵化したようです。
3日後親がいない間に巣を覗くとヒナが一塊になっていて卵が見えません。
5個とも孵ったようです。
 

 
2羽の親は盛んにエサを持ってきてヒナに与えています。
5月半ばになると親はほとんど子供を温めません。餌運びに一生懸命です。
ヒナも産毛で覆われて寒くないのでしょう。
 
ヒナの鳴き声が大きくなり、糞をするときはお尻を巣の外に出してします。
親がその糞を咥えて外に捨てに行きます。巣の中を汚さない、本能的にそうするのでしょう。
 
その後も時々カラスが車庫にやってきます。親がいない間を狙ってヒナを奪うつもりでしょう。
こうなると、私もしょっちゅう様子見に行かなくてはなりません。
 
注意深く巣を見ていると、親はいつも同じ子供に餌をやっているように見えますが、ヒナ同士、常に位置を入れ替わっています。そうすることで平均して餌を食べたことになるのですね。
 
巣立ちが近づいて来ると、ヒナは巣の淵に掴って羽をバタバタさせています。
巣立ち前の運動でしょう。そうすることで翼に力が付いて飛べるようになるのでしょう。
 
巣立ち
 
530日巣立ちを迎えました。朝、親に誘われて5羽の子供が一斉に外に飛び出しました。
車庫の前の電線から少しずつ遠くに移動して行きました。
 
ことのきが一番危険な時です、カラスが機会を狙っています。
一羽の子供が道に降りてしまい飛び上がろうとしますが上がれません。
上から親ツバメが呼んでいますが、電線まで上がる力がないようです。猫に狙われるのがこの時です。そうっと子供に近づくと力いっぱい飛び上がり、親、兄弟が待っている電線まで飛び上がりました。
 
巣立ちをすると、どこからともなく沢山のツバメがやって来ます。一足先に巣立ちしたような子供もいます。夕方になると、親が子供を車庫に連れてきます。この時もたくさんのツバメが付いてきます。親は他のツバメを追い払うのに一生懸命です。子供はその子らと一緒に飛び回り車庫周辺は大騒ぎになります。
 
何とか子供を車庫に入れましたが4羽しかいません。1羽どこかに行ってしまいました。他のツバメに付いて行ったのでしょうか。
でもその後2羽の親ツバと子供の3羽で帰ってきました。どこかで見つけてきたのでしょう。
 

 
 
巣立ち後しばらくは電線などに止まって、親が餌を持ってくるのを待っています。まだ、自分で餌を捕ることはできません。飛ぶのもあまり上手くありません。
数日経って成長が早い子は親が餌を持ってくると、飛び出して空中で餌をもらうようになります。
 
そろそろ親ツバメが2回目の産卵に近づいてきました。
その頃になると仲間ができたのか、帰らない子供が出てきました。
 
2回目の産卵                     つづく


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ツバメの話 (2) 2002 (平成14年)

2013.04.11(21:20) 174

エッ? 口から              前回(1)からのつづき
 
5月17日昼過ぎ、餌を咥えてきた親ツバメがヒナにやろうとしても、ヒナは下を向いたまま欲しがりません。普通、親が来ると伸び上って欲しがるものです。
親は不思議そうに首を傾けて、チッチッとヒナに餌を持ってきたことを知らせています。ヒナはうつむいたままで動きません。そのうち親はその餌を飲み込んで飛んでいきました。
 
ヒナに何があったのだろうと、ヒナを巣から取り出しました。すると口から2センチほど細いワラの様なものが出ています。巣に敷いてあるワラの様なものでした。それで餌を欲しがらなかったのでした。
 
そのワラを引っ張ってみましたが出てきません。無理すると内臓とも出てくる感じでした。慌てましたが、何とかしなくてはと、小さなハサミを持ってきて、できるだけ短くなるようワラを切りました。
 
ヒナを巣に戻してしばらくすると、親ツバメが餌を咥えて巣のふちに止まりました。
すると、ヒナは何もなかったように首を伸ばして大きな口を開けて欲しがり、餌を飲み込みました。ホッとした瞬間でした。
しかし、どうしてそんなものを飲み込んだのか不思議です。餌に付いていたのか。下に敷いてあったワラを誤って飲み込んだのか。不明です。
 
6月19日2回目の産卵が近づいたようですがヒナはまだ巣立ちしていません。それでオスツバは天井の梁の部分に巣作りし始めました。餌やりはメスツバだけになりました。
 
21日、巣からヒナが出てきてコードにとまりました。しばらくすると、外に飛び出して家の周りを飛び回りました。突然のことで慌てて私も外に出てヒナの行方を追いました。
餌取りに行っていた親ツバメがちょうど帰ってきてその子を誘導して電線に止まらせました。これは私が初めて見た巣立ちでした。
 
その後、親と一緒に飛翔練習をした後、車庫に戻りました。巣に入らずにコードに止まったまま翌朝まで過ごしました。
この時から、新しく巣作りしていたオスツバは巣作りをやめて、これまでの巣をリホームしだしました。
 乱れていたワラをきれいに敷き直ししています。
 
2回目の産卵が近づいているのかメスツバが巣に入ると、子供もその横に入って、親子で翌朝まで寝ています。
朝、親子3羽で出かけ夕方3羽で帰ってきます。
親は子供に生きていくための教育をしているのだと思います。
 
2回目の産卵
 
6月28日の朝、親子が出た後、巣を覗くと卵が1個ありました。2回目の産卵が始まったのです。
夜帰ってきた子供が巣に卵があるのを見て不思議そうでしたが、そのまま巣に入りました。メスツバも入りたがっているが子供が入れさせません。
見かねて子供が巣から出るように仕向けたら、子供が出てその間にメスツバが巣に入りました。子供はオスツバと並んでコードに止まって寝ていました。
オスツバは子供をメスツバから離したいのだが、なんせ一人っ子、親離れしません、その後も子供は無理して巣に入り、親子で寝ることがありました。
 
7月1日卵4個目を産みました。夜、子供が巣に入りたがっているが、メスツバは入れさせません。それでも入りたがっているので、オスツバがメスツバと子供の間に入って入れさせません。
子供はオスツバにチッチッチとはむかって行きました。
その後も子供が車庫に返って来ている間、子供は抱卵している横にはいりたがっていました。
兄弟がいないから寂しいのかもしれません。
 
5日朝5時ごろ車庫を見ると、すでに子供はいませんでした。夜になっても子供とオスツバは帰ってきませんでした。
オスツバは子供をどこかの塒に連れて行ったのだと思います。
オスツバも710日まで夜は帰ってきませんでした。
子供と一緒にいるのかも知れません。
子供はそれっきり帰ってきませんでした。独り立ちしたのでしょう。
 
2回目の産卵は7月1日の4個目で終わりました。
初めての経験でいろんなことが起こって大変でした。
 
その後、2回目の子育てが始まりました。
 
2回目の子育ては何事もなく順調に進んで84日、4羽とも無事に巣立ちしました。
88日を最後に親子とも車庫に帰らなくなりました。       終わり
 
2回目の子供の写真

 
 

 
 
車庫の巣はツバメの家ではありません。ツバメの家は主に河川や湖沼に生えている葭原(ヨシはら)です。
車庫の巣は産卵と育児するための仮の家です。巣立ちした子供や子育ての終わった親はこの葭原で集団の塒を作り、南への渡りを迎えます。
 
 
 次回 2003 (平成15年)の予定です。


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ツバメの話
  1. ツバメの話 (6)(04/26)
  2. ツバメの話 (5)(04/25)
  3. ツバメの話 (4) 2003(04/21)
  4. ツバメの話 (3) 2003(04/17)
  5. ツバメの話 (2) 2002 (平成14年)(04/11)
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