本
呻きから始まる 作者:栗田隆子 新教出版社 Amazon 友人の栗田隆子さんが、新著を出版された。栗田さんは、1980年代後半、日本がいわゆるバブル景気に湧く時代に青春期を迎えた。学校制度に違和感を持ち、社会への関心を寄せるなかで、高校に入学するとどうし…
3月末に「誰も加害者を裁けない」という本が出版されます。これは、京都の亀岡で起きた、集団登校中の子どもたちの中に車が突っ込んで、巻き込まれた方が亡くなったり負傷されたりした事件についての本です。著者の広瀬さんは私の古くからの知り合いで、京都…
アライダ・アスマン『想起の文化 忘却から対話へ』を読んだ。「歴史学の営み」と「記憶の継承」の政治的・社会的交錯を丁寧にときほぐし、未来へ向けて私たちのなすべき態度を示そうとした、挑戦的でスリリングな本だった。 想起の文化: 忘却から対話へ 作者…
ここのところ、演劇の話題が続いている。演劇人が新型コロナウイルスの影響で公演や稽古を中止せざるを得ず、経済的影響が劇場、劇団、舞台の技術スタッフ等多岐にわたり大きいため、支援を訴えているのである。野田秀樹、鴻上尚史、横内謙介といった著名な…
本当なら一冊ずつ紹介したい本だが、とりあえず忘れないように羅列しておく。 いのちへの礼儀 (単行本) 作者: 生田武志 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/03/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 自主講座「 公害原論」…
JKハルは異世界で娼婦になった作者: 平鳥コウ,shimano出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/12/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る この小説は「異世界」で性暴力と闘う女の子たちの物語だ。そして、「この世界」で性暴…
私は法学専攻ではないので、いつも司法制度について勉強するのには苦労しています。判例集なども見ますが、性暴力事例は残念ながら、あくまでも「法律の専門家」によって書かれており、「性暴力の専門家」がコメントしているものは稀です。 同じく、司法に関…
今年はほとんど読書はしませんでした。博士論文を書き上げるまでは仕方ないかとは思いますが、ちょっと悲しい状況です。 藤岡淳子「非行・犯罪心理臨床におけるグループの活用: 治療教育の実践」 非行・犯罪心理臨床におけるグループの活用: 治療教育の実践…
まだ買っていません。法はDV被害者を救えるか ―法分野協働と国際比較 (JLF叢書 Vol.21)作者: 法執行研究会出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2013/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る性暴力と刑事司法作者: 大阪弁護士会人権擁護委員会性暴力…
ちゃんと記事を書こうと思っていたのですが、まったく進まないのでピックアップだけでもしておきます。無期懲役囚の更生は可能か―本当に人は変わることはないのだろうか作者: 岡本茂樹出版社/メーカー: 晃洋書房発売日: 2013/01/01メディア: 単行本この商品…
罪火 (角川文庫)作者: 大門剛明出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2012/04/25メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 修復的司法をテーマにしたミステリー作品ということで、取り寄せて読んでみた。2009年に初版が出たようだが、この時点で大門さんがここ…
読書量が少なく、あんまり紹介記事も書けなかった一年でした。 坂上香「ライファーズ 罪に向き合う」 ライファーズ 罪に向きあう作者: 坂上香出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/08/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見…
少し古いまとめなのですが、子どもの頃に、性的虐待を受けたかたが、体験をツイッターで書いています。 「性的虐待を受けた子供のその後」 http://togetter.com/li/77543 記憶が四十年も消えず恐怖も拭い去れない。誰にも言えなかったことが尾を引いた原因で…
ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)作者: 杉山春出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/09/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (23件) を見る 2010年夏に、母親が二児を置き去りにした事件がある。三歳と一歳八ヶ月の二人の子どもたちは…
ソーシャルワークと修復的正義作者: エリザベスベック,ナンシー P クロフ,パメラブラムレオナルド,林浩康,大竹智,大原天青,小長井賀與,竹原幸太,中島和郎,村尾泰弘,山下英三郎出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2012/11/02メディア: 単行本この商品を含むブ…
ライファーズ 罪に向きあう作者: 坂上香出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/08/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 著者の坂上さんは、1990年代からずっと米国の刑務所の状況や、受刑者や依存症者の回復や社会復帰を…
生活保護法の改案の話が出ている。先日、生活保護についての書籍を購入したところなので書影を紹介。 和久井みちる「生活保護とあたし」 生活保護とあたし作者: 和久井みちる出版社/メーカー: あけび書房発売日: 2012/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリッ…
今年は少なめです。 卯月妙子「人間仮免中」 人間仮免中作者: 卯月妙子出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2012/05/18メディア: コミック購入: 18人 クリック: 430回この商品を含むブログ (159件) を見る 漫画ですが、今年、一番衝撃を受けた本なので…
オウム事件 17年目の告白作者: 上祐史浩,有田芳生(検証)出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2012/12/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (10件) を見る事情があって読んだのだが、なんとも言えない本だった。 上祐さんは1987年に…
現在、ある芸人の母親が生活保護を受けていた件が、マスメディアでもネットでも大きな話題になっている。問題となったのは、その芸人の母親が「不正受給」していたのではないかという疑惑が持ち上がったのだが、当事者の記者会見により、「不正受給」でない…
AV監督の二村ヒトシが書いた、女性向けの恋愛ガイドを読んだ。恋とセックスで幸せになる秘密作者: 二村ヒトシ,山本直樹出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/02/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 50回この商品を含むブロ…
こんな電子書籍が発行されています。無料で読めます。 「迷走する両立支援」2010 〜格差と少子化の国のワークライフバランスは、いま〜 http://p.booklog.jp/book/40576 この電子書籍は、『迷走する両立支援』の作者である萩原久美子と、「イクメンプロジェ…
今年も大晦日に、「なんとかこれだけは書こう」と決意して、大急ぎでアップすることに。(今年発売した本、という意味ではなく、今年の私の心に残った本という意味です) 大野更紗「困ってるひと」 困ってるひと作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売…
災害後の精神的支援に参加したいと考えている人がいるようです。私は、災害後の支援にはかかわったことがないのですが、いくつか、印象に残っている読みものを紹介します。 精神的支援は、数年・数十年のスパンで必要になります。災害直後にできることは少な…
10冊分の読んだ感想をまとめたいと思っているうちに大みそか。滑り込みでリストアップだけしておきます。ギリギリ間に合った! 川口有美子「逝かない身体」 逝かない身体―ALS的日常を生きる (シリーズ ケアをひらく)作者: 川口 有美子出版社/メーカー: 医学…
逝かない身体―ALS的日常を生きる (シリーズ ケアをひらく)作者: 川口 有美子出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2009/12/01メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 373回この商品を含むブログ (40件) を見る 第41回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したエッセ…
性犯罪被害とたたかうということ作者: 小林美佳出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/10/20メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ (11件) を見る どうしても紹介したい本です。小林さんが一冊目の性犯罪被害についての体験記を出版して…
先日、児童ポルノを法規制することについて、記事を書いた*1。私はバーチャル・ポルノの法規制に反対だ。また、子どもを性の対象にするという、欲望を禁止することもできないと考える。その前提の上で、子どもを性の対象とする人たちについて、<法規制とは…
Pen (ペン) 2010年 2/1号 [雑誌]出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ発売日: 2010/01/15メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (17件) を見る 今月の「pen」が草間彌生の特集を組んでいる。期待していなかったのだが、70ペー…
今年は、ほとんど新刊をチェックしなかったので、印象に残った本を。弟を殺した彼と、僕。作者: 原田正治,前川ヨウ出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2004/08メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 88回この商品を含むブログ (40件) を見る過去記事:「原田正…