演劇 カテゴリーの記事一覧 - キリンが逆立ちしたピアス(ブログ版)

演劇

デヴィッド・ウィリアムソン「対話」(俳優座公演)

劇団俳優座による、デヴィッド・ウィリアムソン「対話」の公演が今日から始まりました。 haiyuza.net 修復的司法がテーマの演劇ということで、私は初日のチケットを取って観てきました。この作品のなかで、レイプ殺人事件の被害者・加害者家族のサークル(円…

伊丹アイホール存続をめぐる議論

毎日新聞で、関西の小劇場であるアイホール(伊丹市)の用途転換が検討されていることが報道されました。アイホールは、小規模劇団のアート活動に貢献してきただけではなく、一般市民とともに活動するワークショップにも力を入れてきた。こうした幅広い活動…

「劇場が閉じた」ことの意味

新型コロナウイルスの影響で次々と劇場が閉じていく。それに対して、演出家の野田秀樹は「ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは「演劇の死」を意味しかねません」と訴える文章を発表した。 「野田秀樹さん『劇場閉鎖は演劇の死…

「演劇」と「労働」

ここのところ、演劇の話題が続いている。演劇人が新型コロナウイルスの影響で公演や稽古を中止せざるを得ず、経済的影響が劇場、劇団、舞台の技術スタッフ等多岐にわたり大きいため、支援を訴えているのである。野田秀樹、鴻上尚史、横内謙介といった著名な…

プラズマみかん第7回公演「わんころと揺れ雲をめぐる冒険」のお知らせ

これまで、このブログで何度か紹介してきた劇団プラズマみかんの「わんころと揺れ雲をめぐる冒険」の再演のお知らせをいただきました。 プラズマみかん第7回公演 「わんころと揺れ雲をめぐる冒険」 私たちが子供だった頃、隣町に魔物が現れた。 魔物は、地面…

川村毅「ニッポン・ウォーズ」

先週の20日に、京都造形芸術大学の授業公演として行われた「ニッポン・ウォーズ」を観てきた。「ニッポン・ウォーズ」の初演は1984年。川村毅が、劇団「第三エロチカ」のために書き下ろしたSF作品である。舞台は、「大日本資本主義共和国」と呼ばれる国で…

プラズマみかん「わんころが揺れ雲をめぐる冒険」

「わんころが揺れ雲をめぐる冒険」 作・演出 中嶋悠紀子 出演者 屋鋪柚佳/中嶋悠紀子/朝寝坊月眠。(Deity)/梅本和弥(TEAM☆RETRIEVERS)/小川佳子/舵竜矢(妄想プロデュース)/阪田愛子(劇想空飛ぶ猫)/つぼさかまりこ/ハシグチメグミ(baghdad café)/水…

パゾリーニ「豚小屋」(舞台芸術センター主催)

今日、パゾリーニ「豚小屋」の14時の回の公演を観てきた。 京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター主催 P.P.Pasolini’s PORCILE『豚小屋』 2011年6月4日(土)14時開演*/18時開演 *14時開演の部、終演後にトークを予定しております。 会場:京都芸術劇場 …

二兎社「シングルマザーズ」

東京である演劇の公演です。脚本は永井愛で、「児童扶養手当削減阻止」を求めるシングルマザーの当事者団体の事務所が舞台のお芝居です。 シングルマザーは無料招待だそうです!(枚数限定なので、はやめに事務所にチケットの問い合わせをしたほうがいいかも…

「エンジェルス・イン・アメリカ」と「日本国憲法」

チラシをもらって興味を引かれたので、書いておきます。両方とも京都の公演です。 一本目はトニー・クシュナー「エンジェルス・イン・アメリカ」。クシュナーは、同性愛者でユダヤ人であることをカムアウトし、ゲイ・リベレーションの担い手にもなってきまし…

女の体で笑うということ

1 「女性が一流の芸人になれるのか?」という問いがある。関西に住んでいると、吉本興業という会社はとても身近だ。朝から晩まで、テレビでは吉本の芸人が出ている。子どものころから、友達のお兄ちゃんやクラブの先輩が「吉本のお笑い専門学校に行った」「…

-IST[イスト]零番館休館騒動の、その後

以前、「-IST[イスト]零番舘が休館しました」という記事を上げたことがある。一応、当事者との話し合いなども持たれたようで、ひと段落したのかと思っていた。ところが、webを観覧していると、偶然、-ISTと関連した別の騒動が起こっていることを知る。 僕…

「沈黙のトークショー」

舞台芸術のML経由です。 playworks #0『沈黙のトークショー』 岸井大輔(劇作家/playworks主宰)+米光一成(ゲームデザイナー/立命館大学教授)+ゲスト11月29日(土) @ステーキハウスヒロキ(船橋市本町4-40-23 本町フリーマーケット2階 http://map.yahoo.co.jp/…

-IST[イスト]零番舘が休館しました

大阪の長堀橋にある-IST[イスト]零番舘が、10月21日に突然休館しました。id:Merineko*1さんが、現在わかる範囲で公演中止・変更の予定をアナウンスしてくれている。 【公演中止】 10/25(土)〜26(日) 劇想からまわりえっちゃん「欠落コンプレックス」 http:…

「DICTEE」(舞台芸術センター主催)

昨日、京都造形芸術大学にある、舞台芸術センターが主催する「DICTEE」*1の公演に行ってきた。「ディクテ」とは、テレサ・ハッキョン チャのテキストの題名である。ディクテ―韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール作者: テレサ・ハッ…

ガラカメ再開

ガラスの仮面 (第42巻) (花とゆめCOMICS)作者: 美内すずえ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2004/12/16メディア: コミック購入: 4人 クリック: 50回この商品を含むブログ (300件) を見る 4年ぶりに、「ガラスの仮面」が連載再開するそうです。 マンガ家・美内…

池内靖子「女優の誕生と終焉――パフォーマンスとジェンダー」

女優の誕生と終焉―パフォーマンスとジェンダー作者: 池内靖子出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 日本の近代演劇における、女優の扱われ方の変遷を、言説分析と戯曲分析か…

大島新「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」

先日、「夕坂童子」の記事で紹介した唐組を追ったドキュメンタリー映画を観てきた。2007年公演の「行商人ネモ」の脚本が出来上がってから、大阪公演初日を迎えるまでの記録である。多くの人の脳裏をよぎる「なぜ、今、唐なのか?」という疑問。唐の人となり…

唐組「夕坂童子」

2008年4月26日に、大阪精華小学校で、唐組「夕坂童子」を観て来た。演劇に行くというより、唐組にいく。廃校のグラウンドに赤く薄汚れたテントが劇団員によって張られる。制服姿の女子高生から60代の年配夫婦、一人からグループまで、思い思いの格好で集まっ…

「新世代の超リアル演劇論」

雑誌「文学界」で、岡田利規(劇団「チェルフィッチュ」主宰)、前田司郎(劇団「五反田団主催)、三浦大輔(劇団「ポツドール」主宰)と、柳美里が座談会をしていた。題名は「新世代の超リアル演劇論」。”しんせだい””ちょうりある”復唱して、かなしくなっ…

「若い演劇人のための基礎講座」(講演:宮城聰)

シアトリカル應典院*1で開かれている、「若い演劇人のための基礎講座」に見学にいってきた。本来は有料の連続講座だが、無料公開で一般参加者も入場できる「秋の特別講演」という企画が設定されている。*2 講演者は、元「ク・ナウカ」主催だった宮城聰。現在…

訃報・太田省吾さん

情報源がmixiというのも情けない感じだけれど、「太田省吾コミュニティ」に入っていたため、速報が入ってきた。私は演劇の世界と離れているので、がんで闘病中だということさえ知らなかった。 太田さんと言えば、沈黙劇が有名で「駅」シリーズや、「小町風伝…

イヴ・エンスラー『ヴァギナ・モノローグ』

ヴァギナ・モノローグ作者: イヴエンスラー,Eve Ensler,岸本佐知子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2002/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 95回この商品を含むブログ (28件) を見る 何度か日本でも上演されているので、ご存じの方も多いだろう朗読劇の…

『国文学』伊藤キムインタビュー

他分野雑誌の、演劇特集は義務的に買うようにしているんだけど、今回はさすがに・・・特集名が「現代演劇と世界同時性」っていうダサさもキツい。もう、10年くらい言ってない?「同時多発」とかさ。若手の劇作家・演出家のゆるーい演劇論が並んでました。わかり…