どうもこんにちは。
暑いですね。ここ数日はエアコンを付けていても駐車状態ではちとキビシイ感じです。ですからお仕事のアポイントの間が空いてしまうと、どうしても駐車して時間を潰すよりも、どこかに寄ろうということになってしまいます。このシリーズ記事はそんな一生懸命に働くワタシの束の間の休息スポットを集めたものになります。
前回は5月、6月の立ち寄り記録でした。
それでは2023年7月の立ち寄り記録簿スタートです。
正伝寺(京都市北区西賀茂)
京都市街の北西の果てにあるお寺、正伝寺です。下の地図をご覧いただくとわかりますが、上賀茂神社から川を渡った西側にあります。
規模の大きな神社ではありません。敷地はそれなりに広く、緑豊かな参道は風情がありますが、観光的な見どころは限られており、参道を上がった先にある本堂とその庭園くらいです。なんとなく見るだけならものの2~3分で終わってしまいます。でも、ちゃんと理解してから拝観すると実に見応えのある素晴らしい寺院となります。
ではあらためて。
駐車場は山門に入る前に無料駐車場があります。数台~10台程度のスペースでしょうか。ただ、観光地としては比較的マイナーなことと、徒歩圏内に他の名所がほとんど無いことから、空いていることが多いのではないかと思います。
ワタシが伺ったのは平日のお昼頃でしたので空いているのは当然だと思いますが、レビューなどを見ても混んでいるという情報は見当たりませんでした。
そしてクルマを駐めると、山門をくぐって参道を上がってゆきます。
参道らしい木々や苔むした石垣があり、元々が静かな土地ということと相まって良い雰囲気です。
ものの数分程度でお堂に到着しますが、こじんまりしたものです。由来も1600年代に南禅寺塔頭金地院の小方丈(禅寺の住居のような感じ)を移設して本堂としているとのことですから当然と言えば当然です。中に入ると、20メートル程度の廊下があり、片や本堂内、片や庭園という感じです。
本堂内は撮影禁止なのですが、重要文化財のふすま絵などもあり、なにげに見応えがあります。ただ、このお堂、良くも悪くも普通に自然のままといった感じで、建物や建具の老朽化が進んでいるようにも見えて、文化財の行く末がちょっと心配w
そして庭園なのですが、これがなんとデビッドボウイが訪れ、涙したと言われる枯山水とのことです。ワタシが伺った際も、年配の外人さんが結構長いこと庭園を眺めていらっしゃいました。こういうものに対する感性って、もしかすると日本人だから理解できる、みたいなものじゃないのかもしれませんね。
写真のアングルが今ひとつで雰囲気が伝わりにくいかもしれませんが、バックに広がる比叡の峰を借景としているようです。この庭園については以下の記事でとても詳しく解説されていますので、ぜひご覧ください。
そしてさらにもうひとつ見どころが……。
血天井
方丈の広縁の天井は、関ヶ原の戦いの直前伏見城に立籠った徳川方の重鎮鳥居彦エ門元忠以下、 三百八十余名がその落城の際割腹し果てた廊下の板を天井としたものである。
正伝寺 公式サイトより
正直に言います。はじめは怖いもの見たさでした。
でも、無数の血の痕、のたうつような血手形を見上げていると、言いようのない寂寥感を覚えました。今も世界で起こっている戦争や紛争。ワタシたちは正義の名の下に戦争反対を叫びつつ、「敵」を弾劾します。日本は武力を行使していないだけで、大衆の「敵を憎む」心理状態は戦争しているのと変わらないのではないでしょうか?
じゃあ、だまって見ていればいいのかといわれるともちろん違うと思うし、要するに正解は見つかりません。結局、大昔から人間はずっと答えを見つけることができずに、殺し合いを繰り返しているだけなのかもしれないな、と思うと侘しさを禁じ得ないのでした。
せめて、善悪が表裏一体であることを忘れずに生きていこうと思います。
さわらびの道散策(宇治市宇治 宇治橋近辺)
さて、えらく湿っぽくなってしまいましたが、気を取り直して参りましょう。
さわらびの道というと、大抵の方は「どこそれ?」状態だと思います。京阪宇治駅の近く、平等院鳳凰堂の川を挟んだ向かい側です。平等院は宇治川の南側ですが、その北側にあるライトな散策路が「さわらびの道」です。下の画像の青いラインのルートになります。
ちょうどこのあたりにお客さんがありまして、そこに寄ったついでにひとまわりしてみました。当然ながらなんと言っても絶賛仕事中。平等院をゆっくり観光している場合ではありませんので、そちらはまた今度。
ちなみに平等院とは北にある宇治橋を渡らなくても、徒歩で中州経由で朝霧橋を渡って往き来することもできますから、ちゃんと時間を取って観光に来られる方は、ぜひ平等院だけではなくこのさわらびの道散策もお楽しみください。
では、ワタシがさわらびの道の散策中で立ち寄ったところを簡単にご紹介いたします。
朝霧橋
いきなりさわらびの道を外れていますが、まずは朝霧橋へ。橋のたもとには宇治十帖の像があります。宇治十帖とは源氏物語の最後の十帖、光源氏が没した後の物語で、名前の通り宇治が舞台となっています。朝霧橋からは前述の通り、平等院へ向かうことができますが、ワタシはそこまで時間はないので、橋の上から風景を撮影したのみです。
宇治神社
名所としての見応えは、はっきり言うとあまりありません。普通の小さな神社です。
などと言ったら怒られますね。本殿は重要文化財ですし、パワースポットもあるようで、好きな人にはたまらないのかもしれません。
宇治神社に伝わる故事「みかえり兎」にまつわる、神様のお使いといわれるうさぎの置物があったりしますので、そのあたりの歴史や伝承に詳しい方なら楽しめるかも。
ちなみに宇治自体が、うさぎと縁が深く、莵道(とどう)という地名がありますが、これを昔は「うじ」と呼んでいたそうです。
宇治上神社
宇治神社からすぐのところにあるのが宇治上神社。宇治神社とは元々は対を為す一つの神社で、明治以前には「宇治離宮明神」「宇治離宮八幡宮」と称されていたようです。前回の立ち寄り記録簿の日牟禮八幡宮の項目で書いたのですが、全国の八幡宮の主祭神は応神天皇とされています。この宇治上神社でも応神天皇は3人の祭神のひとりとして名を連ねていますし、昔は八幡さまの色が濃かったのかもしれませんね。
ちなみにあとの2人の祭神は応神天皇の子である仁徳天皇と菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)とのことですから、応神天皇が中心的な祭神なのかもしれませんね。しらんけど。
で、こちらも小さな神社ではあるのですが……素人目にパッと見て、建物の威厳が段違いです。(宇治神社さま、ゴメンナサイ)この記事を書くために調べて知ったことですが、この神社、実は京都・滋賀のそうそうたる面子で構成される「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録される社寺のひとつなんですって。(滋賀は延暦寺のみで、敷地には京都市左京区も含まれます)
- 賀茂別雷神社(上賀茂神社)(京都市北区)
- 賀茂御祖神社(下鴨神社)(京都市左京区)
- 教王護国寺(東寺)(京都市南区)
- 清水寺(京都市東山区)
- 延暦寺(滋賀県大津市坂本本町・京都市左京区)
- 醍醐寺(京都市伏見区)
- 仁和寺(京都市右京区)
- 平等院(宇治市)
- 宇治上神社(宇治市)
- 高山寺(京都市右京区)
- 西芳寺(苔寺)(京都市西京区)
- 天龍寺(京都市右京区)
- 鹿苑寺(金閣寺)(京都市北区)
- 慈照寺(銀閣寺)(京都市左京区)
- 龍安寺(京都市右京区)
- 本願寺(西本願寺)(京都市下京区)
- 二条城(京都市中京区)
たぶん、というか、ほぼ間違いなく最も知名度が低いのが、この宇治上神社でしょう。と言っても別にけなしているわけでもなく、むしろ賞賛しています。京都ですからこれらの寺社にとどまらず、まだまだ有名かつ大きな寺はいくらでもあります。宇治上神社と同じように小規模ながらも由緒正しいといった寺社は数え切れないほどあると言っても過言ではありません。
その中で、なぜか世界遺産に選ばれた宇治上神社。
その理由は主に、共に国宝に指定されている拝殿および本殿の建物の価値によるものと言われています。
まず、拝殿は鎌倉時代前期に建てられた寝殿造です。
しかし、どちらかというと主役はその拝殿の裏に佇む本殿でしょう。
建造はなんと平安時代後期。現存する寺社建築では最古のものとされています。写真では伝わりにくいですが、そう大きな建物でものないのに人の歩みを止めさせるような荘厳さがありました。
宇治市源氏物語ミュージアム
さて、宇治上神社をあとにして、数分歩くと見えてくるのが、宇治市源氏物語ミュージアムです。
こちらはミュージアムとなっていますが、博物館としては比較的小規模でざっと見て回るだけなら15分~30分程度でOKです。もちろん、説明書きをじっくり読んだり映像コンテンツをしっかり鑑賞するなら話は別ですけれど。
ここのコンテンツは、博物館と言っても古い貴重なものがたくさん陳列されていると言うわけではなく、あくまでも源氏物語の世界を感じることができる作り物と各種解説がメインです。でも、源氏物語の舞台としての雰囲気が感じられるこの土地にあることもあって、なんとなく雅な気分になることができます。
ワタシ的に一番楽しんだのは、源氏香ゲームです。
こういうヤツ見たことありませんか?
香の図といわれますが、五種類のお香を聞き分けるお遊びですね。五つのお香をそれぞれ縦棒で表し、同じ種類のお香同士を上部でつなげてやるのですが、この組み合わせは52通り。源氏物語全54帖のうち、桐壺と夢の浮橋の2帖を除く52帖の巻名がそれぞれの図柄に付けられています。
これを疑似体験できるのがこのコーナーです。
本来はきちんとお香を焚いてやるものですが、ここでは1~5の番号が振られた箱の中にお香が仕込まれていて、それぞれの香りをかぐことができるようになっています。そして、その異同の組み合わせに沿った香の図スタンプをパンフレットに押せるようになっています。面白いですね。
平日昼間で人が少ないのをいいことに、ワタシは10分ほどこの前に陣取り、鼻を悩ませました。ひとつ微妙なのがあったんですよね~。悩んだ甲斐あって、見事に正解! この答えを受付で申し出て正解だったらちょっと嬉しいことがありますので、ぜひ挑戦してみてください。(金品とか期待しないように)
いかがでしょうか? 平等院鳳凰堂という鉄板の観光地を抜きにしても、これだけ楽しめる宇治橋周辺です。もちろん、飲食店やお土産物屋さんもいっぱいありますし、特に宇治茶関連のお店(スイーツなども多いですね)もたくさんあっていつも賑わっています。ヘタするとこのあたりだけで丸一日楽しめるんじゃないでしょうかね。
ただし、ドライブブログですので一応言っておきますが、マイカー派のみなさまは注意して方がいいです。今回紹介した平等院の対岸側のコインパーキングの土日祝料金は、はっきり言ってぼったくりです。一時間1,000円以上の上限なしみたいなのがゴロゴロしてます。(平日や夜間は安いですけどね)
なぜか平等院側のパーキングの方が良心的な価格のところが多いので、そちらで探した方が良いと思います。(その代わり混んでると思いますけど……)
長いこと京都に住んでいて、仕事もしている身からすると「だから京都のメジャーどころの観光はイヤなんだ」と言いたくなってしまうところですね。
実は上で紹介した宇治上神社には無料駐車場があるのですが……ちょっとアレな注意書きが評判です。よっぽどムカつくんでしょうねw。まあ観光客のマナーが悪いのが元凶だとは思うんですけど、ちょっと世界遺産に相応しくなさ過ぎるので、この駐車場自体やめた方がいいんじゃね? と思ったりします。
余談でした。
咲くやこの花館(大阪市鶴見区 花博記念公園鶴見緑地内)
さて、お次は大阪は花博記念公園内にある咲くやこの花館です。室内型の植物園ですね。(一部野外の展示もあります)
大阪のお客さんを訪問したあとに立ち寄りました。ええ、ちゃんと仕事してるんです。訪問後、このあと京都の事務所まで戻るのはメンドクサイので北摂の自宅へ帰ることにいたしまして、それならちょっと時間に余裕あるよね……ということで、急遽Googleマップで探して向かうことにしたのです。
画像を拡大していただくとわかると思いますが、咲くやこの花館は敷地の南端の方にあります。その近くに中央第2駐車場がありますのでそこに駐車されると良いでしょう。昼間1時間300円の上限700円ですから安いものです。(駐車料金は普通車の場合です。記事執筆時点での情報ですのであしからず)
まあいいんですけど。平日昼間とは言え、ちょっとガラガラ過ぎんかね? と、ちょっと心配にはなりましたが、園内へ。ものの数分で咲くやこの花館に到着です。ちなみに館の横には展望塔があるのですが、営業停止中のようです。
地元の人に怒られるかもしれませんが、この展望塔……一目見た瞬間に、なんというか負の遺産的なオーラを発散しまくっているように感じました。大阪生まれの大阪育ちのワタシですが、花博の記念碑的な建造物であろうこの展望塔、まったくの初見です。ここで言う初見とは、初訪問という意味ではなく、ネットやテレビで見た記憶すら全くないという意味です。
おそらくは花博当時、報道などで目にしたことはさすがにあるのだろうと推察いたしますが、とにかく記憶にございませんw うちの近所の万博記念公園にある太陽の塔とはエラい違いです。やはり岡本太郎は偉大でしたね。
まあ、ワタシの記憶はさて置いても、(平日昼間にしても)人通りが少ないことと相まって、なんだか廃墟のよう。実際この記事を書く時に調べたら廃墟でほぼ正解。この横にある咲くやこの花館も、この廃墟オーラの影響を受けてなんだか暗い雰囲気が……。
でも、これはワタシが完全に間違っておりました!!!
咲くやこの花館、ステキ!!
確かにこの日は平日昼間でお客さんは少なかったです。でも、丁寧に手入れされた植物や手作り感のある植物の案内など、とてもスタッフの方々に愛されている施設なのだと実感しました。
室内型であることを活かして、熱帯、熱帯雨林、乾燥地帯、高山地帯それぞれの植物を一気に楽しむことができます。いくつか写真をご覧いただきましょう。順番は無茶苦茶です。スミマセン。
これらの写真はいわゆる常設展示なのですが、植物の生命力を感じさせられる良い展示です。さまざまな気候ごとに展示されていますので当然室内の温度や湿度もそれに合わせて変わります。まるで地球をひとまわりした気分ですね。そして、この日はちょうど企画展「虫を食べる植物展」が中央のイベントスペースで開催中でした。
なぜでしょうね? 食虫植物って、なんかワクワクするんですよねw
会場内ではなんだかやたら美味しそうなドリンク類が販売されていますし、食虫植物に囲まれて憩いのひとときをお過ごしください。……でもさ、食虫植物の解説で、「この館内で食虫植物に一番捕らえられるのはゴ○ブ○」とか書いちゃダメだって……。お茶目なスタッフさんたちですねw
あと、食虫植物の展示販売もありました。なぜでしょうね? こんなにワクワクするのに、買おうとは思わない。ほっほっほ。
ここはミュージアムショップも結構イイ感じでした。植物をモチーフにした雑貨や文具、飲食物など豊富に揃っていましたよ。ただ、サボテン飲料はあんまり美味しくなかったなぁw
想像以上に楽しかったです。特に展望塔の負のオーラを感じていた入館直前の想像からは遙かに楽しかったです。今度はお休みの日に周辺の公園の散策も合わせてゆっくり楽しみたいものです。
広沢池(ひろさわのいけ・京都市右京区嵯峨)
さあ、7月の立ち寄り記録簿のトリを飾るのは京都嵯峨にある、広沢池です。読み方は「ひろさわのいけ」です。
周囲1.3㎞ほどのちょっとした池なんですが、古来より歌に詠まれてきた観月の池として有名で、現在でもこの嵯峨のあたりが歴史的風土特別保存地区に指定されていることもあって、古来の風情が残る景色がステキです。
池の西側には小島(観音島)が造られており、掛けられた石橋を歩いて渡ることができます。ちょうどこのあたりの道が少しだけ広くなっていて、数分程度駐車して池を眺めるくらいは許されるような習慣になっています。あくまでも駐車場ではありませんし、クルマも2~3台がやっとというくらいなので、先客がいたら諦めるくらいの心づもりでどうぞ。
ただし、冬場は鯉などを漁獲するため鯉揚げと言われる行事が行われ、水が抜かれます。水は春先にかけて戻すため、水がない期間がけっこう長いのでご注意を。
まとめ
ふぅ。今月も一生懸命お仕事いたしました!
ワタシは仕事では基本的に京都市内を動くことが多いのですが、あらためて京都はクルマで観光しづらい街だなぁと感じますね。これだけCX-3熱をこじらせているワタシでも、嵐山とか清水、その他大きな寺社仏閣を観光するなら電車かな……って思ってしまいますもの。
そうでなくともそもそもお仕事中で時間が限られている分、そんな王道な観光地巡りはさすがにしていられませんので、少しマイナーなスポットを巡っているわけですが、京都や大阪の場合、そういう場所の方がかえって気持ちよくクルマで巡ることができてイイ感じです。
ちなみにこのブログで紹介したスポットをGoogleのマイマップにまとめています。
この記事以外で紹介したスポットも合わせて掲載しています。
ドライブで立ち寄った場所ばかりですので、クルマで訪問するのに適した場所が多いということと、王道以外の観光スポットが多いと思いますので、観光客でごった返す中の観光に疲れた時の立ち寄りスポットなどを探す参考になればと思います。
それではまた。