脳溢血とは?脳出血・脳梗塞との違いや症状・前兆を医師が詳しく解説
投稿日: 2023.01.25更新日: 2024.10.24
脳溢血(のういっけつ)とは脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気です。脳卒中の種類のひとつで「脳出血」とも呼ばれています。
脳溢血は、ある日突然発症します。出血量や出血場所によっては、運動麻痺や感覚障害といった後遺症を引き起こします。最悪の場合、命を落とす恐ろしい病気です。
本記事では、脳溢血の症状や原因、前兆のサインを解説します。予防法や治療法も紹介しているので、脳溢血について詳しく知りたい方は記事を読んで理解を深めましょう。
脳溢血でダメージを受けた脳は、もう元には戻らないと言われてきました。しかし「再生医療」によって脳機能が復活するとわかったのです。再生医療なら症例実績が豊富な『リペアセルクリニック』にお任せください。無料のメール相談、オンラインカウンセリングも実施中です。
目次
脳溢血(脳出血)とは脳に血が溢れる状態のこと
脳溢血(のういっけつ)とは、文字通り脳に血が溢れる状態を指した病名です。脳の中の細い血管が破れて血液が溜まることにより周囲の神経細胞が圧迫されます。神経細胞が圧迫されると働きが障害されてしまうため、さまざまな症状が出現します。
この脳溢血は脳出血とも呼ばれ、同じ意味で用います。
脳卒中・脳梗塞との違い
脳溢血は、脳卒中や脳梗塞と混同される傾向にあります。しかし、これらの意味や症状はまったく異なります。下記に、それぞれの定義をまとめました。
脳卒中 |
脳の血管が破れたり、詰まったりすることで発症する脳の病気。「脳溢血(脳出血)」「脳梗塞」「くも膜下出血」の総称。 |
脳溢血 |
脳卒中の一種。脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気。 |
脳梗塞 |
脳卒中の一種。血管の細化や血栓の形成により脳の血管が詰まる病気。 |
つまり、脳卒中の種類のなかに「脳溢血」と「脳梗塞」が含まれます。
脳溢血の前兆【いびきとの関係性】
基本的に脳溢血の前兆はありません。何の前触れもなく突然症状が現れるケースがほとんどです。
しかし、寝ているときに突然大きないびきをかき始めたときは、脳溢血や脳梗塞の可能性を視野に入れましょう。
脳卒中で意識障害を引き起こすと、舌根が落ちて気道がふさがり、いびきをかく場合があります。
脳溢血の原因
脳溢血の原因の多くは高血圧です。血管内の圧が上がり、その圧に血管壁が耐えられなくなるため出血が起こります
高血圧は、塩分の多い食事や過度なストレス、喫煙などが原因とされているので、健康的な生活を心がけましょう。また、高血圧は動脈硬化のリスクもあります。動脈硬化が起こると血管壁が弱くなるため、さらに血管が破れやすくなるのです。
脳溢血の症状は出血が起こった場所によって異なる
脳溢血の症状は、出血が起こった場所によって異なります。主な出血箇所は、下記5つです。
- 被殻出血
- 視床出血
- 橋出血(脳幹出血)
- 小脳出血
- 大脳皮質下出血
それぞれの特徴を見ていきましょう。
被殻出血
被殻出血は脳溢血全体の50%程度を占めています。被殻出血の特徴的な症状は片側の手足の麻痺や片側の顔の動かしにくさです。さらに進行すると感覚障害や意識障害に至ることもあります。重症度や血腫の圧迫の程度によって、症状が変わる場合もあります。
視床出血
視床は人の感覚を司っています。そのため視床出血では片側の感覚障害を認めます。また、視床出血を発症した際に目が中央によって寄り目をしているように見えることが特徴です。視床の周りには運動神経が走行しているため進行すると運動麻痺も生じます。また「視床痛」といって腕や脇、脚などに激しい痛みをともなうケースもあります。
橋出血(脳幹出血)
橋出血(脳幹出血)は、脳幹の一部である橋で出血が起こる脳溢血です。橋は全身の運動や意識状態、呼吸をつかさどっています。そのため橋に出血が起こると、たとえ出血した血液量が少量であったとしても意識障害や両側の四肢麻痺などが生じます。また、自分で呼吸ができなくなってすぐ死に至ってしまうこともあります。
小脳出血
小脳には体の平衡感覚を保つ働きがあります。そのため小脳出血では強いめまいや吐き気を訴える方が非常に多いです。めまいが強くまっすぐ歩くことができなくなったり、立てなくなってしまいます。
小脳は大脳の後ろに位置しているため、出血が起こった際に頭の後ろの部分に頭痛を認めます。
大脳皮質下出血
大脳皮質とは大脳の表層に位置する部分のことを指します。つまり、大脳皮質下出血とはその大脳皮質から出血が起こったもののことを呼びます。大脳皮質は部位によって働きが異なるため、出血した部位に応じた症状が出現します。運動麻痺や感覚麻痺、言葉の出づらさなどから人格の変化、視力障害が起こることもあります。
これまで、一度機能を失った脳細胞は、元には戻らないと言われてきました。しかし、再生医療により脳機能が回復するとわかったのです。
再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした細胞を再生する医療技術です。
再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。
再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数8,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりにあった治療プランをご提案いたします。
発熱の症状
これ以外に、脳溢血によって発熱が生じる場合があります。
視床や被殻などが存在する大脳基底核や、大脳皮質下出血が起こった場合、体温調節中枢である視床下部が圧迫されてしまうことがあるため、発熱をきたしやすくなります。
脳溢血が起こると、出血が起こった部分から徐々に脳に浮腫が起こりはじめ、その結果、頭蓋内の圧が上がる頭蓋内圧亢進の状態になるのです。これにより視床下部が刺激を受けると、体温が上昇し発熱します。
頭蓋内圧が亢進し、進行すると圧に耐えられなくなり浮腫んだ脳がさまざまな方向にはみ出てしまいます。この状態が「脳ヘルニア」です。
脳がはみ出る部位によって出現する症状は異なりますが、大後頭孔と呼ばれる隙間から脳がはみ出した大後頭孔ヘルニアが生じると、大脳により呼吸・循環を維持する働きをもつ脳幹が圧迫されるため急激に状態が悪くなり、突然死となってしまうことがあります。
これらの脳溢血が原因の発熱を「中枢性発熱」と呼び、中枢性発熱を認めた場合は予後が悪くなると言われています。そのため、少しでも予後をよくするためにこの中枢性発熱になるべく早く気づく必要があるでしょう。
脳出血の予防方法
先述のとおり、脳溢血の原因の多くは高血圧です。つまり、血圧が上がらないような生活習慣を身につけると、脳溢血の予防につながります。
下記は、血圧を上げないための予防法です。
- 禁煙する
- 適度に運動不足する
- ストレスをためない
- 塩分を控えた食事をとる
- 適度にアルコールを摂取する
自分の血圧状態をしっかり把握するためにも、健康診断を定期的に受診しましょう。
下記の記事では、脳溢血(脳出血)の予防法や再発を防ぐ方法を解説しています。予防の知識を深めたい方は、参考にしてみてください。
脳溢血の治療方法
脳溢血は、出血した場所によって後遺症の症状や程度が異なります。脳溢血の治療方法は、後遺症の状態に応じたリハビリを進めるケースが多くなります。
下記は脳溢血でよく見られる後遺症と、一般的におこなわれるリハビリです。
後遺症 |
リハビリ |
運動麻痺 |
・電気刺激 ・装具療法 |
感覚障害 |
・電気刺激 ・さまざまな形や素材を触る触覚トレーニング |
言語障害 |
・音読訓練 ・口腔の体操 |
これらのリハビリは、医師やリハビリテーションの専門家の指導のもと、無理のない範囲で実施されます。
脳溢血は再生医療でも治療できます。
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まとめ|脳溢血の理解を深めて適切な予防や対処をしよう!
脳溢血は前兆もなく突然起こる病気です。しかし少しでも早く症状に気づけば、生命を危険に晒すことなく元の生活に戻れることもあります。日頃から予防することを心がけて、少しでも怪しい症状を認めた場合は病院を受診しましょう。
現在、脳溢血の治療法のひとつとして「再生医療」が注目されています。
再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。 幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。
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再生医療による脳溢血の治療方法や治療事例などをわかりやすくお伝えします。