PMOフリーランスとして働く人は近年増えており、需要もあるため高単価案件も多い傾向です。
このようにPMOのフリーランス案件は、案件により幅はあるものの基本的に高収入になる傾向があります。
しかし豊富な知識量と経験・能力が求められるPMOは、誰にでも簡単に務まる仕事ではないことも事実。
そのため案件単価にも幅があり、PMOフリーランスとして高単価案件を獲得するためには、高いスキルはもちろんエージェントなどを活用して良い案件を見つけることも大切です。
フリーコンサル向けおすすめ案件紹介サービス5選
サービス名 | 特徴 |
業界最大級の案件数!報酬180万円を超える案件が500件以上。 フルリモートや稼働率が低い案件など、豊富な案件を保有。多様な経歴のコンサルタントを積極採用 |
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POD |
継続率90%!10年以上のサービス運営で培ったノウハウ、稼働後の手厚いサポートが魅力 大手事業会社の直請け・高収入のプロジェクトが豊富。月額200万円以上を目指すプロフェッショナルにおすすめ。 |
プロコネクト |
新規案件多数!戦略・業務・IT領域で毎月300件以上の案件を取り扱い |
平均単価193万円!DX・デジタル案件に特化。 コンサルファーム・大手SIer・大手ソフトウェア会社出身者におすすめ |
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THE CONSUL |
独占・高額案件(150~200万円/月以上)の割合が業界最高水準!IT領域に強み。独自のネットワークを活かし、直請け(エンド直、元請け)案件のみの取扱い。ITコンサル/PMOにおすすめ。 |
PMOのフリーランスとして高年収を目指すなら、以下のおすすめフリーランス向けエージェントも活用してみてください。
サービス名 | 特徴 |
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ハイパフォコンサル | 登録者38,000名以上を誇る業界トップクラスの案件紹介エージェント |
デジタル人材バンク | 高単価のデジタル案件に特化したマッチングプラットフォーム |
POD | 独自ルートの非公開案件が多くコンサル案件に強い |
プロフェッショナルハブ | IT・PMO案件の扱いが多いエージェントサービス |
コンサルキャリアナビ | フリーコンサル案件・副業コンサル案件を探すなら |
この記事ではPMOフリーランス向けのおすすめエージェント詳細のほか、PMOフリーランスの年収や案件単価相場、PMOフリーランスになることのメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
フリーランスPMOの案件単価相場
フリーランス向けの案件紹介サービス「フリーランススタート」の公開データによると、PMOフリーランスの案件月額単価相場は77.3万円でした。(2024年6月17日時点)
出典:フリーランススタート
同時点での最高単価は195万円/月、最低単価は20万円となっており、案件の内容や難易度、稼働率によって金額は大きく異なるという点もポイントです。
低単価の案件にはPMO補佐業務のみや稼働率の低い案件が多いので、スキルや実績のあるフリーランスであれば高単価を狙える可能性が高いです。
このようにPMOフリーランスでは実力があって効率的に仕事がこなせる人であれば、年収1000万円以上となる案件も珍しくはありません。
また、全体的にリモート/一部リモート可の案件が多いことも特徴です。
高単価案件では稼働率が高めなものの、収入にこだわらなければ稼働率60~70%程度の案件などもあります。
リモートや週休3日など自由な働き方を目指す方にも、希望を叶えられる可能性があるでしょう。
PMOフリーランスとして活躍し高年収や自由な働き方を実現できるよう、以下で紹介していくおすすめエージェントや案件獲得のコツを参考にしてみてください。
フリーランス向けPMO案件紹介エージェントおすすめ5選
ここでは、PMOフリーランスとして独立している方、あるいは独立しようと考えている方におすすめの案件紹介エージェントを紹介します。
エージェント名 | 特徴 |
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ハイパフォコンサル | 登録者38,000名以上を誇る業界でもトップクラスの案件紹介エージェント |
デジタル人材バンク | 高単価のデジタル案件に特化しマッチングプラットフォーム |
POD | 独自ルートの非公開案件が多くコンサル案件に強い |
プロフェッショナルハブ | IT・PMO案件の扱いが多いエージェントサービス |
コンサルキャリアナビ | フリーコンサル案件・副業コンサル案件を探すなら |
ハイパフォコンサル
- 業界でもトップクラスの案件紹介エージェントで、登録者は26,000名以上
- 戦略系・経営系のプロジェクトからPMO案件まで幅広く取り扱う
- 月120万円を超える高単価案件も多く提供
会社 | INTLOOP株式会社 |
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公式サイト | https://www.high-performer.jp/consultant/ |
公開案件数 | 8,106件(2024年11月25日現在) |
職種 | PM・PMO、IT関連、SAP、戦略系、その他 |
ハイパフォコンサルは、登録者38,000名以上を誇る業界でもトップクラスの案件紹介エージェントです。(2024年6月時点)
案件の種類は、戦略系・経営系のプロジェクトからPMO案件まで豊富に揃えており、月120万円を超える単価も豊富にみられます。
クライアントは一部上場企業や外資系企業などが中心となっているためプロジェクトの規模も大きく、PMOやPMが集まりやすい傾向にあります。
社会保険関係や税金関係のサポートも充実しているため、はじめてフリーランスになったばかりの方でも、案件に集中して取り組めるでしょう。
報酬も支払いもスピーディーで、業界最速水準の翌月15日払いです。
戦略系を始め、とにかく多数の高単価案件を紹介してもらいたい方に、おすすめのエージェントです。
ハイパフォコンサルの案件例
大手製造小売業のPMO案件
【月収:~105万円】
勤務地:東京都(23区内)
稼働率:100%
契約期間:3ヶ月~延長あり
・販売領域システム(B2Cスマホアプリなど)開発の、ユーザ企業側PM業務の支援要員
・認証/会員基盤、会員情報管理サービスの導入検証(US)後、他国へのロールアウトを実施
・PM代行に近い形で以下業務を行う
・PJ進捗管理、各種PM担当資料作成支援、会議運営、課題/問題の対策立案
・PM作業の量低減/タスク停滞防止
金融系PJ
【月収:〜90万円】
勤務地:東京都(23区内)
稼働率:~100%
契約期間:長期予定
・年金系システムの構築及び機能改修PJのユーザー側PMO
・受入検証
・ベンダーコントロール
・進捗/課題/品質管理
・ドキュメント作成
小売業のPMO案件
【月収:100~150万円】
勤務地:東京都(23区内)
稼働率:~100%
契約期間:長期予定
・セキュリティ領域に関するプロフェッショナルとして、CISOの補佐業務や、セキュリティロードマップ、ポリシーの策定など対応。
・大手小売業案件にて顧客側のチームにPMOとして参画
・CRMチーム内のプロジェクト管理の標準化・共通化推進
・CRM全体(全プロジェクトのPMO/統括メンバーなど)を俯瞰した課題の発見、優先順位付け、解決案の提示などによるチームリーダーの支援(業務の代行)
ハイパフォコンサルの口コミ
PMOやITコンサルティング系の案件を希望しましたが、紹介された案件が非常に豊富でした。 依頼をすると迅速に案件紹介をしていただけて、忙しい時には週に2件程度の面談を行っていただけることもありました。 他の方も指摘していますが、担当者の行動力が非常に素晴らしかったです。
デジタル人材バンク
- DXなどデジタル案件に特化している
- 月額単価最高350万円以上など高単価案件を数多く取り扱い
- コンサルタントは業界出身者で情報に精通している
運営会社 | 株式会社クラウド人材バンク |
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公式サイト | https://consultant.digital.hr-bank.co.jp/ |
公開案件数 | 非公開(2024年11月25日時点) |
職種 | ITコンサル、戦略コンサル、新規事業開発、BPR/業務設計など |
デジタル人材バンクは、高単価のデジタル案件に特化したマッチングプラットフォームです。
コンサルファームや大手SIer、大手ソフトウェアメーカーなど出身のハイクラス人材にマッチする、DX事業戦略やPMO、ITコンサルなどの案件を数多く取り扱っています。
ハイスキル層の募集を中心としているため高単価案件が多く、平均人月単価は193万円※、人月単価350万円以上※の案件も取り揃えるなど高水準となっています。
これらはコンサルファームやメガベンチャー出身者のマッチング担当者が参画して直請け案件を獲得することで実現しており、また業界情報にも精通しているため、利用者のスキルやキャリア志向をじっくりヒアリングしたうえで最適な案件紹介をしてくれます。
※2022年5月実績
デジタル人材バンクの案件例
代理店向けWEBシステム改修案件
【月収:135~165万円】
勤務地:首都圏(週1,2出社)+リモート※関西への出張可能性あり
稼働率:80%
ERP刷新にあたり、代理店向けWEBシステム改修のPMOとして、ベンダー管理を推進。
具体的には設計成果物の品質管理や進捗管理、課題管理を担当。
海運業の基幹システム刷新プロジェクト
【月収:〜300万円】
勤務地:首都圏(週3以上出社)
稼働率:~100%
海運業における財務会計、財務取引領域におけるBPRも含めたSAP刷新を推進
エネルギー業界のデータ基盤構築支援プロジェクト
【月収:200万円~】
勤務地:首都圏(常駐)
稼働率:~100%
エネルギー業界のデータ基盤構築支援プロジェクトにおいてクライアント側PMOのリードを担当。
PMO経験のみならず一貫したSI経験(特にBI/DWH)も求められる。
大手ファームのシニアマネージャクラスを希望。
デジタル人材バンクの口コミ
他サービスと比較してよかった点は、人材マッチング業務として、しっかり機能している点です。他社の営業担当は規定のルーティンやマニュアル通りに動いていて、ビジネスライクというか無機質な印象を受けました。
一方、デジタル人材バンクは、血が通っている印象を受けたというか、人となり含めて交流できる関係性があるほうが互いにとってよい仕事となるのでは、と思い案件紹介をお願いしました。
POD
- 独自ルートの非公開案件が多くコンサル案件に強い
- 直請け・高収入案件が多数
- 短期案件から長期案件まで条件が豊富
運営会社 | ランサーズ株式会社 |
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公式サイト | https://pod.jp/consultant/ |
公開案件数 | 928件(2024年11月25日現在) |
職種 | PM・PMO・IT上流・経営戦略・SAP関連など |
POD(Professionals On Demand)はフリーコンサルタントやPM、PMO、IT上流ポジションなどハイクラス案件に強い案件紹介エージェントです。
非公開求人85%以上で、独自ルートで開拓した好条件の案件を多数保有しているのを強みとしています。
取り扱うプロジェクトが幅広く、自分の得意分野を選びやすいという点も魅力です。
企業からの直請けが多く高収入案件が豊富なので、フリーランスのPMOとして高収入案件を探すなら登録しておきたいエージェントです。
PODの案件例
大手企業のコンサル部門の案件
【月収:100万~150万円】
勤務地:都内客先常駐 20%程度(リモート 80%)
稼働率:80%~100%
契約期間:6~12ヵ月
・開発アイテムの把握、管理及び整理
・エンド・A社間のコミュニケーション対応
・日本にいるA社及びエンド担当者並びにインドにいる開発メンバーとの深いコミュニケーション
通信系事業会社での決済関連システムの統合プロジェクト
【月収:150万円〜】
勤務地:基本リモート(MTGのみ出社)
稼働率:100%
契約期間:1~3ヵ月
・通信系事業会社での決済関連の現行システムの統合プロジェクトにおけるPMO支援
・関係するプロジェクトメンバーやベンダーと連携して、円滑なプロジェクト推進を行う
・経営層向けのドキュメント作成
・ステークホルダー(社内外)に効果的なコミュニケーション管理の実施
・進捗管理・課題管理
通信/メディア業界企業のプロジェクト
【月収:100万~150万円】
勤務地:客先常駐 100%(持ち帰り可)
稼働率:100%
契約期間:1~3ヵ月
作業計画、管理、実行推進におけるPMO作業全般
PODの口コミ
取り扱っている案件の幅が広いので、自分の得意な領域で勝負しやすいのが良いと感じました。
コンサルタント未経験でも上流工程の経験があれば、案件獲得のチャンスがあると思います。
プロフェッショナルハブ
- IT・PMO案件の扱いが多く、月額120万円以上の案件が充実
- 大手事業会社やコンサルティングファーム、Slerなどから直接案件を依頼されている
- 登録後は専属のエージェントがつき、フリーコンサルタント一人ひとりをサポートする
運営会社 | 株式会社エル・ティー・エス リンク |
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公式サイト | https://consultant-jobs.jp/ |
公開案件数 | 非公開(2024年11月25日時点) |
職種 | PM/PMO、IT関連、その他 |
プロフェッショナルハブは、IT・PMO案件の扱いが多いエージェントサービスです。
月額120万円以上の案件が豊富で、大手事業会社やコンサルティングファーム、Slerから直接案件を依頼されています。
またフリーコンサルタントが安心して働けるように、登録後は専属のエージェントが付き、1人ひとりをバックアップしてくれます。
運営会社は東証一部上場の株式会社エル・ティー・エス リンクで、日本最大級のITビジネスコミュニティ「アサインナビ」を運営しています。
フリーランスで初めてプロジェクトに参画する際は、心細さや心配ごとも絶えないでしょう。そんな時に、いつでも相談できる相手を見つけておきたい方に、プロフェッショナルハブはおすすめです。
プロフェッショナルハブの案件例
大手小売業における基幹システム導入プロジェクト
【月収:~210万円】
勤務地:東京都内
稼働率:100%
詳細は要問い合わせ
製造業 基幹システム刷新プロジェクト
【月収:~190万円】
勤務地:リモート
稼働率:~100%
詳細は要問い合わせ
大手メーカーにおけるSAP S/4Hana導入プロジェクト
【月収:240万円~】
勤務地:都内出社+リモート
稼働率:~100%
詳細は要問い合わせ
プロフェッショナルハブの口コミ
エージェントにはコンサルティング出身者が多く、説得力のあるアドバイスを得ることができました。相談しても的確な回答をもらえ、意思疎通がしやすかったため、話が非常に効率良く進みました。
コンサルキャリアナビ
- 月100万円以上の高単価案件を中心に取り扱っており、特にPM・PMO案件が増加
- 契約締結後はトラブルシューティングから請求書の事務代行まで、幅広いサポートの提供がある
- 非公開求人が85%を占めている
運営会社 | 株式会社 Flow Group |
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公式サイト | https://navi.consul-career.com/ |
公開案件数 | 非公開(2024年11月25日現在) |
職種 | IT・PMO・マーケティング、その他 |
コンサルキャリアナビでは、独自のネットワークによる非公開の150~200万円以上の高単価案件を保有しており、他サービスでは提供できない案件の紹介が可能です。
案件紹介では、専門性強化やリスキリング等、利用者のキャリア志向に沿ったマッチングを第一に提案をしてくれ、独立やキャリア支援として実際にフリーコンサルを5年以上経験したスタッフによる実体験に基づいたアドバイスも受けることができます。
取り扱い案件は、IT・戦略・PMO・マーケティングを中心に、週5の高稼働から、低稼働やリモート案件など副業/複業を含む多様な働き方にも対応できます。
コンサルキャリアナビの案件例
消費財メーカーのERP(SAP)統合プロジェクト
【月収:220~260万円】
勤務地:リモート+一部出社(東京都23区)
稼働率:60~100%
詳細は要問い合わせ
大手建設会社の全社DX構想及びロードマップ
【月収:200~240万円】
勤務地:リモート
稼働率:40~60%
詳細は要問い合わせ
総合商社のリテール領域における案件
【月収:220~260万円】
勤務地:リモート
稼働率:60~100%
詳細は要問い合わせ
エージェント以外からPMO案件を獲得する方法とは
フリーランスとしてPMO案件を獲得するのには、エージェント利用が最も効率的でおすすめです。
しかしそれ以外の方法でPMO案件を獲得できる方法についても、参考として解説しましょう。
過去のクライアントに連絡する
独立前から副業でフリーランスとして活動していた場合などは、過去のクライアントから依頼をもらえる可能性もあります。
そのようなクライアントがいる場合には、独立の際には挨拶として連絡をしておくとよいでしょう。
過去に仕事を受注しており良好な関係性があれば、クライアント企業側としてもコミュニケーションが楽なので依頼しやすいという一面があります。
リピートの依頼をしてもらうためにも、副業時代から受注した案件は丁寧に対応しておくことが大切です。
過去のクライアントに連絡し、タイミング良く募集している案件があれば依頼へつながるかもしれません。
知人や友人の紹介を活用する
フリーランスとしてPMO案件を獲得する方法のひとつに、知人や友人からの紹介を活用することもあります。
過去の同僚や取引先など身近な人々からの紹介は、互いに信頼関係があるため仕事が円滑に進みやすい傾向にあります。
クライアント側も関係性があるフリーランスであれば安心して依頼でき、継続的な案件獲得につなげることができます。
フリーランスとして活動するには人脈が大切です。
依頼につながる人間関係の構築のため、独立前から様々なコミュニティに関わり人脈を広げておくのもよいでしょう。
SNS(LinkedIn、X、Facebook)を利用する
最近ではSNS経由でPMOフリーランス案件を獲得できるチャンスも少なくありません。
特にビジネス系のSNSであるLinkedInは、様々な企業関係者とつながることができるプラットフォームです。
エージェントと違い必ずしも高単価のフリーランス案件があるとは限らないのですが、間口を広げる意味で利用してみて損はないでしょう。
また、XやFacebookでの発信から仕事の受注につながる可能性もあります。
特に大きなプロジェクトの実績やスキルがある方だと、そのような人材を求める企業担当者の目に止まり声がかかるかもしれません。
SNS上だけのやりとりでは相手の素性がわからないこともあるので、もし実際に契約する場合には企業情報や条件など詳細をきちんと聞いたうえで、契約書にサインするように気をつけましょう。
PMOフリーランスの需要と将来性について
PMOフリーランスとして独立する場合、気になるのが需要や将来性です。
PMOはフリーランスでも需要が高く、案件も増加傾向にあります。そのため独立後も将来性の高い職業です。
PMO案件が増加している背景には、企業のDX化(デジタルトランスフォーメンション)が進んでいる状況があります。
一般社団法人日本能率協会の調査によると、2020年には28.9%しかDX化に取り組んでいなかったところ、2022年には55.9%の企業が取り組みを始めました。
引用元:日本能率協会
取り組みを始めようとしている企業も多く、数年以内には約8割近い企業がDX推進に取り組んでいる状況となるでしょう。
DX推進が進んでいる状況で、真っ先に人材不足が挙げられる職業はITエンジニアです。しかし技術力だけでは、大規模なプロジェクトを円滑に進めていくのは困難なことも事実。
そこでプロジェクト全体を束ねるPMをサポートする役割として、PMOに注目が集まってきているのです。
DX推進事業は大規模プロジェクトとなるケースが多いため、プロジェクト人材や部門の数も膨大になり、それに伴い管理業務も増えてきます。
そのためプロジェクトの規模によっては、数十人のPMOを組織する場合もあります。しかし数十人のPMOを社内メンバーのみで配置するのは、いくら大企業でも難しいのが現状です。
そのような状況で、PMO求人はもちろんのこと、フリーランスPMOも求められることが多くなっています。
PMOフリーランスは稼げる?年収は900万円以上
「フリーランススタート」の公開データによると、PMOフリーランスの案件月額単価相場は77.3万円。(2024年6月17日時点)※1
年収として想定すると924万円となり、令和4年度のデータによる日本の平均年収458万円※2と比べるとかなり高年収です。
なお会社員PMOの場合も平均年収は650万円程度※3とされており、比較的高年収と言えます。
しかしフリーランスの場合は高単価な案件も存在すること・受注した分だけ収入となることから、スキルや頑張り次第で会社員PMOの年収を大きく上回ることも可能なのです。
会社員としてPMOの経験を積み実績のある方なら、フリーランスとして独立し、さらにキャリアアップを目指す道があります。
※1 参照元:フリーランススタート
※2 参照元:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
※3 参照元:Indeed「日本でのPM・PMOの給与」
PMOフリーランスの仕事内容
PMOとは、Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)の略。
PM(プロジェクトマネージャー)をバックアップし、主に大規模なプロジェクトにおいてプロジェクトが円滑に進むための管理・監督を行います。
PMOはPMの補佐として支援を行うイメージがありますが、ただのアシスタントというわけではありません。
PMが重要な意思決定をするための情報収集や助言をすることもあり、場合によっては組織全体のプロジェクトを俯瞰して管理するようなケースもあります。
プロジェクト進行において非常に重要なポジションであることは間違いないでしょう。
そんなPMOは管理する領域が幅広いため、細分化すると以下3つのような職務に分類できます。
それぞれについても詳しく解説します。
PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータとは、プロジェクト進行にまつわる様々なサポート役です。
PM・PMOの普及活動を行う日本PMO協会では、PMOアドミニストレータを「プロジェクトに関連する社内プロセスを円滑に進める役割」と定めています。
細かい内容としては以下のような業務があります。
-
プロジェクト情報の収集や整理
-
プロジェクト情報の更新や組織内での共有
- プロジェクトメンバーの稼動管理やタスクリマインド
-
会議のセッティング
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書類作成や管理
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経費管理
このようにPMOアドミニストレータ業務ではプロジェクト全体を常に注視していることが求められるため、基本的なドキュメンテーションスキルなどはもちろん、各所との連携におけるコミュニケーションスキルも求められます。
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクトにおいて品質の標準化を担う役割です。
大きな組織で複数のプロジェクトが同時進行しているような状態だと、メンバーやPMのスキルによって成果や進捗にバラつきが出てしまいます。
そこで一定の質を担保するため、PMOエキスパートが環境整備を行うのです。
全体でのルール策定・プロジェクト進行に必要な資料などの基準を統一することで、進行のバラつきがなくなります。
PMOエキスパートが動くことで一定水準を保ってプロジェクト進行ができるため、結果的に業務効率化にもつながり、リソース削減効果も期待できます。
PMOマネジャー
PMOマネジャーの定義は組織により異なりますが、単にPMの補佐というよりは、より経営層に近く全体を俯瞰して管理するようなポジションを任されることが多いです。
例えばPMが1つのプロジェクトの成功をミッションとするのに対し、PMOマネジャーが組織全体で複数プロジェクトを統括する立場になるケースもあります。
PMと経営層の間に入ってコミュニケーションを行うようなことも考えられるため、PMOマネジャーは幅広いスキルや知見をもちコンサルタント経験があるような人材が求められます。
PMOマネジャーは各プロジェクトにおいて、戦略の策定から予算管理や人員管理などに関わる上流ポジションと言えます。
PMOフリーランスのメリット
ここでは、PMOフリーランスとして働くメリットを3つ紹介していきます。
収入や働き方のメリットは大きいため、デメリットとも照らし合わせて検討してみてください。
高単価案件が多い
会社員PMOの平均年収は600万円〜700万円程度となるため、フリーランスの案件の方が比較的高額です。
もちろん会社員にはボーナスや給与の安定などメリットがありますが、高単価な案件を獲得できればフリーランスのほうが高年収になる可能性があります。
すでにPMOとして経験やスキルがついているのであれば、あえて会社から独立することで、高年収を目指すという道もあるでしょう。
自分でプロジェクトを選択できる
会社員PMOの場合は、基本的に上司の判断によってアサインされるプロジェクトが変わってくるのが実情です。
そのため自分でプロジェクトを選ぶのは難しいこともあるでしょう。もちろん若いうちは、上司や先輩の後ろについて経験が積めるため、下積み期間としては問題ありません。
しかし経験やスキルがついてくると、自分にあった業界や高めたい分野が出てくることもあります。
自分が目指したい方向やキャリアプランが明確になってきたら、フリーランスとして独立し、自らの意思でプロジェクトを選ぶのも一つの手でしょう。
プロジェクトに集中できる
企業に所属していると、PMO業務以外にも新人の教育や社内イベントなど、やらなければいけない仕事が出てきます。
社内の人間関係に悩んでいる人であれば、上司や先輩との関係から解放されて、ストレスが溜まりにくくなる可能性もあるでしょう。
一方で、確定申告などの事務作業は1人で行わなくてはなりません。
ですが、フリーランス向けのエージェントでは税理士の紹介などを行うところもあります。
工夫次第である程度個人事業主としての雑務を効率化することはできるので、独立を考えている方は事前によく調べて準備しておくとよいでしょう。
フリーランスでPMOを担当するデメリット
フリーランスのPMOはメリットがある一方、以下のようなデメリットも出てきます。
自由度が高いゆえに発生する問題でもあるため、事前に把握しておきましょう。
チームとしてサービスを提供できない
通常コンサルティングファームが受けるPMOプロジェクトは、一定の経験を持ったマネージャーの指揮のもと、チームで業務に取り組むこととなります。
同じ会社のメンバーでPMOを構成するため、遅れやアクシデントが発生した場合も、チームワークで挽回しやすい状況です。
フリーランスになると、プロジェクトを完結させる意味では利害は一致しますが、同じ会社の人間ではないためコミュニケーションに気を遣う場合があります。
あくまで社内メンバーからすると外部の人間となるため、社内の事情や人間関係を把握しきれないといった難しさがあるのです。
逆に、PMOメンバーが全てフリーランスで構成されている状況では、お互い同じ立ち位置のためコミュニケーションが取りやすいこともあるでしょう。
そのため案件を選ぶ際は、PMOメンバーがどのような構成になっているのか確かめることをおすすめします。
案件の難易度が高い
PMOには高単価案件が多い傾向にありますが、その分難易度は高く求められる業務量も多いため、人によっては苦労するかもしれません。
難易度の高い案件は、プロジェクトがうまくいかない場合、その責任がPMOにかかってくる傾向にあります。
プロジェクトがうまく行っている時には、プロジェクトチームの結束力は高くなり、心地よい雰囲気で終了を迎えられます。
しかし逆にうまくいかなければ、PMOとしての能力を評価されず、批判の対象になってしまうような厳しい状況もゼロではありません。
そのため高単価な案件に飛びつくのではなく、自分にとって目標達成できる案件かどうか、しっかりと判断することが重要になります。
自分の経験に対してあまりにも求められる責務が大きい案件は、最初から避けるなど事前のフィルタリングも必要です。
高単価PMO案件を獲得するために必要なスキル・経験
PMOのフリーランスとして高単価な案件を請け負うには、高いスキルや経験が求められます。
以下のような要素は会社員のPMOとしても欠かせませんが、特にフリーランスの場合には意識して高めておく必要があるでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
コンサルティングファームでの実務経験
PMOは各所と連携してプロジェクトを円滑に進める役割のため、分析力や論理的思考力・問題解決能力が求められます。
このような能力はコンサルティングファームでコンサルタントとしての説明経験があると培われやすいでしょう。
そのためコンサルティングファームでの実務経験は、フリーランスのPMOとして活かせる可能性が大いにあります。
プロジェクトマネジメントの現場では、時に複雑な問題が発生することがあります。
フリーランスのPMOは、様々な観点から情報を分析し、各所と連携を取り問題を迅速かつ効果的に解決できる、コンサルタント的な能力を持っていることが重要です。
コミュニケーション力
PMOのフリーランスとしては、会社員以上に優れたコミュニケーションスキルが求められるシーンが多いでしょう。
まず会社員であってもPMOの基本的なスキルとして、複雑なデータや情報をわかりやすく説明し関係者に適切な情報を伝えることができることや、他の人の意見やニーズを理解し、適切なタイミングで適切な情報を提供することは重要です。
加えてフリーランスの場合は、クライアントとの交渉や、クライアント企業の社内メンバーとのやり取りにおいても高いコミュニケーションスキルが求められます。
現場によっては社内メンバーの中に入ってプロジェクトをリードするようなこともあるため、高いコミュニケーション力で各所との信頼関係を高め、円滑にプロジェクトを導いていく必要があるのです。
進捗管理能力
当然のことではありますがフリーランスのPMOには「プロジェクトの進捗を円滑に管理する」ということが求められます。
そのため進捗管理能力は、PMOとしては欠かせないスキルのひとつです。
大規模なプロジェクトにおいての進捗管理とは単にスケジュールを設定するだけではありません。
メンバーの稼働状況や外部環境によるトラブル・遅延のリスクも計算するなど、大きなプロジェクト進行には、あらゆる面で緻密なスケジュール管理が求められます。
加えて、常に進捗状況を把握し、遅延や品質の低下につながる要因を防ぐことも大切です。
フリーランスとして活躍するには、会社員時代に大規模なプロジェクトの進捗管理経験があることも重要となってくるでしょう。
開発の知識経験
PMOはITプロジェクトにおいて、実際に技術者として開発を行うことはありません。
しかしプロジェクトを進行するうえで、やはり開発経験や知識がないと工数の見積もりやリスクマネジメントが難しいという一面があります。
自身に開発経験がある・もしくは知見が豊富であれば、細かな要因に配慮したスケジュール設定が可能です。
エンジニアとしての開発経験が豊富な方も、PMOでの仕事に活かせる部分が大きいでしょう。
自己管理能力
PMOのフリーランスに大事な要素のひとつとして、自己管理能力があることも挙げられます。
もちろんPMOに限らず全てのフリーランスにおいて重要な点ではありますが、「プロジェクト管理を行う」PMOの立場ではいっそう高い自己管理能力が必要です。
PMOはプロジェクトや組織全体を統括するために、自分の時間を効率的に使う必要もあります。
例えば、自分のスケジュールをしっかり立て締め切りを守ることができる人は、複数のプロジェクトに対応しても、自分の時間を有効に使いながら成果物を提供できます。
またフリーランスのPMOは自分で仕事への動機づけを保ちながら作業を進めなければなりません。自分自身に対して高い基準を持ち、プロジェクトに対する責任感を持つことが大切です。
未経験からフリーランスのPMOになる方法はあるのか?
未経験者がフリーランスのPMOとして独立する場合、コンサル経験者やSIerでのリーダー経験者など、マネジメントスキルに長けていれば未経験でも案件が取れる可能性があります。
PMO案件は増加傾向にありますが、十分なスキルを持った経験者は不足している状況です。
そのため、PMOとしての勤務歴がなくても、コンサルティングファーム出身者や、SIerで上流工程を経験しつつリーダーとしてメンバーの管理経験がある方は、PMOとして採用されるケースがあります。
コンサルやリーダーポジションの経験がある方は、企業から高いマネジメント能力とコミュニケーション能力を持っていると判断されやすく、案件獲得のチャンスを掴みやすいのです。
反対にPMO未経験でコンサルやマネジメント経験も全くない場合は、フリーランスとして案件を受注するのは難しいでしょう。
なぜならPMOフリーランス案件は、参画の必須条件として「実務経験3年以上」「未経験者NG」などの条件をつけている企業がほとんどだからです。
フリーランスPMOは即戦力としてプロフェッショナルな働きが期待されるため、わざわざ未経験者を迎え入れるところはありません。
もし未経験からPMOとして独立を目指すのであれば、まずはポテンシャル採用を行っているコンサルティングファームもしくは、IT企業に転職しましょう。
そして実務経験を三年以上積んだ上で、フリーランス向け案件紹介エージェントに登録し、自分の実力でどのくらいの案件が取れるのか確認していくことをおすすめします。
フリーランスPMOに関する質問・疑問について
ここからは、以下のフリーランスPMOに関する質問や疑問にお答えしていきます。
- PMOになるために必要な資格はありますか?
- なぜPMOコンサルはやめとけと言われるのでしょうか?
- 完全在宅・リモートで働けるPMO案件はありますか?
- フリーランスや個人事業主でエージェントを利用した場合、源泉徴収はありますか?
よくある疑問は事前に解消して、PMOフリーランスとして活躍するための準備を進めましょう。
PMOになるために必要な資格はありますか?
PMOとして現場にアサインされる際、何か特定の資格が求められることはありません。
しかしPMOの普及を行う日本PMO協会には、プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A)という資格があります。
プロジェクトの現場業務において求められる目標設定力や計画力、実行力を証明してくれる資格なので、持っておくと評価される可能性はあるでしょう。
けれど資格による知識が現場で活きるのは、実務経験があってこそです。
PMO未経験の方は資格だけには頼らず、まずは正社員で経験を積むことを優先させましょう。
なぜPMOコンサルはやめとけと言われるのでしょうか?
PMOが普及してきたことによって、国内のITプロジェクトの成功率が上昇するようになり、それに伴い期待度が上がってきたためと考えられます。
国内の企業IT動向調査報告書によると、2020年までは予定通りの工期で終わったプロジェクトは15.8%、予算遵守できたのは24.3%、品質に満足しているのは18.1%とかなり低い状況でした。
これらの数値は、月500人以上が参画する大規模プロジェクトに合わせて換算された数値です。
PMOは大規模かつ成功率が低いプロジェクトにアサインされやすいため、最初から高いプレッシャーと責任を感じながら仕事をしないといけません。
そのため求められる責任が大きい、激務になるといったイメージから「やめとけ」といった声があるようです。
しかし大規模案件を自分の力で成功させられるチャンスでもあるので、やりがいがある仕事とも言えます。
また、同データ内で月100人未満のプロジェクトであれば、工期は39.1%、予算遵守は52.6%、品質満足度は28.9%と高くなっているので、まだ取り組みやすいと言えるでしょう。
PMOフリーランスとしては、自身の経験やスキルに合った案件を受注することが大切です。
完全在宅・リモートで働けるPMO案件はありますか?
完全在宅やフルリモートのPMO案件は、探せばすぐに見つかるほど多いです。
引用元:レバテックフリーランス
PMOのフリーランス案件を豊富に扱うレバテックフリーランスでは、リモート案件だけでも1905件が見つかりました。(2024年6月18日時点)
しかしフルリモートのPMO案件の場合、働き方が見えないぶん成果物のみで評価されてしまうため、求められるレベルは高いと考えられます。
参画する前に、どのくらいの難易度なのか確認した上で、自分に合った案件を選んでいきましょう。
フリーランスや個人事業主でエージェントを利用した場合、源泉徴収はありますか?
税務署の指導により、フリーランスや個人事業主に対しては報酬支払い時に源泉徴収が行われる場合があります。
源泉徴収は、報酬支払い時に発注者が所得税や復興特別所得税を差し引いて国に納める制度です。
源泉徴収の対象には会社員の給与だけでなく、フリーランスのコンサルティングやIT関連業務の報酬も含まれます。
発注者が一般的な企業の場合は「源泉徴収義務者」にあたるため、例えばPMOフリーランスへの依頼をする場合に源泉徴収をしなくてはなりません。
エージェントを介していても源泉徴収の義務は変わらないため、同様に源泉徴収が行われるでしょう。
受注するフリーランス側は「源泉徴収をされる側」となり、もし源泉徴収税額が年間税額よりも多い場合、確定申告により納めすぎた分が返金されます。
PMOフリーランスまとめ
- PMOのフリーランスはスキル次第で年収1,000万円以上達成できる可能性あり
- PMOフリーランスとして高単価案件をゲットするにはエージェントを活用するのがコツ
- 高年収のPMOに求められるのは実務経験や幅広いスキル
高収入を得やすい分、求められるスキルは高く、責任やプレッシャーがかかりやすいフリーランスのPMO。
しかし国内のDX推進が求められつつもプロジェクトの成功率は低い状況である中、PMOは需要が多く将来性のある職業と言えます。
PMOのフリーランスとして活躍し高単価案件を安定して獲得できれば、会社員より高収入になれる可能性も大です。
しかしPMOとして仕事に追われているだけでは、すぐに知識やスキルが廃れてしまう可能性があります。
フリーランスのPMOとして求められ続けるために、積極的に実務経験を積み日々スキルを高めていくよう意識しましょう。