令和4年度フードテックビジネスコンテスト開催レポート | フードテックビジネスコンテスト | フードテック官民協議会 FOODTECH

フードテック官民協議会/令和年度

テクノロジーで食にイノベーションを! 未来を担う精鋭ら、アイデアを競う

令和4年度 フードテックビジネスコンテスト開催レポート

テクノロジーで新たな食ビジネスを生みだせ!――2023年2月4日、「未来を創る!フードテックビジネスプランコンテスト」本選大会が東京・南青山のPASONA SQUAREで開催されました。フードテック官民協議会が主催する日本初のフードテックビジネスコンテストで、一次および二次審査を通過した11組が出場しました。

フードテックとは?活性化の意義

フードテックは“Food”と“Technology”を組み合わせた言葉で、最新のテクノロジーを活用して食に関する課題解決や食の新たな可能性を生み出す技術・サービスのことをいいます。消費者の健康志向や環境志向、食の価値観の多様化、食糧不足やフードロス問題などへの関心の高まりを背景に、近年世界的に注目を集めています。

日本でもフードテックによるスタートアップの動きが活発化する中、農林水産省が2020年10月に「フードテック官民協議会」を創設し、官民連携の取り組みを推進。その一環で、フードテック分野の新ビジネス創出を目的に同コンテストを開催し、食に関するビジネスアイデアを広く募集しました。

いよいよ本選スタート!

本選では11組の登壇者を、5名人の審査員の他、多くの協賛企業関係者や観覧者が見守りました。初めに主催者を代表して高橋孝雄・農林水産省大臣官房総括審議官が挨拶に立ち、「多くの応募の中から選抜された皆さんが、この新たな分野にアイデアを投じてほしい」と期待を寄せました。

そしていよいよ、各自7分のプレゼンテーション。募集プランは、学生・研究者・一般社会人等を対象とする「アイデア部門」と、団体・企業及びそのプロジェクトチーム、個人事業主を対象として事業計画までを求める「ビジネス部門」の2つが設けられています。それぞれの登壇者は、社会課題と解決のためのプラン、新規性や革新性、事業実現性などについて熱い想いを込めプレゼンを行いました。

登壇者とビジネスプランの概要

アイデア部門(登壇順、敬称略)

  • 米Time for Your Health
    安孫子 眞鈴 (山形大学大学院)

    高齢者の口腔機能を向上させることを目的としたグミ「米Time」を開発。咀嚼することで高齢者の寝たきり・認知症を予防する。

  • お菓子専用のデジタル自販機
    増田 真凜・立野 未紗(成城大学)

    フードロスの削減を目的とした菓子専用デジタル自販機。小売店から廃棄される菓子類に「第二の販売の場」を提供する。

  • セミの幼虫の自動収集装置の開発と加工・商品化
    伊藤 洋平(セミたま)

    将来予想される世界的なタンパク源不足への解決策として、セミの幼虫の食材活用を提案。身近にある「眠った資源」で新たな食文化を創出する。

  • シン・ゴハン『まあるいご飯のおやつ』
    小南 藤枝(衣笠屋)

    コメの消費減少と貧困層の子どもの栄養不良という二つの課題の解決策として、コメを活用した安くて栄養のあるおやつを開発。

ビジネス部門(登壇順、敬称略)

  • ペプチド養殖を実現するための革新的ペプチド高効率生産プロセスの開発
    上田 真澄(三洋化成工業株式会社)

    魚類の成長や免疫等を制御するペプチドに注目。研究を重ね採算性の合う方法論を構築し、実用化によって「ペプチド養殖」を目指す。

  • ナノバブルによる生産性向上と循環社会実現
    奥山 祐一(株式会社カクイチ)

    ナノバブル技術で有機栽培を支援し、地域を活性化する。農業のあり方を変え、人にも地球にも優しいビジネスモデルを提案する。

  • 全国の蔵元から厳選した日本酒缶ブランド
    玄 成秀(株式会社Agnavi)

    1合サイズの缶入り日本酒ブランド「一合缶®」「CANPAI」を開発。蔵の大小にかかわらず、地方の優良な酒蔵の魅力を発信する。

  • すべての人の未来に寄り添う「AI食」
    小山 正浩(株式会社ウェルナス)

    「AI食」は、個人の食と体のデータを解析し個別に健康改善をサポートするオーダーメイド食。スマートフォン向けアプリで気軽に利用できる。

  • イエバエによる資源循環~養虫産業の創出~
    木下 敬介(株式会社フライハイ)

    イエバエを活用して、食品廃棄物やバイオマスを食品や飼料、肥料に再資源化する技術。広がりが期待される昆虫利用の分野に新たな産業を生み出す。

  • 地球環境にやさしい宙(そら)ベジの普及
    木村 俊介(株式会社TOWING)

    高機能バイオ炭の活用によって農家の有機栽培を支援し、作物を「宙ベジ」としてブランディングすることで消費者へのメリットも創出する。

  • 雌雄産み分けによる高効率な精密畜産技術の開発
    白川 晃久(ルラビオ株式会社)

    世界初の豚の雌雄産み分け技術。世界的な食肉需要の増加に対応するため、生産の効率化によって持続可能な養豚産業を目指す。

フードテックビジネスプランコンテスト
初代表彰者が決定!

それぞれのプレゼンテーションに審査員による質疑応答が行われ、別室での審査を経て下記の通り各賞が発表されました。

審査員の株式会社ユーグレナ代表取締役社長・出雲充さんは「すばらしい発表でした。フードテック分野は日本でもっともスタートアップに親和性が高いと信じている」と講評。「ここにいるすべての方が、何度でも繰り返し努力を重ねてほしい」と激励されしました。

本選大会終了後は参加者で交流会

本選大会終了後には、参加された皆さんによる交流会が、その後、登壇者とベンチャーキャピタルや協賛企業の方々による個別アドバイス・マッチング会が開かれ、盛況のうちに閉会となりました。

最後に

最後に、当本選大会は、1次審査、2次審査を通過された方々に登壇頂きましたが、2次審査(ビデオ審査)を担当された審査員の皆様からは、本選大会に登壇された方々以外も、良いアイデアがあったとのお話がありました。来年度も開催を予定しておりますので、多くの皆さまが奮って当ビジネスコンテストにチャレンジ頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

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