欅(けやき)の美しさと実用性を解説 - Forest Life 森と木と暮らしを考えるメディア

欅(けやき)の美しさと実用性を解説

2024 / 5 / 20

芳醇かつ清々しい香りと経年変化が楽しめる「欅(けやき)」。日本を代表する広葉樹として人々に親しまれる樹木である欅の美しさや実用性について解説します。

欅(けやき)とは


欅(けやき)とは、本州・四国・九州全域に生息し、「ニレ科・ケヤキ属」に分類される日本を代表する広葉樹です。雌雄同株・雌雄異花で、欅の花は毎年4月~5月頃に開花し、葉は10月下旬から11月下旬頃に黄色、橙色に色づきます。

欅の特徴

欅は、杉や松などの針葉樹と比べるとゆるやかに成長するため、大木に成長するまでには長い年数がかかります。また、木材として優秀で、姿かたちや木目の美しさ、強靭さ、変形の少なさ、耐久性高いほか、個性が強く、木目や色味に個体差があるため、例えば赤みが濃い素材は家具にして、白みが強い素材は床材や柱にするなど、伝統的な日本家屋から現代の住宅や店舗の内装まで、さまざまな用途に活用されてきました。芳醇かつ清々しい香りと経年変化が楽しめる特徴もあり、はじめは白味を帯びたものが、年々色が濃くなっていき、味わい深い濃いオレンジ色への変化を楽しむことができます。

語源

欅の語源は、美しく目立ち、類稀という意味の「けやけし」からきており、実際に古くから人々に親しまれてきました。山形県・東根市の東根小学校校庭に聳(そび)える「東根の大ケヤキ」は、推定樹齢が1,500年以上と想定され、国の特別天然記念物に選定されています。

参照:東根市「日本一の大ケヤキ」 公式サイト

家具・インテリアへの活用法

家具としての活用例

欅(けやき)の麗しい木目と色味や、耐久性という特性から、特にダイニングテーブルやデスクの天板などに活用されているほか、無垢材を加工した椅子も大きな人気を誇ります。椅子には耐久性が求められるため、衝撃に強い欅は最適です。

インテリアアクセントとしての欅の使い方

例えば、日本の伝統的な欅の箪笥は、飾り金具によって華やかさが強調されており、様々な素材や色合いが混在する家屋空間で、欅の家具により豪奢な雰囲気を表現することができます。ほかにも、欅(けやき)の飾り棚などは、欅がもつ素材の自然な風合いで、温かさを感じるアクセントになります。

欅の風合いがもたらすリラックス効果

欅(けやき)の香りには、リラックス効果があり、消臭効果や抗菌性もあるため、消臭剤の素材としても家庭やオフィスで活用されています。また、街中に欅(けやき)並木が設置されている理由の1つに、リラックス効果をもたらす芳香によって、行きかう人々が癒される効果が高いことが挙げられます。その効果を示す事例は多数ありますが、学術的に検証された論文も公開されています。

参照:夏季における剪定方法の異なるケヤキ街路樹の生理・心理的機能 公開サイト

欅を選ぶ際のポイント

欅(けやき)は家具やインテリア素材として非常に優秀です。ここでは、家庭やオフィスに欅を取り入れる際のポイントを紹介します。

木材の品質と選定基準

色味・つや
欅には赤味、オレンジ色、黄色や金色、また白っぽい材など様々な色味があるため、テーブルやデスクには赤味、オレンジ色や黄色・金色はアクセント材に、また床材には白っぽい材など、用途に応じて色味を選定することがポイントです。また、「つや」も欅の大きな特徴です。頑強な欅材は丁寧に磨きあげると驚くほどのつやが出るので、用途に合ったつやを選定することが大切です。

木目(もくめ)
欅の木目は広葉樹特有の複雑に入り組んだ造形や珍しさを含んでいるため、その特徴を活かして化粧材やテーブルの天板として重宝されています。木目は、年輪に対して直角に切り出すのが「柾目」、年輪に沿って切り出すのが「板目」と呼ばれ、それぞれ用途によって使い分けることがポイントです。

加工技術
欅(けやき)は反りや伸び縮み、「暴れ」が起きやすく、極端な場合には割れてしまうこともある加工が非常に難しい木材です。加工のさいは、欅を扱う業者の手腕・技術がポイントとなります。

インテリアスタイルとの調和性を考慮した選択

欅の特徴や利点と、求めるインテリアスタイルが十分調和し、相乗効果を生み出すような選択を心がけることが重要です。欅は重厚感のある色合いが特徴的で、環孔波状の木目も美しく、また非常に硬く強靭な特性から耐久性や耐朽性に優れています。こうした特徴を活かし、古くから日本家屋で用いられてきた「大黒柱」のほか、日々使用するテーブルやデスク、またアクセント素材など、各種インテリアと合わせた幅広い用途が期待されます。

メンテナンスとケアのポイント

ウレタン塗装の場合 
ウレタン塗装の家具は、水拭きやお湯拭きだけで十分きれいになります。水や汚れが内部に染み込まないので、特別な心配は必要ありません。汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤→水拭き→乾拭きの順番で手入れを行いましょう。

オイル仕上げの場合 
埃は布で拭き取り、手垢や汚れは家具用オイルで拭き取ります。年に1〜2回、オイルを再塗布して乾燥を防ぎましょう。

ワックス仕上げの場合 
埃は布で拭き、汚れは中性洗剤で除去。年に1〜2回、ワックスを再塗布し、乾燥後に磨いてツヤを出しましょう。木の家具は適切なお手入れを行うことで、その品質を美しく保ち、長く愛用することができます。ご自身での対応が難しい場合はお近くの専門店まで問い合わせてくださいね。


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